あの頃ペニー・レインと (2000/米) 123分






 「セイ・エニシング」「ザ・エージェント」のキャメロン・クロウ監督が
自身の体験を基に、ブレイク寸前のロックバンドのツアーの
同行取材を任された15歳の少年の姿を描いた青春音楽ムービー。
少年が恋する少女を演じるのはゴールディー・ホーンの娘ケイト・ハドソン。
幼い頃から厳格な母に育てられたウィリアムは真面目な性格。
母にウンザリした姉は18で家を出て弟にロックのレコードを置き土産に。
ロックの世界に魅了されたウィリアムは、夢を抱いて成長する…
15歳になったウィリアムは伝説的なロック・ライターに自分の記事が気に入られ、
有名音楽雑誌から仕事をもらう。さっそく取材で楽屋を訪れた彼は、
グルーピーの中にいたペニー・レインに一目惚れする。

 題名は有名で前々から知ってはいたけど、観たのは初めて。
まさか、あんな若い少年がバンドに同行してあちこち周ることになるなんてね。
世渡り上手なペニーのちょっと子悪魔的な魅力にやられました。
目が細くて、なんか遠山景織子みたいだなと思った。
あの甘い初恋がこの映画の良い味付けをしてたかも。
ラッセルの本命を観て、何かブサイクだと思ってしまったのは私だけ?
ロックのことはよく判らないけど、バンドの確執ってよくあるもんだよね。

 批評家がバンドに肩入れし過ぎて絶賛記事しか書けないのは問題ですよね。
でも商業主義の雑誌の意義とか考えると、批評ってそもそも何?ってなる。
正直に書け、とあったけどそれってかなり難しいことなんだなぁ。
ロックの人たちってあんなにもドラッグと女が付いてくるもんなのかしら。
そして気に入られたファンはツアーに同行しちゃってるし〜
日本じゃ考えられないよね?それとも普通にあることなのかな?
ウィリアムが劇中何度か無意味にほくそえむアップがあったのが気になった。
大した山場も無いけど、穏やかに進む空気が好きな人は好きだろう。

 “あの頃”ってフレーズで妙にセンチメンタルな気分にさせるよね。
終盤、ペニーは粋な計らいをしたなぁと笑みがこぼれた。
バンドの喧嘩は見てるこっちも不安になったけど飛行機はちょっと笑えた。
あと、バスの中で皆で一緒に歌を歌いだすシーンが好き。
あんな事が日常茶飯事なら毎度のことさと許せる器量も持ち合わせてなきゃね
ノア・テイラーが出ていたなんて後で知った…

 過保護な母親からの自律という点では状況判らず置いてきぼりがちな母親。
まぁ実際も、あんな感じで良いのかもしれないね。自分の人生だもの。
最後は何となく収拾着いて、ほんわか。
彼はまた、いつか逢えるかもって期待を抱いて生きていくんだろうなぁ。
ロック音楽的にはそんなに深く描いてる映画ではない。
しっとりロード・ムービーを求める人にはお勧めできる映画ですね。
バスの中でラッセルに肩寄せて眠るペニーが美しい。


アメリカ、家族のいる風景 (2005/独・米) 124分


 「ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ」の巨匠ヴィム・ヴェンダース監督が、
「パリ、テキサス」のサム・シェパードを再び脚本に迎え撮り上げたロードムービー。
主演も同じくサム・シェパード。人生もなかばを過ぎた一人の男が、
初めて“家族”と向き合おうとする姿を美しいアメリカの原風景の中に綴る。
共演はジェシカ・ラング、ガブリエル・マン、サラ・ポーリー、ティム・ロス。

 西部劇のスターとして騒がれたのも今や昔、老年期に入り、
すっかり落ちぶれてしまった俳優ハワード・スペンス。
突然すべてに嫌気がさした彼は、撮影現場から逃亡、母親の所へ向かうことに。
突然の帰郷にも息子を温かく迎える母。そこでハワードに思いがけない事実を告げる。
20数年前、若い女性からハワードの子供を身ごもったとの連絡があったというのだ。
まだ見ぬ子供の存在を知ったハワードは、昔の恋人ドリーンのもとを訪ねることに。

 ティム・ロス出演最新作だったので期待してて、(チョイ役ですが)
県外の映画館にまで足を運ぼうかとさえ思ったんですが…レンタルで足りました。
何だろうな〜正直、薄味過ぎる印象です。とりあえず、荒野は綺麗でした。
家族愛を語るには浅すぎて、雰囲気だけで終わってしまった作品な気がします。
ティム・ロスは俳優ハワードを見つけて連れ戻す得体の知れないキャラでした。
冷めた人間嫌いなんだけど、ちょっと待ってやったりするのね。
カウンターでの変なやりとりには何の意図があったのか…変なの。

 骨壷抱えた娘まで突如現れ、明確な答えのないまま、つづく…で
映画は終了してしまった。いいのか、それで?アリなの?
部屋の中の物を外に投げまくる様は勿体無い病の私にはきっついわ〜
あの息子にしたって、もう20代後半…なんか珍しい設定だよな。
今まで会ってなかったからって親父にああも素直に反発できる年でもないような。

まったり鑑賞系なんだろうな。もっと年を重ねてから再見してみようと思う。


イージー・ライダー (1969/米) 95分






 監督・脚本:デニス・ホッパー 製作・脚本:ピーター・フォンダ。
主演もピーター・フォンダとデニス・ホッパーが務める。
共演に若き日のジャック・ニコルソンが出演してるのもミソ。

 マリファナ密売で儲けた大金をタンクに隠し、真のアメリカを求めて
オートバイで放浪の旅に出る二人のヒッピーを描いた作品。
“自由とは何か?”、“それは、どこに行けばあるのか?”
低予算ながら、そのテーマは多くの人々の共感を得て、大ヒットとなった。
'69年代のアメリカという時代性を強く反映させており、挿入歌も名曲揃い。
今でも色褪せずに、世代を超えて愛され続けている。

 父さんが懐かしがってDVDを買ったので、一緒に拝見。
最初見た時は、何が面白いのか、何が凄いのか、サッパリ。
ただ、ひたすらのんびり旅して、ここ行って、遊んで〜みたいな映像ばかり。
もう退屈で退屈で…負けた。途中で眠ってしまいました。
そして今回、2年も経ってから再チャレンジして見ました。
とりあえず、ピーター・フォンダを初めてマトモに見ました。
娘のブリジット・フォンダの方しか知りませんので…
格好いいっすね!キャプテン・アメリカって…名前も凄い。
デニス・ホッパーは名悪役として有名だけど、この頃は普通に男前なおっさん。

