管理人NEROが映画について語ります。

Caramel Cinema


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恋の門 (2004/日) 114分








 “劇団大人計画”を率い、近年ではエッセイ、小説も発表するなど
文筆業でも高い評価を受ける才人・松尾スズキによる初の映画監督作品。
変わり者の芸術家肌の青年とコスプレ命のオタクOLの純愛を描いた
羽生生純の同名コミックを松男監督独自の切り口で斬新に映像化。
主演は松田龍平と酒井若菜。

 石で漫画を描き“漫画芸術家”を自称するサエない貧乏青年、蒼木門。
彼はOLの証恋乃と知り合い、その夜一緒に彼女のマンションへと向かう。
しかし恋乃の正体は狂信的なコスプレイヤーで、
しかもコミケではかなりの人気を誇る同人誌漫画家。
同じ漫画家でありながらあまりに対照的な恋乃にショックを受け逃げ帰る門。
そんな門に戸惑いつつも惹かれた恋乃は互いをもっと知るきっかけにと、
アニメソング界の人気者、阿部セイキのファンの集い一泊ツアーに誘う。
ツアーの費用を稼ぐ為、門は元売れっ子漫画家の毬藻田が経営する
漫画バーでバイトを始めるのだったが…。

 共演者には監督を務める松尾スズキは勿論、
忌野清志郎、小島聖、塚本晋也、尾美としのり、大竹しのぶ、平泉成
チョイ役に田辺誠一、片桐はいり、市川染五郎、三池崇史、小日向文世、
更には漫画家の安野モヨコ、夫の庵野秀明(エヴァの監督)
山本直樹、内田春菊、ジョージ浅倉もサービス出演。
クドカン脚本ドラマ「マンハッタン・ラブストーリー」を観た人なら判る、
あのイボリーとADのデブと原ちゃんも出演。
挿入歌に忌野清志郎の曲とサンボマスターも歌い、出演もしている。

 原作の漫画は全く知らないんだけど、面白そうなんで観てみた。
大当たりでしたね!凄い。コレは。下妻物語と似た線かも。
ゴスロリとヤンキーの友情を描いたのが下妻なら
コレは変人とアニオタコスプレの恋愛を描いている。
まず冒頭からグッと引き込まれる勢いあるオープニングが好き。
松田龍平がこういうコメディに出演してるのは初めて観た。
悪くない。何ていうか、浅野忠信路線に近い気もしないではないが。
間の取り方がうまいと思った。味があるし。
酒井若菜もいつもと似たキャラではあるがこんな役をこなせるのは希少。
何よりもハマってて良い。コメディ慣れもしてて流石。
彼女はパッと見美人とは思わないんだけど、
動いて喋ってる彼女はどうしてこんなに魅力的に見えるのだろう。

 一度声優界にハマっていた自分はあの異様さがちょっと判って
狂信的な集会やらコスプレに酷く戸惑う門君にも恋乃にも感情移入。
あれはあのキャラのコスプレだ、って判る自分が恥ずかしいながら、
それでもこの映画を楽しめている要因のひとつと苦笑した。
片桐はいりが出てきたシーンで大爆笑。やばい。
小日向さんも、よくぞあんな役を演じてくれた(笑)
小島聖はホントにエロ路線が似合うね。編集者にも笑った。
エッチなシーンやセリフも少しあるので家族鑑賞はちょっと難かもしれない。
安野庵野夫妻ってこんな顔してたんだ〜と発見してみるのも面白い。
エンドロールでこんなに著名人が出演していたのかと驚き。
エンドロール後にもオチがあるので、そこも忘れずに!

 三人が漫画を描くシーンに圧倒されて凄い興奮してしまった。
あぁ、漫画をこんな風に描いてみたい。無茶苦茶にガムシャラに!
このシーンが一番大好きかもしれない。
ラスト近く、門君がしてきたコスプレって…あれは
単に石のゴーレムとかじゃなくて、幽遊白書の吏将だよね?違う?
多少、隙間があった方が二人の関係はうまく行く、って
どこかの感想サイトで誰かが評価してて、ウマイなぁと思った。

何気に名セリフがいろんな場面で飛び出すので侮れません。
前半の勢いが後半の本気モードになってから薄れていき、
ラストはもっと面白い終わりがあったんじゃないかと思った。
ミュージカル・シーンも少し脱線してるような気もしたね。
終わり方がもっと徹底していたらこれは自分の中で名作に輝いた。
日本ならでは、日本じゃないと作れない映画がまた誕生したことが嬉しい。
音声コメンタリーも面白いので何度も映画の世界の魅力を噛み締められる。
監督ちゃんコレクターズ・エディションが欲しい今日この頃。


恋は邪魔者 (2003/米) 101分




 レニーゼルウィガー、ユアン・マクレガー共演のラブコメ。
監督は『チアーズ!』のペイトン・リード。

 時代は60年代のニューヨーク。夢を求めて降り立った女が一人。
彼女の名はバーバラ・ノヴァク。新鋭の女性作家。
女性解放を謳った著書「恋は邪魔者」を大手出版社に売り込みに来たのだ。
しかし、男性の重役たちは怪訝な顔をし、有名な男性誌に売り込もうと
記事を書くプレイボーイのキャッチャー・ブロックとアポを取るものの、
ことごとく理由を作られ意図的にキャンセルされる。
だが本が出版されると、瞬く間に大ヒット。
女性の聖書となり、彼女はカリスマになった。
テレビに引っ張りだこになったバーバラはキャッチャーの名を出し批判。
すっかり女が吊れなくなったキャッチャーはバーバラに復讐を企てる。

 ちょっと前の少女漫画の短編っぽいストーリーでした。
60年代のちょっとレトロなデザインが部屋の内装やバーバラの服装で表現されて
視覚的にもなかなか面白い新鮮さがあった。中には変過ぎるのもあったけど。
バーバラとキャッチャーの二人の友達の男女のロマンスもなかなか気になったし。
普通にバーバラが騙されてると思ってた私はベッドで真相を話すシーンで
「しまった!そうきたか〜…てかズルい!でもなるほど」なんて困惑しました。
色男を気取っても一度惚れてしまうと一途になってしまう男っていいね。
ただ、また「そうくると思ってたわ」展開が続くと恋愛じゃなくて駆け引きになって
ちょっと淡白な気持ちになってしまうのは何故だろう。
どっちが優位に立ち相手を騙せるか、虜にできるか…そう思った時点で
純粋な気持ちがなくなったみたいで寂しい感じがするな。
あと、あの二人はその後普通に幸せな夫婦にはなれない気がしてならん。

