管理人NEROが映画について語ります。

Caramel Cinema


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トウキョウ アンダーグラウンド (2004/独) 85分


 外国人が日本の東京を訪れるドイツ製作の劇場未公開作品。
主演の少女アンジェラを演じるはクロエ・ウィンケル。
日本人DJヤマモトを演じるのはヨン・ヤン(日本人じゃないじゃん)

 幼い頃に父を亡くし、片親で育てられたアンジェラは
中学の卒業パーティーで知り合ったDJヤマモトの紹介で、東京へ。
小さなマンションの一室で数人の外国人女性が共同生活を送り、
夜は水商売へと繰り出す。アンジェラは戸惑いながらも接客を続け、
若くて綺麗だと客の評判になる。勿論、新人イジメにも遭う。
DJヤマモトとは連絡が付かないまま、ひたすら趣味のデッサンを続け、
ある時、警察署で行方不明の外国人女性の写真に強く興味を抱いた彼女は
その行方不明の女性がかつて同じマンションで暮らしていたことを知る。
その女性の痕跡を探るうちに、危ない所に足を踏み入れていくのだった…

 「ロスト・イン・トランスレーション」と何となく似てるかも。
こっちはロマンスじゃなくて、サスペンスミステリーだけど…
共通するのは、電車の中でエロ漫画読むサラリーマンの描写。
他の国の人にとっては、それが日本のイメージのひとつなのかな(恥かしい)
でもでも、漫画のタッチが明らかに日本の漫画じゃなかったぞ;
主演の女の子は一見地味だけど、確かに可愛い。少しエロあり。
日本のアパートで、あれくらいで壁がぶっこわれるなんて(笑)
要は、日本で働く外国人で、正式な滞在許可を持たない人たちは
危ない事件に巻き込まれても簡単に警察には駆け込めなくて
同僚が消えても自分が強制送還されるのを恐れて届けも出さない。
…なので、不正滞在してる外国人は食い物にされちゃうぞ、って話を
ラストはやわらかくオチつけて、主人公の妄想オチにしたわけ??

日本人から見ても、東京はやっぱり汚いし、見所は夜中のネオンと道路くらい。
そろそろ、東京ばかりじゃなく、沖縄や田舎でも舞台に撮ってくれないか。
良くも悪くもC級臭がしますね。アンジェラ、何がしたかったのよ。


東京ゾンビ (2005/日) 103分




 花くまゆうさく原作のカルト漫画『東京ゾンビ』を、
浅野忠信と哀川翔の豪華共演で実写映画化した異色のサバイバル・ムービー。
2人とも主人公の特徴であるアフロとハゲのカツラを被り熱演。
また、2人は1ヵ月間道場に通い柔術の基礎を学んだ上、
柔術家でもある原作者の花くま氏自ら柔術指導に当たったと言われる
地味にリアルな柔術シーンもみどころ。
監督は「殺し屋1」などの脚本で注目を集める佐藤佐吉。これが長編デビュー。

 近未来の東京。消化器工場で働くアフロのフジオとハゲのミツオ。
柔術をこよなく愛する2人は師弟のような強い絆で結ばれていた。
そんなある日の昼休み、いつものように2人が柔術の練習をしているところに
本社の社員、藤本が現われ、ミツオをいたぶり始める。
それを見ていたフジオは衝動的に藤本を殺してしまう。
仕方なく2人は死体を産業廃棄物のゴミ山“黒富士”に捨てる。
ところが、同じように黒富士に捨てられた死体が次々とゾンビ化して復活、
増殖を始め、瞬く間に東京を埋め尽くす。
ゾンビから逃れるため、ミツオの提案で北へと車を走らせる2人だったが…

 主演はそれぞれ違うジャンルで邦画に出まくってる二人ですね。
他に、パフェ親父こと志賀廣太郎、古田新太、漫画家の楳図かずお先生まで!
原作者の人も、親父狩り女子高生のゾンビ役など、出演してるそうな。
更に親父狩りしてた女子高生は海賊版キャンペーンの黒涙の子らしい。
他にも数人、知ってる顔の役者さんがいたけど…省略。
邦画でゾンビ映画、しかもブラックコメディってことで手を出してみました。
正直、最初の方は微妙かな〜って思って見てたんだけど、
後半、ぶっ壊れた世界になっちゃって、ある意味ファンタジーでした。
ヘンテコな空気が漂ってて、つまんないようで、つまるような…
ゾンビをパロッてる意味では「ショーン・オブ・ザ・デッド」の方が出来がいい。
原作の漫画を知らないので何とも言えないんだけど、
王子は意外性があって良かった。フジオの嫁の喋り方にイラついた。
柔術戦法はゾンビには限りなく有効じゃないだろ。噛まれちゃうだろ。
う〜んとうなりながらも、続きが気になって最後まで見ちゃったんだけどね。
シュールな脱力系邦画コメディで、ゾンビ系統も平気なら一見の価値アリ。
感性が合えば、きちんと笑えて泣けて、楽しめるようにはできてます。


東京タワー (2004/日) 126分






 直木賞作家・江國香織の同名小説を映画化したラブ・ストーリー。
年齢や境遇を越え、それぞれ対照的なアプローチから理屈では語れない
純粋な愛に溺れていく2組の青年と人妻の恋愛模様とその顛末を綴る。
主演は「阿修羅のごとく」の黒木瞳と「フライ、ダディ、フライ」の岡田准一。
松本潤、寺島しのぶ、宮迫博之、平山あや、加藤ローサ、余貴美子、岸谷五朗。

 売れっ子CMプランナーを夫に持つ41歳の詩史は、
自身も青山の一等地でセンスのよいセレクトショップを経営している。
そんな彼女は3年前、店を訪れた友人の息子で当時高校生だった透と恋に落ちた。
そして現在も、東京タワーを見渡せる透のマンションで、愛し合っている。
既に2人は、互いにかけがえのない存在となっていた。
一方、透の高校時代からの友人・耕二も、同年代の恋人がいながら
最近、ひょんなことから知り合った35歳の人妻・喜美子と関係を持ち始めた。
それぞれ熟女と若い男、二組の年の差カップルの行方は?

