管理人NEROが映画について語ります。

Caramel Cinema


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アドルフの画集 (2002/ハンガリー・加・英) 108分


 これはあの有名なアドルフ・ヒトラーの過去の話。
多少脚色はあるけど、事実当選する前は売れない画家だった。
彼が何故あれほど支持を受けて、独裁政権を築けたのかってので
有名なヒトラーの演説、言葉の力、人を惹き付けるパフォーマンス…
これはその権力を手に入れるずっと前の話。

 原題は「マックス」らしい。
マックスっていうのはヒトラーと交友関係になるユダヤ人の画商で
彼が主人公にはなってるんだけど、いかんせんやはりヒトラーに目がいくね。
 ヒトラー役はノア・テイラーという役者
どっかで観たことがある!!どこで?って思っててあとで分かった。
彼は「シャイン」の主役。シャイン…妙に印象に残ってたな。
鼻が大きく筋があって色白でちょっと痩せ気味なんだけど
凄い目に力があってそれでいて凄くか弱い感じ。

 ドイツは前の戦争で負けて外国に多大な損害賠償を払う羽目になり
国は傾き景気は低迷、、国民は国に失望していた。
ヒトラーは兵士として戦ったのだが、そこでは貧乏な少佐
自分の描いてたスケフを持ってマックスの画廊を訪れる。

 描いた絵を見せるが「心に訴えかけるものが足りない」と言われて
色々と試行錯誤を重ね、口論したりもして作品を描こうとする反面、
ヒトラーは軍の上司に演説の仕方を習わないかと誘われる。

 ヒトラーは色んな画家を批判して、それでいて自分の作品を描けなくなる。
マックスに「君は口だけだ」と言われて
キャンパスに怒りをぶつけるみたいに描き殴るシーンとか観てて
凄い心が痛くなった。…この役者が印象的なのもあると思う。
ヒトラーの画家としての結末がどうなるのか分かっているけど
途中から、そうなって欲しくない、このままうまくいって欲しいとか思ってしまった。
思えば現実でもその当時、ヒトラーが絵で食べていけたなら
ナチス政権はなくて、ユダヤ人の大量虐殺もあそこまで
酷い第二次世界大戦もなかったのかな…と思った。
でもヒトラーがいなくても誰かが変わりに同じようなことをしたかもしれない。

 正直、マックスの不倫や演劇は別に映画的にはいらなかったと思う。
この映画ではいまいちヒトラーが個人的にユダヤ人のことをどう思っているのか
詳しい描写が足りなくて理解に苦しむけどね。
嫉妬と尊敬の念が混じっていたのかな。芸術への葛藤は描写があったけど…
本心じゃなくて脚本通りに演説こなして成功したのか、
それとも途中からそう思い始めたのか。
マックスとは仲良くはしてたしね。

 作品の良し悪しで言えばそこまで完成度は高くないし
矛盾や話的に至らない点もある映画だと思う。
私としては凄く印象に残った、色々考えさせられる映画でした。
監督が「どうして彼のような人間ができたのか、我々は考える必要がある」

と言っていたのも忘れられない。



アレキサンダー (2004/米) 173分






 オリバー・ストーン監督の壮大な歴史スペクタクル映画。
若きアレキサンダー大王は世界を手に入れるために何をしたのか…
未だ多くの謎に包まれたアレキサンダー大王の生涯を描く。

 主演のコリン・ファレル…構えて見たけど印象悪かった〜ダサい。
ブロンドの髪が不釣合いな顔つきしてるもんな。
母役のアンジェリーナ・ジョリーは好き。ああいう役まわりも好き。
アンソニー・ホプキンスも出ているし、
ここらへんの歴史は好きだから長くても退屈しないと思って劇場へ足を運んだ。

 何でだろう…全体的に安っぽい印象を受けた。
冒頭でアンソニーの喋りっぱなしで地図上戦がどんどん終わっていってしまうし
戦闘シーンでも、身につけてるものとかが偽物感バリバリ
そりゃ当時の本物っぽさって何なのかと言われたら説明できないけど…うん

 プトレマイオスがエジプトを築いていく映画でも良かったかも。
アレキサンダーは英雄アキレスに憧れ、
シーザーはアレキサンダーに憧れて…そういう繋がりみたいなもの感じた。
 アレキサンダーが同性愛者だった描写は、中途半端だった気がする。
いまいち、男同士の友情の延長線な立場に感じた。
劇場公開に備えカット編集されたという噂も聞くけど、
当時は同性愛に対して差別や偏見は存在しなかった。
それもひとつの人間同士の絆の形みたいなものだった。
その、「自然なものなんだ。」というイメージを観せて欲しかった。

 父が毒殺され20歳の若さでマケドニアの王位に就いたアレキサンダー
母に疑いと恐怖の念を抱き、一緒に暮らすのが嫌だから遠征に出たっぽい。
 いろんな国へ行き、侵略し戦い支配を繰り返しどんどん進む。
アレキサンダーが世界統一して戦争の無い平和な理想郷を築こうとした、とか
そういう理由づけがないから理解に苦しむ。
歩かされ故郷をどんどん離れ戦死していく兵士はそりゃたまったもんじゃない。
映画の後半で兵士たちの反対意見を黙らせるアレキの演説も何じゃそりゃ状態。

 戦の場面も判り辛かった。砂煙だらけで。
「クレオパトラ」や「トロイ」「スパルタカス」等の方がどんなに見易かったか。
終盤の森で象と戦ってたシーンは集中できたけど
馬対象の図をスローで見せられた時には笑うしかなかった。ギャグ?
アメリカで上映時はアレキサンダー早く死ねコールが沸いたとか…

 側近の人間がいっぱい出てきて把握しきれなかったのも原因かと。
愛着持てたキャラが王妃オリンピアスだけだったのも問題…
もっと魅力的なキャラ作りもしてほしい。映画全体で、
偉大な王はこうしてこうして、こうなって、こうなりましたとさ、って印象。
しかし、それもこの時代のことちゃんと勉強してなかったせいかなぁ
外国の古代史なんて義務教育学校じゃ習わないからね。
映画を理解する為にも勉強してもう1回見直さないとダメかな。
そういう意味で非常にとっつきにくい映画だと思う。



神に選ばれし無敵の男 (2001/独・英) 130分






 鬼才ヴェルナー・ヘルツォーク監督が、ナチス台頭下のベルリンを舞台に、
歴史の流れに呑み込まれる二人の男の数奇な運命を描いた真実の物語。
主演は「海の上のピアニスト」のティム・ロス。
ストロングマン・コンテスト優勝者のヨウコ・アホラや
国際的ピアニスト、アンナ・ゴラーリなど演技未経験者が大抜擢され、
実際の技能もさながら、みごとにその期待に応えている。

 1932年ポーランド。鍛冶屋を営むユダヤ人一家の長男ジシェは、
賞金目的で対決した“世界一の力持ち”の男相手に難なく勝利してしまい、
その怪力が認められてベルリンのショーに出演することになる。
雇い主のハヌッセンは千里眼の持ち主で、オカルトの館を経営しており、
ヒトラー政権下で重要なポストに就く野望を抱いていた。
彼は、ジシェの芸名を“ジークフリート”と名付けカツラをかぶせて
ユダヤ人であることを隠して出演させると、その舞台はたちまち評判となった。
しかし、ユダヤであることに誇りを持つジシェの中では、
自分を偽ることに対する葛藤が次第に強まっていくのだった…。