 なんか全体的にイメージムービーみたいな感じでしたね。
とにかく、ロックやポップス、音楽がふんだんに使われ、セリフは少ない。
ヒッチハイカーを当然のごとく拾って一緒に旅し出しちゃうんだから…
この頃のアメリカは、そこまで物騒じゃないし、当たり前感覚なのかな?
ドラッグを普通に吸ってるシーンも出てくるので嫌な気になる人もいるかも。
何か意味ありげなショットが多いんだけど、結局何だか判らなくて。
全体を通して見ると、やっぱり荒削りな印象は受けるね。
テンポとか、最近の映画のような見る人に対する気配りはありません。
でもだからこそ、大好きな人もいるんでしょうね。

 途中でジャック・ニコルソンが出てきた辺りから、私も入り込んできた。
若いねー!普通に男前だし。三人で謝肉祭に行く為に旅を再開する。
3人でレストラン入って、若い娘たちにキャーキャー言われてる所がおかしかった。
焚き火のシーンでの会話が一番印象に残っている。
『君が自由だからさ』 「自由の何が悪い?」 『悪くはないさ』
『自由を説くことと、自由であることとは別だ。』
『人は君に、自由を見る。だから恐れる。』
『アメリカ人は、自由を証明する為だったら人殺しも平気だ。』
このシーンが、この映画の核を語っているんじゃないでしょうか。
『夜に、食用カエルと話したことあるか?』ってセリフも覚えてしまった(笑)
あの後、まさかあんな事になろうとは…前言撤回です。
何であんな仕打ちを受けるんだ?余所者に対する差別意識か?
ラストも驚愕した。こんな終わり方って…強烈だったけどさ…あっけない。悲しい。
人々は自由な彼らを恐れ、嫉妬し、憎悪した。何故だ?
誰にも依存しない、属さない…そんな強さを受け入れる器は無いに等しいのだ。

自由の国だけど、自由に生きてはいけない国なのですね。

 冒頭の二人がバイクに跨って気持ち良さそうに走ってるシーンで、
ああ、こんな風に気ままな旅をしてみたいなぁ…なんて思った。
金がいっぱい入ったら、仲の良い友達と一緒にさぁ。
バイクと、旅と、音楽と…そのどれかが好きなら結構はまるのかも。
ストーリーといい、雰囲気といい、不思議な映画でした。


エリザベスタウン (2005/米) 123分






 「あの頃ペニー・レインと」「バニラ・スカイ」のキャメロン・クロウ監督作品。
主演は「ロード・オブ・ザ・リング」シリーズのオーランド・ブルーム、
共演に「スパイダーマン」シリーズのキルステン・ダンスト。
スーザン・サランドン、アレック・ボールドウィン、ジェシカ・ビール。

 シューズ会社に勤めるデザイナーのドリューは、
長年開発に打ち込んできた画期的なシューズが予想を大きく裏切り
10億ドルもの大損害を招き、会社をクビになってしまう。
恋人にも捨てられ生きる望みを失ったドリュー。自殺しかけていた彼の元に
妹から電話が。故郷で父親が心臓発作で亡くなったという。
父の葬儀の為にケンタッキー州の小さな街、エリザベスタウンへ向かうドリュー。
全てが済んだら自殺をし直そう。失意の彼は飛行機の中で、
陽気でお節介焼きのフライト・アテンダント、クレアと出会う…

 今やすっかりミーハーファンの多いアイドル的な印象のオーリーこと
オーランド・ブルーム主演の映画なんだけど、ロードムービーだ!
映画館では今まで見た覚えの無いジャンルなので挑戦してみた。
「あの頃ペニー・レインと」はソコソコ良いんだが最高!ってわけじゃない。
ダラダラ感もちょっとあって、全体的に長い印象を持ったんだけど
この映画もそれに似た感想を持ったね。親戚連中のくだりは退屈だった。
でも、悪いわけじゃない。音楽がふんだんに使われててプロモっぽくもあり。
主なテーマが3つあって、素敵な相手と巡りあうラブ・ストーリーと
すべてを失った青年が故郷に帰って自分を見つめ直す話と
亡き父との旅で心を癒される…みたいな。

 まず納得いかない所を。会社があそこまで勝負賭けてたシューズが
どういう理由で大失敗になったのか、全然判らない。
何か重大な見落としがあったのか、デザイン?でも売る前に検討するっしょ。
過去にドリューが色んな靴デザインして脚光浴びてきたのに、何故あれは??
冒頭のシューズの件で社長が出てきてネチネチ言われるシーンは
そういった理由が明らかにされてないと描く意味が然程無いと思う。
ナレーションでチラッと見せて、会社で大失敗して首になって彼女にも振られ…
って簡単に説明だけして旅行を始めて欲しかった。
父との思い出も具体的なもんがいっぱい欲しかったけど
ぼやかしておく方が観る人が自分の境遇に当てはめ易いとか?

 キルスティン・ダンストは相変わらず顔が…なんだけど可愛く見えるのは何故。
長電話して朝日を観に行ったり(天気悪かったのがおかしかった)
ホテルの隣りの部屋は結婚パーティーやってたり
妙なユーモアもあったけど、家爆破ビデオは何が何やら…
時々、まったり過ぎて眠ってしまうのを防ぐ為か、
子供が車運転しようとしたり、鳥に火が付いたり、何か急展開を見せそうで
それでいて結局大したコトにはならなんだ、ってシーンがあった。

二人がどんどん惹かれていくくだりと、後半のドライブ全般が大好き。
映画館の大画面で見ると、まるで自分が旅してるような錯覚に陥る。
手から灰が飛んでいくシーンとか映像美が凄く栄えた。
音楽だけでセリフが聴こえないシーンが良い味出してたな。
何だかよく判らないけど、ウルッときたりジーンときたり。
あの年代の音楽に詳しかったらもっと楽しめたのかもしれない。
もっと編集してテンポ良く、それでいてあの空気を保ってくれれば名作かもよ。
今回は現代劇で演技が高評価されたオーランドだけど
私はどうもそこまで上手いとは思わなかった。釈然としない表情多くて
それでいてどのシーンも大抵似たような表情してたよーな気がする。
その顔が今でも目に浮かぶわ。それが名演技って言うならそうなのかも。
人に薦めるタイプの映画じゃないけど、好きだよ、コレ。


glowing growing グローウィン・グローウィン (2001/日) 92分


 堀江慶監督は初めて映画を作ったそうで…顔観てビックリ。
若い。百獣戦隊うんたらレンジャー出身だったそうな。
でもまぁ監督は映画には出てないけどね┐(゚〜゚)┌
スタッフ達の平均年齢が22歳だって!!若い連中の作った映画かぁ〜

 内容は、集団自殺。
この映画、映画館で宣伝だけ、たまに見かけてたんだけど
宣伝だけでなんだかウルッときちゃったんですよ…
凄い印象に残ってた映画だったんで、レンタル屋でみかけて即借りました。