 何かジャニーズプンプンな感じで見る気になれなかったんだけど…
確かに、これは女性の願望が強く出てる話かなとも思う。
若者が「年上の魅力は?」『経験豊富、あと経済力』なんて言っちゃってて、
あぁ〜松潤は人妻狙いのヒモなんかな?なんて思っていたら…
大人の恋愛なイメージだけど、綺麗な映像を撮ることに拘ったようで、
内容的にはドロドロなんだけど、何か美しく見せている映画だった。
それがどうにもリアル感が無い。透の暮らしぶりとか、漫画のキャラのように
出来すぎてて、何の苦労も知らずに育ったボンボン?みたいだった。
そして、男が脱いでも痩せすぎてて、ナヨナヨ弱そうに映った。

 冒頭に恋に理由は必要ない、みたいな事言われていたけど、
それでも私は何故、透があそこまで詩史に強く惹かれているのか疑問だ。
好きな音楽や本が出てくることから、知識や教養は豊富なんだろうけど。
詩史は夫との関係は冷め切っているけど店とか手放したくないし…って
どっちつかずで曖昧に、ただ透と楽しんでる感じがしてたんでね。
岸谷五朗久しぶりに見たよ。あのプールってひょっとしてQ様チキンレースの??
それに比べて、もう一方のカップルは不器用加減がいい味出してた。
お互い衝突が耐えなくて、大人気ないとこが気に入った。
寺島しのぶは一見派手さはないけど、いい演技するなぁ。
夜のお楽しみ意外は無関心な宮迫の夫のキャラも良い。
「人間は生まれた時は完全で、生きて傷ついてく一方なんだろう?」
みたいな会話が、本筋とは関係ないけど気に入った。
平山あやには、もっと凄いことをやって欲しかったな。
一番凄みがあったシーンはやはり、余貴美子のあのセリフだろう。

 人生、急ぎ過ぎるなよ、他の女性を知らないだけだろ?なんて
冷めた感覚で岡田の末路を追っていたら…何でそうなるんですかー!留学って。
てっきり、自殺しちゃうのかと。でもその終わりよりはマシか。
フランスに飛んで、優雅にお絵かき…とかもうホントに漫画みたいだった。
しかしやはり、どう考えてもあの二人は今後続かないだろうな。
それでもいいから今は一緒にいたい、って締め方は自分は好きではない。

まあ、あんな展開は現実ではどう考えても有り得ないと思う。
詩史が「明日貴方の気持ちが離れても、愛してる」って言うんだけど、
ドラマ「やまとなでしこ」とかぶってる。作者同じだからパクリじゃないが、何だかな。
車ぶつけて、「私を絶対に許さないでね」って言うシーンの方が好きだ。

女性視点な映画だなとは思うし、女性の嵯峨が出ている。
どういう理由があるにせよ、不倫はやはりよろしくない。


トゥー・ブラザーズ (2004/英・仏) 110分






 「セブン・イヤーズ・イン・チベット」のジャン=ジャック・アノー監督が、
「子熊物語」以来15年ぶりに野生動物を主人公に描いた感動大作。
人間たちの都合で離ればなれとなってしまった2頭の兄弟トラが辿る
数奇な運命を壮大なスケールで映像化。
出演は「メメント」のガイ・ピアース。

 1920年代のカンボジア。
ジャングル奥地の荒れ果てた寺院の跡地で2頭のかわいいトラが生まれた。
兄のクマルは元気な暴れん坊。
一方、弟のサンガは対照的におとなしい性格をしていた。
仲のいい2頭は一緒にすくすくと育ってゆく。
そんなある日、一人のイギリス人冒険家エイダンが
仏像を盗掘するためこの地にやって来る。
そして、盗掘の最中に突然姿を現わした親トラを撃ち殺してしまう。
このことが原因で、クマルはエイダンに拾われ、
おとなしいサンガは行政官の息子ラウールの遊び相手として
引き取られてゆくのだったが…

 テレビで拝見。おすぎが涙なくては観られないなんて云ってたけど…
いやね、トラの魅力は存分に出てたと思う。子トラかわいいし。
大人のトラは猛々しく、毛並みも立派で。
ディズニーの映画みたいに一切喋らない分、自分で言葉を考えて見てました。
何だろうね。何か足りない気がした。
全部見て振り返ってみると、割とありがちな物語。

 あんな短い間だけだったのに、よく飴の兄ちゃんを覚えていられるなー
そして1年経ったら、あれだけトラって大きくなるんだね。
兄弟のうち、一方は元気で一方は大人しいってのは判ったんだけど
後から再会する時は性格が逆になってるような気が。

 冒険家が遺跡から石像削って持っていくなんて…何か許せん。
殿下って呼ばれてた権力者の嫌味な声なこと。
トラとの語らいは後々大した意味は持っていなかったな。
トラと人間、両方の立場で見ることが出来るんだけど
どっちも描写が中途半端で感情移入しづらかった。
冒険家に気があるように見えた奥さんが
少しの発展もなしに終わるのが、ある意味リアル。

 あの子供も、純粋なように見えてかなり残酷なことしてる。
トラを可愛がりすぎて今まで飼っていた犬を蔑ろにした。
その犬がトラに殺されても犬には少しも執着なし。トラを必死に庇う。あんまりだ。
終盤にトラと再会するシーンだって、あれを見せて
「どう?人間にも優しい人がいるでしょう」なんて見せつけてる。
人間に飼われていたことがあったからって、人間襲うでしょう。
それに、人間を襲うことが罪なわけない。自然界だもの。
あと、トラ捕まえる為にジャングル焼くなんて酷すぎ。
自分がジャングルから連れて来た、責任があるから始末する、なんて云うエイダン。

そういえば手塚治虫のマンガにもいくつか似たような話がある。
人間が動物を裁く権利などあるのかね?