コメディ部分は下品過ぎず、まぁまぁかな。二分割シーンはニヤリとしたし。
一般的な評価は中の下くらいですが、期待せずにフランクに見れば楽しいかな?
あと、レニーもユアンもまだ垢抜けない感じがして美男美女か微妙なのよ(笑)
ユアンのヅラっぽい髪型とセクシーには見えない胸毛に目がいきます。
でもま、映画全体が華やかで、終わり方はミュージカルっぽくて好きですね。


GO (2001/日) 122分






 金城一紀の直木賞受賞同名小説を映画化した青春映画。
主演に若手俳優の中でも異彩を放つ窪塚洋介を起用し、
在日外国人という複雑な環境下での世界と個人をテーマに描く。
監督は行定勲(後にセカチューや北の零年などを撮る。)
脚本は「池袋ウエストゲートパーク」等で人気になった宮藤官九郎
共演に柴咲コウ、山崎努、大竹しのぶ、山本太郎、新井浩文、村田充、
大杉漣、塩見三省、萩原聖人と豪華キャスト。

 日本の高校生である杉原は、中学までは朝鮮民族学校。
元ボクサーの厳しい父の元で育ち、喧嘩は滅法強い杉原は高校でも問題児。
ある日、高校の友人の誕生パーティーで呼ばれたクラブで
桜井と名乗る不思議な女性と恋に落ちるのだが…

 私が窪塚洋介という役者に入れ込んだのはこれがキッカケ。
ドラマ「GTO」の頃から名前と顔も知ってはいたけど
マトモに他のドラマを観たことはなかった。
どんどん彼が話題になり、この映画で日本アカデミーを受賞。
DVD化したあと、店で何気なくジャケ買いした映画がコレ。
普段は映画をジャケ買いなどしない。だけど、妙に惹かれた。
「国境線なんて、俺が消してやるよ」って書いてあったセリフにね。

 映画の本質はやはりアイデンティティだろうか。
在日問題が大きく作品のイメージにもなってるけど
あえて重く捉えないで描いているのが斬新だった。
個人とか、個性とか、誰でも悩んだり考えたりするテーマ。
世間体や周りの目、育った環境、影響を受ける様々な出来事。
「オレは誰なんだ?」ってね。

 窪塚が格好いいことは勿論、柴咲がこんな可愛い子演じられるんだ!と。
山崎努がこの作品の大黒柱というか、非常に良い支えになってる。
大竹しのぶも、流石な演技。似合ってる。
山本太郎の面白い先輩っぷりと三人のドタバタ。
この映画を観終わった後、思いっきり走ったり叫んだりしたくなる。
あと殴り合いのシーンとか妙にリアル感があったような。
タクシーで父に息子が云ったセリフ。
そんな話で泣ける時代は終わったんだよ。
つか、てめぇらの世代でケリ付けろよ!
あんたら1世や2世がグズグズしてっから俺らがパッとしねぇんだろうがよ。

これが、現代を生きる彼らの本音だと思いたい。
いつまでも過去を引きずってウジウジしてたってダメって。
この映画は、難しいテーマを絡めてはいるけど
要は一風変わった今スタイルの青春映画なんだと思う。
萩原聖人演じる警察官との短い語らいも気に入ってる。
桜井がヤケに気にするアレコレも面白い。
ラストで杉原が叫んでた言葉は忘れられないね。

 最初これを見た時、すぐさまもう1回観てしまった。
心の中で笑って泣いて、胸が熱くなる。こんな映画はそうはない。
今になって改めて見直すと、物語に粗があったりもするんだけどね。
この映画の個人的な評価は、ぶっちゃけ
この監督が良いんじゃなくて、原作と脚本が良かったんだと思う。
これを観る人は、韓国や北朝鮮の印象や意識を捨てるといいよ。
「広い世界を見ろ」この言葉が持つ大きな意味を感じ取って欲しい。


ゴーストライダー (2007/米) 110分




 マーベル・コミックの人気キャラクターをニコラス・ケイジ主演で映画化。
地獄の炎に包まれた天才ライダーと悪魔たちとの壮絶バトルが展開する。
共演は「最後の恋のはじめ方」のヒロイン、エヴァ・メンデスと
「アメリカン・ビューティー」の盗撮男役だった、ウェス・ベントリー、
ライダーつながりか、「イージー・ライダー」のピーター・フォンダ。
監督は「デアデビル」のマーク・スティーヴン・ジョンソン。

 危険なバイクスタントのショーで人気を博す天才ライダー、ジョニー・ブレイズ。
そんな彼が17歳の時、病気の父親の命を救うため、悪魔メフィストと取引し
魂を売り渡してしまう。しかも悪魔だから何でもあり。ハメられたジョニー。
「お前は私のものだ」なんて言われちゃうけど、長年悪魔は彼を放置プレイ。
そして彼が30歳の時、ようやくメフィストが再び彼の前に現れる。
メフィストはジョニーに“ゴーストライダー”の能力を与え、
自分の息子でもある魔界の反逆者ブラックハートを捕らえるよう命じる。
夜に悪のエネルギーを感じるとゴーストライダーに変身してしまうジョニーは、
“地獄(ヘル)バイク”に乗ってブラックハート率いる悪魔軍団を追いつめていく…。

 マーベルのアメコミヒーローですが映画化されるまで存在知りませんでした。
映画の感覚的にはスポーンやパニッシャーみたいな感じ。
悪魔と契約して骸骨男に変身!ダーク・ヒーローですね。
最初は青年時代、他の若手俳優が演じてて、結構な男前君で
このまま話進めていった方がいいんじゃないの?と思った。
主演はあのニコラス・ケイジですからね。そうもいかない。
ニコの情けない顔顔面アップは正直、笑えた。
バイクのスタントショーは普段観てる「世界まる見えテレビ特捜部」みたいでした。
あれの才能に目をつけた悪魔ですが、実際にゴーストライダーは
バイクを移動手段以外にはほとんど使えてなくて、ちょっと寂しかった。
次回作も決まってるらしいから、もっと攻撃が派手になってって欲しいですね。

 敵があまりにへタレなんで真面目なギャグ映画みたいだった。
最初にバーで人間を無慈悲に襲った敵キャラたちも、
その脅威さを存分に発揮できないうちにアッサリと倒されていく。
格好よく変身して道案内したらさっさと帰ってしまう先代。
色んな亡霊を吸収していく血色悪い兄ちゃんのリアクションが、
「え?え?何か予想以上に多くて想定外!」って驚いてるように見えて笑った。
ブラックハートに落ちてる燃え石拾って投げるシーンでは笑わずにはいられない。
「何?そのショボい攻撃!」なんたらの瞳も「決め技が地味!!」

