管理人NEROが映画について語ります。

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世界最速のインディアン (2005/ニュージーランド・米) 127分






 愛車“インディアン・スカウト”を40年以上もかけて改良し続け、
63歳にしてニュージーランドからはるばるアメリカへ渡り、
世界最速記録を打ち立てた伝説のライダー、バート・マンローの実話を映画化。
主演は「日の名残り」「羊たちの沈黙」のアンソニー・ホプキンス。
監督は「13デイズ」「リクルート」のロジャー・ドナルドソン。

 ニュージーランド南端の町、インバカーギル。
小さな家に独りで暮らしている初老の男バート・マンローは、
40年以上も前のバイク“1920年型インディアン・スカウト”を自ら改造し、
ひたすら速く走ることに人生を捧げてきた。
彼の夢は、ライダーの聖地、アメリカのボンヌヴィル塩平原(ソルトフラッツ)で
世界記録に挑戦すること。いよいよ肉体的な衰えを痛感し、
もはや挑戦を先延ばしにはできないと悟るバート。
何とか旅費を作り、船内コックとして働きながら渡米、はるばる約束の地へ向かう。

 随分評判が良かったんですが、どうも車とか興味の薄い私は
たとえアンソニー・ホプキンス主演でも映画館には行きませんでした。
レンタルになっても、どこか避けていたような…タイトルからして触手が伸びない。
でも、でも、やっぱりタダの喰わず嫌いでしたー!!!良い映画でした!
何だろうね、別に物語に凄い意外性があるわけでもないし、屈指の名シーンとか
ドキドキハラハラが凄いわけではない。限りなく癒し系なロードムービーみたいな。
インディアン、あんな小さいんですね。乗ってる姿が可愛らしい。
王道ベタなストーリーをなぞるだけなら「ふーん」で済むんですが、
実際に映画を観終わってから得られるものは大きく違う。それが良い映画。
あんな飄々とした心持で、いつくになっても夢を志を持ち、
無邪気に前向きに人生を生きる老人になりたいと思った。
そして、ありえないくらい関わる人たちが皆良い人だったのも
リアリティがない、と言ってしまえばそれまでだが、和みました。
きっと、バートの人となりがそうさせるんじゃないかな〜と。

 
初対面で怪訝な顔をしている相手にだって、名乗って握手を求め、
媚びるでも、ふてぶてしくもなく旅の目的を友好的に話す。
彼のことを慕う少年も、口説かれているおばさんも、
選別をくれたヤンキー暴走族も、タバコを注意されてる船員たちも、
モーテルのオカマちゃんも、中古車の店長も、
通りすがりのネイティブ・アメリカンも、行きずりのばあさんも、
故郷に戻る若い兵隊さんも、ソルトレイクで出逢う同志たちも。
バートの持病は、普通の映画だったら何かしら障害になってくるフラグだけど
実話だものね。モーテルの彼女に親切にしてもらい、
「やっぱり男には見えん」『私は女よ』の別れ際とか、
中古車の店長に気に入られるくだりとか、見ていて顔が綻んだ。
塩の大地って凄いですね。これもロードムービーの醍醐味ですが、
大自然の素晴らしい景色を堪能できる。あんな場所もあるんだなぁ。
せっかく来たのに登録してないゴタゴタがあったりで、
最終的に走って皆を驚かせちゃうのは爽快感ある。
個人的には旅の途中で親しくなった人たちに結果報告して
ニュージーランドにのんびり帰って欲しかった気がしないでもない(笑)
終わってみれば大した障害もなく目的が達せられたんだけど、
それまでの旅の過程と、バートの人格と、セリフの数々に惹かれました。
時速288kmの新記録を樹立させ、さらに自分で自らの記録を何度も破り、
非公式記録だがインディアンの最高記録は時速331kmらしい。
未だにその記録は破られていない…の字幕でウルッときました。

最初は何だこの興味をそそられないタイトルは…
と思ってたんですが、
終わってみれば、これこそが一番しっくりくるタイトル以外の何者でもなかった。
粗を探せば、きっとある。でも、悪い部分
を探す気になれない。
そのくらい作品の愛嬌と名優の貫禄と、素晴らしいロケーションと情熱が伝わる。
家族と観たんですが、満場一致で名作認定されました。心が暖まります。