 大層な題名と、ティム・ロス主演ってことで観たんだけど…
これは物語の主役は明らかにヨウコ演じたジシェだろー!
ジャケットは思いっきりティム・ロスで、映画の趣旨が違うんじゃ…
実際にあった出来事を映画にしたらしいが、
現代のサムソンことジシェがしたことはそれほど凄いことじゃないね。
むしろ、
あんな小さなことがアダとなって…ドジ踏んだな…って思った。
演技未経験かつ、英語も覚えたてのヨウコの演技は絶賛されている。
ピアニストの女性、ルックス微妙(失礼だが)と思ったら
本物のピアニストを抜擢していたのですね。
さしずめティムは素人役者たちの脇固め役といった所でしょうか。
彼が自信満々なキャラを演じていたので、流石似合っておりました。

 ヒトラーがかなりのオカルト好きだったことは有名ですね。
この映画には直接出てこなかったけど…
ヒトラーが政権を握ることになる直前までの物語。
これから先のユダヤ人の悲劇は語る必要もないだろうけど。
てっきり、ヒトラーを影で操るから無敵の男ってタイトルなんだと勘違いしてた。
これから凄いことが起こるのか?と思っていたら
尻つぼみな展開でガッカリ。彼はすぐ退場しちゃうしねぇ。
ナチの重役に日本人のイメージが語られててちょっと注目してしまった。
ヨウコは実際にでかいトラックを引っ張れる怪力の持ち主で
メイキング映像では映画に対する意気込みが大いに語られている。
ティムを持ち上げてるの観て、さぞかし軽そうだな〜なんて(笑)
ハヌッセンをあんな場で糾弾してしまって…
彼女を助ける為とはいえ、ちょっと可哀想になってしまった。
ハヌッセンはユダヤ人だろうな〜って最初の方で推測できたしね。
実は生きてるんだろ!なんてあらぬ予想をしてしまった。
もし千人のサムソンがいたとしても、やっぱり別の方法で戦わないとね。
あの例えは、力が強いってことじゃなく、意志を意味しているんだと思うけど。


宮廷料理人ヴァテール (2000/仏・英) 118分






 ソムリエの原型、ホイップ・クリームの創作など、
フランス料理界に名を残す天才料理人フランソワ・ヴァテール。
彼の生き様を、フランス映画史上空前の制作費40億円を投じ、映画化。
監督はアカデミー賞3部門受賞の『キリング・フィールド』、
『ミッション』で知られる巨匠ローランド・ジョフィ。
音楽は『ニュー・シネマ・パラダイス』『海の上のピアニスト』のエンリオ・モリコーネ

 1671年、コンデ大公のもとに、ルイ14世から居城シャンティイ城への
3日間の訪問が告げられた。老いた英雄コンデ大公は再起をかけ、
莫大な借金をも厭わず一世一代の大饗宴で国王をもてなそうとする。
総てを取り仕切る事になった宮廷料理人のヴァテールは限られた時間の中で
贅を尽くした完璧な料理と、その料理にふさわしい演出を準備する。
やがて歴史に残る3日間の華麗な宴が始まるが、
その裏では、陰謀、裏切りなど様々な欲望が渦巻いていた…

 この料理人の話は知ってたけど、映画があるとは知らなかった。
主演を務めたジェラール・ドパルデューは有名らしいけど、あまり知らないな。
ユマ・サーマンとティム・ロスの共演が楽しみで観た。
そういえば二人とも、上瞼が分厚いって共通点が…笑
ユマがティムの友人でもあるゲイリー・オールドマンと離婚してたのは知ってたが
その後、『ガタカ』で共演したイーサン・ホークと再婚してたとは…!
んで『キル・ビル』前に子供を産んでるわけだけど
イーサンの浮気報道が原因で別居中。離婚調停の話が進んでいるらしい。

 金をかけただけあって、壮大で豪華なセット。
でも料理人らしい場面は菓子細工を作ったりとシーンには少なかった。
料理人っていうより壮大な持て成しの総合管理者って感じでした。
とにかく多忙らしく、ぶきっちょな性格でせっかくの王の誘いも乗らない。
何日間も寝ないでプランを考えて、あれやこれやと周りに指示を出す。
残念ながら人間ドラマ的にはうまく描ききれていない感が否めない。
とりあえず美術が素晴らしいです。

 ローザン侯爵がもっとでしゃばって邪魔してくれると思ったが
案外と生易しい妨害だったな。アンヌがわざわざ忠告する程でもなかった。
宮廷で優雅に暮らす貴族たちが本当の意味で心から楽しめるのは
他人を陥れる策略や自己顕示欲を満たす行為ばかり。
借金で首が回らないヴァテールはそれでも尽くす。
そして宴の最後の日、あることを悟るわけだ。
華やかな舞台を見て嬉々してる観客たちの裏では
裏方たちが必死に素晴らしい舞台を演出しているのだ。

 痛風治療に生きた鳥の心臓が必要とか、無茶苦茶じゃないかな。
インド式の食卓ランプとかあったけど、もっと料理の芸術も見たかった。
貴族たちが被ってるでかいクルクルカールな頭が
おかしいんだけど、歴史で、日本のマゲとかと同じなんだろうな。
でも付け外しが出来て便利そう。ありゃ、暑苦しそうだ。
DVDにはキャストのインタビューも載っているので楽しめた。
主演を務めたジェラールはフランス人で、劇中では英語で喋ってたけど
あとでフランス語にも吹き替えれるよう配慮はあったとか。
出てる俳優はほとんどイギリス人だったね。ユマはアメリカ人だけど。
風を止めた、とか変テコなシーンがちょっとあった。
完璧を求めたヴァテールにとって、その後があるなら何を望んでいたのだろう。


クレオパトラ (1963/米) 244分


 巨額の制作費をかけて製作されたことで有名な
エリザベス・テーラー主演の歴史スペクタクル大作。
 紀元前48年、エジプトを侵略したローマの将軍シーザーは
クレオパトラと出逢い彼女の美しさと聡明さに虜になる…
敵対していた彼女の弟、プトレマイオスから王座を奪い返し
クレオパトラをエジプトの女王として迎えた…

 最初にこれを見た時は中学生だったんですが、虜になりました。
絵画から現実の場面に変わっていく場面など、「どうやって撮ったんだろう…」
と、歴史的な絵画の通り、性格に歴史を追っていると錯覚し夢中になりました。
 エリザベス・テーラーは美しい…の一言でした。
シーザーがアレキサンダー大王の像の前で泣いた話や
クレオパトラが毒見役の侍女に言ったセリフなど、今でも鮮明に覚えている。
「子供を産めない女は水の無い川よ」といったセリフも…
有名(?)な「ブルータス、お前もか!」のシーンも見れます。

 滅茶苦茶長いので前後編に分かれていて
シーザー暗殺までが前編、後編アントニーと深い仲になり、
彼女がその生涯を遂げて終わる。
物語的に退屈とか、つまらんといった意見が多いみたいだけど信じられない。
やっぱり映画は人によって全然感じることが違うのだなと実感。
セットも衣装もエキストラも、何から何までスケールがでかい。
物語的にイマイチだったとしてもかなり贅沢な映画だと思う。

 ローマに凱旋するクレオパトラのシーンは豪華。派手。
劇中クレオパトラが変なことにこだわり持たなければ勝利してたと考えると
案外、歴史上でも似たような小さなミスで悲劇が生まれたのかもしれない。
クレオパトラはローマでは英雄シーザーをダメにした魔女と呼ばれた。
「クレオパトラの鼻が3cm低かったら世界は変わっていた」とはよく言ったものだ。
でもこの映画を観て、彼女の魅力は外見の美しさじゃなくて
あの時代に男に堂々と意見する度胸や誇り、聡明だったからじゃないだろか
歴史上の彼女は、とても賢く外国の言語もいくつかマスターしていたらしい。

 ラストの指輪に気づくシーンではかなり可哀想だったな…
でも、あのまま従えば自分がどうなるかを考えてああしたんだな。
もしタイムマシーンがあったら、自分の事とかよりまず
実物のクレオパトラを拝んでみたい…なぁ〜んて当時よく思っていた。