突っ込んで見ているうちにこの映画の楽しみ方がつかめてきました。

 骸骨ライダー、何か 「シャーマンキング」の武井先生の漫画みたいだった。
全体的にショボさが漂うのですが、ちょっとラテン入ってるのが好みです。
アメコミのノリが許せる人ならいいけど、一般的にはお勧めしない。52点。
ヒロイン、目がきつめだなと思ってたけどセクシーさに釘付け。
悪魔とか、魔界とかが垣間見えてちょっと「コンスタンティン」風でもあった。


コーヒー&シガレッツ (2003/米) 97分














 インデペンデント映画の寵児ジム・ジャームッシュ監督が
コーヒーとタバコをめぐる11のエピソードを綴った珠玉の短編集。
個性溢れる俳優やミュージシャンが集い、本名=役名で演じ、
コーヒーを飲みながら、あるいはタバコを吸いながら、
気だるくマイペースに、とりとめのない会話を繰り広げてゆく。

 本作のプロジェクトはもともと86年にアメリカの人気テレビ番組
『サタデー・ナイト・ライブ』のため、ロベルト・ベニーニとスティーヴン・ライトを
起用して撮り上げた一編「コーヒー&シガレッツ/変な出会い」が始まり。
89年には2作目「双子」がつくられ、続く93年の「カリフォルニアのどこかで」では
イギートムの顔合わせでカンヌ映画祭の短編部門最高賞も手にしている。
以後も10年以上にわたって撮りためられた全11編がここに集結、
独特の雰囲気をかもし出す、至福の会話劇の短編集が完成した。

 タイトルからしてお洒落っ気あって気になってたこの映画。
11の関係性の無い(ちょっと似た部分も出てくるが)エピソードが展開される。
どれも舞台は喫茶店で、店はどれも違う店。テーブルの柄が似ている。
テーブルの上からの視点と、カップを置くタイミングが重なるのが好き。
吸いかけのタバコ、灰皿、コーヒーカップが印象的。見る人を選ぶ大人な映画です。

1、「変な出会い」
ロベルト・ベニーニ(ライフ・イズ・ビューティフルの主演など)
スティーヴン・ライ(レザボアのD.Jビリー役でしか知らない。顔初めて見た。)
この二人が、喫茶店で会話するんだけども、何とも的を得ない会話ばかり。
2、「双子」
サンキ・リー&ジョイ・リー(監督スパイク・リーの子供で、やっぱり双子)
スティーヴ・ブシュミ(ご存知、変顔の演技派怪演俳優。)
コーヒーとタバコの組み合わせで、退屈そうに座っている双子。
ブシュミ演じるウェイターが、暇だからと仕事中だが同席して、オシャベリする。
3、「カリフォルニアのどこかで」
イギー・ホップ(歌手…らしいけど、私は全然知らない)
トム・ウェイツ(数々俳優としても出演してるらしいけど…歌手としても知らない)
喫茶店で待ち合わせした二人。遅れてきたトム。
音楽の話をするものの、イマイチ盛り上がらない…
タバコをやめたからこそ、堂々と吸える」言いえて妙。
4、「それは命取り」
ジョー・リガーノ、ヴィニー・ヴェラー、ヴィニー・ヴェラーJr。
おじいさん二人が、ニコチンの害とカフェイン中毒で討論。息子が金をたかりに来る。
三人とも映画初出演らしい。ジョーじいさんの声のトーンがおかしかった。
5、「ルネ」
ルネ・フレンチ、E.J.ロドリゲス
コーヒー&タバコでひとり昼食を楽しむルネ。
ウェイターがコーヒーを注ぎに来て、何故だか彼は…
読んでる雑誌が、ファッション誌でも週刊誌でもないのが変わった趣向。
6、「問題なし」
アレックス・デスカル、イザック・バンコレ。
喫茶店で久しぶりに再会した二人。最近どうよ?順調だよ。………。
世間話を普通に切り出す体質って大事だね。“会う”って何だろって思った。
7、「いとこ同士」
ケイト・ブランシェット(ロード・オブ・ザ・リングのガラドリエル様)が二役演じる。
高級ホテルのスウィートに仕事で滞在中の女優に、いとこの女性が訪ねて来る。
彼女が言う、「
高級品って金持ちはタダで貰えて
貧乏人は買わなきゃいけないんだもん。矛盾してるわよね

仲良しなんだけど、お互い全く違う生活と人生…何か特有の気まずい空間。
女優が去ってから、「禁煙です」と注意を受ける。何かやりきれねぇ〜

8、「ジャック メグにテスラコイルを見せる」
ジャック・ホワイト(バンドのザ・ホワイト・ストライプスの一人。メグの元夫)
メグ・ホワイト(バンドのザ・ホワイト・ストライプスの一人。ジャックの元妻)
テスラコイル…簡潔に言えば変圧器?を使って見せるジャック。
興味なさそうながら、付き合うメグ。全エピソード中、一番リアル感なかったような。
店にあんなもの持ち込めるんだろうか?
ザ・ホワイト・ストライプス自体よく知らないので、知ってる人は楽しめるかも?
9、「いとこ同士?」
アルフレッド・モリナ(スパイダーマン2のDr.オクトパス役など)
スティーヴ・クーガン(24アワー・パーティ・ピープル主役…って知らない)
喫茶店に人気俳優スティーヴを呼び出したアルフレッド。
実は君と僕は遠縁で、いとこ同士なんだ!と興奮するアルフレッドに、
スティーヴは怪訝な表情を隠せない…しかし…
10、「幻覚」
GZA、RZA(黒人ラッパーグループ「ウータン・クラン」メンバー)
ビル・マーレイ(ロスト・イン・トランスレーション主演。SNLにも出演していた。)
喫茶店でたまる二人。コーヒーを注ぎに来たウェイターが、
ビル・マーレイだと知って、同席してカフェイン中毒のビルの相談に乗る。
11、「シャンパン」
ビル・ライス、テイラー・ミード
淋しい武器庫で休憩中にコーヒーの代わりにシャンパンとタバコで過ごす。
晩年を迎え、渋い語り。いやぁ〜…渋い。