 ふたりの男が自転車で500qの距離を走り、
ネット募った出集団自殺するとある港町まで旅をする…
ふたりの死にたいと思う境遇は違うわけなんだけど、
お互い幼なじみで、できれば友情のエピソードとかも入れてほしかったかも。
ひとりは典型的な内気ないじめられっこタイプで
ひとりはちょっと短気で、すぐ行き詰るごくまれにいそうな普通の男。

 ひとりは学校時代でもいじめられ、バイト先でも嫌な思いばっかりしてて
ひとりは彼女に弄ばれ、過ちを犯した罪悪感と逃避から…

 カメラアングルが好き。
自転車で田圃や道路を走ってる映し方が凄い好き。
音楽もたまにウルッとくる…
さすがに初映画だけあって荒削りなストーリーではあった。
所々、テンポが悪かったり、スピードが落ちてしまったり。
でも、なんとなく伝えたいような想いはわかった。

 死ぬこと自体が目的なのではなく、そこに自由への逃避という願望がある。
やはりテーマとなってくるのは、自分は必要な人間なんだろうか
生きてても楽しいことなんて何にもない。という言葉
この映画には残念ながら、ハッキリとした答は見出せていない。

 ちょっと興味を持って「集団自殺」でネット検索してみた。
多くは実際にあった集団自殺の事件の話や、死にたい奴は勝手に死ねば?とか
自殺はとめたい…といったようなサイト。
その中で、ちょっと心に残ったのは…

 たとえば100個の悲しいことがあっても1個でも嬉しいことがあるならば
たとえば1000の辛いことがあっても1秒でも幸せだと思う瞬間があるならば
私は、生きていきたいと思う。

 自殺は迷惑だとか、社会の利益、不利益とか、色々議論もされてた。
「自分の人生は自分で決める」劇中でも使われていた痛いセリフだ。
そこまでの凄い衝撃とか、問題作ではないんだけど
この傷の痛みが分かる人が見れば、深読みするだけで充分痛感しそうだから。
かといってそういうのを期待して観てほしくはないし。

 もっとドロドロしてるかと思ったんだけど、
そこらへんの描写は少し下手だったと思う。
でもテーマがテーマだったからなぁ…
「自殺サークル」とは全然違った観点から物事を見てる気がする。
ナイーブというかなんというか…
そして主人公のひとりが凄い吉岡君(北の国からの純くんね。)に似てるような気がしてならない。ちなみにこの映画での役名も「じゅん」でした。
あの雄叫びが今でも残ってる…


最高の人生の見つけ方 (2007/米) 97分


 「スタンド・バイミー」や「ミザリー」のロブ・ライナー監督作品。
主演はジャック・ニコルソンとモーガン・フリーマン。
 病院で偶然同室になった赤の他人の二人。
金は腐るほどあるが、見舞い客が秘書しか来ない大富豪エドワードと
貧乏で家族の為に身を粉にして働いてきた苦労人カーター。
全く共通点のなかった二人が、共に余命半年の宣告を受けた。
二人は、死ぬまでにやっておきたいことをリストアップし、実行しようと、
“棺桶リスト”を手に世界を飛び回ることに。初老男性2人の最後の旅が始まる。

 ネットで応募したら翌々日にアッサリ当選した試写会にて鑑賞。
主演の二人がバンジージャンプに挑戦したりエジプト行ったり、あちこち飛ぶので
某サイトで“老人版ジャンパー”なんて呼ばれておりましたが…
日本マーケットも意識して日本にも行くのかな?とちょっと期待しましたw
どうせなら京都に飛んで清水の舞台で撮影とかして欲しかったり。無理か。
とりあえず、ニコルソンの読んでた雑誌の名前が「SAMURAI」だったり。
色んな国、場所でフリーマン演じるカーターの物知りウンチクが発揮されます。
変な話、貧乏した苦労人さんは現実にも物知りさんが多い気がするのですが。

 うん、ただのしっとり系ではなく、笑いも織り交ぜてあり、しんみりも挟み、
ズシンとくる深みは少々押さえ目だが、そこがまた和む部分でもあり。
ニコルソンの演じる偏屈な富豪じいちゃんが小憎たらしくも可愛らしい。
ニコルソンの御付きの秘書トマス(ショーン・ヘイズ)もいい味出してました。
「お前が私だったらどうする?」「秘書に全財産遺します」で笑いが起こってた。
冒頭に登山していた人物が、彼でしたという演出もジーンとくる。
「コ・ピ・ルアック」がどんなものだか分かってこっちも驚きました。
飲んだことありませんけどね…でもあの病院のシーン良くできてたなぁ。

あと、フリーマンが酒場で美女と知り合い、山頂の話を聴いてるシーン。
フリーマンの瞳の中にキラキラ輝くものが宿っていたのは錯覚じゃないはず。
あのシーンは美しかった。私も光景が浮かんできて心が動いた。
その後、美女が仕掛け人だったことバレバレで仲がこじれるわけだけども。

しかしね、凡人にとっては凄い贅沢な余生ですよ。

残り時間は限られてるけど、お金だけは申し分なくあるわけですから。
それを使って思いつく、死ぬ前にしときたいことをとことんエンジョイ。
普通の人がこうなるには、まずは奇跡的に大富豪と同室にならなきゃ(笑)
でも結局は、最期は何処で死にたいかって言ったら…ねぇ。
まぁ夢のあるフィクション映画にそこまでリアルを追求するのはナシで。
だいたい余命半年であんなに元気に動き回れるわきゃない。

 ちょっとしたロードムービーみたいでした。旅に出たくなりますね。
最後らへんは私もウルッときて、ちょっと危うかった。優しい感動。
「世界最速のインディアン」と似た空気があったような気もします。
どちらも年を重ねた名優が演じていて落ち着いて観れるからだろうか。
内容的には「死ぬまでにした10のこと」とかぶると言われてますね。
死ぬまでにしたいこと…私もどこかにリストアップしておこうかなぁ。
この試写会は当たりでした。90点!!!レンタル落ちしたらまた観よう。
ちなみにニコルソンは映画の宣伝で来日し、邦題には不満だった模様。
「今までにした最高のキスは?」の質問に「全部だよ!」と即答(笑)


世界最速のインディアン (2005/ニュージーランド・米) 127分






 愛車“インディアン・スカウト”を40年以上もかけて改良し続け、
63歳にしてニュージーランドからはるばるアメリカへ渡り、
世界最速記録を打ち立てた伝説のライダー、バート・マンローの実話を映画化。
主演は「日の名残り」「羊たちの沈黙」のアンソニー・ホプキンス。
監督は「13デイズ」「リクルート」のロジャー・ドナルドソン。

