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大奥 <TV> (2003) 全11話 約624分











 2003/06/02〜2003/08/19に放送されたフジテレビ製作の時代劇。
徳川幕府の支配下において将軍の世継ぎを産ませる為に作られた女の園。
13代目将軍徳川家定公の正室として大奥入りした篤子は薩摩藩の姫君。
将来を約束した許婚と別れ、形見にと貰った短刀を胸に江戸城へ輿入れする。
家定は過去に2人の正室を迎えたものの、謎の病気で先立たれていた。
大奥の総取り締まりを務める滝山に厳しい仕来りを教わり、不満を隠せない篤子。
上様との初夜に短刀を隠し持っていたことが滝山にばれてしまい、
二人の確執は確かなものとなり、女の戦いが始まった…

 これがドラマ大奥との初めての出逢いだったなぁ。
主役の篤子を演じるのは菅野美穂。薩摩言葉を使ってて、何か不自然でもあった。
総取り締まりの滝山を演じるのは浅野ゆう子。怖い役が似合う女優だ。
篤子は敵だらけの大奥で新入りのまるを側近にする。演じるのは池脇千鶴。
まるは城下町の商屋の娘で、幼馴染の親しい男、真之介(岡田義徳)がいる。
将軍家定を演じるのはこれ以降お馴染みとなった北村一輝。
顔の半分が病気で爛れていて、性格が少々捻くれている。
歴史上でも、病弱でほとんど何もできなかった将軍の印象が強い。
家定のご内証(性交渉のてほどきをする)をしていたこともあって
上様を慕うあまり、色々といけないことを画策する滝山。
滝山を尊敬する大奥勤めの初島役に木村多江。お毒見役三人組も登場。

 二部構成っぽくなっている今作は、一部では篤子が主人公。
断腸の思いで嫌々大奥入りをするものの、飾りでしか無く、世継ぎも要らない。
滝山の苛めにも遭って自暴自棄になる篤子だったが、
嫌いだった家定と少しづつ心を通わせていく。「行け」って場面には、胸が震えたね。
見ている立場の私には断然、許婚よりも上様派でした。
二部では将軍が交代して篤子は出家して、滝山も大奥から去る。
初島は代わりに大奥総取り締まりを任される。他のメンツは変わらず。
14代目将軍についた徳川家茂公役は葛山信吾。(真珠夫人の直也さん)
正室として京都より輿入れした和宮(安達祐実)が主人公に。
家茂の母親である実成院役に野際陽子。嫁と姑の闘いだ。

 安達祐実の京言葉にやられた!「けもじなこと〜」って真似したくなる。
歴史的にも御代所の和宮と仲睦まじく暮らしていたことは有名らしく、
和宮は将軍亡きあと、当時のことを書き記した本を残している。
実成院がこれまた曲者で、酒好き、派手好きで息子を溺愛している。
和宮が輿入れする前にご内証を自分で勝手に選ぶエピソードがある。
あそこらへんでは実成院がかなり無慈悲で憎く思える。
実成院が好き放題やるなか、和宮も負けん気強く大奥は荒れ、
まるは大奥の秩序を取り戻す為に滝山を呼び戻す。
そこから奇妙な三角関係に陥るなか、世間では各地で倒幕の意志が高まり
徳川幕府の天下は揺らぎ始めていた…

 9話目に特別篇 怪談 「凶事を呼ぶ黒紋付の霊」という番外編があって、
主要キャストの争いではなく、大奥の女中たちが夜中に怪談で盛り上がり、
そこから事件が起こり、大奥の開かずの間と黒紋付の女中の話になるのだが…
これが、何か自分的に予想外に怖いもんがあったわ。真犯人云々じゃなくね。
黒紋付はともかく、開かずの間の綱吉公の話は歴史的にも信憑性の強い話らしい。
この番外編に記録係として岸田今日子が出演。

 家茂が出陣する時に実成院が泣き出すシーンと、和解のシーンで涙、涙…
出家して天璋院となった篤子がしゃしゃって江戸城開城云々は
普通の歴史を知ってると余計なことしなくても…って冷めた目になってしまう。
この大奥のドラマでは正室・側室の確執は一切なかったなぁ。
そして、長い歴史を歩んできた大奥という場所が終焉を迎える話だ。
ちなみに最後の将軍である15代目徳川慶喜公は大政奉還など
やるべき仕事がいっぱいあって大奥にはほとんど足を運ばなかったので
たとえ作るにしたって、何のドラマも生まれないのである。


大奥スペシャル 〜幕末の女たち〜 <MTV> (2004) 140分


 2004/03/26に放送された時代劇ドラマ。「大奥」のSP版。
本編で描かれることのなかった滝山が大奥へ入った時の話。
時は12代目将軍徳川家慶の時代。演じるのは大杉漣。
大奥の女中に拾われ、幼いうちにお手つきとなった滝山。
無感情な日々を送っていた滝山は家慶の息子の家定のご内証も務めることに。
そこで、投げやりな家定の心を開かせた滝山は同時に家定に惹かれていく。
家定と親しくなった毒見役の金子貴俊演じる側近との仲良しぶりが良い。
家定ってあんなに良い人だったのかー!
それだけに、あれだけでああなって、許しちゃうのが辛い。
家茂も幼少時代の姿で登場。何か成長が合わない気がしないでもない。

 もちろん、菅野美穂演じる篤子にもエピソードが。
大奥に勤める女中(鈴木砂羽)が実は薩摩の密偵であったり、
薩摩で親しかった女性(星野真理)と大奥で再会したりと…
昔の女の世界でも、ああいう非情に徹する立場の人たちが居たんだろうな。
家定が行った日米和親条約の場面も出てきます。
今作でも池脇千鶴演じるまるがナレーションしていく。
第一部の家定編の実はこんなこともあったんですエピソードですね。
その後、明治の時代になってからのまるの暮らしと
初島と滝山のその後も少し窺える作りになっている。
…篤子は…あれはどう捉えたら良いものか。


大奥 第一章 <TV> (2004/日) 全11話 約563分








 2004/10/07〜2004/12/16に放送されたフジテレビ製作の時代劇。
江戸時代、大奥に暮らす女たちの様々な思念、女同士の闘いを描く。
演出は「101回目のプロポーズ」「ナースのお仕事」の林徹
脚本はラブジェネや「神様、もう少しだけ」、映画「NANA」の浅野妙子
今作の主題歌はサザンオールスターズの「愛と欲望の日々」

 今回舞台となる時代は徳慶長9年川秀忠の治める世から始まる…
稲葉正成の妻であるふくは幼い三人の息子を持ち、山里で細々と暮らしていた。
かつて明智光秀の家臣であったふくの父、斉藤利三は本能寺の変の咎を受け、
逆賊の汚名を着せられ処刑され、幼少期は厳しく辛い日々を過ごしてきたふく。
夫の家禄も少なく、子供を食わせるだけでも苦労していたそんなある日、
賊に襲われた際に夫と通じていた下女を刺し殺してしまったふく。
夫と離縁し子供とも別れ、路頭に迷っていたふくを徳川家康公が目をかける。
家康はふくに、生まれた世継ぎの若君を育てる役目を遣わす。
そのふくこそが大奥法度を定め、大奥の基礎を築き上げた有名な春日局である。

おふく(春日局)役に松下由樹 お江与(将軍秀忠の御台所)役に高島礼子
徳川秀忠(二代将軍)役に渡辺いっけい 徳川家康役に藤田まこと
家光(三代将軍)役に西島秀俊 子役には須賀健太
このドラマは2つの章に別れている。
まず、秀忠の時代でふくが大奥で経験する、御台所お江与との
竹千代と国松を立ててのお世継ぎ争い。
織田信長の妹の三女に当たるお江与は尚のこと、ふくを憎む。
二人とも腹を痛めて産んだ子でありながら、生まれて間もなくふくに引き取られ、
自分の手で育てることが叶わなかった長男の竹千代のことを蔑ろにし、
次男であり、玉のように大事に育てた国松を推すお江与。