ジャンヌ・ダルク (1999/仏・米) 157分


 リュック・ベッソン監督、ミラ・ジョボヴィッチ主演
フランスとイングランドによる百年戦争の末期、劣勢だった仏軍を優位に導いた
フランスの国民的ヒロイン、ジャンヌダルク。

彼女は13歳の時に神の声を聞き、シャルル7世をフランス王にした。
その後捕えられ19歳の若さで火刑に処せれられた。
死を寸前に彼女の心中にあったものとは…

 当時、劇場に観に行って衝撃を受けました。
ポスター観た時は男が演じてるのかと思った。マッシュルームカット
映像の見せ方がとても新鮮で斬新で映画の中に入り込んでしまった。
彼女が聞いた神の声、見た神の姿…
オルレアン地方の辺境の村に住む幼いジャンヌは草原で遊んでいた。
時間が経って、家に帰ると村がイングランド兵によって焼き討ちにあっていた
逃げ遅れたジャンヌをかばい、無残に殺された姉…
その時からジャンヌの心に復讐の炎が灯った。

 ミラの他にもジョン・マルコヴィッチ、フェイ・ダナウェイ、ダスティン・ホフマン
どのキャラクターも非常に強く出ていて良かった。
フェイ・ダナウェイの額が怖い…宇宙人みたいだった。
ダスティン・ホフマンの役どころがとても神秘的だった。
最初はその存在が何なのかわからなかったけどラストになってようやく判った。
彼がジャンヌの頭に手を添えた時、胸がうち震えた。

 ミラはがくがく震える演技が多いと思う。
本当に気が違ってしまったんじゃないか、という役所も。
ジャンヌがあれだけ頑張ってきたのに、シャルルの野郎!!!
歴史上のジャンヌはどんな娘だったのだろう…
身分も無いまだ若い娘が大勢の兵を率いて戦うなんてな…想像を絶する
フランスへ行ったとき、いくつか像は建っていたけど。
あんまり現在の本国では人気がないみたいなのね。寂しい限り。

 たまにテレビ放映されると大抵見てしまう…
日本語吹き替えでも充分見れる作品だと思うし。
現実と幻想があやふやになっている世界観が素敵だ。
ラストの壮絶な終わり方でかなりショックを受けたけど文章で安堵した。
B級なのかもしれないけど、私はこの映画かなり気に入ってます。


スパイ・ゾルゲ (2003/日) 182分






 「写楽」「梟の城」の篠田正浩監督作品。
イアン・グレン、本木雅弘、椎名結平、上川隆也、葉月里緒菜、
夏川結衣、小雪、永澤俊矢、榎木孝明、麿赤児、
吹越満、竹中直人、石原良純、岩下志麻…

 第二次世界大戦時、8年に渡り日本で情報収集を行っていた
実在したソ連のスパイ、ヒャルト・ゾルゲの実像に迫る作品。

 まず最初に尾崎秀実とゾルゲが捕まり過去をさかのぼって話が始まった。
昭和の街並みとかが凄いいい。こんなスケールのでかい邦画は初めてかも。
予算もかなりかかったと思うし…CGが少し安っぽいけど。
一番ドキドキしたのは226事件かな。
軍の一部の人たちが天皇と国民を食い物にしている汚職政治家達を粛正する、
犬養毅をはじめとする政治家連中を殺した事件。
天皇はそれに立腹し、そのクーデターを起こした連中を死刑にした。
彼らは彼らで己の正義を信じて天皇の為にやったのに、
凄い無念さが伝わってきた。
とにかくこの映画は歴史上の有名な人物が沢山出てくるので、
勉強不足の人にはつらいかも。

天皇はあえて顔見せないで撮影するのかなと思ったけど後半顔が見えた。
でも東条英機が竹中直人って…全然威厳が感じられないよぉ〜
近衛さんは雰囲気ばっちり。西園寺公望もイメージ通りかな。
なんか、この映画に出てくる男達はみんな硬派で
格好いい男前が多いと思うのは私だけかなぁ?
惚れ惚れしちゃったよ。なんていうか、
一般的なかっこよさとは違う、りりしさがある。


 私的な見所としてはやっぱ明治村でロケしたとこかな。
まず帝国ホテルのシーン、結婚式に使った教会、病院。
よく行く場所だったからロケに使われてると嬉しい。
なんか感激だなぁ〜ちゃんと時代って感じになってる。
こういう映画は日本でしか作れないよね。
仮にパールハーバー作った人なんてひどいよ。
日本というイメージが中国と混同されてるし。
だから日本人にしか撮れない映画だよな。
日本文化とかイメージを誤ってとらえてる外国人にも観てもらいたいね。
ベルリンやモスクワ、上海も出てくるから、
映像美としては申し分のない映画だと思う。

 冒頭に魯迅の文章から始まるのはまだいいんだけど
ジョンレノンのイマジンで締めたのはちょっと違うような気がしたんだけど…
そして年老いた華子の台詞も余計だったように思えてならない。
最後に、これって恋愛映画だったっけ?ってなっちゃうだろうが。
それに華子が最後を締める重要な役割だったんなら、
もっとゾルゲとの恋愛描写が必要だったようにも思える。
とにかく、長かった。いろいろエピソードを盛り込み過ぎて
山場や見せ場が大してなかったのが痛いところ。
物語のテンポもあまり感じなかったし…
単調に歴史を追っていくような図式で、個々の登場が少なかった。
宣伝では「歴史を動かした怪物」みたいなキャッチフレーズだったと思うけど、
あまり凄いことは成し得なかったような気が…失礼かな。
いや、勇気は認めるよ。真似できないよ。

 国に逆らうとか、死を覚悟してとか。でも尾崎さんはなんか可哀想だったな…
そしてあんなに貢献したのにソ連は…ゾルゲの妻にもひどい仕打ちを。
共産主義は好きじゃないんでゾルゲに感情移入はできなかったかもしれない。
ゾルゲ自身もスターリンの独裁や粛正で心は揺らいでたみたいだけど。

 ゾルゲといえば手塚治虫の「アドルフに告ぐ」でも登場してます。
この物語も映画かドラマになったら面白いと思うのですが…
”もしも”はないけど歴史ものって考えさせられますね。



スパルタカス (1960/米) 198分


 スタンリー・キューブリック監督
カーク・ダグラス製作総指揮、主演の名作映画!!
昔これを偶然ビデオに録画して、もう何回観たことか…

 時はローマ帝国の栄えた時代。
ローマの侵略によって国が滅び捕虜となった者たちは奴隷として働かされる。
その一部の者達は、訓練を受け剣闘士にされ、見世物として殺しあう。
そんな剣闘士たちの一人、スパルタカスは反乱を起こす。
次々と同じ境遇の剣闘士や奴隷を仲間に付け、軍隊を作り
大ローマ帝国を相手に自由を勝ち取るため、戦いを始める!!