 ニュージーランド南端の町、インバカーギル。
小さな家に独りで暮らしている初老の男バート・マンローは、
40年以上も前のバイク“1920年型インディアン・スカウト”を自ら改造し、
ひたすら速く走ることに人生を捧げてきた。
彼の夢は、ライダーの聖地、アメリカのボンヌヴィル塩平原(ソルトフラッツ)で
世界記録に挑戦すること。いよいよ肉体的な衰えを痛感し、
もはや挑戦を先延ばしにはできないと悟るバート。
何とか旅費を作り、船内コックとして働きながら渡米、はるばる約束の地へ向かう。

 随分評判が良かったんですが、どうも車とか興味の薄い私は
たとえアンソニー・ホプキンス主演でも映画館には行きませんでした。
レンタルになっても、どこか避けていたような…タイトルからして触手が伸びない。
でも、でも、やっぱりタダの喰わず嫌いでしたー!!!良い映画でした!
何だろうね、別に物語に凄い意外性があるわけでもないし、屈指の名シーンとか
ドキドキハラハラが凄いわけではない。限りなく癒し系なロードムービーみたいな。
インディアン、あんな小さいんですね。乗ってる姿が可愛らしい。
王道ベタなストーリーをなぞるだけなら「ふーん」で済むんですが、
実際に映画を観終わってから得られるものは大きく違う。それが良い映画。
あんな飄々とした心持で、いつくになっても夢を志を持ち、
無邪気に前向きに人生を生きる老人になりたいと思った。
そして、ありえないくらい関わる人たちが皆良い人だったのも
リアリティがない、と言ってしまえばそれまでだが、和みました。
きっと、バートの人となりがそうさせるんじゃないかな〜と。

 
初対面で怪訝な顔をしている相手にだって、名乗って握手を求め、
媚びるでも、ふてぶてしくもなく旅の目的を友好的に話す。
彼のことを慕う少年も、口説かれているおばさんも、
選別をくれたヤンキー暴走族も、タバコを注意されてる船員たちも、
モーテルのオカマちゃんも、中古車の店長も、
通りすがりのネイティブ・アメリカンも、行きずりのばあさんも、
故郷に戻る若い兵隊さんも、ソルトレイクで出逢う同志たちも。
バートの持病は、普通の映画だったら何かしら障害になってくるフラグだけど
実話だものね。モーテルの彼女に親切にしてもらい、
「やっぱり男には見えん」『私は女よ』の別れ際とか、
中古車の店長に気に入られるくだりとか、見ていて顔が綻んだ。
塩の大地って凄いですね。これもロードムービーの醍醐味ですが、
大自然の素晴らしい景色を堪能できる。あんな場所もあるんだなぁ。
せっかく来たのに登録してないゴタゴタがあったりで、
最終的に走って皆を驚かせちゃうのは爽快感ある。
個人的には旅の途中で親しくなった人たちに結果報告して
ニュージーランドにのんびり帰って欲しかった気がしないでもない(笑)
終わってみれば大した障害もなく目的が達せられたんだけど、
それまでの旅の過程と、バートの人格と、セリフの数々に惹かれました。
時速288kmの新記録を樹立させ、さらに自分で自らの記録を何度も破り、
非公式記録だがインディアンの最高記録は時速331kmらしい。
未だにその記録は破られていない…の字幕でウルッときました。

最初は何だこの興味をそそられないタイトルは…
と思ってたんですが、
終わってみれば、これこそが一番しっくりくるタイトル以外の何者でもなかった。
粗を探せば、きっとある。でも、悪い部分
を探す気になれない。
そのくらい作品の愛嬌と名優の貫禄と、素晴らしいロケーションと情熱が伝わる。
家族と観たんですが、満場一致で名作認定されました。心が暖まります。


テルマ&ルイーズ (1991/米) 128分


 リドリー・スコット製作・監督作品。
気の弱いテルマ(ジーナ・デイヴィス)と
気の強いルイーズ(スーザン・サランドン)が主婦同士で夫に内緒で
バカンスに繰り出そうと荷物をまとめ車で旅に出る。
目的地は知人の別荘。ところが羽目を外して楽しむ二人に災難が…
テルマをレイプしようとした男をとっさに撃ってしまったルイーズ。
二人はそのまま現場から逃亡し…

 無名だったブラッド・ピットがこの映画で話題になったそうで。
「あの美青年は誰だ?」とさ。カウボーイハットがよく似合っていた。
サービスショットも観れるのでファンは必見っ!
ガラリと変わる人柄もよく出来てるなぁと感心した。
刑事役にハーヴェイ・カイテル。
ルイーズの夫役にマイケル・マドセンが!好感触な人柄でした…

 男という存在にすがって生きていた主婦の二人が旅の中で
様々な体験をしていくうちに、外れた心の枷…
加速していくスピード、どんどんエスカレートし暴走していく。
ロード・ムービーとして映像も綺麗だし
この二人の気持ちにちょっとでも共感できれば最高の気分になれる。
が、二人の考えが全く理解できないとラストに置いてきぼりを食らいます。

 二人のやり方に酷さを感じるかもしれないけど
トラックの野郎は当然の仕打ちだと思って一緒に笑った。
ファッションも限りなくダサいはずなのに、ここでは格好よく映る。
刑事さんは何故あそこまで優しかったのだろう…

 運が良すぎる二人…もう元には戻れないと思ったんだね。
終盤を見て、L'Arc〜en〜Cielの例のプロモはこれを取ったなと確信。
DVD特典にもうひとつのエンディングがあるので必見!
特に凄い類の映画ではないけれど、中々面白いし一見の価値アリ。


トランスアメリカ (2005/米) 103分




 性同一性障害(トランスセクシュアル)に悩む父親と
愛を知らずに育った息子が、アメリカ大陸横断の旅に出るロードムービー。
主演のフェリシティ・ハフマンは、女性になろうとしている男性という
複雑な役どころをみごとに演じてアカデミー主演女優賞にノミネートされたほか、
ゴールデングローブ賞主演女優賞を獲得するなど高い評価を受けた。
共演は「ドーン・オブ・ザ・デッド」のケヴィン・ゼガーズ。
他、フィオヌラ・フラナガン、バート・ヤング。監督は新人ダンカン・タッカー。

 若い頃から男性であることに違和感を抱き、
いまは女性として独りLAで慎ましい生活を送るブリー。
ようやく肉体的にも女性になるための最後の手術に許可が下りた矢先、
彼女のもとにニューヨークの拘置所から1本の電話が掛かってくる。
トビーという17歳の少年が実の父親“スタンリー”を探しているというのだ。
トビーは、ブリーがまだスタンリーという男性だった時代に、
ただ一度女性と関係を持ったときに出来た子どもだったのだ。
こうしてブリーは渋々ながらも、トビーの身元引受人としてニューヨークへ…。