 お江与の尻にしかれている頼りない秀忠がいい味を出している。
怒ったシーンでのギャップも圧巻。渡辺いっけい流石です。
高島礼子はサスペンスドラマの印象しかなかったんだけど、これを見て
気位の高さ、意地の強さがよく出てて、怖いくらい似合ってた。うまいね。
そして幼い竹千代を演じた須賀健太はドラマ「人にやさしく」や
「ALWAYS 三丁目の夕日」にも出演。演技上手いし、泣いた泣いた。
ふくと竹千代が抱き合うシーンとか、切なくなった。あと、絵上手すぎだって(笑)
お江与が敵対心むき出しで、ふくとの対峙が緊張感溢れて面白かった。

 次に始まる別の争い。家光が将軍になってからの展開。
お万(家光側室)役に瀬戸朝香 お玉(大奥女中)役に星野真理
孝子(家光正室)役に木村多江 半井隼人(笛吹き)役に金子昇
お楽(家光側室)役に京野ことみ お夏(家光側室)役に野波麻帆
おりさ(家光側室)役に末永遥
朝比奈(奥女中お年寄り)役に、あの梶芽衣子も出演。
 大奥初の総取締として権力を握るようになった春日局は、
家光が正室と形ばかりの寝夜を過ごし、世継ぎの誕生も絶望的。
どんな女をはべらせても、一向に興味を示さない家光が唯一、興味を抱いた
御仏に仕える身である尼の慶光院(後のお万)を不当に拘束、監禁し、
上様の為に側室になるように強く頼むのであった…。

 どちらかと言うと竹千代の頃の話の方が印象強い。
母親を強く求め、それでも拒絶されて、可愛がられる弟を見る辛さ…
もうそれが、可哀想で観ていられなかったよ。
成長して見た夢のシーンだけで、もう涙ボロボロ…止まんない。
あと、次の章の主役となるお万の方を演じた瀬戸朝香…どうも
演技がうまくないなぁと感じてしまう。若干棒読みじゃない?残念。
あ、あとちょっとだけ遠山景織子も出演してます。
大奥を歩く彼女の煌びやかな着物姿も見てみたかったんだけどなぁ…
上様や大奥の女たちが惹きつけられるようなカリスマは感じない。
やってきた他の側室たちもドロドロな争いには少し弱いキャラだったね。
やはり見所は春日局の、ふくの時との変わり様。女は変わるのだ!
家光を演じた西島秀俊はこのドラマで印象良くなったかも。なかなか。

 大奥の1シーズン目の官野美穂主演の回から観てるけど、はまるね〜
廊下をスリスリと長い着物を歩く、あの雰囲気。着物も美しい。
すれ違う時の女たちの目線、しぐさ、牽制し合う様子。
言葉遣いにもやられる。見終わるといつも言葉遣いが移りまする。
どの時代の大奥にも居る、噂と味見好き三人の女中たちと、
いろんな役で出現する北村一輝にもご注目あれ。(1シーズンでは将軍だった)
今作では最初の方に出てくる賊の役だったけどね(笑)


大奥〜華の乱〜 <TV> (2005/日) 全10話+スペシャル 約614分





 2005/10/13〜2005/12/22 に放送されたフジテレビ製作の時代劇ドラマ。
今回は生類哀れみの令でも有名な五代目将軍綱吉の時代。
主題歌は東京事変の『修羅場』
ナレーションは奥女中・音羽を演じている余貴美子。

 主人公は将軍側用人・牧野成貞の娘・安子。演じるのは内山理名。
安子は夫・成住(田辺誠一)と両親と日々幸せに過ごしていたのだが、
綱吉(谷原章介)が暇をつぶしに牧野邸に訪れ、幼少時代に世話をしていた
成貞の妻である阿久里(萬田久子)を強引に抱く日々が続き、阿久里は自害。
綱吉は更に、安子を所望し、成住と離縁させられ、大奥に入ることになる。
大奥には綱吉の生母である桂昌院(江波杏子)が実権を握り、
世継ぎとなる徳松を生んだ側室のお伝の方(小池栄子)の独壇場。
側室である信子(藤原紀香)は子も無く殿の寵愛も薄く、肩身の狭い身。
お三方それぞれに取り入る側用人・柳沢吉保。(北村一輝)
母の仇討ちを誓い大奥入りした安子だったが、
次第に大奥の権力争いに巻き込まれていくことに…

 今までのシリーズの中では一番、女の争いが過激だったドラマ。
小池栄子と藤原紀香がやってくれます。昼ドラ色が益々強くなり、
次から次へとの展開のドキドキ度は最高でしたね。
ただ、あまりにぶっ飛び過ぎてて嫌いな人もいるようですが。
元禄時代は一番華やかなイメージもあることですし、
有名な忠臣蔵事件も絡むかと思いきや、一切絡み無しでしたね。
後からやってきて大奥総取締となる右衛門佐(高岡早紀)も好きだったな。
お伝も信子も、憎たらしいんだけど、心底憎めないキャラなのよね。
後の特番〜華の乱〜スペシャルでも柳沢含め、そこに至るまでが分かる。
「第一章」では正義心に満ち溢れていたおたま(桂昌院)も見事に堕ちた…と。

 今まで王子様な二枚目しか出来ないと思っていた谷原章介が
見事に将軍・綱吉を演じたのにもビックリ。幅が広がったね。
北村一輝は普通に超似合ってる役柄で、また憎たらしいんだな〜。
最初は優しそうな顔してるけど、癇癪起こす上様も怖いけど、
ドンドン安子の影響か、骨抜きにされていく。
何であそこまで安子に御執心なのかはよく分からないけどね。
お犬様の事件や染子の話(大河ドラマでもあった)もあって
信子はドンドン壊れた本性をあらわにしていく…
桂昌院に「おぉたぁま〜」って言ったくだりも最高でしたわ。
最初の大奥ドラマで、怪談の回で大奥の開かずの間の話があって
病死と言われた綱吉公は実は正室・信子によって
この部屋で刺されて死んだという逸話が…
なので、最終的にはそういう展開になると予想したら急展開。
毒盛りに失敗し、一命を取り留めた綱吉だったが、吉保にギャフンと言わせ
もうこの世は沢山じゃ、と自ら安子の胸の中で息絶えるという。

この辺りが凄くお粗末になってしまった気がするけど、全体的に飽きなかった。
スペシャルでも面白かったのは若かりし頃のお伝と信子であって、
柳沢の報われぬ想いはどうも付け焼刃な気がする。染子も報われん。
いくら罪人の娘とはいえ、輿入れで殺しちゃうなんて変過ぎる。

内山理名は嫌いじゃないんだけど、ちょっと浮いてたような気する。
女のドロドロ戦争ならこの〜華の乱〜が一番過激かな。オススメ。


 
大奥 <劇場版> (2006/日) 126分








 「女子というものは、女子を裏切るものなんどすえ。」
男子禁制の江戸城大奥を舞台に、愛憎渦巻く女たちの
ドロドロの戦いを描いたフジテレビの大ヒット時代劇を映画化。
大奥史上最大のスキャンダル“絵島生島事件”をベースに、
権力とプライドをめぐって繰り広げられる非情な陰謀と抗争の中で
翻弄される禁断の恋の行方を絢爛豪華に描き出す。