 「グラディエーター」のオリジナル版とでもいいましょうか。
正直、これに勝ることは出来ません!
スパルタカスに惹かれる女性とのあまり言葉を交わさない仲が印象的でした。
剣闘士とは、何て残酷なシステムなんだろう
殺し合い、どちらかが死ななければ終わらない。
ドームのまわりを取り囲む群衆は誰かの血が流れるのを待っている。
狂気の渦のように熱狂し叫び続ける群衆と
それを美女はべらかし酒を飲みながら楽しそうに観る上流階級。
 相手を追い詰めた時にその見物人の貴族たちが
親指を下にしたら「殺せ」、殺させるのは勘弁させてやることも出来るらしい。

 ローマ人たちがサウナでマッサージ受けてたりする。
そこで奴隷の反乱でどうこう〜と、世間話される。
話にはあまり絡んでこないけどシーザーも出てくる。
 ローマ人のあのでかい白布ファッションは真似してみたい。
栄華を極めたローマ帝国だったが、彼らはほとんど働かない。
侵略で手に入れた奴隷を主に働かせてばかりいて、
民衆のご機嫌取りで剣闘士の殺戮ショーなど、刺激ばかり求めていたせいで
ローマはのちに滅びることになる…

 スパルタカスたちは船で海を越えて自由を手に入れようとする。
しかしローマ側も、反乱を成功させては各地の奴隷が後に続くと恐れ
何としても逃がさず皆殺しにし、見せしめにする必要があった。

 だだっぴろい丘での戦闘シーンは戦略を駆使し繰り広げられ
手に汗握って画面を見つめていたなぁ…
統率の取れたローマ軍と烏合の衆の反乱軍の対比が面白い。
これで、ああなっていたら、歴史は変わっていたのかな、なんて
映画なのに実際の出来事を過去の記録として見終わったかのようだ。



300<スリーハンドレット> (2007/米) 117分






 原作・製作総指揮『シン・シティ』のフランク・ミラー
監督・脚本は『ドーン・オブ・ザ・デッド』のザック・スナイダー。
主演に『オペラ座の怪人』のファントムを演じたジェラルド・バトラー(レオニダス王)。
共演に『ブラザーズ・グリム』のレナ・へディ(王妃ゴルゴ)、
LOTRのファラミア役などで知られるデヴィッド・ウェンハム(語り部ディリオス)、
『ハンニバル・ライジング』などで悪役を務めるドミニク・ウェスト(政治家セロン)、
人気上昇中のラテン系ロドリゴ・サントロ(ペルシア王クセルクセス)。

 紀元前480年。スパルタ王レオニダスのもとに、ペルシア帝国の使者が来る。
1000もの国々を征服した東方の大帝国が次に狙ったのはギリシアの地。
国を滅ぼされたくなければペルシア大王クセルクルスに土と水を差し出し、
服従の証を示せと迫った使者を葬り去り戦う決意を示したレオニダスだったが、
スパルタの古くからの仕来りが邪魔をし、軍隊を出すことを司祭たちに止められ、
僅か300人の精鋭を連れ、祖国を守る為に旅立った。
王妃ゴルゴは議会に呼びかけ、派兵を強く訴えるのだったが…
ペルシア兵100万人を相手にテルモピュライでかつてない戦いが幕を開ける。

 ギリシャ・ローマ時代が大好きな私としては、見ておかねばならぬ映画。
かといって歴史劇のつもりで観に行くのはいささか問題があるかもしれない。
二度目からはもう、戦いの理由や民主主義だ専制主義だ、耳に入らない。
渋い色彩の素晴らしい映像美、時々スローになる動きや表情、
そして何よりも荒々しく、猛々しく、残虐でいて神々しいその戦い!
互いの盾を重ね合わせ密集陣形を組む“ファランクス”、
槍を突き刺し、ブン投げ、赤マントを翻し、盾を振り回し、剣を舞わせる姿に熱くなる!
役者たちは甲冑のような筋肉を自らの訓練で創りあげ、撮影では
ブルースクリーンの前で想像力をかきたて、素晴らしい演技をしている。
対するペルシア軍も様々、個性的な形相、戦法で来てワクワクする。
ふたつの軍が対照的で、ペルシア軍の化け物集団のような描写が問題となり
人種差別だ、と中東の国では議論が巻き起こってしまったんだとか。

 革パン、赤マント、兜、盾、槍の装備で戦う姿は史実と多少異なる。
実際は鎧甲冑をつけていたそうだが、ムキムキぶりは素晴らしいからね!
あの格好のスパルタンが何人も出てくるから凄いんだ。
撮影開始では出演者も恥ずかしがっていたけど、慣れてきたら逆に
服着てる人間の方が不自然に思えてきたんだとか(笑)
語り部役でもあるファラミア君があんな身体になってるとは驚きでした。
レオニダス王の立派なヒゲにもご注目。ナイスなキャスティングだったと思う。
もう、これから他の映画で彼を見かけても「王!」って呼んじゃう。
クセルクセス王
の貴金属ファッションも目が釘付け。
身体も妙にデカい。妙にカマっぽい。声が野太い。でも慈悲深い。
御輿に乗って登場の仕方も漫画の
大ボスっぽくて素晴らしい。

 ちょっと残念な点は、妙に何たら主義とか口にする所。
別にスパルタなんだから
(何じゃそりゃ)戦の大義名分とか政治思想とか。
息子を殺された隊長の落ち込みようと、それによって気まずくなる隊。
せめて、憎きペルシア兵を一人でも多く道連れに、息子に会いに行こうぞ!
なんて感じで最終的にブチ切れて暴れて欲しかったな。
ラストの戦いの結果、どうなったのか文章説明があった方がいいと思う。
ペルシア軍を撃退したんだ、って歴史に詳しくない人でも分かって、
300人のスパルタンの壮絶な戦いがペルシア軍の士気を下げ、
ギリシャの国々を立ち上がらせ、後の勝利を導いたんだ、と理解できるから

気になったのはそれくらいで、あとはどこまでも素晴らしい。
普通の戦争ものの悲壮感はなく、妙に清々しい気持ちになれるのも良い。
どこまでもスパルタン。戦死こそが栄誉。そこが何だか素敵だ。
今現在の所、2007年公開作品で私的No.1です。98点。
この作品は映画館の巨大スクリーンで堪能しなければ損です!


セブン・イヤーズ・イン・チベット (1997/米) 126分





禁断の聖地“チベット”を舞台に、一人の登山家の数奇な運命を描いた魂の実話。
 1939年、オーストリア人の登山家ハインリヒ・ハラーは世界最高峰の
ヒマラヤ山脈を制覇しようと、身ごもった妻の反対を押し切り出発した。
だが第二次世界大戦の影響でイギリス軍に捕まり、捕虜になったハラーは
同じく登山家のペーターと共に脱獄に成功し、
外国人が足を踏み入れることを禁じられているチベットに入り、
幼くしてチベットの代表者となった少年“ダライ・ラマ”と交流を深めていく。

 監督は「トゥー・ブラザーズ」のジャン=ジャック・アノー。
主演にブラッド・ピット、共演にデヴィッド・シューリス、マコなど。
音楽は過去何度もアカデミーに輝いた巨匠ジョン・ウィリアムズが担当。
全スコアを通して、天才チェロ奏者ヨーヨー・マの独創的な演奏、
更にイタリアの伝説的デザイナー、エンリコ・サバティーニが
チベットの精神文化を反映させた美しく豪華な衣装を創り、大きな話題となった。

 本作では中国のチベット侵攻を描いた為、チベットではロケが叶わず、
撮影は主にアルゼンチンで行われたが、実はアノー監督は秘密裏に
チベットに撮影隊を派遣。本物のチベットを映した20分程の映像が収められた。
この事実が明かされたのは、完成2年後の99年だった。
試写会に参加した中国人マスコミは映画の内容に憤慨し、途中退席したそうだ。

 中学3年の頃かな?初めてビデオレンタルでこの映画を観たのは。
俳優も景色も美しいし、大切なことを教えてくれるような作品です。
この映画を見るまではチベットって名前だけで何も浮かんでこなかったのに、
“チベット問題”について社会勉強にもなります。中国政府に怒りを覚えます。
今でもチベットの国境を越えて行くチベットの僧を
容赦なく撃ち殺す中国兵の映像………胸が苦しくなります。
今でもダライ・ラマは各国に呼びかけているそうですが、望み薄です。
中国ではこの映画は上映禁止なんだそうです。
100万のチベット人を殺害し、8000の寺院を破壊した事実も隠蔽したいのでしょう。
イラクなどの中東問題もそうですが、世界平和は遠い。