 判ってはいたものの、ラストはホッとした。あの終わり方だけで良いや。
家族向けの優しい映画ですね。特に残酷な描写はカットしてあるし。
撮影にトラを何匹も使ったらしい。確かにトラの動きが良い。
どうやって演技させたんだろう?って気になった。
壮大な物語と銘打ってたけど、映像は合成が多くて陳腐でした。
動物ものが好きだったら面白いんだろうけどね。


トゥモロー・ワールド (2006/米・英) 109分








 “ダルグリッシュ警視シリーズ”などで知られる英国を代表する
女流ミステリ作家P・D・ジェイムズの『人類の子供たち』を
「ハリー・ポッターとアズカバンの囚人」の
アルフォンソ・キュアロン監督が映画化した近未来SFサスペンス。
ヴェネチア国際映画祭ではオゼッラ賞(技術貢献賞)を獲得した。
クライヴ・オーウェン、ジュリアン・ムーア、マイケル・ケイン出演。

 西暦2027年。人類は生殖能力を失い、最後に生まれた子供は18歳。
原因がわからないまま子孫を生み出すことの出来なくなった人間たちは
希望を失い、世界には暴力と無秩序が際限なく拡がっていた。
世界各国が混沌とする中、英国政府は国境を封鎖し
不法入国者の徹底した取締りで辛うじて治安を維持している。
そんなある日、エネルギー省の官僚セオは、
彼の元妻ジュリアン率いる反政府組織“FISH”に拉致され、
ある移民の少女を“ヒューマン・プロジェクト”という組織に引き渡すために
必要な“通行証”を手に入れて欲しいと頼まれ、結局は引き受けるセオだったが…

 劇場公開当時、全然興味はなかったんだけど評判が良い。
レンタルになったら早速見てみようと思っていた作品。
子供が生まれなくなった世界…か。随分前に海外ドラマで似た話を見たっけ。
あれはウィルス汚染で生き残る為に投与した薬が生殖能力を奪う設定で
主人公たちは別世界からの旅人で子供の奪い合いになるやつだった。
さて、この映画は映像が凄い!って評判でジャンルはSF、
これは地味なジャケットとは相反し、近未来ハイテクとかが凄いのか?
と思ったらこれは、今までのSFとは全然毛色が違う!
無機質で変わったデザインの街、便利アイテム、そういうものは出てこない。
限りなく現代に近く、尚不衛生で生々しい生活臭がある。
人類最後の子供として恐らくどんなスターよりも崇められていた
青年が殺されたニュース、各地から押し寄せる難民、ゲリラ、
そういった世情がこの世界がどんな状況下なのかジワジワと教えてくれる。
格差社会を表すセオの親戚の官僚の豪勢な家、飾られた名画、
精神を病んでいるらしい虚ろな目の子供。何故か気になる空飛ぶブタ。

 ジュリアン・ムーアのファンはこの映画を観て多分ガッカリするだろう。
早々と彼女はこの世界から去る。事件のとっかかりを作って退場してしまうのだ
共演と銘打ってお
いて、こんな使い方をするとはちょっと凄いな。
暴徒たちの襲撃シーンは車の中からの映像という斬新な撮影方法もあり、
自分がさも
そこにいるかのような感覚も味わえ、恐かった。
その後も、とことん絶望的な状況が続き、協力者も次々と殺されていく。
ジャスパーが庇って殺されるシーンでは胸が痛くなった。
時間も短めで、何故キーにだけ子供が産めたのか、組織の細かい設定、
世界観の詳しい説明がない分、テンポを落とすことなく緊張感が続く。
キーの付き添いの産婦人科医さんが下ろされた先で、
通り過ぎていく車の窓から見える布がかけられた死体にゾッとした。
ショッキングな映像が当たり前の風景のひとつのように映されるので、
(主人公たちもそれほど動揺しない。もう当たり前の現状なんだろう)
後半の戦争映画のような長回しもずーっと目が釘付けだった。
セオもかつては活動家で、フィッシュの裏をかいて逃亡は出来たものの、
武器を持って戦うことはほとんどなく、ゲリラがキーを連れて行ったあと、
銃を拾うこともなく散弾雨の中、キーを追うシーンはハラハラして仕方なかった。
追うカメラにも血痕がつき
爆撃と砂煙、なすすべもなく身を潜める難民、
その後の赤ん坊の泣き声にすべてが一時停止するシーンは鳥肌もの。
そうだ、現実の戦争でもこんなことが起こっても不思議じゃないんじゃないか

ふとそう思った。子供は数が多かろうが少なかろうが人類の宝なんだ。
でも現実では安易に孕み中絶、虐待、育児放棄、子殺
しがある。
勿論、子供は育て方によって聖人にも悪魔にも成り得るけれど。
子供が産まれない世界か…ありえないわけでもなさそうだ。
こんな絶望しか残っていない世界に産まれたくないものね…。
暗い内容で気が沈むし、最後はもう少し見せて欲しかったけど、
これは観客の感性に任せて想像すればいいんだと思う。未来に光があるように。

 宣伝で受ける印象もジャケットも退廃的で地味めなんだけど、
作品に込められているメッセージは奥深く、素晴らしいと思った。
守る女性の名前がキー=鍵だったり、他にも様々、象徴的な、
イベントや名称、歴史に置き換えられるシーンもあるので興味深い。
悲しく辛いばかりの内容なんだけど、見て得られるものはあると思う。
音楽にはディープ・パープルなどのロックも多用されておりサントラは好評。
あまり原作には手を出さないけど、この作品に限っては読もうかなと思った。
これは確かになかなか良い映画です。おすすめですね。83点。


トゥルー・ロマンス (1993/米) 121分


 リドリー・スコット監督の弟、「トップ・ガン」のトニー・スコット監督作品。
脚本にクエンティン・タランティーノ。
クリスチャン・スレーター、パトリシア・アークエット、デニス・ホッパー、
ヴァル・キルマー、ゲイリー・オールドマン、ブラッド・ピット、
クリストファー・ウォーケン、サミュエル・L・ジャクソン、クリス・ペン…
凄まじく豪華な顔ぶれである。
といってもヴァルはぼやけ映像だけだしサミュエルはちょっと出。

 漫画本屋で働くクラレンスは女縁の無い映画オタク。
ある誕生日の夜に映画館で出逢ったコールガールとアラバマと
恋に落ち、翌日に結婚。クラレンスはアラバマの過去を知り
彼女の元ヒモの所へ単身乗り込み死闘の末、着替えを持って帰った
と思ったがバッグの中身には大量の麻薬が…