仲間由紀恵(大奥総取締・絵島役。月光院派)
西島秀俊(歌舞伎役者・生島新五郎役。ドラマ版では将軍・家光を演じた)
井川遥(前将軍の側室で、幼い将軍・家継の生母、月光院役。)
及川光博(歌舞伎役者上がりの側用人・間部詮房役。月光院側。)
杉田かおる(天英院側の大奥女中、宮路役。生島に仕事を依頼する。)
木村多江(法心院役。前将軍の側室。天英院側。大奥シリーズ常連。)
浅野ゆう子(滝川役。天英院側。ドラマ版は家定時代の総取締滝山役だった。)
松下由樹(蓮浄院役。前将軍の側室。天英院側。ドラマ版は春日局役も演じた)
柳葉敏郎(絵島を取り調べる仙石久尚役。)
岸谷五朗(間部を目の仇にしている老中・秋元喬知役。天英院側。)
北村一輝(歌舞伎役者・金子長十郎役。大奥シリーズには色んな役で出演。)
高島礼子(前将軍の正室・天英院役。ドラマ版では秀忠の正室・お江与役。)
ドラマ版では徳川家康役も務めた藤田まことや、
綱吉を演じた谷原章介がチラッと町人絵師役で出演していたり、
綱吉の側室・大典侍役も務めた中山忍など、キャストが所々被っている。
…他、大奥スリーアミーゴスな常連、噂と食べ物好きな3人組も勿論登場。

 時は第七代将軍・家継の時代。第六代将軍・家宣に取り立てられ、
幼き家継の後見人として摂政の地位に登り詰めた側用人・間部詮房。
異例の出世に不満を抱く者も多く、老中たちとの激しい権力争いが続いていた。
一方大奥でも、家宣の側室でありながら将軍の生母となった月光院に対し、
家宣の正室・天英院を擁する陣営から敵意と中傷の嵐が降りかかる。
そんな辛い境遇の月光院を身を挺して守り抜くのは
若くして大奥総取締を任された絵島だった。
やがて、月光院と間部の禁断の恋が表面化し、勢いづく天英院派は、
まずは月光院の右腕である絵島を陥れようと
歌舞伎の看板役者・生島新五郎を絵島に接近させるのだった。

 正月にあちこちで大奥三人娘(?)のCM見かけましたな〜。
劇場で観たけど、やっぱりいつものドラマ感覚での鑑賞。
大画面で見る着物の艶やかさや仲間由紀恵の顔は綺麗でした。
内容的には…自分、ドラマの方が好きだな。女の戦いメインで。
劇場版は悲恋に重点置いてるんでね。悪くないんだけど、大人しめな印象。
子供将軍がなかなか上手い演じ方だなーと感心。
大奥繋がりで須賀健太を出してくると思いきや。これはこれで良し。
どうも、他のキャスティングは微妙だったりするんだよね。
ミッチーはやはり歌舞伎役者のが似合うと思うし、かといって生島役は似合わん。
西島秀俊は地味に二枚目なんだけど、生島役には何か足りない。
杉田かおるはなかなか好演だったけど、松下由樹とかムダに使ってるし。
井川遥は、半端なお人好しは一番性質悪いのが滲み出てイイ。
仲間由紀恵はいつも演技は同じなんだけど、時代劇なせいか、
いつもと少し違うタイプの演技が見れた気がした。

 
ドラマチックにする為とはいえ、生島処刑しちゃうとはな。
生涯一度の恋。天英院も仕舞いには絵島に同情しちゃう。
史実では多くの大奥女中が処罰を受けて奥から追い出され、
死者は絵島の兄が責任を取って切腹した位なんだそうな。
将軍が幼子な為、大奥に暮らす女たちは望み薄だものなぁ。
家継はその後、病死して八代将軍・吉宗の時代に移り、
大奥法度を改め、厳しくなったそう。

この劇場版を持って大奥シリーズは終了らしいが、
どうしても暴れん坊将軍な吉宗時代も見てみたいなぁ。
商業至上主義なフジテレビならきっとやってくれるだろう。
今回の劇場版は、ドラマでも充分な内容ではあると思う。
劇場版というからには、ドラマでは出来ないことをして欲しいものだ。
ドラマのテイストを知らないで観に行く人は多少なりとも、
“大奥最大のスキャンダル”と銘打ったこの映画、
お色気シーンを求めた人もいただろうと思うよ。脱げる女優じゃないけどさ。
ドラマでは
家茂の訃報、家光の幼少時代、子を失った母、など、
泣ける要素があって、実際にボロボロ泣いてしまった私だけど、
充分な描写が足りないせいもあってか、イマイチ入り込めない出来かな。
エンディングの曲も、何か心情を妙にチープにさせた。


オースティン・パワーズ (1997/米) 96分










 マイク・マイヤーズが製作・脚本・主演を務めた、大ヒット爆笑コメディ。
世界征服を目論むDr.イーブルと英国のスパイ・オースティンとの闘いを、
おバカな笑い満点で描く。過去の有名映画のパロディ、下ネタ満載の笑い、
オースティンと敵役イーブルとの2役を演じた、マイヤーズの芸達者ぶりが見もの。
ボンド・ガールならぬオースティン・ガールにはエリザベス・ハーレーが。

 1967年のロンドン。街を歩けばモテモテのファッション・カメラマン、
オースティンの正体は女王陛下のスパイ。
彼は世界征服を画策するDr.イーブルを相棒のケンジントンと協力し追いつめるが
間一髪イーブルは自ら冷凍睡眠に入りロケットで宇宙に逃亡。
彼もイーブルの後を追い、未来の危機を救うべく冷凍睡眠に入った。
そして1997年、長い眠りから覚めた2人の闘いが、再び繰り広げられる−。

 話題になってた頃は全く興味なかったんだけど…見てみた。
まず、あまりのお下品さに引いたね〜「シャグっちゃう?ベイベー」なノリ
確かにこれはお馬鹿コメディ。笑いが自分とは合わないな〜と思った。
でも不思議と続編を見てから見直すと段々ハマッていった自分がいた…
最初に女の子に追っかけられるオースティン見て
なんで冴えない男が追っかけられてるんだと理解できなかったんだけど
今じゃ、オースティンが結構魅力的に見えてくる…どうかしちゃったみたい!

 最初見た時、あまりのキャラの違いで…マイヤーズが二役やってるとは!!
そして吹き替え担当した山寺宏一…凄い!彼も二役吹き替え。
全然別の人かと思ったよ。しっかし、似合ってるね〜その声

マイク・マイヤーズは米人気番組サタデー・ナイト・ライブの『ウェインズ・ワールド』
で大ブレイクしたらしい。そっちにも興味出た☆☆☆

 オースティンが女口説いてるのも良いけど
私が気に入ってるのはイーブルの悪の組織。
呆れ気味のNO.2と絶叫おばさんのフラウ。そして息子のスコット。
彼らの計画説明やスコットとの変な口喧嘩…はまる。
イーブルの小指やしぐさが見てて面白い。

 冷凍されていたせいで未来にタイムスリップしたかのように時代錯誤。
60年代のイギリスはあんなシャカデリックだったの??
そして避妊を気にせずやりたい放題だったわけぇ?
オースティンと組むことになったケンジントンの娘ヴァネッサ。
最初は彼の言動に引き放題だった彼女だがどんどん惹かれていく。
30年間のブランクを埋めようと色々勉強してるオースティン笑えた。
バート・バカラックの歌は普通に演奏させてくれるのね。

 スコットが行く親子カウンセリングの先生役にキャリー・フィッシャーが!
この時点ではスコット、獣医さんになりたかったのね…
ちなみにスコット役のセス・グリーンも良かった。
一見軽そうに見えるけど好演ですなぁ…いい味出してた。
ロブ・ロウやクリスチャン・スレーターが出てたのは知らなかった。

 ギャグで笑う映画じゃなくて、雰囲気そのもので笑ってくれ、ってタイプじゃない?
全体的におバカなノリで非常に下らないけど退屈じゃない。
エリザベス・ハーレーまで全裸ネタやるとは…女優根性ね。
派手衣装でサイケデリックってこういうのなんだな〜と思った。
おバカコメディだけどお洒落っ気をプラスする所がうまいね。
冷凍のせいで脳がいかれた、って設定だけど、以前とどう違うのやら…
ショックの強い映画を観た時の緩和剤として
こういうお気楽な映画も必要だなと思ったね。
てか、やばい。未公開シーンとか特典映像気になって欲しくなってきた。
この映画のお馴染みテーマ曲も他でよく耳にしますね。
この作品は、全体的に派手で色鮮やか、華やかなのも魅力的。
バカも休み休みyeah!←このキャッチフレーズもいかしてんなぁ〜