 笑えるわけじゃない。見終わった後、自分の頭の中でアレコレと
思い返すのが楽しいタイプの、そういう映画です。
もっと歳を取ってから見直したら、また違った印象を受けるのかもしれない。
私が気に入ったエピソードは、2,4,7,9,10…ですかね。
モノクロなのが凄くコーヒー&タバコを映すのに合っていました。
実際にタバコとコーヒーは相性良いんだけど、口臭がきつくなるそうな。
喫茶店に来るお客さんの会話をそのまま作品にするのも結構面白いのかも。
多少説明不足で、聞く人達がある程度、関係性や事情を連想するのがリアル。


氷の微笑 (1992/米) 128分


シャロン・ストーン、マイケル・ダグラス共演のエロティックサスペンス。
この映画で一躍名が知れわたったシャロン・ストーン…綺麗でした。
惜しみなく脱いでるしね…女優魂だわ。

ある晩、男が全裸でベッドに白いスカーフで両手を縛られたまま、
アイスピックで滅多刺しにされ殺された。
その残忍な殺しの手口は以前出版されたサスペンス小説と全く同じ…
刑事の男が調査に乗り出す…そこで容疑のかかった作家女性と
疑いあいながらも、しだいに仲良くなっていき…

冒頭のシーンとシャロンの微笑だけ凄いと思った。
あとはよくあるストーリー展開かも。
マイケル・ダグラスはどうも好かない。しかし老けているなぁー
主役の刑事がどう心動こうとも、観てる側には犯人まる分かり。
シャロン演じる悪女の心境になって見たほうが楽しそうだ。

刑事の方にも隠したい過去の事情があって、
調べる正義という立場にも後ろめたい事実があると厄介なもんだなと思った。
「こうしてセックスして、日々幸せに暮らす」って言われて
シャロンと一緒にげんなり顔になっちゃったよ。
「つまんない。そんなの」と。


コール (2002/米) 106分


 誘拐犯が親子を三つの場所で監禁して身代金を要求する映画。
30分置きに連絡電話入れて、もし連絡なかったら娘が殺されるって計画犯罪
母親役にシャーリーズ・セロン
この女優さん顔立ちが好き。「ディアボロス」でキアヌの奥さんやって
「ノイズ」でジョニデの奥さんやって…そして今回
父親役にスチュアート・タウンゼント
最後のスタッフロールで初めて気づいた。
クイーン・オブ・ヴァンパイアの時と変わって見えた。案外普通なんだな…
娘役の子は、ダコタ・ファニング売れっ子じゃーん
犯人役はケビン・ベーコン 悪役最高!!
「インビジブル」「激流」「スリーパーズ」といい頭の中はやることだけっていう
犯人の女にコートニー・ラブが!!豪華だ。

 今回は動機が後から分かってきて、同情というか可哀想になってきた。
犯人は三人いて、それぞれ母親の所に男、
父親の所に女、子供監禁におっさん、っていう合わせ。
でも最初から素直に従って事なきを得た方がよかったよ〜な。
だって犯人に危害を加えたら子供が危ないんだよ?
相手はプロの誘拐犯だから仕事が終わったら無事になるし…
私怨が絡んだことは後から分かったけど、それでも子供に危害は無いし。
子供の為だと思ったら抵抗なんてできないと思うんだけど
金持ち医者のくせに金が惜しいのか?って思った。

 そりゃ誘拐は悪いことだし犯人が悪なのは分かるけどさぁ
正義感バリバリなアメリカっぽさなのかな。
と、まぁ納得できない点は多々あった。
あんな場所で話が終わるとはついぞ思わなかったよ。



告発 (1995/米) 124分


 映画の題材とケビン・ベーコンの熱演が話題となった作品。
共演にクリスチャン・スレーター、ゲイリー・オールドマン。

 囚人管理が厳しく悪名高い刑務所アルカトラズを閉鎖させた実話。
ある脱獄囚が受けた仕打ちと刑務所内で起こった殺人…
容疑者ヘンリー・ヤングの弁護を引き受けた若き弁護士ジェームスが
調べを進めていくうちに疑問を持つようになり彼を救おうと決意する…

 冒頭の時代を感じさせる音楽とモノクロ映像でノンフィクションさが出る。
世界一脱獄が難しいとされる完璧な刑務所を作った政府だったが
管理費がバカ高い上に刑務所内はガラガラ。
そこで罪の軽い者でもどんどんぶち込むようになっていた。
ヘンリー・ヤングの刑務所に入る経緯を見ていると
「子供が飢えのあまりパンを盗んだ。それは子供が悪いのではなく
パンを与えなかった政府が悪い。」って言葉を思い出した。
所内の仲間と共謀し脱獄を図るものの失敗。
仲間たちは告げ口をした奴とヘンリーを除き逃走時に殺された。
ヘンリーは地下の光の一切届かない独房へ3年間も閉じ込められたのだった…

 アルカトラズは現在は観光地になっている。
あの有名な刑務所跡も見学できるそうだ。
罪を犯す者には容赦ない。でも罪にもピンキリあるだろうに。
ゲイリー・オールドマン演じる副所長が憎い役。
狂気を感じさせる怖さではない。日常にまぎれていそうな人間の怖さだ。
彼も家に帰って家族と過ごす分には普通の善人だろう。
でも所の秩序を乱したヘンリーには容赦ない。

 ケビン・ベーコンの奥さんも特別出演だから見逃せない。
ジェームスがヘンリーの為に売春婦をこっそり連れてくる彼女がその人。
ケビンはこの映画で俳優としての可能性を広げたと思う。
インタビューで色んな役をやることは楽しいと云ってたのが微笑ましい。
ヘンリーは最初は一切喋ってはくれないが、そのうち
裁判はどうせ死刑と諦めてジェームスにあれこれ無駄話をする。
何年も独房で誰とも喋っていなかったんだから…
刑務所の存在意義とかもあるけど不思議な形の二人の友情を描いている。

 弁護士は妥当に仕事をこなすとかビジネス意識で観ると
人の運命を左右する裁判への姿勢があんまりだと思った。
医者でもそうだろうけど最初は人を救うのが夢で世界に入ってくるんだろうけど
何人もこなしていくうちに慣れてくるんだろうな。適度にサボるというか…
クリスチャンはヘンリーの存在感で霞んで見えてしまってた。
ラストは…どうなんだろう。私は感動しなかった。
でも価値観の違いで感動する人もいるだろう。
何にせよ、この実話は知っておくべきだと思っている。


ゴジラ FINAL WARS (2004/日) 125分








 1954年の第1作以来、様々な展開を見せながら人々に愛され続けた
日本が世界に誇る怪獣映画「ゴジラ」シリーズの
通算28作目にして“最終作”と銘打たれた特撮巨編。
監督に「VERSUS」「あずみ」の北村龍平監督を迎え、
過去27作のエッセンスと伝統を踏まえつつ、
斬新でスピーディなアクションとバトルが繰り広げられる。