 何となく気になるタイトルだったのでレンタル。ロードムービー大好き。
まず、主演の人のこと何も知らなかったので、男性なんだと思ってた。
そう、騙された!後で調べたら、この演技で色々賞貰ってますね。
映画の雰囲気が全体的にスローでのほほんとしているので、
休日の昼下がりにボケーっと見るのに最適なジャンルでしょうかね。
勿論、ゲイとかオカマとか生理的に受け付けない人に鑑賞はお勧めしません。
真面目一辺倒ではなく、ちょっと脱力感ある間も織り込み、
「こういう人にもいろいろあるのね」とストーリーは続いていく。
ゲイ(ゲイじゃないけど)ムービーにありがちな、ハイテンションな主人公じゃない。
年相応の、しとやかな生活を夢見るおばさまなの。(おじさまだけど)

 最初にブリーは教会関係者のボランティアだと偽り息子と旅に出る。
実は男だといつ、どういうタイミングでバレるか、また男であり父だと
肝となるカミングアウトが二段階あります。
普段は不真面目で若者特有の気だるさとオープンさを持ち合わせている
トビーがどういう心境でこの奇妙な旅の同行者を見ているのか…
旅先で色々あります。山場は車と財布を盗られたのと、アレを見られたことと、
そしてブリー(正確にはスタンリー)の実家を訪れるあたり。
実家の母親が最初はけちょんけちょんに言ってた浮浪少年が、
実の孫だと知ると気持ちいいくらいの態度の変わり様!猫可愛がりよう。
夜に実の息子に迫られてあたふたするブリー。こっちもあたふたしたよ。
その後、再会した息子の金髪に染めた髪…似合わねぇーーーっ!!

これといって掴み所は軽いんだけど、惹かれるものは持ってる。
フェリシティファン必見!これからは彼女を女として見れるかな?
なかなかいい拾いものでした。ロードムービーとしては秀作かと。


ノット・ア・ガール (2002/米) 93分






 アメリカの人気アイドル歌手ブリトニー・スピアーズの初主演映画。
共演にゾーイ・サルダナ(キット)、タリン・マニング(ミミ)、
アンソン・マウント(ベン)、ジャスティン・ロング(ヘンリー)、ダン・エイクロイド(父)。
監督は「ガンクレイジー」のタムラ・デイヴィス。若者向け青春ロードームービー。

 ニューオーリンズに住むルーシーは父親と二人暮らし。
父の期待に答え、勉学に励み、高校の卒業式で総代を務め、医学の進路へ。
小さい頃に親友だった女友達のキットとミミとは今は疎遠になっていたが、
昔、公園に埋めたカプセルを掘り出す誓いをしたのを思い出し、落ち合う。
カプセルにはルーシーの離れ離れになった母親に逢いたい思い、
キットの結婚願望、ミミの世界を旅したい夢が詰まっていた。
ミミは2人にお互いの夢の為、一緒にロスまで旅をしようと持ちかける。

 随分前に友達の家で見せてもらった懐かしい思い出のある映画。
ブリちゃん主演のアイドル映画ですからね。そんなに出来はよくないんですが、
何故だか、最終的には許せてしまうんです。何か爽やかな気持ちになるんです。
映画が始まった当初は、「え〜?ブリトニーが優等生?卒業生総代?
医者の道だ〜?処女だ?どんだけ逆転の発想ですか?!」と思うの(笑)
最初のシーンから始まって、ちょこちょこ唄うサービスシーン満載。
ジャスティン・ロングとのショボいベッドインのシーンでどうしようかと思っちゃった。
ベン役の人が全然格好よくない!とどこかの感想サイトで批判されてたけど、
私は普通にワイルド系で気の良い兄ちゃんで好感持てたなぁ。
キットの子、「へイヴン」の子だとは…こっちの方が年取ってるように見えるな。
ラジー賞、作品、主演女優、監督、脚本、音楽、ワースト・スクリーン・カップル、
最も空疎なティーン向け映画賞にノミネート!すさまじいな。血祭りだな。
その中でも見事、主演女優賞と音楽賞を受賞してしまいました。

 この映画見る前までは、ブリトニー自体そんなに興味なかったんですが、
これを期にアルバムとか買い始めちゃった自分がいるのも事実。
劇中唄う I Love Rock 'n' Roll は歌唱力はないけどノリが良かったし、
ドラマチック(?)に作られた I'm Not A Girl, Not Yet A Woman も
聴き易いし、丁寧で気持ちが籠もってたような気がする。
この曲のPVもやけに金かかってて、壮大な景色だよね。
エンディングのOverprotectedも大好きになった。ノリがよい!
ストーリーには突っ込み所満載なんですけどね。
ミミ、あんた歌手になる夢が目的で旅してるのに、たかがバーのカラオケ大会で
あがって友達にメインボーカル代わってもらってんじゃないわよ。
しかもその後も、夢をもう諦めたのか、コーラスに甘んじてしまう。
現実問題、ああいう流れになったらルーシーに嫉妬して大変だと思う。
バーでのおひねりであんなにお金儲かるか?ちょっとやり過ぎじゃ…
ルーシーママ、いくらなんでも親が子供にあんなこと言わないだろ。
そしてキット。結婚を約束した彼が女友達をレイプしてたという衝撃の事実。
甘い!1発パンチじゃ足りん。原型留めないくらいにボッコボコにすべき。
にしてもどうしてあんな分かり易く青いビン持ってるかね。
ルーシーついに初体験!ってキス以上のラブシーンカット?〜アイドルだから?
頑なだったルーシーパパ、タクシーでの一言だけで説得される。

砂漠の丘に登るシーンとか、風景が綺麗に取れてるのがイイ。
車内で旅気分ルンルンなのもロードムービーの醍醐味ですよね。
あと「スタンド・バイ・ミー」とかでもあるけど、クシャクシャのお金を出し合って
まとめて、あれを買ってこれを買って…みたいな流れも個人的に凄く好き。
なんか現実じゃありえ無そうだけど。誰がいくら出してるからとかドケチそう。
DVDの特典映像でブリインタビューとか未公開シーン集、PVなど収録。
何だろうね…始まりの方のブリトニーはどことなく華が足りなかったんだが
どんどん良くなってく。歌う彼女は輝いてるね。やっぱ本業歌手だからね。
ブリトニーファンなら楽しく観れること間違いなしだと思う。
所詮はブリの為のアイドル映画だと割り切れば、それなりに良い出来かと。