 
オースティン・パワーズ:デラックス (1999/米) 95分










 前作で大ヒットを飛ばしたオースティン・パワーズの続編。
宇宙空間で冷凍睡眠から目覚めたDr.イーブルが地球へ帰還した。
再び世界征服を目論む彼は、新発明のタイムマシンを操って1969年に戻り、
スパイを使って冷凍睡眠中のオースティンのパワーの源“モジョ”を盗み出す。
すっかりパワーをなくし、メゲるオースティン。命令も下り
オースティンは彼を追って69年に戻り、その計画を阻止することに。
彼はCIAのエージェント、フェリシティのサポートを得て、
自らのモジョを取り返すため、そして世界を救うためにDr.イーブルを追う…。

 前回からの主要メンバーに加え、新キャラも登場。
マイク・マイヤーズが新キャラデブのファット・バスタードと一人三役に。
さらにDr.イーブルのクローン、ミニ・ミーが登場。
彼は合成じゃないのね…最初気持ち悪かったけど慣れると可愛い(笑)
新たなオースティン・ガールにはへザー・グレアムが登場。
ヴァネッサの前作の設定を無視した強引な処理って…
ティム・ロビンスとエルヴィス・コステロ、ウィリー・ネルソンも登場。
レベッカ・ローミン=ステイモスも。

 冒頭の全裸ネタにも慣れて普通に笑った。
イーブルとスコットがこれまた親子でテレビ番組に出てピー連発にも。
私の大好きなスター・バックスはあの組織が作ったのか!
両方ともいかにもなタイムマシンの造型がツボだね。
過去にもあの装置作ったり、こんがらがりそうだわ。
「フラウ、君も…」ってくだりで笑ってしまったわ。
ファット・バスタード…めちゃ気持ち悪いね。普通に嫌悪感。
喋る言葉も流石にあの下品さには慣れないわ。糞ネタ勘弁
スコットランド人で何でああなるんだ。

 今回で特に笑ったのがスター・ウォーズのパロディと
オースティンがコーヒー飲む所。あとイーブルとミニ・ミーのラップ!!
何と吹き替えにしたら日本語で唄ってくれちゃってるんだもん!
吹き替えと字幕両方見てみたけど、どちらかと云えば私は吹き替え派かな。
ギャグも吹き替えの方が理解できて、書いた人は偉いね。
あれ、ウィル・スミスの曲のパロディらしいね。噴出しちゃったよ
ナンバー・ツー苛める所も笑えた。フラウと気まずく会話するシーンとか。

 オースティン、前回ではああだったのに何故フェリシティを責めるのだ。
脱出のシーンのセリフとかが脳がいかれた証拠なのかな〜
映画作品として観ればダメかもしれないけどコント感覚の鑑賞が大事ね。
これでオースティンとイーブルのお約束もつかめてきたし。
これを観てオースティン・ワールドに慣れたからね。
疲れてる人はたまにはこういう映画を観て開放されるのもいいかも。
おバカ映画万歳!スタッフ・ロールの映像も忘れずに。その後も。
エンディングはマドンナの曲ですぜ☆


 
オースティン・パワーズ ゴールドメンバー (2002/米) 95分










 サイケでおバカなパロディ映画「オースティン・パワーズ」の第3弾。
英国諜報員オースティン・パワーズがこれまでのドクター・イーブルや
ファット・バスタードに加え新たな敵“ゴールドメンバー”とも対決する。
新ヒロインにはデスティニーズ・チャイルドのビヨンセを抜擢。
今回もあっと驚く大スターが多数カメオ出演している。

 最高レベルの監視体制にある刑務所からどうにか脱獄した
ドクター・イーブルとミニー・ミーはゴールドメンバーと手を組んだ。
そして、彼らは世界征服のための計画を練り上げた。
計画遂行の邪魔となるオースティンの弱みを握る為、
英国の偉大なスパイ“ナイジェル・パワーズ”を誘拐に成功。
彼は、プレイボーイでやり手の英国諜報員、オースティン・パワーズの実父
世界と父親を救う為オースティンは1975年にタイムスリップし、
ゴールド・メンバーの組織に潜入しているフォクシー・クレオパトラと出会い、
彼女と共にゴールド・メンバーと父親を追い再び未来へ…

 今回は特にゲストが豪華だった!
父親ナイジェル・パワーズ役に名優マイケル・ケイン
カメオ出演でトム・クルーズ、グヴィネス・パルトロウ、ブリトニー・スピアーズ
ケヴィン・スペイシー、ダニー・デヴィート、クインシー・ジョーンズ
オジー・オズボーン、バート・バカラック、ロブ・ロイ
スティーブン・スピルバーグ、ジョン・トラボルタ…凄いメンバーだ。
冒頭シーンからの勢いが凄くて笑いまくった。
オースティンが唄う「父さんは来なかった」って歌、うまいんでビックリ
あの曲も、何かのパロディ?

 今回のオースティン・ガールはビヨンセだけあって
オースティンもあんまり迫らないのね。それだけにキスがピュアに見えたわ。
初登場シーンの歌で鳥肌もんよ!さすがビヨンセね。
イーブルとオースティンって幼い頃からの腐れ縁だったのね…
そして更に彼らの関係について、ある真実が明らかに!
回想シーンでもキャラまんまでこれまた爆笑もん。
またしてもイーブルとミニ・ミーのラップが聴けます。

 新キャラのゴールド・メンバーがこれまたきしょい。
トウタン(吹き替えではちしょーや)って言い方だけ妙にツボった。
イーブルが彼を叱るところとかも。
ミニ・ミーが去るところは可哀想だった〜でも笑える。

 舞台が日本になって、外国人が連想する誤解な日本満載。
ふんどしは洗わないし、あんなおしめ型じゃねぇ〜よぉ〜笑
ロボット産業のロボトさんって…
不器用に日本語しゃべるビヨンセも見れる。
社長と喋ってる所、吹き替えと字幕両方見とくべきだね☆

 人種差別や身体的特徴をけなしたり…かなりアウトなギャグもある。
でも許せる!何故だろう?先にオースティン・シリーズを気に入ったからだな。
前回もあった影絵ギャグ、なかなかよく出来てたね。
そして、三作目にして遂にスコットが悪の組織を継ごうとするわけだ。
頭に対するイーブルのリアクション、笑える。
確かに、あの笑い声は普通に怖い!

 1,2作目に比べてこれはそんなに評判がよくないみたいだけど
私は大満足!そして「オースティン・プッシー」が激しく見たい!!
トム・クルーズ、この映画の時はハンサム度三割り増しな気がするw
オースティンシリーズもこれで終わりなのね〜
こんなにも大物が沢山ゲスト出演してくれるなんて凄いよ。
マイク・マイヤーズの他の作品にも興味出てきたな…うん。


オープン・ウォーター (2003/米) 79分


 サンダンス映画祭で評判を呼び、全米公開に至っては
低予算ながら異例の大ヒットを記録し、話題を集めた。
ダイビングを楽しみに来た夫婦が、スタッフのミスで大海原に置き去りにされ、
足は届かない、周りを見渡しても海ばかり、酸素ボンベは残りわずか、
助けは来ない、何処へ行けばいいのかも判らない、サメの海域という
精神的にも身体的にも極限の状態に追い詰められるという実話を元にした映画。

 興味本位で観てみたい、って思ってて結局は映画館では観なかった。
でも、それで正解だったみたい。何でもこの映画は、
あの「ブレア・ウィッチ・プロジェクト」並に映像が荒く、画面がグラグラ揺れるので
大画面で集中して観ると酔ってしまう人も居たそうな。
私はあのブレア〜を映画館で観て実際に酔った口なので、これも酔っただろう。
内容は単純明快、かつこれほどリアルな恐怖はそうない。
時間が短いので、ダレることなど決してないと思うし。