世界中がアイ・ラヴ・ユー (1996/米) 102分






 マンハッタンのリッチな弁護士ボブとその一家の面白おかしい物語。
前の夫ジョーはパリで暮らして失恋のたびに帰ってくる。
ボブとステフィとジョーは親友でもあり、お互い尊敬し合う奇妙なお付き合い。
長女スカイラーは婚約者ホールデンといい感じ。
ローラとレインの恋愛予備軍は同じ男の子をめぐって恋のバトル。
そんなある日、ジョーに運命の出会いが。
お相手は欲求不満に悩む人妻ヴォン。
恋の舞台はやがてヴェニスそしてパリへ、
みんなの想いがそれぞれ結ばれてハッピーになれる日はいつ?

 春のN.Y.から夏のヴェニス、そして秋の深まるN.Y.、クリスマスのパリへ…。
美しい都市を舞台に、超リッチな弁護士一家の恋愛模様を、
歌と踊りで綴った才人ウディ・アレン監督の初のミュージカル作品。
ジュリア・ロバーツ、ゴールディ・ホーン、ドリュー・バリモア、ナタリー・ポートマン、
ジャンルの違う様々な豪華スターの共演とその本物の歌声、
さらにチンピラに扮したティム・ロスの意外な美声や
エドワード・ノートンの天真爛漫なダンスは見逃せない!

 有名なウディ・アレン作品を見るのはこれが初めて。
顔だけは、なんか見たことあるようーな気が…
冒頭から、まさにミュージカルな演出で笑った。本質コメディらしいけど。
あのエドワード・ノートンって過去はあんなキャラも演じていたんだなぁ。
「ファイト・クラブ」と「レッド・ドラゴン」のイメージしかないけど…。
ドリューが綺麗で、エロチックだったわ。
ナタリーはちょこっとしか出ていないので、彼女目当てのファンはどうだろう。
ジュリア・ロバーツは好きじゃないんだけど、ここでの彼女は好印象。
ジョーが頑張って彼女を口説いているのを観てると応援したくなった。

 ナレーションを務めるアラン・アルダは主役じゃないね。
とにかく恋と踊りと歌がいっぱい。そして必ずしもロマンチックじゃない。
指輪演出が裏目に出てるシーンは判っちゃいるけど笑えてしまう。
病院で看護婦、妊婦、怪我人まで歌って踊り出す。
葬式では幽霊たちが踊り出す。ひと昔前のミュージカルみたいだった。
ミュージカルって柄じゃないだろ、って役者たちが歌っているのがツボ。
歌っていない人も数名いますけど。

 正直、家族の恋愛模様はありきたりではあった。
描き方を楽しむ作品なんだと思う。特にウディ・アレンファンなら。
私はパリの景色が出てきただけでテンション上がってしまったわ。
行ったことある場所がジャストで出てくるんだもん!たまんないわ。
冬はいつもパリで過ごすとか…そんなリッチなファミリー羨ましいわ。
EVERYONE SAYS I LOVE YOU」って歌も良かった。
まぁ個人的にティム・ロスの凄い歌が聴けたんで満足。
ラストの大円団ダンスで、ひたすらハッピーな映画だったんだと感じた。
クスリ笑いが多いんだけど、結構好きかも。


世界の中心で、愛をさけぶ (2004/日) 138分


 ベストセラーになった片山恭一の同名小説を「GO」の行定勲監督で映画化。
めちゃくちゃ話題になったけど、映画館には遂に行かずにレンタル鑑賞。
スクリーンで宣伝を見た限りでは、潤ってきちゃったんだけど
あれは単に平井堅の歌が盛り上げてくれてたお陰なんですね。

 大沢たかお、顔は嫌いじゃないんだけど演技は荒削りな印象。
柴咲コウ、なんであんな行動とってたのか真相判っても理解に苦しむ。
長澤まさみ、演技が凄い評価されてたけど、そんなにうまいとは思わなかった。
森山未來も平凡そのもの。その空気がこの映画向きだったのかもしれないけど。
クドカンや津田寛治、近藤芳正、天海祐希がちょい役で出て
山崎努も脇を固めてくれていた。