 キャストは松岡昌宏、菊川怜、宝田明、ケイン・コスギ、水野真紀、
北村一輝、泉谷しげる、伊武雅刀
村隼…ドン・フライ
VFX、CGを駆使して、新しい形のゴジラを創っている。

 20XX年。数年前から世界各地で特殊能力を持った超人類=ミュータント
が確認されるようになり、地球防衛軍では対怪獣用戦力として彼らを集め、
特殊部隊“M機関”を組織した。
 ある時、北海道沖で巨大怪獣のミイラが引き上げられた。
M機関のミュータント兵・尾崎真一と国連から派遣された
科学者・音無美雪は共同でミイラの調査にあたる。
そんな中、N.Y、パリ、上海、シドニーなど世界中で同時に怪獣たちが出現した。
地球防衛軍は全戦力を投入するが、怪獣の圧倒的な力と
その数の前に防戦一方となり、人々はパニックに陥ってしまう。

 家族と一緒に映画館で鑑賞。うちの家族はゴジラ大好きなんです。
この監督はあんまり好きじゃないけど、この映画にはいい方向に働いたと思う。
人間の戦闘シーンはあんまりいらなかった。戦隊もの観てるみたいだった。
あんなスピーディーな展開で、人間ドラマも乗っけようとするんもんじゃない。
パクリというかオマージュというか、そんなシーンもいっぱいあった。
おふざけなのか、受けると思ってやってるのか…
マトリックスとスターウォーズだった。
あと、情熱的な台詞のつもりが、すべった感が否めない。
そのダサさもご愛嬌と受け止めるのが正しいのかも。
しかし、何で日本が作るSFってこうも安っぽくなってしまうのか。

 お馴染みの怪獣がいっぱい出てくるからお腹はふくれそう
ラドン、アンギラス、ヘドラ、キングシーサー、キングギドラ
カマキリみたいなやつにエビみたいなやつ、蜘蛛みたいなやつ…
嬉しかったのはアメリカ版ゴジラが出てきたことかな
見事にコケにされてたけど…そこは笑ってしまった。
あんなのゴジラじゃないぜ!って制作側が意図したような展開だった(笑)
何より、北村一輝の怪演が印象に残ってるね。
主役の松岡や菊川、ケインは学芸会レベルの演技。

 私が一番好きなモスラは明らかに弱そうだったけど…
あと、どうせならビオランテを出してほしかった。
異星人は相変わらず王道なことばかりしてくれました。
展開は実にわかりやすく小学生くらいなら夢中になるんじゃなかろうか
ニューヨーク、パリ、シドニー等など壊されるからそれも見所。
ゴジラも過去シリーズに類を見ない斬新な戦いを見せる。
監督次第で、ゴジラはこんなに変わるんだなぁ〜。
今までのゴジラがかったるいと思ってた人の方が楽しめるのかも。
詰め込み過ぎて、作ってる本人たちが一番楽しんでいそう。
終わり方がなんだかなぁ〜ゴジラ、満足?なんて思ってしまった。

 玄田哲章の声を聴くと、戸愚呂弟かシュワちゃんを連想してしまう。
劇場鑑賞者にもらえるオマケがあって、それは単純に嬉しかった。
大人向けの普通の映画でも、ああいう特典があったら
特典好きな私は映画館にもっと足を運んでしまうかも(笑)


コックと泥棒、その妻と愛人 (1989/英・仏) 124分 


 ある夜のレストラン。泥棒とその妻が自分の経営する店でディナーをとる。
美食家を気取る下品で横暴な夫に愛想が尽きていた妻は
別の席で一人で本を読む男に惹かれる。
無言で示し合わせたかのように女子トイレで逢う二人。
その日から隠れた浮気が始まった…

 題名は随分前から知っていたので興味を持って観た。
ちょい役でティム・ロスが出演していると聞いたけど
ちょい役でもない。コックと泥棒とその妻と愛人の次に要るキャラじゃないかな。
その泥棒(泥棒というかマフィアに近くないか?)の手下。
彼が出ているお陰で大分観るのが楽しくなったと思う。
冒頭からかなり嫌な仕事をしている。本人は楽しそうでもあるが。

 この映画の凄い所は異様な雰囲気だろうか。
薄暗い駐車場から話は始まり、真っ赤っ赤なレストランの内装。
厨房は緑っぽいし、トイレ内は真っ白。
その部屋に合わせて衣装の色まで変わってたから斬新。
あの色はそれぞれの欲望などの象徴らしい。
暴力などが妙に生々しいし、気持ち悪さも魅力だ。
場面移動や撮影の仕方が舞台劇のようだった。
立派な芸術的作品だと思うけど好むのは趣味悪いかしら?
ブラックなユーモア満載。まさに欲望を召し上がれ。

 経営者だからって無茶苦茶過ぎるよな。
自分の食事を楽しむ為だけに他の客を虐めて追い出したり。
コックは一見忠実そうに見えるけど淡々と妻と愛人を助ける。
厨房に居る歌を唄う少年に誰も文句云わないんだろか。うるさい
出てくる食事がほぼ全部まずそうなのも凄い。
音楽を担当するマイケル・ナイマンが映像と絡ませ雰囲気作り。素晴らしい。

 ジャケットで大事な所がほぼネタバレしてしまってるのはいかがなものか。
あれを知らないままこの映画を観たかった。壮絶だっただろうに。
妻役のヘレン・ミレンが岩下志麻っぽいと思った。
肉の貯蔵庫で裸で抱き合う二人やトラックは気色悪いが凄い発想。
こういう映画は貴重だと思うけど観る人を選ぶ映画かもしれない。
私はラストで爽快感を得た。…ような。


ゴッド・ディーバ (2004/仏) 104分




 世界的なグラフィック・アーティスト、エンキ・ビラルが
自らの原作を基に監督・脚本も兼任して手掛けた近未来SF。
青い髪、白い肌の不思議な能力を持つ謎の女を巡って
神と人間が繰り広げる複雑な愛の行方を独特の世界観で描く。
3人の俳優陣以外のキャラクターをすべてCGで創造するなど、
VFXを駆使した独創的なヴィジュアルイメージが展開する。