パーフェクト・ワールド (1993/米) 138分


 1963年のテキサス。相棒と一緒に刑務所を脱走したブッチは
ある民家に押し入り、そこの8歳になる男の子を人質に車で逃亡することに。
ブッチと何やら因縁のある刑事のレッドたちが彼らを追跡するなか、
相棒を始末したブッチとフィリップは奇妙な絆を育んでいくのだった…。
クリントン・イーストウッド監督・出演、ケビン・コスナー主演が話題を呼んだ映画。

 「この映画に出てくるケビン・コスナーのタバコの吸い方がメチャ格好良い。」
Daiが言ってたのと同じ言葉を偶然にもネプチューンの原田泰造が言ってました。
何かイーストウッドの映画って受け付けないなぁと思っていた矢先、拝見。
予想外にテンポが良く、飽きさせない展開の連続で、ほのぼのしてたり、
ジーンときたり、ハラハラしたり、ドキドキしたり…ぶっちゃけ良い映画でした。
ケビン・コスナーって有名だけど、私が今まで見た映画の中では縁なかった。
タバコを吸うのが格好良い、っていうか、ブッチってキャラクターそのものが
何ていうか、一匹狼っぽくもあり、子供好きだったり、ときどき良い奴だったり、
読めない人なんだけどただのワルじゃない、かもし出す雰囲気そのものが魅力?

 逃避行ロードムービーとして、充実感溢れた鑑賞時間となりました。
ハロウィンのくだりやキャスパーのコスプレ、二人の心の交流や
親子の価値観っていうか、いろいろと考えさせられる内容だった。
ブッチは父親を憎みながらも、それでも逢いたかった。
旅の理由を聞いた時、ラストのあのシーンに来るまで“行かせてあげて!”って
単純に願ってしまったけれど、美しい夢は夢のまま終わった方が幸せかもね。
あの一枚の絵葉書にブッチは色々と理想の父親像を膨らませてきたことだろう。
何であの家族を始末しなきゃならない?とは思った。
そして、撃ったフィリップは正しかったと思うしブッチも目が覚めたと思う。
最終的にはああなるって判っていたけど、悲しかったな…
あの刑事も、独断と偏見でブッチの人生を大きく変えてしまったわけだし
どうして守ってやれなかったのかと悔やんでも悔やみきれないと思う。
どこかのサイトでブッチの父親はあの刑事じゃ?って言ってる人いたけど
いくらなんでもそりゃ強引過ぎやしないかな?違うでしょ?


 車をタイムマシンにたとえてるシーンとか好きですね。
親は子供にこう接するべき、子供にとってこういう存在であるべき、
みたいな教訓も作品のメッセージになってて、深いものがある。
ブッチみたいに、不器用だけど本当は優しいってキャラにはとことん弱いです。
題名のパーフェクト・ワールドとは何を指す言葉なんだろう?
目指してた場所?二人の間に出来たもの?この旅?有り得ないもののこと?
暖かそうな景色や自然がいっぱいの風景の撮り方とか素晴らしかったです。


プリシラ (1994/オーストラリア) 103分


 マトリックスのエージェントスミス役のヒューゴ・ウィービング主演。
彼に興味が出てきました。オーストラリアでは有名な俳優らしい。
最初にステージで流れた曲、かなり(・∀・)イイ!よね。もう虜になった。
シャーリーン「愛はかげろうのように」
ドラッグクイーンのゲイ三人がバスに乗ってある場所を目指し砂漠を旅する。

 しかし、彼はまんまスミスの髪型だね。
それで喜怒哀楽と表情豊かに変わるもんだから、新鮮でたまんない。
見た目はまんまオッサンなんだけど、しぐさや口調でピュアなゲイになってた。
ヒューゴの突っ張り眉毛と特徴的な目が何故か気に入ったぜい。
美輪明宏みたいな年寄りさんと、トラブルメーカーな若いアダム。
プリシラってバスの名前だったんだね。

 この映画は全体的に観て、曲が多い。豪華なPV集みたいだ。
ストーリー的にもハラハラする山場は特に無く、
あのショーが最終目的でいて重要だともあまり思えない映画の作り方。
ドロドロした場面も無く、しつこすぎないあっさり感がある。
彼らの奇抜で派手な衣装も、普通は気持ち悪い、で終わるんだけどそれでも
受け入れられる、不快にならないのは、普段のギャップや彼らのキャラだろう。
バス内で交わされる何気ない会話、彼らの過去が垣間見えたり…
ああ、この人たちは自由に、思うがままに生きているんだなぁと思った。
仲間がいるのってなんて心強いことだろう。
この映画のテーマじゃないかもしれないけど、ふと思った。

 しかし、馴染みの無い場所での彼らに冷たい反応する客の気持ちも
分かるので、あれは仕方ないんだよなぁ…と思った。
面白さも楽しみ方もわかんないと思うし…実際、私も盛り上がれないタイプだし。
珍しい人がいると凝視するだけかと思う…(^^;)
全体的にほのぼのした映画だよね。
普通、子供が反発して、なんとか和解させる、とか課題があるものだけど…
Daiが好きな作品ってのもなんとなく頷けるかなぁ
あと、これを観てると洋楽の魅力も伝わるよね。
でもやっぱ、日本人の我らがうまく歌うには発音とかむずいからなぁ。


マイ・プライベート・アイダホ (1991/米) 105分


 鬼才ガス・ヴァン・サントの映画。
家を持たないマイクは、ポートランドの街角に立ち、体を売って日々暮らしていた。
彼には、緊張すると眠ってしまうナルコレプシーという奇病持ち。
そんなマイクの親友は、ポーランド市長の息子でありながら、
家を飛び出し、やはり男娼をして生きているスコット。
ある日マイクは、自分を捨てた母を捜す決意をしてスコットと共に、
兄リチャードが暮らす故郷アイダホへと向かう。
手掛かりを追ってスネーク・リバーそしてイタリアまで旅する2人だったが…

 ホモセクシャル、近親相姦という要素を含んだ一風変わったロード・ムービー
主演は今は亡きリバー・フェニックスとキアヌ・リーヴス
私生活でも親友同士だったという彼らの初々しい若者の姿が窺える。
リバーはこの映画で91年ヴェネチア映画祭で主演男優賞を受賞した。
それから2年後に、ドラッグが原因で死亡。
(しかも、ジョニー・デップの経営するバーで倒れたっていうんだから…)
劇中にもコカインを吸うシーンがあって…意味深。
この監督の映画は、今の所「誘う女」とコレしか見たことない。