 内容も、過去、大恋愛の末に死に分かれた心の傷を引きずりながら
現在の恋愛に葛藤するという泣かせの王道ストーリー。
映画の宣伝見て、大好きな人を失ってしまった悲しみを思うと
「助けてください!」の叫びが悲痛でとても涙腺緩んでしまう映画なんだろうなと
心の中で想像してしまい、勝手に高く高く期待してしまったようです。
「黄泉がえり」や「解夏」とか「半落ち」とかどうしても感動が空回りしてしまうわ。
私の価値観や感覚に相当合ってなかったんだろうな。

 結婚間近に婚約者の律子の突然の失踪に戸惑う朔太郎。
彼女の向かった先は朔太郎の故郷の四国。彼女を追って里帰りした朔太郎は
高校時代、クラスメイトだった亜紀との思い出を次第に思い出してゆく…

 何でだろう…すっごいありがち過ぎる。
深夜のラジオで嘘ついて喧嘩、交換日記カセットや不治の病で引き離される二人
こっそり病院抜け出して空港行っちゃったりとか…
どれも、どこかでもう使われたネタをくっつけたような印象。
あと二人の写真よく見ると顔のバランスがおかしくて変。
このくらいのことなら100分くらいに収められなかったのか。
長過ぎてだれる。音楽も眠くなる。田舎映像で和ませようとしたって
あれくらいの田舎なら私はそんなに珍しさを感じない。

あの地球のへその写真を入手した経路がおかし過ぎるし…
二人がどうなってもいいやと感じてしまえばその恋愛映画はもう観てられないね。
柴咲コウの子供時代の役柄は映画版だけらしいけど
普通、同郷なら出身学校も同じだろうしもっと早く気づかないものかな?
でも、あのせいで足がああなったと思うと可哀想だ。
ラストの締めセリフで一気にだらけた。はぁ


セブン (1995/米) 126分


 「エイリアン3」「ファイトクラブ」のデヴィット・フィンチャー監督
ブラッド・ピット、モーガン・フリーマン、グウィネス・パルトロー共演
「羊たちの沈黙」に続きサイコサスペンスブームを巻き起こした大ヒット映画。

 キリスト教の”七つの大罪”を題材にした連続猟奇殺人事件を追う二人の刑事。
「食欲」の罪で無理矢理食事を食べ続けさせられ食道を破裂させられた肥満の男
「怠惰」の罪で拉致監禁され麻薬づけで生かされ続けた男…
エグイ、酷い、惨い描写が盛り沢山あります。
普通の人ならとてつもない不快感に襲われる。観ていられないだろう。
私も、テレビ放送されてても途中で見るのを止めていた。
しかし興味を持った時、この映画を最初から最後まで真剣に鑑賞した。

 この映画を観て、モーガン・フリーマンの演技は勿論、
ブラピの真に迫った慟哭の表情が凄かった。
若い刑事役の彼のその後を思うととてつもなくやりきれない。
実際の殺人事件の犯人に関してもだけど、どうすることが正しいのか
よく犯人が「死刑になりたくてやった」など発言していると深い憤りを感じる。
映画の犯人は違うけど、根本は似たようなものだと思う。

 禍々しい雰囲気で血や悪臭がこちらにまで匂いそうなりアルさがあった。
雨ばかり降り続いて街自体に暗い印象があって
喫茶店でサマセット刑事と奥さんが話していた内容もあって
本当に嫌な世界だった。でも何故か魅力みたいなものを感じてしまう。

 この映画では犯人はある大儀を成し遂げたかのように誇っている。
肥満男に対して彼が語った言葉は、ある意味日常でも人が感じる不快感で
軽いノリでそう云ったとしても実際には実行しない。
犯人の言いたいことはだいたい判ったけど、卑劣だ。
後味が悪いけど、サマセット刑事がラストに言った言葉を私も信じたい。


セブン・イヤーズ・イン・チベット (1997/米) 126分 





禁断の聖地“チベット”を舞台に、一人の登山家の数奇な運命を描いた魂の実話。
 1939年、オーストリア人の登山家ハインリヒ・ハラーは世界最高峰の
ヒマラヤ山脈を制覇しようと、身ごもった妻の反対を押し切り出発した。
だが第二次世界大戦の影響でイギリス軍に捕まり、捕虜になったハラーは
同じく登山家のペーターと共に脱獄に成功し、
外国人が足を踏み入れることを禁じられているチベットに入り、
幼くしてチベットの代表者となった少年“ダライ・ラマ”と交流を深めていく。