 低予算で製作された為、CG合成の類は一切使わず、
サメも本物を使い、実際にスタントマン無しの俳優と一緒に海の中。
ツナなどを撒いて実際にサメを近くに寄ってこさせて撮影された。
なので、あの2人の引きつった顔は正真正銘演技じゃないでしょう。
本当に撮影中に事故で女優さんが足を怪我したらしいし。
これを観たあと、ダイビングに行くなんてことになったら…ヒイィィィ!!!!(゚ロ゚ノ)ノ
私も些細なことから海の沖に流されて孤立しそうになったことがあるので
不自由な足の着かない海に取り残されるという恐怖はちょっと判る。
でも、これ程過酷な状況下に置かれたら発狂しそうだよぉ〜!!
サメに襲われ食われるかもしれない…そう想像しただけでも…

 あのマスク忘れた親父さえいなかったら…でも
やっぱりきちんと名前まで確認して点呼しなかった船長が悪い。
実際に在りそうな事故で、今も何処かの海で漂流している人がいるかも…
この映画の元となった事件は1998年オーストラリアのポート・ダグラスで起こった。
行方不明となった夫婦は搭乗員名簿に何故か記入しておらず、
二人の荷物が船で発見され、大捜索が行われたが結局見つからなかった。
見つかったのは海底に沈んだ重りと砂浜に漂着したタンク。
遭難地点はサメが多く生息しており、跡形もなく食べられたのだろうと思われたが
この夫婦、人間関係や仕事で悩みを抱えていたようで
夫の日記には自殺願望のような事まで記されていた。
二人は実は死を偽装し、何処かで生きているのではないかと噂が流れた。
観光船の船長は業務上過失致死で逮捕され、
この事件が原因でグレート・バリア・リーフに訪れる客が激減したとか。

 何故ダニエルだけ先に死んだのだろう…一気に食べられてしまうのかと思った。
1匹だけだったから、彼の足だけで満足したのか?
あんな状況下、陸では楽しい宴の様子とか映ってて、皮肉な演出だな。
ただ家でボーっと過ごす休暇がどれだけ安全で楽なことだか…。
二人が口論になるのは目に見えていたけど、内容が実に現実味があって悲痛。

実話を元にしただけだから、ラストは少し救いが欲しかった…

海では流血は勿論、放尿や嘔吐などしてもサメが寄ってくるそうですよ。

多分、誰でも想像しただろうラストが待ってるので意外性は期待しないで下さい。
ホラー系じゃないので、グロもあまりないです。
ドキュメンタリー風に作られていて、入り込める人にはいいかも。
何とも後味の悪い作品でした。自然はやはり、人間には残酷だ。


ALWAYS 三丁目の夕日 (2005/日) 133分








 西岸良平の人気コミック『三丁目の夕日』を映画化した人情ストーリー。
誰もが明るい未来を信じていた昭和30年代の東京下町を舞台に、
個性豊かな人々が織りなす心温まる人間模様を綴る。
広大なロケセットに加え、「ジュブナイル」「Returner リターナー」の山崎貴監督が
得意のVFX技術を駆使し、当時の街並み・風俗をリアルに再現。

 昭和33年、東京下町の夕日町三丁目。
ある日、鈴木則文が営む自動車修理工場・鈴木オートに、
青森から集団就職で上京した六子がやってくる。
しかし、思い描いていたイメージとのギャップに、少しがっかりした様子。
その鈴木オートの向かいにある駄菓子屋の店主で、しがない小説家の茶川竜之介。
彼はひょんなことから、一杯飲み屋のおかみ・ヒロミのもとに連れてこられた
身寄りのない少年・淳之介の世話をすることになるのだが…

出演者は吉岡秀隆(文学)、堤真一(鈴木オート)、小雪(ヒロミ)、
堀北真希(六子)、三浦友和(宅間医師)、薬師丸ひろ子(鈴木オートのおかみさん)、
須賀健太(淳之介)、小清水一輝(鈴木一平)
端役に、木村祐一、ピエール瀧、奥貫薫、石丸謙二郎、小日向文世…

 評判の邦画、ってことで家族で映画館に観に行きました。
正直、期待は全然してなくて、むしろ批判的な気持ちで鑑賞したんだけど、
まんまと、やられてしまいました。笑いと涙の波が交互に来て…凄かった。
吉岡秀隆は個人的にあまり好きじゃないんだけど、ハマリ過ぎてて…
堤真一も、ド凄い演技に圧倒され、パワフルなおとうちゃんがグッジョブ!
須賀健太の泣きには、とことん弱い私であった。
とりあえず、数々あった泣き所を箇条書きしていくと…
1、最初に、子供たちが飛行機飛ばすシーン。
(戦後、焼け野原からここまで発展して今に繋がっていくんだなぁって…勝手に感動)
2、鈴木オートの社長と六ちゃんの和解。
(そうだよ、大切なのは技術じゃないよ…心意気だよ!って応援したくなった)
3、医者の宅間先生が酔って見た奥さんと子供の夢。
(それでも悲しみに暮れないで飄々と生きてるんだなぁって。泣かなかったのも来た)
4、初めてテレビがやって来て、大騒ぎする町の人達
(この頃の衝撃と感動…近所同士がこんな仲良しなのも微笑ましい)
5、帰りの電車賃がなくて、寒さに凍えてた二人。一平が見つけたお守り。
(一平が泣き出す所と、お母ちゃんの字が見えたシーンで目頭熱くなった。)
6、クリスマスプレゼントを貰って喜ぶ淳之介
7、茶川がヒロミに渡した指輪。凄いロマンチック、ヒロミも美しくて…
(手を光りにかざして「綺麗…」って言ったシーン…無性に切な過ぎて泣けた)
8、淳之介と別れたあと、必死に後を追いかける茶川
(宣伝でも流れてて、あざといぜと思っていたにも関わらず、大泣きしてしまった)
9、実は…と手紙を渡されて涙ぐむ六子、駅まで見送る鈴木一家。
(産んだ親と、親代わり的存在の社長さんと奥さん。親子の絆を両方かみしめた。)
10、夕陽はいつになっても変わらずに、綺麗だ。って〆
(ベタかもしれないけど、最高のラストと思った。ヒロミとも、きっと会える!感動した。)


 10箇所もある映画ってそうそう無いな…うん。
昭和のレトロな町並みも見事だし、(多少、時代考証で突っ込み所はあるらしいが)
作りかけの東京タワーっていうのが、また良かった。
ギャグもいちいち、笑ってしまったしね。感動映画ってうよりも
ほのぼのギャグ映画で宣伝した方がよかったんじゃ。悪い所が見つからないです。
家で見れば充分なジャンルだと思っていたけど、昭和の町並みを画面いっぱい、
タイムスリップしたかのように思いっきり入り込んで堪能できる。
この世代の人を連れて観に行けば、皆でほんわかあったか気分になれますよ。


ALWAYS 続・三丁目の夕日 (2007/日) 146分






 西岸良平の人気コミックを実写映画化し大ヒットした人情ドラマの続編。
前作終了時点から4ヶ月後の東京下町を舞台に、
夕日町三丁目に暮らす面々の人間模様をノスタルジックに描く。
監督は引き続き「ジュブナイル」「Returner リターナー」の山崎貴。
出演者は前作メンツの他、吹石一恵、温水洋一、上川隆也、渡辺いっけい等。

 昭和34年の春、日本は東京オリンピックの開催が決定し、
高度経済成長時代を迎えようとしていた。
そんな中、東京下町の夕日町三丁目では、
茶川が黙って去って行ったヒロミを想い続けながら淳之介と暮らしていた。
そこへある日、淳之介の実父である川渕が再び息子を連れ戻しにやって来る。
人並みの暮らしをさせることを条件に改めて淳之介を預かった茶川は、
安定した生活と共にヒロミへ一人前の自分を見せられるよう、
一度はあきらめていた“芥川賞受賞”の夢に向かって執筆を始めるのだった。
一方、経営が軌道に乗り始めていた鈴木オートでは、
事業に失敗してしまった親戚の娘・美加をしばらく預かることになる。