 ブラッド・ピットの風になびく金髪が美しいのも印象的でしたが、
彼は染めてるらしいですね。でもこんなに格好良いブラピを拝める作品。
ダライ・ラマ少年の無邪気さにもグッときます。
洋服を仕立てる彼女の言ってる言葉も心に響きます。
「貴方たちが褒めたたえるのは1番になった人、
私たちが尊敬するのは、エゴを捨てた人よ。」
吹き替えだと、“人の嫌がることを進んで引き受ける人”だったけど。
ペーターとの友情もなかなか。最初は気が合わなかった二人が
一緒に危機を乗り越えたりして親しくなっていく。
女性を取り合ったり、時計のエピソードもなかなかいい。
頑固で自信家のハラーがチベットで7年過ごすうちに変わっていく。

 ジグメのやったことが必ずしも悪かったわけでもないんですよね…
実際に抵抗を続けても命が多く失われていくだけだったかもしれない。
でも抵抗を続けていれば他の国が気づいてくれる、という希望もあったれど…
中国が徹底的に悪として描かれていると言われていますが、
中国がチベットを侵略していい正統な理由なんてのも無いはずでしょう。


 少し長い映画だけど、癒されます。人に薦めたくなる映画。
そして優しいだけじゃない、厳しい現実も思い知るけれど。
キリスト教の教えが素晴らしいとは思えないけど、
チベット仏教の教えは素晴らしいんじゃないだろうか。
中国人でもあのジェット・リーなどはチベット仏教の信者らしいです。
一部の中国人は自国の政府のやりかたには疑問を持っているんだと思う。
今まで知らなかった世界を知る、人々の暖かさに触れる、
何故だか部屋でテレビ画面を見つめていただけだったのに、
自分がさもチベットに一時行ったような感覚を味わい、
この国に平和が訪れる日を願わずにはいられないんです。


セレナ (1997/米) 128分


 ジェニファー・ロペス主演の伝記サクセスストーリー。
第2のマドンナと称されながらも24歳の若さでこの世を去った
ラテンポップス界の歌姫セレナ。
実在した、彼女のトップシンガーへの道程をドラマチックに描いた作品

劇場未公開の映画。

 ラテンアメリカ系の女性歌手がアメリカで成功するには何倍もの努力が必要。
さらにメキシコへ行っても半端もの扱いされ、成功は難しい。

その壁を初めて破ったのがテキサス出身の才能溢れるセレナだった。
 セレナの父はメキシコ料理店で英語の歌を歌い大失敗。
歌手としての夢を諦め、普通の家庭と仕事を持つ良き夫として暮らしていた。
ある日、セレナの歌声に光りを見た父は楽器を買い揃え
セレナの兄A.B.と妹のスゼットにベースとドラムをやらせバンドを結成。
しだいに音楽活動にすべてを注ぎ込むようになり
各地を周り有名になっていくセレナのバンド。
スペイン語も勉強し、メキシコでも受け入れられてゆく…

 最初の印象…ジェニファー・ロペスってこんな顔だったの?!
歌手アルバムのジャケットしか見たことなかったので;意外でした。
何か日本のドラマのちょい役にいそうな顔だなと思った。
でもそれもつかの間!観ているうちに、その芋っぽい雰囲気が消されていった。
エンストした車のくだりとかギタリストのクリスとのピザ屋の会話を見てて
一緒になって微笑んでいる自分がいた(きもいよ)
何て魅力的なんだろう…映画を観終わったあとでそう思った。

 あとセレナの父親役のエドワード・ジェームス・オルモスが良かった。
めっちゃ頑固親父。メガネのせいか、丹波哲郎に見えて仕方なかった。
 正直、歌姫セレナのことはこの映画観て初めて知りました。
きっと現地では有名なんだろうけど…
でも劇中で歌われる歌は知ってる歌もちょこちょこあった。感動☆
確かに下着だ。私がお父さんでも許しませんよー!
ビスチェだって云われたら案外、納得しちゃうかもしれない。

 クリスと一緒にいるところがホントに幸せそうに感じた。
父親にいざ会いに行く時、見てるこっちまでドキドキしまくった。
無礼な服屋の店員は一緒にザマーミロと思った。
おだやかで、面白くて、じっくり観れる映画。なかなかの秀作です。

 彼女が死ぬ場面はサラリと流れていき、あっという間だった。
ああ、もう彼女はいない。どんな気持ちでこの世を去ったのだろう…
もっと歌っていたかっただろうな…なんてしみじみ思った。


トロイ (2004/米) 163分


 ブラッド・ピット、エリック・バナ、オーランド・ブルーム、ダイアン・クルーガー
ショーン・ビーン、ピーター・オトゥールなど豪華キャストによる歴史劇。
「トロイの木馬」の物語は御伽噺として伝えられてきたが
最近の発掘調査でトロイの都が存在したことが確認された。

 紀元前12世紀、トロイとギリシャの強国スパルタは和平を結ぶ。
スパルタの妃ヘレンとトロイの王子パリスは密かに愛し合っており
ヘレンを勝手にトロイへ連れ帰ってしまう。
激怒したスパルタ王メネラウスはギリシャ中の軍隊を集結させトロイを攻める。
その史上最大になるだろう戦に名を残そうと英雄アキレスも参戦する…

 こういう映画は映画館でその世界を楽しみたい。
行ってよかった。予想以上に面白かった。
半袖スカート鎧で重そうな剣を振り回すのは迫力あった。
ブラピのアキレスも、癖のある性格で掴み辛いけど
決闘シーンはドキドキしたし、時間を忘れて魅入ることが出来た。

 へクトルが次第にどんどん格好良く見えてきたのも納得だ。
思った以上にへタレになったパリスは、逆に天晴れなキャラだ。
苦労人なオデッセウスも、好感持てたし。
砂と海の色が映えて気持ち良い景色だった。
装飾品や服の生地、鎧や盾も作りこんであって綺麗だった。

 ギリシャ神話では神々の名前が登場し、それぞれ気に入った人間に
加担したりもするんだけど、今回は象徴的存在とだけで
そっちの方が現実感もあったし成功だと思う。
 死人の両瞼にお金を置く習慣が、日本の三途の川の渡し銭と同じだった
時代も場所も遠く離れた違う文明でも同じようなことをしてたのか…と親近感

 女性陣も美しいけど男性もそれぞれ男前が多いところでも見ごたえある。
観終わってパンフを買ってDVDが出たら絶対に買おうと決めていた。
もっといっぱい映像特典つけて欲しかったけど…本編だけでも満足としよう。



ネバーランド (2004/英・米) 100分


 監督は「チョコレート」のマーク・フォスター
主演はジョニー・デップ。共演に「タイタニック」のケイト・ウィンスレット

 名作ピーターパンの作者である劇作家のジェームズ・マシュー・バリと
父親を亡くし心を閉ざした少年との心の交流、名作の誕生にまつわる物語。
事実を元に少し脚色も加え繊細にロマンティックに描く。
 1903年のロンドン、劇作家ジェームズは新作の不出来にスランプ気味。
公園で執筆活動に勤しんでいると、ある未亡人と4人の幼い息子たちと出逢う。
少年たちと次第に交流を深めていくジェームズは
どこか塞ぎがちの三男ピーターを気にかけるようになる…


 感動話だったけど何か物足りない感じがした。
空想遊びはもっと度を越したファンタジー映像で勝負してもよかったのでは。
何よりジェームズは奥さんに冷たいよなぁ。
そんなに子供と遊ぶのが好きだったら自分たちで作れとか思った。
奥さんが悪いわけではないけど、やはり価値観の違い。
きっと以前から夢中になって想像遊びをしたりするジェームズに、
夢見る少年精神に付き合いきれていなかったんだろうね。
でも実話、あの人はインポテンツだったらしいね。