 監督は「トゥー・ブラザーズ」のジャン=ジャック・アノー。
主演にブラッド・ピット、共演にデヴィッド・シューリス、マコなど。
音楽は過去何度もアカデミーに輝いた巨匠ジョン・ウィリアムズが担当。
全スコアを通して、天才チェロ奏者ヨーヨー・マの独創的な演奏、
更にイタリアの伝説的デザイナー、エンリコ・サバティーニが
チベットの精神文化を反映させた美しく豪華な衣装を創り、大きな話題となった。

 本作では中国のチベット侵攻を描いた為、チベットではロケが叶わず、
撮影は主にアルゼンチンで行われたが、実はアノー監督は秘密裏に
チベットに撮影隊を派遣。本物のチベットを映した20分程の映像が収められた。
この事実が明かされたのは、完成2年後の99年だった。
試写会に参加した中国人マスコミは映画の内容に憤慨し、途中退席したそうだ。

 中学3年の頃かな?初めてビデオレンタルでこの映画を観たのは。
俳優も景色も美しいし、大切なことを教えてくれるような作品です。
この映画を見るまではチベットって名前だけで何も浮かんでこなかったのに、
“チベット問題”について社会勉強にもなります。中国政府に怒りを覚えます。
今でもチベットの国境を越えて行くチベットの僧を
容赦なく撃ち殺す中国兵の映像………胸が苦しくなります。
今でもダライ・ラマは各国に呼びかけているそうですが、望み薄です。
中国ではこの映画は上映禁止なんだそうです。
100万のチベット人を殺害し、8000の寺院を破壊した事実も隠蔽したいのでしょう。
イラクなどの中東問題もそうですが、世界平和は遠い。

 ブラッド・ピットの風になびく金髪が美しいのも印象的でしたが、
彼は染めてるらしいですね。でもこんなに格好良いブラピを拝める作品。
ダライ・ラマ少年の無邪気さにもグッときます。
洋服を仕立てる彼女の言ってる言葉も心に響きます。
「貴方たちが褒めたたえるのは1番になった人、
私たちが尊敬するのは、エゴを捨てた人よ。」
吹き替えだと、“人の嫌がることを進んで引き受ける人”だったけど。
ペーターとの友情もなかなか。最初は気が合わなかった二人が
一緒に危機を乗り越えたりして親しくなっていく。
女性を取り合ったり、時計のエピソードもなかなかいい。
頑固で自信家のハラーがチベットで7年過ごすうちに変わっていく。

 ジグメのやったことが必ずしも悪かったわけでもないんですよね…
実際に抵抗を続けても命が多く失われていくだけだったかもしれない。
でも抵抗を続けていれば他の国が気づいてくれる、という希望もあったれど…
中国が徹底的に悪として描かれていると言われていますが、
中国がチベットを侵略していい正統な理由なんてのも無いはずでしょう。


 少し長い映画だけど、癒されます。人に薦めたくなる映画。
そして優しいだけじゃない、厳しい現実も思い知るけれど。
キリスト教の教えが素晴らしいとは思えないけど、
チベット仏教の教えは素晴らしいんじゃないだろうか。
中国人でもあのジェット・リーなどはチベット仏教の信者らしいです。
一部の中国人は自国の政府のやりかたには疑問を持っているんだと思う。
今まで知らなかった世界を知る、人々の暖かさに触れる、
何故だか部屋でテレビ画面を見つめていただけだったのに、
自分がさもチベットに一時行ったような感覚を味わい、
この国に平和が訪れる日を願わずにはいられないんです。


セレナ (1997/米) 128分


 ジェニファー・ロペス主演の伝記サクセスストーリー。
第2のマドンナと称されながらも24歳の若さでこの世を去った
ラテンポップス界の歌姫セレナ。
実在した、彼女のトップシンガーへの道程をドラマチックに描いた作品

劇場未公開の映画。

 ラテンアメリカ系の女性歌手がアメリカで成功するには何倍もの努力が必要。
さらにメキシコへ行っても半端もの扱いされ、成功は難しい。

その壁を初めて破ったのがテキサス出身の才能溢れるセレナだった。
 セレナの父はメキシコ料理店で英語の歌を歌い大失敗。
歌手としての夢を諦め、普通の家庭と仕事を持つ良き夫として暮らしていた。
ある日、セレナの歌声に光りを見た父は楽器を買い揃え
セレナの兄A.B.と妹のスゼットにベースとドラムをやらせバンドを結成。
しだいに音楽活動にすべてを注ぎ込むようになり
各地を周り有名になっていくセレナのバンド。
スペイン語も勉強し、メキシコでも受け入れられてゆく…