 下手な続編は前作の価値を下げる。二匹目の泥鰌、私には不味かった。
これ以上、あの人物たちのその後を描写する必要はなかったんだね。
前作の終わり方で、途中だと感じる人は違和感ないんだろうけど、
私には、まさに蛇足と感じた。
ヒロミが茶川の所へ帰ってきて
三人仲良く夕日を眺めるシーンは要らなかった。
何故なら、前作のラストで、いつかそんな日が来ると想像できたから。
その未来を想像させて明るく終わったのに、わざわざ見せられるとガッカリした。
鈴木オートにやってきた少女が徐々に大人の手伝いをし始め、
変わっていくくだりは別におかしくはなかったが、何故銭湯や映画館を、
表面だけ見せるのか。皆思ったはずだ。もっと中を見せて!と。
戦友会に行くくだりも、酒を飲まない不自然な戦友との晩酌も、
とっくに想像がつく。で、結局王道。そのまま。なめてんのか。
橋で偶然昔を思い返していたらアッサリ登場した戦争で生き別れた男。
何なんだ、あれは。何をしたいんだ。おかしすぎる。
ヒロミが甲斐性ナシな茶川にすら会いに行くのをためらう程の場末なダンサー。
しかし、どういう風俗ダンサーなのか分からない。踊ってるシーン要るでしょ。
妬み丸出しのダンサーも、先が読める。設定分かり易過ぎる。
芥川賞のくだりも、ちゃんちゃらおかしい。
見事にサギられるシーンも判り易過ぎる。観てるのがバカバカしくなった。
川渕が小説を、皆がガン見してる中で全文読み始めるのも無理あるし、
こだまに乗ってるヒロミがあれを読んで即行で帰ってくるのも不自然。
借金肩代わりして風俗の女を見受けしたいっけいの立場はどうなるんだよ。


 しかし須賀健太、背伸びたなぁ。鈴木オートの子が低すぎるのか?
気のせいかもしれないが、前作よりも茶川が嫌な奴に見えた。
オープニングの例のものの出演も話題になったね。
ああいう演出は嫌いじゃないが、髪を逆立てるのはやり過ぎだ。
思うに、他の新キャラクターたちを主役にやった方が良かったんじゃないか。
前作の栄光にあやかり過ぎ。2っていうより1の+αって感じです。
これ以上続けるなら、レンタル待ち組になります私は。
流石にね…馬鹿にされてる気がしたよ。この演出具合は。


オールド・ボーイ (2003/韓) 120分






 2004年のカンヌ映画祭で審査委員長を務めたタランティーノ監督が絶賛、
みごと同映画祭グランプリに輝いた衝撃のサスペンス。
土屋ガロン(作)と嶺岸信明(画)の漫画を「JSA」のパク・チャヌク監督が映画化。
理由も分からぬまま15年間も監禁された男の壮絶な復讐の旅路を
ユーモアをにじませつつ力強く描く。主演は「シュリ」のチェ・ミンシク。

 妻と一人娘を持つ平凡なサラリーマン、オ・デス。
彼はある夜、突然何者かに誘拐され、小さな部屋に監禁されてしまう。
テレビもあり食事も与えられるが、理由は決して明かされなかった。
そのまま15年間監禁され続けた後、突然解放されたデス。
いったい誰が、何の目的で?必ずお前を見つけ出して、復讐を果たす!
 デスは偶然知り合った女性ミドの助けを借りて、監禁した相手の正体を探る。
そして何度かの危機を乗り越えいつしかミドはデスに愛情を抱くようになる。
そんな2人の前に現われた謎の男ウジンは、オ・デスを監禁した張本人だった。
“5日以内に謎を解き明かせ。もし真実を見つけられたら、自殺してやる”と、
互いの命を賭けた“ゲーム”を提案するのだった。

 韓国映画はほとんど見ないんだけど、これはタラちゃん絶賛、
色んな映画サイトでも評判良かったので、見てみることにした。
原作は日本の漫画らしいね。こっちも、機会があったら読んでみよう。
主人公と同様、何故監禁したんだろ?奴は何をさせたいんだろ?って
アレコレ考えを巡らし、徐々に筋が掴めてきて、…何だぁ、そういうことか。
って思った矢先、もっと驚く事実が明らかになり、「やられた!」って思った。
冷静に見ていれば、それとなく察せるらしいけど、私は判らなかったな。

 残酷描写や下品、エロもあって、こりゃ好きな人は好きな映画だなと思った。
でも、何が一番顔がひきつったか、って言ったら生タコでした。(笑)
あと、彼がリモコン式の〇ースメ〇カーな必要ってそんなに無いよな。
オ・デス、自殺者に話すだけ話して相手の話を聞いてやらないの酷っ。
さりげなく言った言葉が、後にとても大きな意味を持って人を殺す…
例え小さな小石でも波紋は広がるってわけですね。
オ・デスの懇願ぶりと、笑いを堪えるウジン…壮絶だった。
てっきり、それでも非情を通すのかと思ったよ。
近親相姦していたので自業自得っちゃそうなんだけど、可哀想。
でも、自分の人生を賭してまで、あんな復讐を決行するんなら
姉弟揃って駆け落ちでも何でも出来ただろうに…姉は後悔してない、って言うんだし。
エレベーターのシーンはジーンと来たな。
でも、一番納得いかないのはラストだな。あれ、私は失敗したと捉えたけど。
記憶を失くしてもらうべきなのは、娘の方だろうに!!
自分のことを忘れてもらって、誰か他の男と幸せになってくれ…って思うんじゃ?
ギリシャ神話の「オイディプス王」の悲劇をベースにしているらしい。
あの言葉、つまり獣なら近親相姦とか関係ない、ってことか。


 ハリウッドでのリメイクも決まってるらしい。
結末は変えて欲しいな。それに、色々と脚色も欲しい。テンポも良く。
タブーな要素が入ってるので、家族や恋人と見る映画じゃない。
暗い映画なんだけど、アクションとユーモアで少しカバーされている。
韓国四天王とか、アイドル要素が前に前に出ている映画ばかりじゃなく、
こういう映画も作れるんだな、って感心しました。久々にこんなにドキドキした。
韓国映画やドラマによくある熱過ぎる演技やセリフ、違和感は感じなかったし。
日本には凄いどんでん返しの濃厚サスペンスが少ないので頑張って欲しい。
「見て良かったな」って普通に思った映画。余韻も深かった。


男たちの大和/YAMATO (2005) 145分




 辺見じゅんのノンフィクションを「敦煌」の佐藤純彌監督が映画化。
昭和20年4月、3000余命の乗組員とともに東シナ海に散った
戦艦大和の壮絶な戦いを描く。製作・角川春樹。
およそ6億円をかけて大和の原寸大のセットが組まれ、大きな話題に。
主演は「13階段」の反町隆史と「いま、会いにゆきます」の中村獅童。
「デスノート」L役で人気を博した松山ケンイチほか、
渡辺謙の息子の渡辺大、長嶋一茂、高知東生、奥田瑛二、渡哲也、仲代達也、
鈴木京香、蒼井優、高畑淳子、余貴美子、寺島しのぶ、白石加代子など。

 2005年4月、鹿児島県枕崎の漁港。内田真貴子と名乗る女性が現れ、
60年前に沈んだ戦艦大和が眠る場所まで船を出してほしいと懇願する。
他の漁師たちが申し出を断る中、老漁師の神尾は彼女の願いを聞き入れる。
彼女が大和の乗組員・内田二兵曹の娘と知り驚く神尾。
彼もまた大和の乗組員だったのだ。神尾の60年前の出来事が語られる…

 公開当時、話題沸騰で劇場に行こうか迷った作品。
…またしても行かなくて正解でしたね。…これは、酷いです。
テレビ放送で拝見したのでシーンが多少カットされたんでしょうが、
何せ始まりから映像が安っぽくて話にすんなり入っていけなかった。
学校の歴史勉強で見せられる教材のようなナレーションと映像。
それと交互に現在と過去のシーンが入るわけですが、違和感を隠せない。
3つの映像の雰囲気が全く上手に繋がっていなくて正直、途中で飽きました。
戦艦大和の造型は失礼ですが質感とかチープに感じたし、
当時の人が着てる制服や軍服、柔道着とか新品でお芝居臭がぬぐえない。
戦争ものの映画を多少見慣れた人間は拒絶反応が出るのも仕方ない。
もう少し上手な役者を選べなかったものか。
中村獅童は演技がワンパターンなんですよね。
反町も昭和の人間を演じるにはキャパが足りない。

 
戦闘シーンが始まるまでは、とにかく見てて妙にイライラした。
もう少し見る側のこと考えてストーリーにメリハリが欲しい。
死傷シーンがグロくて凄いみたいなこと言われてたけど、
こんなのひと昔前の邦画戦争ものに比べたら安い軽い。
戦艦大和やたらでかかったのは判ったけど、戦力には大してならなかったのね。
勝ち目がないのは判ってたけど、沈まないことには戦争も終わらない…
神尾は何故、内田から大事なもの預かってたのに
戦後せめて遺族にでも手渡そうと捜さなかったんだろう?