 2095年、人間、ミュータント、エイリアンが暮らす混沌としたニューヨーク。
セントラルパークには雪と氷で覆われた謎の空間“侵入口”が存在し、
ハドソン川上空にはいつしか巨大なピラミッドが出現、浮遊していた。
神々が宿るそのピラミッドの中。
鷹の頭とヒトの体を持つ古代エジプトの神ホルスは、
他の神々から反逆罪による死刑宣告を受けた。
だが、7日間の猶予を与えられたホルスは“ある目的”のため下界に降り、
政治犯ニコポルの体に乗り移って謎の美女ジルを探し始める…

 主演を務めたリンダ・アルティは新人女優。
相手役のニコポル役トーマス・クレッチマンはバイハザ2のケイン少佐。
何ともまぁ、陳腐な世界観でした…想像以上に酷かった。
実際の人間とCG人間が普通に会話してるんだけども
もうちょっとCG人間を丁寧に描けよ!と。あれ絶対人じゃないってば。
それとエジプトの神々をあんな変態にしちゃって(泣)
ホルスが求めたのは、結局愉しみたいだけだったの?
ジョーとか侵入粋とか、説明不足が多かったのでチンプンカンプン。
それでも圧倒される独自の世界観があればいいんだけど
これといった物語も展開されず、あれやこれやで終わっていった。

 ほとんどの映像がゲームにちょこっと流れるムービーシーンみたいで
まだまだ日本の方が技術が進んでいるな、って再認識させてくれました。
でもどんな映像技術だろうと、それに伴う素晴らしい筋書きはやはり必要だな。
この映画を気に入る人はそうそういないだろうな。
何回も観ないと楽しみ方が判らない類とか言われているけども。
それなりの金を払って観たんじゃ、大損した気分。


ゴッホ (1990/英・仏・蘭) 140分






 1853年3月30日、オランダの北ブラバンド地方、フロート・ズンデルト村に
牧師の息子として誕生したヴィンセント・ヴァン・ゴッホは26歳で画家を志した。
37歳の若さで永眠したゴッホの画家人生は僅か10年。
しかし、彼の描いた絵は今も尚、輝きを失わず、時代を超えて愛されている。

 波乱万丈な人生を送った、このゴッホの生涯を映画化する為に
メガフォンを取ったのは鬼才ロバート・アルトマン。
ゴッホの生涯に魅せられて最初はテレビシリーズとして製作したが、
大ヒット作品となり、映画化に至った。
ゴッホ役にはティム・ロス。
多種多様な役柄をこなすが本作はまさに適役で、
狂気的ともいえる迫真の演技と繊細な演技を披露している。

 正式な題名は、『ヴィンセント&テオ』
彼の画家としての人生は、弟であるテオがいたからこそ。
彼が自分の家庭も顧みず最愛の兄に生活費を送り
画商として兄の絵を売ろうと努めていてくれたから。
今作では兄弟の絆が大きく描かれている。
ゴッホが精神を病んでいたとか、自分の耳を切り落としたとか
有名な話でしたが、この映画を観るまでは実感が沸かなかった。
彼が感じたであろう、苦悩がどれほどのものだったのか。
とても切なく哀しい、悲劇の芸術家の物語。

 最初の油絵のアップ、不安げで不吉な音楽。
風景の撮り方も、何だかゴッホの絵のタッチに合わせているかのようで
彼が麦畑の中でカンバスで絵を描いているという、その図が素晴らしい。
ゴッホの激しい色使いが大胆で豪快で、
小学生の頃から無意識に好きだった画家でした。

 ゴッホの自画像からして、ティム・ロスは合うのかと想像してたけど
思いの他、赤毛のその顔が似ていて、感動してしまった。
彼の前世はゴッホだったのか??っていうくらい。
気難しい気質もよく現れていた。それでいて憎めない顔なんだなコレが。
ティム自身も、精神を病みかけたというその壮絶な演技は見ごたえアリです!
ティム・ロスが「レザボア・ドッグス」に出演する前の作品なんだけど
この頃からこんな偉才を放っていたんだなぁ…。

 モデルを使って一生懸命スケッチしていたりしてるの見て、
確かにゴッホは造型を正しく捉えるのはそれ程うまくはないんだよな、と。
でもその絵には情熱があり、観る者の目を奪う魅力がある。
また久しぶりにゴッホの遺した絵を観に美術館に足を運びたくなった。
認められないのに、絵を書く描き続けるのがどれだけ辛いことなのか。
しかし彼は認められたら認められたで、
それを簡単に受け入れないような気もする。
ゴッホが浮世絵の影響を受けていた、っていうのは日本人として嬉しい。
後半は芸術に悩めるゴッホでなく、精神を病んだ一人の人間としてのゴッホ。
「寂しかった」絵が認められようが、生活が楽になろうが
すべての原因はそこだったんじゃないだろうか…。安易かな

 どの場面も釘付けで夢中で見て…胸に来たよ。
ゴッホのことは詳しく語れる程知らないけど、彼の絵は大好きだ。
そんな私でも、彼の人生を思って涙を流してもいいでしょうか。
何度も観たくなる類ではないけど、手元に欲しい作品。
これは私の中では偉大な名作のひとつになりました。


コニー&カーラ (2004/米) 98分


 「マイ・ビッグ・ファット・ウェディング」で注目を集めたニア・ヴァルダロスが
再び脚本・主演を兼ねたコメディ。共演は「シックス・センス」のトニー・コレット。
バーで歌って踊ってスターを夢みる2人の女性。客の反応はいつも薄い。
ある日、イザコザに巻き込まれギャングに追われることに。
ゲイバーのドラッグクイーンになって身を隠していたが、街の人気者になってしまう。
有名なミュージカルナンバーをふんだんに盛り込み描く。
「Xファイル」のモルダー捜査官で有名なデヴィット・ドゥカヴニー出演。
「雨に唄えば」のデビー・レイノルズも特別出演で登場。

 ジャケットから、「プリシラ」系かと思いきや、これ
ストーリーの流れは「天使にラブソングを」と同じだね。
女が男(ゲイ)に変装するのは、男が女に変装する「お熱いのがお好き」の逆。
主演の二人はよく知らないが、最初登場した時は男性が女装してるのかと思った。
そしてドラッグクイーンになったら、逆に女っぽく、色っぽく見えるのは
何だか凄い皮肉にも思える。似合いすぎたんかな??
身体が女性そのものでも、手術して変えた、って言えば通らないかな?
オーディションの時、彼女らの前にやってた二人組みが
「ロッキー・ホラー・ショウ」の歌をコスプレしてやっててうけた。
コニー&カーラも「エビータ」の曲を歌ってて、きっともっと音楽系の映画見てれば
知ってる楽曲がいっぱいあって面白かったのかも。
特別出演のデビーさん、娘のキャリー(レイア姫)はやっぱり全然似てないや。