 最初の印象…ジェニファー・ロペスってこんな顔だったの?!
歌手アルバムのジャケットしか見たことなかったので;意外でした。
何か日本のドラマのちょい役にいそうな顔だなと思った。
でもそれもつかの間!観ているうちに、その芋っぽい雰囲気が消されていった。
エンストした車のくだりとかギタリストのクリスとのピザ屋の会話を見てて
一緒になって微笑んでいる自分がいた(きもいよ)
何て魅力的なんだろう…映画を観終わったあとでそう思った。

 あとセレナの父親役のエドワード・ジェームス・オルモスが良かった。
めっちゃ頑固親父。メガネのせいか、丹波哲郎に見えて仕方なかった。
 正直、歌姫セレナのことはこの映画観て初めて知りました。
きっと現地では有名なんだろうけど…
でも劇中で歌われる歌は知ってる歌もちょこちょこあった。感動☆
確かに下着だ。私がお父さんでも許しませんよー!
ビスチェだって云われたら案外、納得しちゃうかもしれない。

 クリスと一緒にいるところがホントに幸せそうに感じた。
父親にいざ会いに行く時、見てるこっちまでドキドキしまくった。
無礼な服屋の店員は一緒にザマーミロと思った。
おだやかで、面白くて、じっくり観れる映画。なかなかの秀作です。

 彼女が死ぬ場面はサラリと流れていき、あっという間だった。
ああ、もう彼女はいない。どんな気持ちでこの世を去ったのだろう…
もっと歌っていたかっただろうな…なんてしみじみ思った。


戦国自衛隊 (1979/日) 138分





 半村良のSF小説を角川映画が映画化。
主な出演者は千葉真一、夏八木勲、草刈正雄、竜雷太、かまやつひろし、
薬師丸ひろ子、真田広之、宇崎竜童…
 伊庭三尉率いる自衛隊一個小隊は移動中に、奇妙な閃光に包まれる。
気がつくとそこは400年前の戦国時代だった。
伊庭たちは戦車、ヘリコプター、装甲車などの近代兵器もろとも
過去の戦国時代にタイムスリップしてしまったのだ。
そんな彼らの前に、突如襲い掛かってきた軍勢。
近代兵器の凄さに関心し興味を抱いた戦国武将・長尾景虎は
伊庭と友好関係を結び、武田信玄を倒し共に天下を取ろうと持ちかける。
元の世界に戻れない自衛隊の面々もこの時代で生き抜く事を決意するが
常に死と隣り合わせの状況に隊員たちは一人また一人と命を散らしていく…

 これを最初に見た時の衝撃といったらなかった。
始まってちょっとも経たないうちに異常現象により過去へ飛ばされる自衛隊。
映像技術が時代が時代なだけあって、変テコなわけだけど
電池で動いてるだけの腕時計までも狂うとは(笑)そして馬の幻影。
戦国時代のまっただ中に飛ばされてどんどん襲撃を受ける。
しかし、こちらも近代の軍隊だ。
新旧の同じ日本人同士が何故戦う羽目になるのか…
それぞれの武器、利点、兵士自身の心構えというか、対比ができる。

 戦国武将と手を組む過程と新旧が戦をするのも凄いが
最初に部隊が二つの勢力に二分される。
もうひとつの部隊は近くの村を襲い、女や物を略奪し好き放題する。
現代と違う力が全ての時代に飛ばされ、
その力を持った人間の醜い部分がさらけ出される。
ふたつに分かれた自衛隊の仲間割れも見物。

 シビアな反面、影虎と伊庭の男の友情がロマンチックに描かれている。
ふんどし同士、海岸で夢を語り合ったりしてる場面が面白い。
そして劇中様々な場面で流れる音楽、これまた青春全開!!
 ほかに自衛隊の隊員たちもそれぞれ事情を持つ者もいて
隊を抜けてある女性に会いに行こうとする者、それに付き添う者。
はたまた現地の人間たちと仲良くなったり…