こんな粗探しをするつもりはなかったんだけど、気になりまくります。
勿論、映画の演出や丁寧さ、雰囲気作り、演技がダメなのであって
当時戦った人達のことは畏敬の念を感じずにはいられないし、
平和の大切さ、戦争の虚しさ、残酷さを感じることが出来たなら
その戦争映画はその人にとっては非常にためになる大事な作品なのでしょう。
ただ、私にはこの映画はナシ!でした。
「きけわだつみの声」や「硫黄島からの手紙」をお勧めします。


同じ月を見ている (2005/日) 106分








 土田世紀の同名コミックを東映が映画化。
転落事故からの復帰第一作となる窪塚洋介主演。
共演は「インファナル・アフェア」シリーズのエディソン・チャンと黒木メイサ。
監督は「バトル・ロワイアル II〜鎮魂歌(レクイエム)〜」の深作健太。
他に、山本太郎、松尾スズキ、岸田今日子…

 10歳の時に出会った恋人・エミの心臓病を自らの手で治したい一心で
医者の道へ進み、今は研修医として働く青年・熊川鉄矢。
エミとの結婚を目前にしたある日、鉄矢のもとにある報せが届く。
それは、もう一人の幼なじみ・ドンが刑務所を脱走したというもの。
7年前にエミの父の命を奪った山火事事件の犯人として服役していたドン。
彼には人の心を絵に描き、その人を癒してしまう不思議な力を持っていた。
そんなドンの純粋で優しい性分に、鉄矢はエミを奪われてしまうのではないかと
不安を募らせていったのだった。ドンの脱走の報せに、鉄矢の心は激しく動揺する…

 凄い待ち焦がれていた作品でしたね。復帰作ですから。
待ちきれなくて先に復刻された原作漫画を買って読んだんですが、
これまた凄い話で、終わりまで読んで泣いていた自分がいました。
監督が彼なのがどうも腑に落ちませんでしたが、それでも期待は募った。
でも公開されて評判が宜しくないので覚悟して映画館に足を運んだわけですが。
…やっぱり納得いかない作品になってしまった。非情に残念です。

 原作を読んでいる立場と知らない立場では多少印象も変わると思います。
一緒に鑑賞した友人は知らない立場だったわけですが、結構好印象だったらしい。
私も冒頭からの窪塚洋介を見ただけで、ちょっと嬉しかったり。
久々に大画面で彼を拝んだわけですが左右の瞳の感じが違うのが気になった。
演技の方は相変わらずですね。「みーつけた」には少し驚いた。
原作の鉄矢の方が嫌悪感あるので、もっと悪いキャラが良かったかも。
でも映画は映画。自分なりに厳しい視点で見たつもりです。
原作が1〜7巻分もあるので、そりゃまとめるのは大変だろうけど…
あのシーンは削って欲しくなかった、あのセリフが聞きたかった、って連続。
このシーンは妙に中だるみしててテンポが悪く感じた、とか
脚本も演出も粗が目立って、どうにもまとまりの無い作品になってしまった。
エディソンが言葉の少ないドンちゃんの役をなかなか上手に演じてて好感持った。
黒木メイサは…悪いけど演技にかなり問題あり。感情入ってなくて残念。
山本太郎も好演していたんだけど、金子のエピソードが少なすぎて
原作のあのシーンでの悲壮さが出なかった。
松尾スズキはちょこっと出演だけど、あのおっさん好きだ。

 では、ここから突っ込ませて頂きます。
タイトルがそれだからって、やたらと意識して月見上げるのはやめてくれ。
狙ったように音楽流れてきて、後半から逆に笑えてきたよ。
トンネルでの鉄矢の、やたらとウロウロする動きが気になった…
「俺に一生残る罪悪感を背負わせようって肝だったんだろ!」は言って欲しかった。
「人殺し!」って君が我侭言うからお父さん死んじゃった、って形になってた。
漫画では気を失って無意識に喋ってお父さんが行っちゃったわけだけども。
ンがエミのことを大好きで、鉄矢も同じくらい大好きなんだ、って描写に欠ける。
「一
緒だ!ずっと一緒だ!」や「テッちゃんはずっと友達でいてくれたから…」とか
結構大事なエピソードだと思うんだけど…1時間増やしてでも入れて欲しかった。
鉄矢が主人公な割には、大事なセリフ、行動、主観を伝える術が無さ過ぎて
普通に見ても感情移入できない。ドンちゃん主役で良かったんでは。
エミの揺れ動く気持ちも全然判らないので、然程大事なキャラな気がしない。
金子さんがすぐ“良い人”になったので、ドンちゃんの影響力があまり栄えない。
ドンを殺そうと思った鉄矢に、何故簡単に居所教え合おうとか言い出すのか変だし。
ラスト火事のシーン、消防団がいなくなったのは不自然…あえて許すけど。
鉄矢、結局ちゃんとドンちゃんに謝ることが出来ないまんま…じゃん。

ドナーカードの伏線も無いので、何故心臓移植になるのか説明な
し。

 ラスト近くの炎の中での熱演が、ただ妙に胸に来て、結構ジーンとは来た。
三人の子役の子たちも結構様になってたから、そこも良い。
エミ役の子の眉毛が凄く気になったんですけどね。
ラブストーリーとしても、友情ものとしても弱いし、
印象に残ったのは矢鱈と映る月と炎と、ドンの描く絵。
絵だけは、原作と違って見れるので新鮮。成長したドンの絵はうまいしね。
観に行った劇場はガラガラで、二人きりで貸切状態でした。
内容も確かにこれじゃ、自信を持って薦められる作品じゃないですね。
漫画はよく心の言葉をよく使っていたのでキャラの心情も汲み取れる。
映画を観て、漫画の方に興味を持って、読まれることをオススメしますね。
まだメイキングDVDの方が見てて楽しかったかもしれない。
こういうものだと割り切って、2回目からは多分味が出てくる…かもしれない。


オペラ座の怪人 (2004/米・英) 140分





 1870年代のパリのオペラ座。
度々劇場で起こる事故に耐えかねてトップスターが臍を曲げ、
変わりに修行中のクリスティーヌが舞台の主役を勤めることに。
 彼女の美しい歌声はたちまち人々を魅了した。
彼女はある名前も知らない先生が歌を指導してくれたと言う。
幼馴染の公爵ラウルとも再会を果たしたその夜、
オペラ座に住むファントムに地下へと誘われるクリスティーヌ…


 有名なミュージカルですが、未だにきちんと見たことはありませんでした。
映画館で観れて本当によかったと思う。映画館で観るべき映画だった。
まるでオペラも一緒に楽しんだかのよう。
音も影像も堪能。歴史に残る劇ならではの貫禄もあった。
 怪人が仮面の下に醜い素顔を持っていることくらいは知ってましたが、
何で隠れて生きていけるのかとか。
ファントムの過去と、匿うマダムが印象的でした。