 タイタニック以来、久しぶりにケイト・ウィンスレットを観た。
ジョニデより背が高いとかスレで突っ込まれてたなぁ
あの男の子の気むずかしさにはちょっと閉口した。
長男の方がずっと立派だと思う。
そもそも、塞いで何もしないで冷めたことばかり云う子供って
身近にいると、本当に苛立ちます。
まだ自分を支えてくれる存在の有難味判ってなかったり。
でも演技力は凄かった。真に迫ってたし切なかった。
見所は海賊ごっこでジャックを彷彿とさせるジョニデのコスプレか。
名作とまではいかないけどジョニデの真面目な演技が光る秀作といった感じ。

 って、ダスティン・ホフマン凄いちょい役じゃないか!
何処にいたっけ?と焦った。
劇場でジェームズが取り入れた客を和ます方法には天晴れ。


パッション (2004/米・伊) 127分


 メル・ギブソンが脚本・製作・監督を手がける、衝撃の問題作。
米国でこれを観てショックのあまり自殺したキリスト教徒が出たらしい。
 イエス・キリスト最後の12時間を全編ラテン語とアラム語のみを用い
新約聖書の記述を忠実に再現し、宗教関係者の間に衝撃が巻き起こった。
その痛烈な残酷描写は過激で賛否が問われた。

 紀元前700年のエルサレム、イエスは自分の使徒であったユダに裏切られ
彼を憎む大司教は神を冒涜したとしてローマ軍に捕えさせる。
自分は神の子であり救世主だという頑なな主張は崩れることなく、
彼を尋問した総督ピラトはやむなく彼を十字架の刑に処する…

 最初の方はとにかく暗くて何をしてるのか、また何をボソボソ云ってるのか…
ユダの末路が気味悪くて…あれが悪魔なのか…
イエスは何を思ってそうしたのだろう。
自分の思想を裏切ることは心の死と同じ…ということ?
鞭打ちの刑はとにかく観ていられない程ひどかった。
あの3本に分かれた刃の付いた鞭でボロボロにされていく身体
映画だということを忘れて、「その人、死んでしまうんじゃないか…」と思った。
非常に痛々しいしそれを容赦なく打つ人や見る人がいて不快だった。

 マリアが息子の変わり果てていく姿を裁きから丘に登ってもずっと
見守っていたのだけれど、母親の気持ちを思うといたたまれない…酷い
ゴルゴダの丘に登る前に力尽きて死にそうで凄かった

 丘に登った後も、まだまだ苦痛は続いた。
両手足に釘を刺していく…どうやって撮ったのだろう。
本物そのものに見えて、凄惨だった…
あのすべての痛みに耐えていたのだと思うとそれだけで…
イエス復活の映像はどうかと思ったけど…うむ

 しかし、イエスがどんな人間だったのか本当の所はわからないよね。
善行をしたり弟子を増やしてその教えを広めていたのだろうけど
宗教がもたらすのは良いことだけとは限らない。解釈は様々。
太宰治の「駆け込み訴え」の解釈も出来るし
PSソフト「FINAL FANTASY TACTICS」の聖書のような解釈もアリだし…


ブレイブハート (1995/米) 117分


 メル・ギブソンが監督、製作、主演を務めた
13世紀のスコットランドの実在の英雄、ウィリアム・ウォレスの壮大な物語。
共演にフランス女優のソフィー・マルソー
同年アカデミー賞、作品・監督・撮影・メイクアップ・音響の5部門受賞。

家族を殺され、故郷を離れていたウォレスは成長し、戻ってきた。
そこで愛する女性を見つけるのだが、当時イングランドの支配下にあった
スコットランドでは兵士が民衆に対して「初夜権」が行使されており
結婚後の初夜、その操を兵士がかっさらっていくという酷いものだった。
ウォレスは隠れて結婚式を挙げ、幸せに暮らしていくはずだったが
英兵の横暴な仕打ちで妻は処刑され、復讐に燃え仲間を集め反乱軍を組織し
強国イングランドに対し、自由と独立をかけて壮絶な戦いが幕を開ける…

 最初は戻ってきたウォレスが年取り過ぎてておかしかったのですが
メル・ギブソンは本当はもっと若い役者を使いたかったが
スポンサーが有名俳優じゃないと資金を出してくれないので出たそうですね。
布スカートや三つ編みも抵抗あったけど、これがスコットランドの民族衣装。
気のいい熊みたいな男とその頑固親父や
神の声を聞く変な男…個性的な仲間も面白かった。

 「初夜権」なんて最低だよね。旦那の復讐にスカッときた。
戦の場は情け容赦なく矢の雨や騎馬隊の突進で迫力ありました…
イングランドのエドワード1世の性格にも一国束ねるだけの凄みもあった。
政略結婚で連れてこられたイザベラ王女が美しい。
終盤で年老いたエドワード1世に耳打ちする所なんて最高でした。
史実ではないけど、ああいう脚色も素晴らしい。

 戦にどんどん勝利してイングランドを追い詰めていくのがワクワクした。
しかしスコットランドの貴族たちには厄介な存在で
国というものはなかなかひとつにはなれないのですね。
ラストの叫びが凄い。初めて観たとき、涙を流している自分がいた。
素直に、「感動した」と言える映画。名作と云える。

 最後の展開が、彼の残したものの大きさを物語る。
「ジャンヌ・ダルク」ではフランス、「ブレイブハート」ではスコットランドが
支配国イギリスに反乱を起こしてその結果が影響して今がある。
良い意味で歴史に名を残すというのは侵略する側や国の王じゃなくて
自由を求めて自分たちより大きなものに立ち向かう
勇気を示した者にこそ相応しい。


マリー・アントワネット (2006/米) 123分






 「ヴァージン・スーサイズ」「ロスト・イン・トランスレーション」の
ソフィア・コッポラ監督が3作目に選んだ作品は世界一有名な
王妃マリー・アントワネットを主人公に描く歴史ドラマ。
オーストリアで姫として育ち、わずか14歳でフランス王家に嫁ぎ、
慣れない異国での不自由な日常に晒されることになる一人の少女の
苦悩を描きつつ、ガーリー・テイスト全開のお洒落でポップなタッチで綴ってゆく。
フランス政府の協力の下、実際のヴェルサイユ宮殿での
大規模な撮影が実現したことでも話題になった。
主演は「スパイダーマン」シリーズのキルステン・ダンスト。

 14歳のオーストリア皇女アントワーヌは、
母マリア・テレジアの意向によりフランス王太子のもとへと嫁ぐことに。
フランスへ渡り、王太子妃マリー・アントワネットとして、
ヴェルサイユ宮殿での結婚生活に胸をふくらませるマリーだったが、
その実態は朝から晩まで大勢のとりまきに監視され、
悪意に満ちた陰口に傷つく日々だった。
さらに、15歳の夫ルイはまるで彼女に興味を示さず、
世継ぎを求める声がプレッシャーとなってマリーにのしかかる。
そんな孤独や不安を紛らわそうと、おしゃれや遊びに夢中になり
贅沢三昧を繰り返すようになっていくマリーであった。

 どうしようか迷ったけど、劇場へ足を運びました。
宣伝で、何かセレブ生活が流れてたんで
ちょっと明るいノリなのかな?って思ってたら、
時代ものを装いつつも、遊び心があって、 当時のドレスファッションやら、
それを改造したものやら、 何よりも、出てくるお菓子やケーキが盛りだくさん。
映画が終わったら、何かケーキ食べたくなっちゃいました。