 全体的に音楽系な映画かと思いきや、ゲイの世界もちょこっと描く。
自分が普通の男で、兄弟がゲイだったら…きっとジェフみたいに悩むのかな。
普通のバーでショーをしても受けなくて、ゲイバーなら受けるのって何故?
下ネタトーク大歓迎で、ノリが良いお客さんが多いから?
カミングアウト大歓迎よ」って締めは、なるほど、って思っちゃった。
吹き替え版の方がオカマ口調が楽しめて良かった。歌は英語になってるし。
ドラッグクイーンやゲイものが好きなら、見ても損はない作品かな。
製作にトム・ハンクスがいるって宣伝文句にもなってたけど、どうでもいいね。


GONIN (1995/日) 109分










 鬼才・石井隆監督が放つ、究極のスタイリッシュ・バイオレンス・ムービー。
キャストに佐藤浩市、本木雅弘、根津甚八、椎名結平、竹中直人、
そしてバイク事故の後、眼帯をして出演したビートたけしの豪華キャスト。
他、永島敏行、鶴見辰吾、室田日出男、横山めぐみなどなど…

 バブル経済が崩壊して、社会から弾き出された5人の男たち。
多額の借金、リストラ、そして愛する女のために…
瀬戸際に立たされた男たちが取った一発逆転の選択とは…

 権利の問題でなかなかDVD化されなかった邦画の隠れた傑作。
噂だけ聞いてて、発売が決まって嬉しくて、予約して鑑賞する日を待ちました。
なんでも、「邦画版レザボア・ドッグス」と呼ばれているとか。
佐藤浩市が演じる万代はヤクザに多額の借金があるディスコ経営者。
本木雅弘が演じる三屋はコールボーイを装いカモから金をせびるチンピラ。
根津甚八が演じる米頭は汚職事件を起こし解雇された元・警官。
椎名結平が演じるジミーは元・ボクサー。商売女ナミィのヒモでヤクザの下っ端。
竹中直人が演じる萩原はリストラされたサラリーマン。妻子には内緒らしいが…
この5人が、何とヤクザの事務所を襲い金庫から大金を強奪。
勿論、それ相応の報復が彼らを徐々に襲う…たけし演じる京谷が恐い。
モックンはここでも静と動でメリハリ演技を見せつけております。
強盗シーンで机の上を颯爽と滑っていたのは三屋だそうで。

 万代と三屋の絆。
最初のシーン、三屋の夢を見て目が覚める万代は何を意味したのかな?
てっきり、三屋って危ない奴だと思ったんだけど、意外や意外、
免許書の誤解が解けたら万代に従順なカワイイ奴になっていた。
万代が急遽計画を変更してヤクザに囲まれながらも
一緒に被害者演技してるシーンではなるほどな、とハラハラして観てた。
万代さんの、指詰められて登場したシーンが無性に格好良かったっす。
三屋との最後のキスシーンは???てなったけど。
で、万代が殺されて勢いよく復讐しに行くのかと思ったら気弱なのな。
京谷を殺せたのに去ったのは…恐怖からか、二人を重ねたからか。
ラストシーンの時が止まったような演出はナイスだった。


 米頭の渋さ。
最初に万代と会うぼったくりバーでの演出はよく分からなかった。
汚職の詳しい説明も特になかったよね?奥が深そうなんだが…
金ができて家族で食事してて、無人になるのは恐すぎる…どうやったの?!
そして、手を振りながら無残に子供すら殺している。
三屋と最後の特攻を仕掛けるシーンも渋いねぇ。


 ジミーの執念。
パンチドラカーで喋るのもままならない。でもナミィの為なら何でもする。
元ボクサーとしての戦力にはならないし、計画通りにも行かないし(汗)
どうせ喋るならナミィが無事なうちに喋れば良かったのに…
どうせナミィが死んでしまうなら、死んでも喋らなければ良かったのに…
なんて、不可抗力なことを考えてしまう。最後の闘志で一矢を…!!


 萩原の狂気。
意外なホラーが…娘が出てきた瞬間、栗山千明?と思ったらそーだった。
キレて虐殺して登場した時から狂いっぱなしだったんだね。恐るべしバット。
風呂場のシーンとかもゾッとした。京谷が撃ってくれてホッとした。
その後、京谷と一馬のプレイが始まったのはビックリしたけど。
だいたい、アイツがナミィのパスポートを持ち出さなければ…
でもどうせバレたと思うけどね。ジミーも万代も怪しまれて当然だもの。


 意味不明に思えるシーンもちょこちょこあって、
セリフもシーンによっては聞き取り辛いんだけど、
強盗後の展開はスピーディで、ジワジワと追っ手が
生き残った彼らに伸びていく過程がドキドキしました。
こういう変な男の美学、哀愁、愚かな生き様は非常に好みでした。
♪ズカジャジャジャジャッのテーマ曲も印象強い。
続編では5人は女で、前作の5人が別役でカメオ出演してるとか。
もう揃えることは出来ないだろう豪華なメンツ。お宝入りです。


コラテラル (2004/米) 120分


 トム・クルーズが悪役を演じ話題になった犯罪サスペンス。
監督は「アリ」「ヒート」のマイケル・マン
共演は「Ray/レイ」でアカデミー主演男優賞受賞のジェイミー・フォックスと
ウィル・スミスの妻のジェイダ・ピンケット=スミス。
マトリックス・シリーズのナイオビ役が記憶に新しい。

 ロサンゼルスでタクシー運転手をしているマックスがその夜も仕事中。
最初に乗せた客は敏腕女性検事のアニー。親しくなり浮かれるマックス。
次に乗せたのはビジネスマン風の男。
不幸にも、彼はヴィンセントという名の殺し屋だった。
一晩のうちに5人始末する為、タクシーを移動手段として使われ
無理矢理同行を余技なくされたマックスだったが…

 なんだろう…たった一晩の出来事で、目を見張るシーンも特に無い。
土曜日の深夜にでもながら観するタイプの映画かな。
トム・クルーズの白髪、髭顔を見て、老けたなぁ…と思った。
ヴィンセントはもうちょっと手際よく仕事すると思ったが、グダグダじゃん。
冷酷非道っぷりは出てはいたけど中途半端にマックスに甘い。
要領も悪いし、あれでよく6年間も殺し屋が務まったもんだ。
警察も役立たずばっかりね。