 最初の会話からタラ節炸裂。「パルプ・フィクション」未公開シーンといい、
タラちゃんは根っからのエルビス派なんだろうな。
千葉ちゃんの映画3本立てなんて誘われたら普通の女性はそりゃキツイわ。
アラバマは可愛かったなぁ…綺麗なブロンドの髪にあの性格あの格好。
ちょっと古いスタイルのカワイ娘ちゃんって雰囲気。
クリスチャンがオタクな感じがよく出ていた。
あんな事云われたんじゃ、そりゃ命懸けても愛し合うわなぁ…
ひょっとしてタランティーノ自身に近いキャラなんじゃなかろうか。

 ゲイリー・オールドマン、この映画観て思ったけど
変な役ばっかり好んで演じてるように見えるな。
悪役が最高に輝いているね。
 ブラッド・ピットの役割に驚いた。
気だるい兄ちゃんって感じで自然体だったなぁ…笑
直接関わらないけど映画の空気を生暖かく和ますいいキャラだ。

 クリストファー・ウォーケンあの場面しか出てこなかったのは残念だけど
あのシーンだけ緊迫感あってドキドキした。
勿論、名セリフの「So romantic!」でハッとしたよ。
あれで一気に映画の方向性が面白い方へ向いたと思った。
隠すのに協力しないで逆に窮地に追い込ませた我侭女や
どさくさに紛れて窮地を脱した友達も笑える。
しかし、マジで迷惑なカップルだ。
あれから警察と関わらなかった?のも不思議。

 脚本ではラスト主人公が
死ぬことになるらしいけど
監督が変えてしまってちょっとヒト悶着あったとか、なかったとか。
究極の恋愛バイオレンス映画というジャンルなのかな?


ドーン・オブ・ザ・デッド (2004/米) 98分



 これは前にも字幕なしで見せてもらったんだけど、改めて借りて観た。
映画館で観てれば世界に入り込んで((;゚Д゚)ガクガクブルブル間違いなしだぁ〜
特に最初のシーンとか何の前触れもなく日常が壊されるのがリアル
オリジナル版のロメロ監督の「ゾンビ」も滅茶苦茶恐いらしいね
ゾンビー(/・A・)/  (゚Д゚)ギャー
ロックとかポップな曲に載って流れる残酷な映像とか、
本物のニュース映像みたいで、これまた目を奪われちゃうんだよね…

 看護婦のアナは愛する夫とベッドの中で目覚める。いつもの朝。
寝室のドアが静かに開き、そこに立っていたのは近所の女の子ヴィヴィアン
少女の顔が血だらけなのに気付き、駆け寄る夫。救急車を呼ぼうとするアナ
その少女はふいに、夫の喉元に激しく喰らいつく!!
襲ってくる少女を何とか追い出したが夫は絶命…次の瞬間起きあがり
狂ったようにアナに襲いかかった!
命からがら家から逃げ出したアナが観たものは、
狂気と混乱に見舞われ逃げまどう人々と、
豹変し怪物のように襲いかかる人間たちだった…

 スピーディーに進む話、息をもつかせぬビックリ展開
こんな風に逃亡と殺し合いが続くのかと思いきや
わずかな生き残りと共にショッピングモールへ。
そこでは水も食糧も電気もあって、しばらくは保つので生活することに。
キャラクターが多かったので、2回目に観てよく把握できた。
字幕が無かった1回目でちょっとセリフを誤解してたのにも気づく。
バイオハザードのゾンビといい、最近のゾンビは噛み付くだけ噛み付いて
エサを食べ終わらないうちに次の獲物狙うんだもんなぁ

 でかいショッピングモールの静まりかえった様も雰囲気バリバリ緊張もん
ひとときの楽しい生活が、この先訪れる受難を考えると恐い。
あの武器屋のアンディは、とりあえずある弾全部考えて
慎重に頭に打ち込んでいけばそれなりに数減ったんじゃないかな?
犬を絶対襲わないというゾンビはおかしくてたまらない。
きっと動物保護団体から訴えられるからだそうですが…

 もし愛する人がゾンビにかまれたら…やっぱり殺せないよね。
何とか直せないか、とか神頼みでもいいから奇跡にすがりたいよね
テレビ中継で世界が大変なことになってる絶望感もたまらん
エンドロール後に流れるその後のエンディングも……………………
夜中に観て軽く憂鬱な気分になりました。



時をかける少女 (2006/日) 100分






 83年にも原田知世主演で実写映画化され、ドラマ版など
これまで何度も映像化されてきた筒井康隆の名作を初のアニメ映画化。
アニメーション製作は「パプリカ」「ピアノの森」などのマッドハウス。
キャラクターデザインは「新世紀エヴァンゲリオン」の貞本義行。
監督は「ワンピースTHE MOVIE オマツリ男爵と秘密の島」の細田守。
声優には仲里依紗、石田卓也、板倉光隆、原沙知絵など俳優を起用。
なお、原田知世も演じた芳山和子は今作では主人公の叔母として登場。

 明るく元気な高校2年生、紺野真琴は、
医者の息子で成績優秀な功介とちょっと不良な千昭と3人で
いつもつるんで学校帰りに野球ばかりして楽しい毎日を送っていた。
そんなある日の放課後、真琴は理科室で、人影に驚いて転倒してしまう。
その後、博物館で展示物の修復士をしている叔母・芳山和子のもとへ
自転車で向かった真琴は、ブレーキの故障で踏切事故に遭って…
死んだと思った瞬間、真琴はその数秒手前で意識を取り戻す。
叔母さんは話を聞くと“タイムリープ”したのだと言う。
最初は半信半疑だったが、いつしか使い方を覚えて些細な問題でも
簡単にタイムリープで解決してしまい、すっかり調子に乗る真琴。
そんなある日、真琴は千昭から突然の告白を受ける。

 公開当時はネットでの評判がなかなか良くて、
でもあんまり興味はなかった。でも、テレビ放送で初めて拝見。
軽い気持ちで観始めたのが逆に良かったのか、なかなか面白かった。
タイムスリップ系の話はもともと好きなジャンルではあったんだけどね。
原田知世版は随分前に観て、ラベンダーの香りでとべる位しか覚えてない。
最近のアニメ技術の進歩にもちょっと驚いた。なかなか綺麗。
そして、ストーリーを大幅に変えた、これも良かったんだと思う。
原作者の筒井氏も別の作品として大いに楽しめる、と絶賛したそうです。
2人の男子と1人の女子。青春やな〜でも、一時しか続かないものよ。