 ファントムの顔つきが若干バンデラスに似ていたせいか、
彼の立ち振る舞い声に心奪われました。
あの「エビータ」と製作・音楽を勤めた人が同じらしいですね。
 そしてバンデラスもファントム役の候補に挙がっていたとか…
バンデラスのファントムも見てみたかったかも。
でも背が低いから舞台栄えしないんだろな…。
あとメジャーな人過ぎてファントムの哀愁が薄れるかな。
バトラー君は長身でキマッてました。歌はそこまで上手くなくとも。

 ファントムの行動は我侭で子供っぽく強引な気もしましたが、
それでも惹かれるものがありました。打って変わって相手になるラウルが
2枚目で誠実で金持ちで幼馴染で…相手が悪すぎる。
でもきっと魂ではファントムに惹かれていたのだと思う。
 クリスティーヌは劇中、よく目をパチクリさせるような表情が多くて
乏しいとも感じましたが美声には劇中の観客同様に
聞き入ってしまう素晴らしさがありました。

 悲しいお話だけれど映画を観終わって歌や三人の顔、ラストの薔薇…
パンフレットを買わなかったことを今更ながら後悔。
サントラがよく売れているのも納得。自分も欲しくなった。



溺れる魚 (2000/日) 101分


 「池袋ウエストゲートパーク」の堤幸彦が監督した異色のサスペンス。
出演者は椎名結平、窪塚洋介、仲間由紀恵、渡辺謙、伊武雅刀、白竜、
野際陽子、宍戸錠、IZAM、あの成宮寛貴も映画初出演。

 横領等で懲戒免職寸前の刑事二人白戸と秋吉が罪を不問とする条件で
ある秘密クラブに潜入捜査することになるのだが…
一方、大手フィルムメーカーが脅迫されるという事件が発生。
犯人は店の現像液に漂白剤を混入し、客のフィルムを台無しにされ
会社の評判と信頼関係を壊したくなかったら、と条件に
会社重役に公衆の面前で屈辱的な行為をしろと強制する…

 独特の堤ワールド全開映画。好きなら楽しめること間違いなし。
ストーリーが破綻してるとか原作と違うとか、そういうことは抜きにして
ブラックジョーク満載の豪華キャストで贈るスペシャルドラマとして観よう。
冒頭のシーンは結局、題名を暗示させるだけかな〜

 椎名演じる白戸のジョーオタクというキャラが活きていて後半夢の出逢いが…
窪塚の女装趣味でマゾっ気ある秋吉も笑える。叶恭子みたい笑
仲間のキャラは「トリック」の田中がしっかり者になったバージョンかな。
渡辺謙も不思議な雰囲気を持つ奇妙な人物だった。ラストは仰天。
IZAMのキャラ構成が酷かったかもしれない。何がしたいかようわからん。
ゲイナイト侵入とか、ゲイカップルを装って調査とかネタ満載。
あのダンサーが成宮だよね?そうだよね?

 会社でモーニング娘。の衣装にこだわる奴とか笑えた。
もうこの曲聴くたんびにこの映画のシーン思い出すんだろな。
股間モザイクとかグロい描写もあるので家族鑑賞はお勧めしないかな。
でも俳優が好きなら許せるお遊び。うちは家族鑑賞。

 舞台挨拶とかで例のキスシーンの説明してた。
楽しそうな現場だよなぁ和気藹々としてそうで。
伊武さんや白竜さんはお馴染みなポジションだったね。
変な宗教団体が居合わせた銃撃戦でビームが飛び交う。
会話が何気に面白いづくしだと思う。
こういうユーモアあふれる作品を作れる堤監督は偉大だな。



俺は、君のためにこそ死ににいく (2007/日) 140分






 石原慎太郎・東京都知事が製作総指揮・脚本を手掛け、
“特攻の母”として知られる実在の女性、鳥濱トメさんの視点から、
先の太平洋戦争で特攻隊員として儚く散っていった若者たちの
切ない青春模様を綴る戦争ドラマ。
主演は「細雪」「かあちゃん」の岸恵子。
21世紀の石原裕次郎として芸能界デビューした徳重聡の映画デビュー作。
徳重聡とダブル主演と銘打って窪塚洋介も出演。
筒井道隆、渡辺大、桜井幸子、寺田農、戸田菜穂、宮崎美子、
長門裕之、遠藤慶一、江守徹、石橋蓮司、的場浩司、伊武雅刀。
監督は「オキナワの少年」「秘祭」の新城卓。
主題歌はB'zの「永遠の翼」

 太平洋戦争末期、圧倒的な劣勢に立たされた日本軍は、
最後の手段として爆弾を搭載した戦闘機で敵艦にパイロットもろとも
体当たりする特別攻撃隊の編成を決断する。
やがて鹿児島県の知閲飛行場は陸軍の特攻基地となり、
そこから多くの若者が特攻隊員として飛び立っていくことになった。
軍指定の富屋食堂を営む鳥濱トメは、そんな若者たちを複雑な思いで見送る。

 窪塚洋介の出演作なので劇場へ足を運びました。
何が一番イヤか
って、このタイトル。何かの罰ゲーム?
劇場窓口で言うのが恥ずかしかった。勘弁してよ〜
実話を元に作られ、知覧の町並みや再現は正確なんでしょう。
丁寧に作られたのはわかるんですが少々クドイ。
まず気になったのが
お偉いさん方が真面目に話してるはずなのに
その机の上におかれたトロピカルドリンクは何?雰囲気ぶち壊し過ぎ。
田舎のホタルの話、「また踊りたいな」で出てきたちょっとした回想シーン。
黒をバックに人物だけで、なんだか酷く安っぽい。
どうせ撮るなら背景もつけて欲しかった。田圃とか。
遠目から撮られているシーンが多い為、安易な泣かせ演出はないものの
作品としては全体的に地味な場面が続いて波を壊す。
群像劇として多数登場する特攻隊員たちがいるので個々が判り辛い。

ただ、最後の方の特攻をかけるシーンは とてもよく撮れてたと思う。
家族に見送られ、最後に日本の山を眺めて別れを惜しむシーン、
海いっぱいに敵戦艦が侵攻してる様は圧巻でした

でもこれではトメさん主観の物語としてはちょっと変なんだよね。
私の感情を刺激したのはトメさんが関わってないシーンばかりだ。
窪塚扮する坂東勝次少尉の特攻シーンは鬼々迫るものがあったけど、
顔面アップを映す時間がちょっと長すぎると思った。
あれで最後、実は生き残っていたというのはいかがなものか。
でも彼を呼ぶ家族の声が聞こえながらも島の物陰で
片足を失い表情の覗えない後姿のカットは印象に残った。
空をいく隼
に深々と礼をする蓮司さん、
終戦後、息子の形見の刀で木を切りつける親父さん…
何度も帰ってきて無言の抗議をし自爆した田端少尉も良かった。

窪塚洋介がいなかったら作品のクオリティが大分下がってたと思う。
徳重演じた中西少尉は老けてからがいかにもコント。何あの顔。
彼が生還したボートのシーンも、いきなり綺麗な海にヤギ…で
急にCMが入ったの
かと思っ
てしまった。今までの世界観を壊した

 B’zの主題歌は見事に雰囲気ぶち壊してましたけど
スタッフロールで映る当時の写真と海に感動した。
劇中、実際の映像を色づけして使ったシーンもあったそうです。
都知事が製作に関わったことで政治的思想が見え隠れし、
何だか素直に受け止めてよいものかと勘繰ってしまうのが難点。
しかし、彼らの境遇、葛藤、勇気、散り様を観て、
戦争に恐怖し、今ある平和の有難味を想う人、命の尊さを考える人、
知覧に行ってみようと思う人、靖国に参拝
しようと思う人、
いろいろ感想を持った人がいることが大事なのかも。
ただ映画作品として観ると、正直それほどのものでもないかな。
後半は好きですけれど…見終わって頭の中で思い返す方が良い映画。



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