 マリー・アントワネットのその後は
日本でも有名なんですけど、直接描写は出てこないので
最初から最後まで悲惨なものは観ないで済みます。
BGMがポップな流行歌。サントラもなかなか好評。
舞台はフランス、主役は王妃なんだけど
アメリカの女の子の映画みたいな仕上がり。
ピンク系で統一された部屋や服装、色彩も楽しめました。ユニークな髪型も。
勿論、たまにシリアスな場面になると 流れる音楽もクラシックに変わる。
セレブが好きな人にはうってつけ、 子役も超可愛い!
史実を見たい人や、ベルバラのマリーアントワネットのイメージが
強すぎる人にはあまりお勧めできない作品。
こんな解釈もアリかしら?って気持ちで見るといいかも。
これといった山場もなく、スーっと流れていく映画です。
あと、若干見る人に不親切な所もあって、「ここも説明してー」と思う。

 ブサカワなキルスティン、 たまーに綺麗に見えたり、可愛く見えたりする。
フェルゼン伯爵はこの映画ではタダのプレイボーイです。
もっと他にもワンサカとイケメン君がいたような気がするんですけど。
ルイ16世を演じたジェイソン・シュワルツマンって、監督の従兄弟なのか。
どこかで見た顔だなーと思ったら「ハッカビーズ」の変な男ね。
夫のルイ16世とのぎこちない夫婦生活もミソでした。

 王妃が処刑されてからその後、
名誉を回復するのに大分年月がかかったそうな。
実際、贅沢はしてたけど、世間知らずだったんだろうとは思うし、
あそこまで国民が苦しんだのは マリーのせいだけではない。
ルイ14世・15世が浪費しまくってたせいもあったし、
どの道、フランス革命は防げなかったんだろう。
オーストリア人、という血筋であったこともあり、
国民の怒りの矛先が余計に王妃に向けられてしまったんだね。
「パンがなければケーキを食べればいいじゃない」だって
本人が言ったわけじゃないのでね。人の作る噂話は恐ろしい。


ヤング・ブラッド (2001/米) 105分


 これまで何度となく映画化されてきた西洋の忠臣蔵ドラマ、
アレクサンドル・デュマの『三銃士』を、香港のワイヤー・ワークを取り入れ
最新のアクション技術で映像化したエンターテインメント・ムービー。
主役のダルタニアンには新人のジャスティン・チャンバースを起用。
監督は「エンド・オブ・デイズ」のピーター・ハイアムズ。

 1625年、フランス。ガスコーニューの村に住むダルタニアンは、
14年前両親を殺した男を探し出す決意を胸に、パリへと向かう。
仇を捜す為、パリで国王の護衛を務める近衛銃士隊に加わるつもりでいた。
しかし、彼が目にしたのは任を解かれ、目的を失った銃士隊員の姿だった。
というのも隊長トレヴィルが、政治的陰謀により無実の罪で投獄されていたため。
真犯人はルイ13世の側近であり、王座を狙うリシュリュー枢機卿の下、
軍隊を指揮する冷血な片目の男フェブルだった。
ダルタニアンは隊長を救出し、枢機卿の企みを阻止せんと動き出す…

 とりあえず、主演のジャスティンは元カルバン・クラインの人気モデル。
演技力は大根で、ルックスは良いけど残るものなし!
相手役のミーナ・スヴァーリは『アメリカン・ビューティー』で
ケヴィン・スペイシーを誘惑するうら若き乙女を演じたあの子。綺麗。
フェブル役はティム・ロス。何とまあ、判り易い悪役で好演してました。
フランス女王役を演じたカトリーヌ・ドヌーヴ。
有名らしいけど、私は初めて知った。他に枢機卿をスティーヴン・レイなど。

 ダルタニアンはとりあえず生い立ちと目的がハッキリしてるものの
取る行動と、言動からして好きになれんね。あれで兵士たちが付いてくわけが…
他の三銃士に至っては全然存在感無し。名前も顔も思いだせん。
ということで、この映画の評判がよろしくないのは素直に納得。
だけど、アクション重視で観れば、まぁまぁでした。
アクション指導を
熊欣欣(ワンス・アポン・ア〜シリーズ等)が務めており、
西洋の剣舞にワイヤーアクションが絡んで新鮮でした。
ラストのハシゴのアクションなんて、ジャッキー・チェンかと思ったよ。
フェブルの残虐性からして、最初に主人公殺されてる筈じゃない??
そして、よりによってあんな姿の時に敵に襲われるなんて、醜態だわ…
あれ?銃で肩撃たれたんじゃなかったっけ?無事だったん?
何か三銃士の割に映画のスケールも凄い小さく感じたな。
三銃士を格好よく撮ってる点では『仮面の男』の方がよかったと思う。


ローマ帝国の滅亡 (1964/米) 194分




 「エル・シド」「グレン・ミラー物語」のアンソニー・マン監督作品。
主演に「エル・シド」「ひまわり」のソフィア・ローレン、
「アラビアのロレンス」のアレック・ギネス、
「ベン・ハー」のスティーヴン・ボイド、
「サウンド・オブ・ミュージック」のクリストファー・プラマー。
2000年に製作され大ヒットとなった「グラディエーター」の元ネタでもある。

 ローマ帝国が何故滅んだのか?…というよりも、
ローマ帝国が何故衰えていったのか、というテーマの方が正しいだろう。
時代は紀元180年。五賢帝時代の終わり。
病に伏せるマルクス・アウレリウス。看病する娘のルチッラ。
次期皇帝の座を実子のコモドゥスでなく、リヴィウスに継がせようとする彼を
快く思わなかった一部の側近たちの手によってアウレリウスは毒殺される。
自分を後継者にと望まれていたことを知っているリヴィウスはそれでも、
兄弟のように育ったコモドゥスを裏切れず、彼に帝位を譲る。
しかしコモドゥスは前皇帝が案じていた通り、彼は皇帝の器には相応しくなく、
新皇帝は悪政を敷き、税金を上げたことにより各地で反乱が勃発し出す。

 こんな豪華キャストでこのテーマ。レンタル屋で見つけた時嬉しかった。
で…拝見してみた所…どうも妙。変な映画でした。
まず、ソフィア・ローレンの役どころが完璧にストーリーから浮いてて、
それでいて主演扱いだから変な流れになる。服装も当時らしさを感じない。
我侭皇帝コモドゥスをクリストファー・プラマーが演じる。
彼の存在感に比べて、リヴィウス役のスティーヴン・ボイドが地味過ぎる。
アレック・ギネスはスターウォーズでもココでも、
若者たちに後を託して死んでいく役なのね〜。

 ルッチラとリヴィウスのロマンスも全然ドキドキしない。
両軍激突する戦場のど真ん中にテント張ってアンタら何してんの??
殺しあう戦なのに、BGMが運動会みたいな能天気さなのってどうよ??
蛮族との話し合いの席でのひと悶着も意味不明過ぎる。
塩野七生著「ローマ人の物語」によれば、
何故皇帝に相応しくないコモドゥスが選ばれてしまったのか?
それは他の4賢帝には実子がおらず、次期皇帝に相応しい人材を見つけ、
養子縁組すればスムーズにいっていたのが、彼にだけは子供がいた。
彼が相応しくないからといって他所から皇帝を指名すれば、
どのみち内乱になる。選ぶしか道はなかっただろう、という見解である。
最後に
コモドゥスとリヴィウスが決闘し、勝った方が皇帝って流れも変。
まぁ実際、長いローマ帝国の歴史には次期皇帝の座を金で買った人もいたとか

巨大な帝国の頂点に立つのは凄いことだが、帝国を維持するのは大変だ。
こうして、ローマ帝国は衰亡の道を辿っていった…というお話。
歴史の重みも感じられず、金はかかってるけどゴチャゴチャしてて、
決して良い出来とはいえない映画。こんだけ長いから、観た後の虚しさも大きい。