 主人公の行動については深く考えると、結構薄情だったりするんだよね〜
そして、
叔母さんも柔らかい話し方の割には言うこと厳しい。正論だけど。
食べ物やカラオケにこだわって使いまくったくせに、自分の行いで
男子が苛められたり、女友達が怪我しても、タイムリープ使おうとしない。
功介と彼女の仲を上手いこと取り持ってあげるシーンは面白かったけど
その後、あの電車のシーンになって、転げ落ちて傷だらけになる真琴。
結構シビアな展開にハラハラしました。
前に踏み切りが迫るこの状況、功介はチャリ転ばして回避できないのかな?
「止まれ止まれ止まれ…」のシーンは「逃げちゃダメだにげty」を彷彿とさせた。


 時間は二度と戻らない。同じ現実をやり直しても、
そこは一度経験した過去とは、やはりどこか違っているんだね。
好きって言われて好きになることだってあるのよ」妙に頷けた。
女友達と付き合いはじめてから意識しだす真琴。こういうのってある。
しかし未来人のくせに千昭はその時帰ること考えてなかったのか?
ついつい長居しちゃってて…どのくらい長居が許されるもんなんだろか。
「人が大事なこと話してるのになかったことにして…」と悔やむシーンと
叔母が「待ち合わせに遅れた人がいたら走って迎えに行くのが貴方でしょ」
のくだりが印象に残ってる。もっとも、未来の世界には飛べない。
真琴はこれからあの絵を何らかの形で守って残して、
千昭のいる時代まで届けるんだ。それが二人の再会を意味する。
漠然と将来を考えてなかった真琴が不思議な体験を経て、
やりたいことを見つける。
そんな青春ファンタジー。なかなか良かったです。
またいずれ、原田知世版も見返してみたいと思う。


時計じかけのオレンジ (1971/英) 137分


 キューブリック監督の近未来の世界を描くSF作品
日々をレイプ、暴力、欲望に身をまかせる4人組の若者。
そのリーダーであるアレックスは仲間に裏切られ刑務所に入れられる。
刑期を短くする目的で、とある実験に参加するが…

 主人公がベートーベン好きというのがミソでした。
犯罪が横行する昨今、人間を犯罪に駆り立てなくさせるという実験ですが
牧師さんの言う「選択してこその正義」が深かったです。
常識や社会、色んな規制された概念に対する皮肉のようにも思える。
娑婆に出てからのアレックスへの仕打ちが、自業自得ともいえるのに悲しい。

 あの車椅子のじいさんの顔がマジで怖かったです。
ぶっ飛んだ世界だったけど、とてもユニークだし
デザインや映像美に独特のセンスがある。
暴力的描写で霞みそうだけど重大ともいえるテーマが見え隠れしていて
キューブリックはやはり凄いと思った。

 映画の至る所に出てくる変な単語をニュアンスのみで解釈していたのですが
ドイツ語をもじったようですね。かなり個性的でした。
見た目の派手さと過激な映像で教育に悪いと敬遠されるかもしれないけど
この映画の隠れた意味や深い定義をくみ取ろうとすると発見が多い。
値段も安いのでついつい買ってしまいました。個人的に大好きです。
でも一人で観るべき映画です。気まずくなる。



ドッグヴィル (2003/デンマーク) 177分








 舞台は床に家や道などを表わす白線を引き、必要最小限の家具などを
置いただけの殺風景なセットを村に見立てて3時間弱に及ぶ全編を撮り上げ、
初公開となったカンヌ国際映画祭で話題騒然となった衝撃の問題作。
ギャングに追われる一人の女性をかくまうことにした小さな村を舞台に、
女性と村人の関係の移り変わりをプロローグと9つのエピソードに分け、
緊張感溢れるタッチで綴ってゆく。

 「ダンサー・イン・ザ・ダーク」のラース・フォン・トリアー監督、脚本による
“アメリカ三部作”の第1弾。主演はニコール・キッドマン。
あまりにも独創的なスタイルゆえに、撮影期間を通して戸惑い、
追い詰められていく出演者たちの姿を捉えたドキュメンタリー
「メイキング・オブ・ドッグヴィル 〜告白〜」も製作され、別途劇場公開される。

 ロッキー山脈の麓に孤立する村ドッグヴィル。
ある日この村の近く、ジョージタウンの方向から銃声が響いた。
その直後、村人の青年トムは助けを請う美しい女性グレースと出会う。
間もなく追っ手のギャングたちが現われるも、
すでに彼女を隠し、その場を切り抜けるトム。
彼は翌日、村人たちにグレースをかくまうことを提案した。
集会の結果“2週間で彼女が村人全員に気に入られること”を条件に受諾。
そうしてグレースは、トムの計画に従って労働を始めることになるのだが…

 予備知識一切無しで観たので吃驚した!
まるで舞台で演劇稽古しているようなセットで話が進んで行く。
たとえ一人の人物にスポットを当てていても他の村人たちの暮らしが丸見え。
これは確かに、演じる側にしても新鮮で戸惑うだろうな。
何とも奇妙な映画だけど、壁がある、家がある、と想定して観た。
主にナレーションで多くが語られ、まるで小説を朗読されてる気分。

 物語は冒頭で語られるように、悲しいお話だ。
ドッグヴィル=犬の街。実際に犬もいるし、劇中で皮肉な場面も出てくる。
小さな町は世界の縮図か。人間の醜さをこれでもかと描く。
最初はトムの好意で住むことになったグレースにとって
そこは確かに美しい街に見えただろう。
章が進むごとに話が危うい方向へ…
最後の方では私は完璧に村全体を憎らしいと思った。
こんなに徹底した悪なんて存在するのだろうか。
しかも、本人たちは悪とは思っていない。彼女が悪いのか?
私は単純に、ラストで爽快感を味わってしまった人間である。
ああいう人間同士が自己を守ろうとして嘘をついて、
嘘と知っても黙認して…そういうやり取りが凄いやるせなくて堪らない。

 「ダンサー・イン・ザ・ダーク」とは別の質を持った暗い話だ。
この作品を見ることによって、自分という人間を考えてしまう。
もし、あちらの立場だったら、こっちの立場だったら…
人の弱みにつけこんで、自分の要求を当然と思い込み
相手のことを考えないで、こうも人間、醜くなれるのか。
この監督は余程、人間が嫌いなんだろうか。
哲学的で、何とも難しい作品だな…映画というより劇みたいだ。
ただ、長いのが欠点…もう、眠くなって休憩入れて見ました。
終盤に近づくにつれ、目が釘付けにもなったけど。