 まだ若い薬師丸ひろ子と真田広之演じる若武者も注目。
セリフが少ない分、何だか凄くリアルだった。
戦国の武者達と現代の自衛隊。窮地に陥ったり逆転したりと目が離せない。
どちらもそれぞれ憎めず、不思議な気持ちになった。

 千葉真一が終盤になるにつれ、暴走していく。
時代を思いっきり狂わせてるように見えたんだけど…大丈夫かよ。
廃墟の寺で自衛隊員たちが相談するんだけど、横暴な隊長に怒りが。
千葉真一の鬼気迫る演技は凄いんだけどね。
あの時、帰りたいと叫んだ隊員が何だかホリケンに似てた。
エンディングを迎えて、切なくてたまらなくなる映画。
でも所々笑いもあって突っ込みながら観て最後に泣く映画かも。
昔の青臭い頃の青春の雰囲気ってこんな風なのかな…


戦国自衛隊1549 (2005/日) 129分


原案が半村良で原作となった同名小説は福井春敏が執筆。
大ヒットした前作を元に全く違う新たなストーリーを製作。
本物の陸上自衛隊が全面協力し、リアルかつ壮大なスケールで映像化。
出演者は江口洋介、鈴木京香、鹿賀丈史、北村一輝、綾瀬はるか、
生瀬勝久、嶋大輔、的場浩司、宅麻伸、中尾明慶、伊武雅刀…

 対プラズマ用人工磁場シールドの展開実験を行なっていた最中、
突然の暴走事故が起こり、トルネードのようなものが発生。
実験に参加していた的場1佐ら第3特別実験中隊が
460年前の戦国時代へタイムスリップしてしまう。
ほどなくして、過去への干渉が原因とみられる虚数空間ホール
(ブラックホールのようなもの)が日本各地に出現、現代を侵食し始める。
やがて事態収拾のための組織“ロメオ隊”が結成され、
的場の元部下・鹿島勇祐、事故を引き起こした神崎怜2尉らが参加する。
事故と同じ状況をつくり出し、二度目のタイムスリップを敢行し
1549年へと向かうロメオ隊。だが、彼らに残された時間は74時間27分。
それを過ぎると現代には戻れなくなってしまう。
そして、そんな彼らを思いもよらぬ事態が待ち受けていた…

 公開初日にレイトショーで鑑賞。
こういうスケールの大きいエンターテイメントは劇場で観るといいよね。
リメイクはいつもけなされがちだけど、これはどうだろう。
冒頭からいきなりタイムスリップし、飛ばされる部隊。
ミステリーサークルのように円形に場所が空間移動した描写は凄い。
突然の戦闘開始から題名がドーンと出た所で気持ちが一気に高ぶったものの
江口演じる鹿島の作戦参加の要請とか、テンポが悪いように感じた。
しかし彼らがロメオ作戦開始でタイムスリップしてからワクワクしたね。

 あと、入れ替わりに現代にやってきてしまった武士の七兵衛。
彼は劇中では描かれてないけど、現代にやって来て
様々なもの見てカルチャーショックだっただろうなぁ…
流石に2年も過ごしたとあって、あれだけ落ち着いてるんだろうけど。
現代の服装で鹿島の所に現れたシーン、凄いと思った。
違和感。とっても違和感。身体の張り方が妙。そして歩き方。
北村一輝は、ちゃんと現代にタイムスリップした侍を演じてるんだなと思った。

 作戦開始の前に、未来を変える危険性の為、
現地の人間との接触を禁じる、実弾の使用は極力避ける、って無茶な話。
相手は未来から来た自分の子孫かもしれないなんて容赦はしてくれない。
頭の固い隊長に鹿島と一緒に苛々しつつも、
全くもって、凄い物語だなと思ったね。
今回は前作と違って帰る方法があって、さらに未来を変えることで
ホールが出現。少しづつだが確実に現代を飲み込もうとしている。
歴史には自然に戻そうとする力が働く云々って設定が良いね。