 冒頭から、何とも変な雰囲気で始まる。
アメリカの映画じゃなくて、ヨーロッパ系の映画みたいだった。
ゲイ向けファッション雑誌の中でのトークが笑えたね。
性行為を静止画のように見せていく手法に驚いた。
男娼仲間のストリート・ボーイズたちと、ボス的存在のボブ。
二人で旅をして、焚き火をする場面でマイクがあることを打ち明ける。
金がなくても、愛することはできる。
一緒になって馬鹿やってたスコットが、後半変身してしまい、
スーツ姿のキアヌを見た途端、「あぁ、やっぱりキアヌ」って思ってしまった。
人は酒を飲みすぎて意識を失い翌朝道端で目覚めたことがあるかもしれない。
でも、この奇病は酒を飲んでもいないのに、突然襲ってくる。

 幻の家…マイクはあそこに帰りたい。
憧れだった、普通の家庭、普通の両親、普通の生活…
昨日『モンスター』を観たばかりだったので
道路横に立って客を待つその姿に重なるものがあった。
ラストのあの映像は何を意味するのか…
兄貴の家にあった電灯にも貼ってあったっけ…う〜む。
何ていうか、雰囲気と役者の表情を見る映画でしたね。空虚が漂ってた。
リバーとキアヌが好きだったら、拝見する価値あり。
いかんせん、DVDが廃盤で手に入りにくいらしいですけどね。
レンタルでビデオで見るのがオススメ。


道 (1954/伊) 115分










 イタリアの巨匠フェデリコ・フェリーニの最高傑作とも名高い名作。
「その男ゾルバ」「ナバロンの要塞」のアンソニー・クイン、
フェリー二監督の妻でもあるジュリエッタ・マシーナ主演。
フェリーニ作品の常連ニーノ・ロータの音楽も物語に深みを与えている。
レンタルコーナーではどのジャンルに置かれているか知らないが、
ヒューマンドラマの類になるか?私的にはロードムービーだと解釈します。
大道芸人ザンパノに買われた白痴の女ジェルソミーナ。
芸を仕込まれ、嫌々旅に同行していたジェルソミーナだったが…

 戦後初めて入ってきたイタリア映画だそうです。
この映画が封切られた時、「道って何だ?」と人々は興味津々で列をなしたとか。
DVD特典で故・淀川長治さんが「大好きな映画です」と喜々として語ってました。
ジェルソミーナが白痴女と言われて初めて気づきました。抜けてる自分(汗)
それまでは、単に天然でドジで、世間知らずな女なのかと思って観てた。
何かイメージ的にはあったかい感動系かと思ってたんですけどね。
「自転車泥棒」「ひまわり」「ソドムの市」などのイタリア映画ですからね。
もう私的にイタリア映画=
いろいろあって最終的には報われないイメージ。
最初に
ザンパノが女と消えて、酔い潰れてるシーンで、てっきり
これで彼女は逃げ出し、故郷に帰るまでを描くから「道」なのかと思ってしまった。
天性の芸人の才を持っていて、そのうちザンパノを凌ぐ人気が出るのかな?
自分の妹がどうして死んだのか後々、分かってしまうのかな?
あの天使の羽つけた男に付いていって楽しく巡業するのかな?
ザンパノの人間性を見出し、二人寄り添って生きていくのかな?

物語を追っていくにつれ期待は外れ、厳しい事態ばかり彼女を襲う。
最初の方のシーンで、モノクロ画面の風景の中に、
「Esso」の看板があったので驚いた。そんなに歴史のあるガソスタだったのか!
ジェルソミーナが売られた金額は今の時代に換算すると5千円位の価値らしい。

 
「落ちてるタダの石ころすら、何かの役に立つ。お前だってそうだ。
この石に意味がないのだとしたら、この世のすべてのものは意味がない。」
ずっと忘れていたシンプルなテーマをズバリ言われてドキッとしました。
観ている方ではザンパノを見限るのが正解だ!当然だ!と思うのですが、
結局の所、あの芸人の男に諭されて、ザンパノと行くことを選ぶ。
望むならサーカス一座にだって置いてもらえた。
それでも、逃げた自分を追いかけてきたザンパノに着いて行く。
彼には私が必要だ、そう思えたから。たとえ自分が報われなくとも。

今の世のDV夫と離れられない女の心理と同じかもしれない。
DV夫も、後から絶対に追いかけて、謝って、お前が必要だと言うからね。
でも後悔しても反省しないから、そのままループしてしまうんだけどさ。
まぁザンパノは追いかけても自分が悪かったとは言わないが、
それでも警察署から出た時、彼女が待ってたのは意外で、嬉しかったのだろう。
ザンパノと旅を再会して、教会で泊めてもらうシーンも印象的。
「私は神様と巡業してるようなものね」シスターの話。
好意で泊めてもらえたのに、盗みを働こうとするザンパノ。
ジェルソミーナは彼に更正してもらいたいのだが、いつも止められない。
旅立つ時にシスターが彼女に教会に残りたいのか聞くのだが、
あの寂しげな顔は、あそこに留まりたいと思ってしまったのか、
はたまたその後、ザンパノが盗んでいて、それに対する後ろめたさなのか。
その後、彼女を救った男と遭遇し、ザンパノは彼を誤って殺してしまう。
それから全てが狂いだし、ジェルソミーナの心は壊れた。
自分なりに尽くすザンパノだったが、遂には投げ出し、彼女を置いて去る。
数年後、独りで相変わらずの力芸で食いつないでいたザンパノは
懐かしい彼女がラッパで吹いていた曲を耳にする。
そして、彼女が死んだことを知り、彼女の死んだ海で号泣する。
自分の欲求に何よりも正直で、粗野で野蛮で単細胞なザンパノだったが、
愛を知らなかった彼は、その時初めてその感情を理解したのか?
それとも、自分のしてきたことへの深い罪悪感が押し寄せたのか?
救いがない…けれど、ある意味ではジェルソミーナの
存在意義をザンパノの心の中で証明する良い終わりだったのか。
とにかく終わった後の衝撃に驚きましたね。心にズシンときました。

流石は映画史の中に輝く名作の一本ですね。
フェリーニ監督の映画は他に知らないんですが、「世にも怪奇な物語」という
ホラー・オムニバスで「悪魔の首飾り」は観たことあって、雰囲気が不気味で、
この印象からか、ホラー系の映画監督かなと思っていました。
モノクロで古い作品ですから、とっつきにくそうなイメージだけど、
この存在感は素晴らしいですね。二度観たいと思えるかどうかは別ですが、
一度観ただけでも印象深いシーンが多く、最終的には
二人の末路が
薄々判りながらも、そうなって欲しくない
と願う自分がいて、
それだけ物語に入り込めました。生涯忘れない作品のひとつになりそうです。


夢の旅路 (1997/米) 103分


 ニューヨークでしがないタクシードライバーをやっていたヘンリーは
ある日タクシー強盗に遭い、自分の退屈な人生にも嫌気がさしていた。
その直後に老人3人が半ば無理矢理タクシーに乗り込み、行き先を告げる。
赤の他人であるヘンリーに彼らはしきりに人を愛する尊さを訴える。
嫌々付き合っていたヘンリーだったが、次第に感化され、
“運命の女性”を捜す旅に出るのだが…