 子供を殺して、声を出さずに耐えたらやめてやる、って
凄い拷問だと思ったよ。勿論、あの過保護ママが言い出した卑劣な行為だけど
生意気な子供も、ゲスな汚い男共も、嫉妬深い嫌らしい女たちも…
あの村人たち、これでもかってくらい嫌な人たちだった。

しかし、救いのようだがダークな終わり方だ…


トッツィー (1982/米) 113分


 ダスティン・ホフマン主演、ジェシカ・ラング、ビル・マーレイ、テリー・ガー共演。
監督・脚本シドニー・ポラック。彼はドーシーのエージェント役でも出演。

 演技力はあるが、理屈っぽくて仕事を斡旋するエージェントからも
煙たがられてしまう、一癖ある失業中の俳優ドーシーは、
ある時、どうしても仕事が欲しかった為に役者仲間の受けたテレビドラマの
中年女性の役オーディションを女装してドロシーという名で合格してしまう。
女装環境に馴れ女の気持ちを知る一方、共演の女優に密かに恋してしまう。
金の為だけだったが番組も人気が出て契約も伸びることに…
このままじゃずっと女装してなきゃならなくなる!どうするドーシー!!

 何でこの映画の存在を今まで知らなかったんだろう。
何度もテレビ放映もされてるらしいじゃん!うかつだったわ…
こういう設定の映画だと、『ミセス・ダウト』あたり有名だけど、こっちはもっと古い。
相変わらずダスティン・ホフマンは演技上手くて脱帽もんです。
今回は女装ってことで裏声を除けばホントにどこかにいそうなおばちゃんに!
指の先まで女性を演じてるのが判る。結構…美人なんじゃない??
普段着が地味なドーシーはドロシーになってから化粧や服に金をかけて、
女性ってこんなに大変だったのか、って思ったり、
サポートしてくれる友人とこの服どう?これは?なんて言い合ってるの(笑)

 成り行きでアッサリと女性と関係持てるドーシー…
思えば「卒業」も「クレイマー、クレイマー」も。モテモテじゃないですか。
あの女優さんも、色々とネガティブで可哀想でしたね。
次々とドロシーもモテちゃうんだから笑っちゃう。
あぁ〜ドーシーとドロシーが別々に存在したらいいのに!…なんて。

急に図太い声になったり、レズだゲイだの、やりとりが最高。
演技を熱く語る冒頭のドーシーがまんまホフマンの素に思えてきてしまう。
役者志望な人も観れば結構参考になることがいくつかあるのでは?
単純なコメディではない、ある種の恋愛観、テーマも見え隠れしてて良い。
かかってる音楽も何処かで聞いたことある名曲だし
ラストシーンのあのカットが気に入ってます。


突入せよ!「あさま山荘」事件 (2002/日) 133分


 1972年2月、連合赤軍が起こした立て篭もり事件を
当時現場にいた指揮官の一人佐々淳行の書いた原作に忠実に映画化。
赤軍派5人が一人の女性を人質に雪深い山荘で立て篭もる事件が発生。
警官の強行突入で多数の負傷者を出すことになった昭和の大事件。

 指揮官の佐々淳行を役所広司が演じ
宇崎竜童、伊武雅刀、天海祐希、椎名結平、遠藤憲一、篠原涼子、
松尾スズキ、武田真治、八嶋智人、藤田まこと…以外に豪華。チョイ役多し。
リアルドラマで警察側の立場しか描いていないので
中で起こっていることがわからず観る人に同じモヤモヤ感を味合わせる。

 何かタラタラしてて、テンポが悪い…ドキュメンタリータッチ
かなり眠気を誘いました。派手な演出は期待しちゃいけません。
警察側の状況ばかりで、立てこもってる相手のことがいっさい出てこなくて。
赤軍派に興味が沸いた自分としては選択ミス。
あの事件のことはこれを見ればだいたいは判ったと思う。
こうなったら、立てこもった赤軍派の立場から見た、
「立て籠もれ!あさま山荘事件」でも作ってほしいな。
別の立場からそれぞれこの事件を描く。



隣のリッチマン (2004/米) 99分


 アメリカを代表する二人の人気コメディアン、
ベン・スティラーとジャック・ブラックが共演した痛快コメディ。
同じ工場で働き家もご近所のニックとティムは気心のしれた親友同士。
しかし夢見がちなニックの突飛なアイディアから発明した商品が
瞬く間にバカ売れし、ニックはたちまち大富豪となる。
ティムは最初にニックに共同出資者として投資を頼まれたのだが
まさかそれが大成功するなんて思いもよらず、奥さんに責められる。
隣りの家が豪邸と化し、ティムは嫉妬と後悔で大パニックに。
やがて妻にも別居され職まで失ったティムはふとした出来心から…

 ベンもジャックもSNLに出演したコメディアン。
共演者にはレイチェル・ワイズとクリストファー・ウォーケンとなかなか豪華。
同じ立場、同じような生活を送っていた親友が大成功して、
嬉しいんだけど、淋しくて、色々物を送られて嬉しいんだけど、引け目を感じる。
しかも、あの時選択を間違わなければ自分も一緒に…って思いもある。
今更、仕事仲間に入れてくれなんて図々しくて、プライドも許さない。
相手が悪いわけじゃないって判ってるんだけど、たまらなくなる。
そういう状況ってレベルは違えど皆充分共感できる気持ちだよね。
映画の冒頭から流れてくる♪それがEnvy〜って歌もテーマを語ってるね。

 クリストファー・ウォーケンって結構コメディ出てて意外な印象。
「ディア・ハンター」のイメージ強くて硬派な俳優かと思ってたら
洋画の田中要次並に色んな映画に出演してますね〜
結局、ラストにあんな形で出てきたのにはアッケラカン。
ジャック・ブラックは「愛しの」とか「スクール・オブ〜」で知ってるけど
ベン・ステイラーにはあまり縁がないので、今度見てみよう。
レイチェル・ワイズの熱演にも驚き。別人かと思ったよ。
爆笑もんのコメディじゃないし、ちょっとブラック・コメディっぽく、
嫉妬とはどんなもんかを判り易く描いてる。
私だってティムの立場なら思いっきり嫉妬して卑屈になっちゃうし、
ニックの立場だったら親友に色々プレゼントして浮かれちゃうなぁ。
…ところで、フランって何ですか?食べたことない。