 映像自体は少し地味だが全編夜の独特の雰囲気作り。
上空からのロサンゼルスの夜景はちょっと素敵だった。音楽も。
意外と、二人のする会話がシビアだったりする。
夢追い人は、耳が痛い事を云われます…
サスペンスやホラーでは定番だけど、何も知らない人に
電話かけて急いでヤバイ状況伝える時って
「何云ってるの?冗談はよして」「いいから聞くんだ!」
ってなやり取りが判っちゃいるけど、一緒に苛々してしまう。
マイケル・マンの作品とトムクルが好きなら観ればいい、って映画かな。
今時は珍しい、大人の男の世界っぽい渋さがある映画。

 ロサンゼルスという街、ってことで
最初に出た話とラストが皮肉にダブる洒落た作りになってた。
好きになった女性の為とはいえ、土壇場になってから行動起こす彼は
正直、どうかとも思うけど…うぅ〜ん。
あと撃たれた刑事、てっきり防弾チョッキ装備で
ラストで警官隊と一緒に出てくるかと思った。


殺したいほどアイ・ラブ・ユー (1990/米) 93分


 ピザ屋の主人、ジョーイは女好きのイタリア人。
貸しアパート世話する若い女性や相手は不特定多数。
女好きだが浮気はしないと信じていた妻のロザリーはそれを偶然目撃。
母親とも共謀し、夫を殺そうと計画し、ロザリーに好意を持つ店員と
あれやこれやと画策するものの…

 まず冒頭に、これは実際にあったお話です。と出る。
この映画はケヴィン・クライン主演で共演に今は亡きリバー・フェニックス
ウィリアム・ハート、キアヌ・リーヴス、ヘザー・グレアムなど…
流石、古い映画臭プンプンだったけど話は単純明快
しかし、あんな気持ちで浮気されてたらある意味幸せかもね。
決して本気まではいかない浮気。だけど、やはり許せない。

 ワイドショーに夢中ですぐ「いい子だね」っていうお母さん。
車の所で挙動不審になって、勘の良い男だったら気づくよな〜
睡眠薬を大量に入れたミートソース作ってみたり
拳銃を用意したり…見ているうちに、だんだん
ジョーイって殺される程酷い男だろうか…なぁ〜んて。
お客が来れば歓迎体制全開だし…気の良い人ってああいう人のことかな。

 ウィリアムとキアヌ演じるジャンキー二人組みのテンションが笑えた。
今では考えられない凄い役をやってるじゃありませんか。
リバー・フェニックスもそこら辺の若者って感じがよく出てた。
抱腹絶倒大笑いなコメディじゃないけど実話なだけに
人間って凄いのね、と普通に思ってしまった。

 ラストのこの題名に繋がるセリフで感動しちゃったよ。
なるほど、確かに!器がでかい人って素敵だね。
興行的に失敗してる映画らしいけど、このテイスト良いんじゃなくって?
ラフな気持ちで見れる映画だしね☆


 
コンスタンティン (2005/米) 121分






キアヌ・リーヴス主演のオカルトファンタジー。
公開初日に映画館に行きました。
だって凄い興味津々。天使と悪魔の話は大好き☆

 ジョン・コンスタンティンは生まれた時から強い霊感に恵まれ
人には見えないものが見えており、そのせいで親に病人扱いされ
過去に自殺未遂をしたことから地獄行きが決まってしまい
ヘビースモーカーで肺ガンを患い余命1年と診断された…
エクソシスト(悪魔祓い)をしながら贖罪を願うが、
自分本意の行動では償えないと言われる。
 偶然出逢った女刑事のアンジェラの頼みをしぶしぶ引き受け、
彼女の妹の自殺の真相を突き止めていく内に
悪魔たちがあることを企んでいることを知る…

 冒頭から悪魔祓いのシーンで、ホラーも交えてるのかと思ったけど
そうそう怖いと感じるものじゃなかった。退治の仕方がユニークだね。
運命の槍があそこで見つかってあの旗に包まっていたのはニヤリ
車でビクッとしちゃったよ。牛のシーンは牛乳アイスの宣伝思い出して笑った。

 天使と悪魔は直接現世に出ることは出来ない。
変わりにハーフブリード(人間と天使or悪魔の混血の意?)が影響を与える。
彼らのささやきで人間は罪を犯してしまったり、絶望から立ち直ったりする。
その人間社会に溶け込むハーフブリードを見分ける能力を持つジョン。

 女刑事役の人、どこかで見たと思ったらハムナプトラの人か…
あの映画よりかなり綺麗に見える。レイチェル・ワイズ
 キアヌは大根とか言われてるけど、魅力はあると思う。外見だけじゃない魅力
演技力が凄いわけじゃないけど、彼だからこそできる役がある。
彼は黒スーツとか服装でも栄える気がする。
今回のはみ出し者のジョンは好感持てた。
単純な正義漢じゃないヒーローって面白いじゃん
けだるい感じとか表情によく出てたと思う。
 あと、ふとした所で猫にやられた。かわいぃ…かなりやられた。

 この映画は地獄映像とかも面白いけど、一番の魅力はキャラかな。
ガブリエルとルシファー、終盤あたりが最高に良かった。
ティルダ・スウィントンは中性的でイメージぴったり。格好いい
ピーター・ストーメアもお茶目だし洒落た服装なのがいい!
今までのルシファーのイメージをいい意味で裏切ってくれて心地よい。
 キャラの性格と行動理念がそれぞれ面白い。
土壇場で主人公の取る最終手段もなかなか良い手だし(笑)
アクション主体じゃないし愛の力云々でもない。壮大な賭け事みたいな。

 天使も悪魔も使いよう、というジョンの姿勢が格好いいのかもしれない。
悪魔退治に色々気になるアイテムが出てきたなぁ
十字架型のショットガンもメリケンもお守りもライターも小道具が素敵だ。
女刑事との関係も、あれだから良かった。安易な展開じゃなくて。
続編…きっと1作目が一番いいとか言われるんだろうけど、でも観てみたい!
まだまだミカエルとか出てきてないじゃん〜
風呂敷広げ過ぎると収拾つかなくなりそうだけどさ…

ガブリエルは大天使のガブとは無関係だけど、何故その名なのか、とか
運命の槍の話とか、調べると面白い。
そういう天使悪魔の名前や聖書の話を最初から理解してた方が楽しめる。
バスタード好きだからこういう世界観の映画はたまんない!
喫煙者には耳が痛くなる映画かもしれない。禁煙考えてる人ならいいかも。
あとエンドロール後にオマケがあるからこれも見逃すべからず。




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