ROCK YOU! [ロック・ユー!] (2001/米) 132分






 中世ヨーロッパを舞台に、庶民の娯楽だった馬上槍試合に挑む
ひとりの若者の成長を描いた青春アクション・アドベンチャー。
舞台は中世ながらそこで歌われる音楽が現代のロックという異色の試み。
監督は「L.A.コンフィデンシャル」の脚本を手掛け、
「ペイバック」を監督したブライアン・ヘルゲランド。
主演は「パトリオット」で注目されたヒース・レジャー。
ライバル役にルーファス・シーウェル。
さりげにポール・ベタニーとジェームス・ピュアフォイがおいしい役所。

 14世紀。平民の若者ウィリアムは馬上槍試合をして諸国を巡り、
名誉と賞金を稼いでいた古き騎士エクスター卿の従者のひとり。
ある日、卿が不幸にも試合中に人知れず命を落としてしまい、
金目当てで、その場つなぎにウィリアムは身分を偽り大会に出場、
みごと優勝してしまう。そしてこの時、ウィリアムの運命が大きく変わり始める。
仲間の従者を説得し、偽証して貴族として槍試合をこなし、
彼はどんどん、名を上げていくが…

 この作品でヒース・レジャーが名を馳せたらしいけど…この人誰?
「ブロークンハット・マウンテン」の人なのね。オーストラリア俳優。
凄く男前とか言われてる割には血気盛んな若造イメージ。役に合ってるけど。
ライバルのルーファスは『レジェンド・オブ・ゾロ』でも悪役。
結構男前なんだけどね…いい瞳してるし。出演作は少ない。
ポール・ベタニーの初登場シーンで笑った。全裸です。
よく盗賊とかに襲われて身ぐるみはがされるとか言うけど、
本当にすっぽんぽんにしちゃうんでしょうか?パンツ残すくらい慈悲ないの?w
ジェームス・ピュアフォイは『バイオハザード』のスペンス役の人。

 まずオープニングの試合でクイーンの曲がかかって熱くなったねぇ〜
史劇と現代音楽って面白い組み合わせ。この世界観気に入った!
何か道中や街中でそれぞれ別の能力を持つ仲間が加わったり、
RPGみたいだった。主人公は最初のモンタージュで一気に修行しちゃうけど。
この仲間たちがいい味出してて、見てて和んだ。判り易いキャラだし。
敵キャラは中途半端に悪人で?な部分が多かった。
ヒロインの衣装がどれもパッとしない、ヘンテコなのが多かったのも…
このヒロインの子、『ルールズ・オブ・アトラクション』の子だったのね。
黒髪で目の下にホクロがあるから。あまり美しいって言葉似合う顔じゃないよ。

 観終わった後は、なぁんか微妙かも〜って思ってたけど、
何か所々好きなシーンとかもあって、特典映像も全部見てしまった。
音声解説に監督と、何故かポール・ベタニーが参加してるもんだから、それも。
やっぱり裸イヤだったのね〜とかルーファスの秘密のパーティーとかw
監督とポールが凄くフレンドリーに色んなシーンに突っ込み入れてて
ユーモアたっぷり、なかなか楽しく観させて頂いたわ。
私と〇〇どっちが大事なのか証明して!って凄くウザイ言葉だよね。
流れは典型的だから読めたけど、そこらへんイラついちゃったよ。
仲間との交流や故郷へ帰って父親と再会したり、棚から牡丹餅、
逃げなかったから貴族になれちゃったりと
気持ちよく見れる映画でもある。
でも私は肝心の槍試合とか見てても何が楽しいのか疑問。
中世で実在した娯楽スポーツなんだろうけど。
槍の中身がパスタって
ポール演じる詩人チョーサーは実在した有名な英国文学の作家らしい。
本物は太っちょのヒゲ男だったとか。彼は実際、行方不明だった時期があり、
その頃に、こんなことをしてました〜って設定らしい。
チョーサーのリング司会者みたいな演説も聴いてて楽しいです。
未公開シーンにはチョーサーの奥さんや、カットされた演説もあり。
真面目な『グラディエーター』とかの戦闘史劇じゃないので、
中世ファンタジー…のような感覚で見れば楽しめることでしょう。
単純明快、気持ちいい。B級感漂ってるけど、いい線いってる。
あとエンドクレジットでクイーンの『WE ARE THE CHAMPIONS』が流れる。
ロビー・ウィリアム(誰?)が歌ってて、特典映像にPVも収録。


ロブ・ロイ/ロマンに生きた男 (1995/米・英) 139分


 スコットランドの実在の英雄“ロブ・ロイ”を描いた映画。
美しい山々と湖に囲まれたスコットランドのハイランド。
1713年、民衆は氏族制度の崩壊による不安定な政情と飢餓に疲れ果て、
多くのスコットランド人はより良い暮らしを求めて、アメリカへと移住していた。
義賊として名高いマグレガー氏の族長ロブ・ロイは、
そんな中でも祖国で細々と生計を立て、家族と自分の仲間を守っている。
ある日、彼は千ポンドあれば牛の売買で貧しい民を救えると考え、
モントローズ侯爵に多額の借金をすることを決意するが…

 美しいハイランド地方でロケーションされた映像や、
リーアム・ニーソン、ティム・ロス、エリック・ストルツなど、配役にも注目。
ティム・ロスは今作品で、米・アカデミー助演男優賞ノミネート。
英国アカデミー助演男優賞を受賞。
L・ニーソンはSWのクワイガンジンのイメージ強くて、
全裸が見れたのは驚いた。あのでかい岩陰でのラブシーンのあと、
映像がどんどん遠ざかってくから、あそこでendになるのかと思った(笑)

 とにかく、この映画誰が一番凄いって、勿論ティム・ロス。
初登場でその髪型と仕草に噴出しそうになって、
いざ決闘始まったらそのギャップにやられてしまった!
イギリス人の彼が昔の英国貴族の格好をして演じてるのは
日本人が昔の日本の装いして時代劇してるのと同じ感覚なんだろうなぁ。
とにかく酷い野郎なんだけど、何か心底憎めない。
完璧に主役を食っていたと思う。『ヤング・ブラッド』でもそうだったけど。

 ロブ・ロイって誰よ?何したの?…調べてみた。
とりあえず、花の名前やカクテルの名前、地名になってたり。
実在した義賊らしいけど、時が経つにつれ良い噂が膨れ上がったらしい。
ロブ・ロウと似てるから、ややこしいね。
ロバート・ロイ・マクレガーが本名で、ロブ・ロイと呼ばれてたらしい。
劇中では、確かに微妙でした。あれでは感情移入は難しい。
そりゃ、冤罪かけられ仲間を殺され家を焼かれ、妻を犯され弟も殺され…
復讐するにも、もっと規模がでかいもんだと思ったよ。
部下達と一致団結して、野原が戦場になったりは、しなかった。
ロブがあまりに馬鹿正直過ぎて、観てられねぇ〜ひとりで隠れちゃってさ。
そしてラスト…全然渡り合えていなかったのに、そりゃないっすよ。

 ロマンに生きた男、とかレジェンド・オブ・ヒーロー・ロブ・ロイとか、
そんな大それた題名付けるようなでかいスケールの映画でもないよーな。
王位継承者問題もちらっと出てきたけど、特に関与はなし。
話は勧善懲悪、凄くわかり易いが全体的に長い印象を受けるかも。
同じくスコットランドの史劇のウィリアム・ウォレスの生き様を描いた
メル・ギブソン主演の『ブレイブ・ハート』と比べれば、アレだけど
これはこれで、私は気に入ったかな。
とりあえず、アーチボルト・カニンガムをまた観たくなりそうだ。



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