虎の尾を踏む男達 (1945/日) 59分


 黒澤明監督作品。大河内伝次郎が弁慶に扮する。
エノケンこと榎本健一も強力役で出演。短く綺麗にまとまった映画でした。
終戦直後に完成するものの、検閲の関係で世に出るのに7年かかった。

 かの有名な源義経と弁慶が関所を抜ける、舞台劇でもある「勧進帳」。
兄である頼朝に裏切られ、少ない忠臣と共に平泉へ逃れようとする義経たち。
頼朝の命により各地の関所での取締りが強化され
八方塞な義経たち。何とか関所を突破しようと
山伏に変装し、この先の寺へ供養に向かう途中だと言い訳するが…

 白紙の巻物を読み上げる弁慶、主を叩く弁慶、
薄々、判っていながらも見逃してしまう富樫…なんか泣ける…
それだけに、ここでは描かれない義経の最期が…
英雄は悲劇の死をとげる…そういうものなんだろうね。
兄の頼朝が歴史的には勝利者なんだけど、
人々の心に根強く残ったのは敗者である弟の義経。

この映画に出てくる強力のキャラはいかにも黒澤映画って感じの
おっちょこちょいのお調子者がいる。
弁慶がかなり派手な演じ方してるので浮いて舞台演技に見えた。
短い映画で、濃い内容。パパッと見れましたな。うん



トランスアメリカ (2005/米) 103分




 性同一性障害(トランスセクシュアル)に悩む父親と
愛を知らずに育った息子が、アメリカ大陸横断の旅に出るロードムービー。
主演のフェリシティ・ハフマンは、女性になろうとしている男性という
複雑な役どころをみごとに演じてアカデミー主演女優賞にノミネートされたほか、
ゴールデングローブ賞主演女優賞を獲得するなど高い評価を受けた。
共演は「ドーン・オブ・ザ・デッド」のケヴィン・ゼガーズ。
他、フィオヌラ・フラナガン、バート・ヤング。監督は新人ダンカン・タッカー。

 若い頃から男性であることに違和感を抱き、
いまは女性として独りLAで慎ましい生活を送るブリー。
ようやく肉体的にも女性になるための最後の手術に許可が下りた矢先、
彼女のもとにニューヨークの拘置所から1本の電話が掛かってくる。
トビーという17歳の少年が実の父親“スタンリー”を探しているというのだ。
トビーは、ブリーがまだスタンリーという男性だった時代に、
ただ一度女性と関係を持ったときに出来た子どもだったのだ。
こうしてブリーは渋々ながらも、トビーの身元引受人としてニューヨークへ…。

 何となく気になるタイトルだったのでレンタル。ロードムービー大好き。
まず、主演の人のこと何も知らなかったので、男性なんだと思ってた。
そう、騙された!後で調べたら、この演技で色々賞貰ってますね。
映画の雰囲気が全体的にスローでのほほんとしているので、
休日の昼下がりにボケーっと見るのに最適なジャンルでしょうかね。
勿論、ゲイとかオカマとか生理的に受け付けない人に鑑賞はお勧めしません。
真面目一辺倒ではなく、ちょっと脱力感ある間も織り込み、
「こういう人にもいろいろあるのね」とストーリーは続いていく。
ゲイ(ゲイじゃないけど)ムービーにありがちな、ハイテンションな主人公じゃない。
年相応の、しとやかな生活を夢見るおばさまなの。(おじさまだけど)

 最初にブリーは教会関係者のボランティアだと偽り息子と旅に出る。
実は男だといつ、どういうタイミングでバレるか、また男であり父だと
肝となるカミングアウトが二段階あります。
普段は不真面目で若者特有の気だるさとオープンさを持ち合わせている
トビーがどういう心境でこの奇妙な旅の同行者を見ているのか…
旅先で色々あります。山場は車と財布を盗られたのと、アレを見られたことと、
そしてブリー(正確にはスタンリー)の実家を訪れるあたり。
実家の母親が最初はけちょんけちょんに言ってた浮浪少年が、
実の孫だと知ると気持ちいいくらいの態度の変わり様!猫可愛がりよう。
夜に実の息子に迫られてあたふたするブリー。こっちもあたふたしたよ。
その後、再会した息子の金髪に染めた髪…似合わねぇーーーっ!!

これといって掴み所は軽いんだけど、惹かれるものは持ってる。
フェリシティファン必見!これからは彼女を女として見れるかな?
なかなかいい拾いものでした。ロードムービーとしては秀作かと。


ドリームガールズ (2006/米) 130分




 「シカゴ」の脚本を手がけたビル・コンドン監督が映画化。
モータウンによってブラック・ミュージックが白人文化へと広く浸透していった
60年代から70年代のアメリカ音楽シーンを背景に、女性ボーカル・グループが辿る
波瀾万丈のサクセスストーリーを豪華なキャスト陣で華麗に綴る。
主演はビヨンセ・ノウルズと「Ray」のジェイミー・フォックス、
共演にエディ・マーフィと新人ジェニファー・ハドソン。

 1962年、アメリカの自動車産業の中心地、デトロイト。
エフィー、ローレル、ディーナの3人は音楽での成功を夢見て
“ドリーメッツ”というグループで、新人オーディションへの挑戦を繰り返していた。
中古車販売会社のカーティスはそんな彼女たちに大きな可能性を見出し、
地元で抜群の人気を誇るジェームズ・アーリーのバック・コーラスに推薦。
抜擢されると、彼らのパワフルなステージはデトロイトのみならず
全米中の注目を集め、一躍スター街道を歩み始めるのだったが…。

 本作はダイアナ・ロスの所属していたコーラス・グループ
“シュープリームス”の伝記を参考にして映画が作られた。
ダイアナ・ロスをイメージして作られたディーナには歌姫ビヨンセが抜擢され、
フローレンス・バラード的な位置のエフィー役にジェニファー・ハドソン。
他、ジェームス・ブラウンやマーヴィン・ゲイなどを参考にして
作られたジェームズ・アーリーをエディ・マーフィーが演じる。