 鹿賀丈史演じる的場の云ってることに少し共感した。
だけど要するに
強国作るよりも平和な国が一番だ!ってことさ。
前作で伊庭が遂げられなかったことを遂げた場合、
こんなことになってたかもしれない。主張は少し違うけど。
七兵衛のキャラが気に入って、死ぬな、死ぬなよ〜って夢中になった。
他の自衛隊員たちが、選択を迫られたとき、一緒に立ち上がるシーンも好き。
何ていうか、前作とはまったく別の魅力を持つ映画に出来上がってる。
ふたつを比べるのはお門違いかもしれない。
前作よりも撮影技術も進歩して軍隊に迫力がある。
でも前作では前作で、戦意を失わないで戦い続ける侍たちなど、
今作では描かれなかった新旧合戦が見れる。
私は正直、どちらも好きだ。それぞれ気に入ってる。


千と千尋の神隠し (2001/日) 125分








 監督:宮崎駿、製作:スタジオジブリが贈る
異世界に紛れ込んだ千尋という10歳の少女の成長を描く冒険ファンタジー。
声優陣は柊瑠美(千尋)、入野自由(ハク)、夏木マリ(湯婆婆/銭婆)
内藤剛(千尋の父)、沢口靖子(千尋の母)、我衆院達也(青蛙)
神木隆之介(坊)、大泉洋(番台蛙)、菅原文太(釜爺)と豪華キャスト。

 新しい土地に引越してきた両親と千尋。
これから始まる新しい生活に不安を感じ、元気の無い千尋。
ふとしたことで道を間違え、林の中に迷い込んでしまった家族は
古いトンネルを見つけて好奇心から中に入っていってしまう。
そこは何と、“不思議の街”への入り口だった。
何も知らずに迷い込み、掟を破った罰として両親は豚に変えられ、
一人残された千尋はそこの銭湯でしばらく働くことになった…

 前作の「もののけ姫」とは一風変わった作品。
「となりのトトロ」が現実に潜む不思議な生き物との出逢いを描いているなら
これは異世界でそこに住む生き物たちに現実の人間が出逢う話…かな。
劇場で拝見した時は、あまりの豪華で細かい色彩、映像美に虜になった。
話も、主人公のように不思議な世界に戸惑いながら
この先どうなるんだとドキドキしながら夢中になって見た。
後でDVD化されてから家で観ると、何か違って見えた。
何だろうな…初めて見る分には新鮮なんだけど
何度も観るには展開に面白みが足りないのかもしれない。

 千尋の両親の声が何だか現実的で良い味出してたな。
夏木マリのキャラも凄かった〜何で顔がデカイかは突っ込まれないのか。
釜爺も素敵。厳しそうでいて、実はとっても優しいお爺さんじゃないか。
坊の声やってたのが、今をときめく子役の神木隆之介だったのね。
ハクの格好良さに酔ってしまったのは私だけじゃないはず!!
謎の少年で、千尋のことを知っていて…
例のおにぎりのシーンで何故か一緒に泣いてしまった。

 不思議な世界で何も判らず右往左往…
最初の方は凄いハラハラしてたな。恐い、って印象だった。
人間が来てはいけない場所だとか言うけど、リンは人間じゃないのね。
何故千尋が、あの誘惑に負けなかったのか、腑に落ちない。
数々の経験から、何かしら悟ったのだろうか。

 八百万の神たちが訪れる油屋…設定が面白かった。
いろんな神様が見れるしね。ひよこに目がいってしまったわ。
あと「となりのトトロ」でお馴染みの真っ黒クロスケがいたね。
日本ならではで、一神教のアメリカとかでは受けイマイチらしいが
ヨーロッパの方では評判が良かったらしい。
環境破壊を考えるような流れもあったね。説教臭いとも取れるが。
世間知らずの千尋がどんどん成長して立派になってくのも良い。
「ありがとう」は? とか最近の子供にも観られる傾向だ。
後半でいきなり「愛」って言葉が出てきた時、ちょっと戸惑ったぞ。

 カオナシの声は、ちょっと一時期真似が流行ったっけな〜
海の上を走る列車とか、独特の雰囲気を持った世界観は大好きです。
ただ終盤の収拾の付け方がちょっと安易と言えば安易。
ただ、これだけの物語を実写で撮ろうと思っても難しいと思うので
アニメという技術の良さが伝わってきますね。
あんなに多くの変てこキャラクターを生み出すアイディアも凄い。
千尋はあそこに居たかったのかな…なんて考えてしまった。
新しい環境に飛び込む勇気を貰える作品なのかも。
だとすると、もうちょっと救いようの無い最低なキャラが
千尋を苛めまくる、っていうのもあれば良かったな。
そう、現実は甘くないのである。



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