 監督は新鋭映像作家マイケル・ディ・ジャコモ。本作でデビューとなる。
主演にティム・ロス、共演に『オー・ブラザー!』のジョン・タトゥーロ、
『夜の大走査線』のロッド・スタイガー、『少年の町』のミッキー・ルーニーなど
そうそうたる名優陣が出演し、脇を固める。
夢のような詩的で美しい映像描写で贈る風変わりなロード・ムービー。

 ティム・ロス主演のロード・ムービー??
そう聞いただけですぐ見たくなった。評判もまぁ悪いわけではない。
でもね…そうね…何か変な映画だったな。ちょっとガッカリ。
ピーター・ガブリエルやロマン・ポランスキーが絶賛コメントしてるけどさ。
何か“滑稽”って感じの音楽がずっと流れていて、のんびりしてた。
一時間半と、決して長いわけじゃないのに2回くらい睡魔に襲われ見直した。
山場がない映画は許せる。オチは…なんか中途半端で、
意味は…これを見出すのが凄く難しいと思った。

 夢みたいなこと言ってるんじゃないよ〜現実問題、生活どうするよ?
なんて、映画をまるで楽しめない思考が終始頭を支配してしまった。
最初に出てきたあのじいさんの所…あの続きが知りたかったのに。
ある意味、夢は叶う前までが一番楽しい、なんて意味もあったりして。
情熱も行き過ぎるとダメ、ってことなのかなぁ。
ちなみに監督、その後全然映画作ってないじゃないの。
個性的で独特すぎて、ストライクゾーンが狭い映画だとは思った。
もっともっと歳をとったら、この映画を再び見てみようかな。


リトル・ミス・サンシャイン (2006/米) 100分


 “負け組”家族の再生の道のりを綴るハートフル・ロード・ムービー。
サンダンス映画祭で評判を呼び、インディ作品としては異例の
全米スマッシュ・ヒットを記録、大きな話題を集めた。
監督は夫婦でもあるジョナサン・デイトン&ヴァレリー・ファリス。
主演は「恋愛小説家」のグレッグ・ギニア(父リチャード)、
「イン・ハー・シューズ」のトニ・コレット(母シェリル)、
「アメリカ上陸作戦」のアラン・アーキン(祖父グランパ)
「40歳の童貞男」のスティーヴ・カレル(伯父フランク)
「卒業の朝」「テイキング・ライブス」のポール・ダノ(兄ドウェーン)
「サイン」「プリティ・ヘレン」のアビゲイル・ブレスリン(妹オリーヴ)

 アリゾナ州に住むフーヴァー家は、家族それぞれに問題を抱えていた。
リチャードは独自の成功論を振りかざして“負け組”を否定し、
長男ドウェーンは将来パイロットになる為、願掛けに沈黙を続ける。
9歳の妹オリーヴはとうてい無謀なミスコン優勝を夢見て、
ヘロイン常習のグランパはマイペースに言いたい放題。
そこへゲイで自殺未遂の伯父フランクが同居することになり、
ママ、シェリルの心労も積もるばかり。家族はバラバラ。
そんな時、オリーヴに念願の美少女コンテスト出場のチャンスが訪れ、
オンボロのミニバスに家族で乗り込み、カリフォルニア目指して出発するが…

 友達から薦められて鑑賞。ロードムービー好きにはたまりません。
息子役の子、顔が特徴あるよね。どっかで観たな、って気になった。
オリーヴのお腹がプックリしてて可愛いのな。
ミスコンとかとは場違いな可愛さだ。うんうん。
ミニバスであんな風に旅してみたいと思っちゃう。ほんわか。
皆で力を合わせてバスを動かし乗り込むという共同作業、
旅先のモーテルでのグランパとオリーヴの会話、
ショックを受けて落ち込むドェーンを励ますオリーヴ、
オリーヴのミスコンの為に祖父の遺体を持ち出しちゃう親父、
ミスコンの受付に走る伯父、その後ドェーンと話し込む伯父、
そしてミスコンでのとんだサプライズ。
好きなシーンいっぱいありました。

 
親父の力説は失笑を買い、本の出版はオジャンになるし、
ドウェーンは色盲でパイロットになれないことが判明し、
グランパもヘロインの吸い過ぎという情けない理由で亡くなり、
オリーヴもミスコン落ちて、明らかに旅行前と後では
状況は悪くなっているのだが、家族の心が通じ合って
これから先が明るそうで微笑ましい終わり方でしたね。
勝ち組と負け組、字幕では勝ち馬と負け犬と表記されてましたが、
結局負け組のままでも人生楽しんだ者勝ち!って〆でしょうかね。

考え方ひとつ変えたら状況は驚く程違って見えたりするし。
ストーリーの流れが脱力系というか、ゆったりタラタラしているので
このタルさが気に入れば大好きになれる作品だと思います。
土日の昼間に鑑賞するのが合うかも。DVD欲しい。86点。


レインマン (1988/米) 134分


 1988年アカデミー賞作品&主演&脚本&監督受賞の有名な作品。
トム・クルーズとダスティン・ホフマン共演のヒューマンドラマ
 これ観て初めて以前やってた堂本光一&藤井フミヤのドラマ
「天使が消えた街」がパクリだと気付いた
しかし、かなり古い…17年前でしょ?
もうトム・クルーズかなり若いです。顔が凄い生き生きした肌してます

 経営不振に悩む自動車販売会社を営むチャーリー(トム)が
勘当された父が死んで何とか財産を手に入れようとするが
財産は兄のレイモンド(ダスティン)の世話人の手に
そこで初めて兄の存在を知ったトムは彼を無理矢理連れて行き
父の遺産の半分を手に入れようと裁判を起こそうとロスへ向かう…

 昔の映画っぽくテンポがゆったりしてます。
でも落ち着いて人間ドラマを見せてくれている感じが凄い好き。
ちょっと古いアメリカっぽさも好き。モーテルとか泊まって旅するんだけどね
ぎこちなくよそよそしかった二人の兄弟がしだいに心打ち解けていく。
過去のエピソードも次々と証されていき、チャーリーは
レイモンドとかつて一緒に暮らしていて、事情で離れ離れになったことを知る。

 若りし日のトムの演技もさることながら
ダスティン・ホフマンの演技に、かなり感動した。
映画じゃないものを観ている気分になった。
そしてラストのサングラス越しに魅せるトムの…もう…たまらんっす
静かな、それでいて胸に深く響くいい映画だと思う
ホットケーキのやりとりとか、ジーンときちゃったよ。
自分の中で、かなり大切な映画になりそうです。




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