 ビヨンセ出てるしなーって感覚で、内容に期待しないで公開初日に友人と鑑賞。
想像以上、いや、他にこれをどう越えるよ?って勢いで映画というより、
壮大なLIVEを鑑賞したように歌が始まる度に、鳥肌が立ったり、
胸が躍ったり、心が打ち震えたり、もう飽きさせる間もなく歌が展開され、
物語的にもシンプルで分かり易く、とにかくゴージャスで美しくて
格好よくて、可愛くて…ディーバ好きにはたまらない逸品でした!
衣装スタイルや時代を感じさせるファッションなど、目の保養です。
声量凄くて腹の底から声が出てる魅せる歌が好きな人にもお勧め。
映画というよりコンサートを観に行く感覚でどうぞ。
こういう映画は劇場で観ないとダメだな。DVDなら6割以上魅力半減します。

 難をいうなら、
主役扱いのビヨンセだけど物語的には
エフィーを主役としてもおかしくないような、主観をどちらに置くか曖昧な点。
そして、あの終わり方。キリは良いけど話的には納得いかない人もいるかと。
ジェニファー・ハドソンの貫禄たっぷりの歌声にはビヨンセも押され気味、
いやあえて押さえたのか?
エフィーが抜けて明らかに歌が物足りなくなって、
ディーナも“Listen”歌うまでは、嫌な女に見えたさ。(煙草吸ってるトコとか)
“Listen”は凄かったなぁ。ああいう気持ちがこもった歌は心に刺さるね。
我侭なエフィーが批難されるシーンではそりゃ無理ないと思っていても、
エフィーが可哀想になってくるし、エフィーが可哀想に思えなかった人は
この映画を素直に楽しむことは困難かもしれない。

映画の途中からもう、サントラもDVDも欲しい!って決めてしまいました。


トリック 劇場版2 (2006/日) 111分




 自称売れっ子天才奇術師・山田奈緒子と
霊能力など存在しない!と言い張る天才物理学者・上田次郎の迷コンビが、
毎回怪しげな超常現象の秘密を解き明かす人気TVシリーズの映画版第2弾。
ゲストには“2時間ドラマの女王”片平なぎさと堀北真希。
 関東沖合に浮かぶ小さな島、筐神島。山の頂上には巨大な岩。
それは、この島を支配する霊能力者・筐神佐和子が、たった一人で
一晩のうちに持ち上げたものだという。村人たちも実際にこの目で見た。
そんなある日、上田次郎のもとに青沼という青年がやって来て、
10年前にかくれんぼの最中に行方不明になり、最近になって筐神佐和子に
連れ去られたことが判明したという幼なじみの美沙子を連れ戻してほしいと
依頼してくる。勿論、お礼に村の金銀財宝があるとかさりげに主張しといて。
山田は当然のように奈緒子を巻き込み、2人はいざ筐神島へと乗り込む…。

 仲間由紀恵、阿部寛、野際陽子、片平なぎさ、堀北真希、
平岡祐太、綿引勝彦、上田耕一、生瀬勝久、池田鉄洋、などなど…
ちょい役で大仁田アツシやらマギー四郎、Mr.オクレやらも登場。
更に堤監督マニアにはたまらない、『加藤家へいらっしゃい!』の
次女・環と長男・保の顔も見ることができます!嬉しかった☆

 まず冒頭思わぬ所で癒された。(
卵からヒヨコ〜
まぁなんてこと無いトリック、いつも通りの展開なんですけど、それでも
小ネタとパロディが散りばめられてて、そこがミソ。クスクス笑いが耐えません。
今回の片平なぎさの操る怪しい団体は、箱はあの世とこの世を繋ぐもの…
と教祖様が箱の中に入って火あぶりにされ、新しく作った箱から
すんなり登場という、トリックファンからだと、前にも似たネタあったな〜って感じ。
劇場版でこれがラストと言われるが故か、窓とか前にも使ったトリックが再登場。
しかしまぁ、山田と上田のコンビって本当によく出来てるよ。
仲悪いんだけど、仲良くて、二人の作る変な空気が好感っていうか…
仲間由紀恵は演技の幅は広くないんだけど、この山田が凄く魅力的。
美人なんだけど、美人と見なされないトコとか変な言動、行動。

 
ブックオフ・ネタ、ゆーとぴあネタ、モザイクネタ、悪魔の実、ブラジル行き、
上田が例のセリフを言った時、そういえば最近、声優したもんなと。
山田も山田で、自分の出世作を何年ブリかに再びあの役を披露。
当時から仲間由紀恵を知ってる人ならニヤリせずにはいられまい!!
CGのお遊びがあって、やりすぎだろ!って思えたりもするけど笑った。
沼に落ちる時は『指輪物語』のパロとも噂されていますな〜
今回は生瀬さんの舞台の仕事が忙しく、主役サイドの絡み一切なしだそうで。
お母様はお母様で接触しないで行動してましたな。間接的には助けたけど。

パンフレットを買えばパロディや小ネタの解説が詳しく載ってるそうですよ。

 楽しく観て、アッサリ忘れていってしまうんだけど、時々思い出すトリック。
ラストシーンの一瞬で、望みを抱いたファンも少なくないはず!
完に続きがあるなんて。堤さんなら、きっとやってくれるさ!「よろしく、ねっ!」


トリックマスター (1999/香港) 91分




 本国ではジャッキー・チェンより有名人?
なギャグ・アクションスターのチャウ・シンチー主演。
「インファナル・アンフェア無間笑」のバリー・ウォン監督製作。

 悪質犯罪に手を染める実業家フェラーリの尻尾を掴む為に
潜入捜査官として組織に入り、まんまと騙され停職を食らうフン。
復讐の為、恋人の義兄にあたる伝説の詐欺師ウィンに弟子入りする…

 レンタル屋でたまたま見つけて鑑賞。劇場未公開作品。
ギャンブルのコメディなんですが、勿論変な拳法が登場。
チャウ・シンチーが中盤登場するまでは冴えないC級臭プンプン。
もともと安い映画なのは前提だけど、あのフン刑事って凄くダサい。
ギャグのセンスも「う〜ん」となってしまうシーンも多々あり。
展開も…まぁありきたりだけど、チャウ・シンチーが登場してからは、
安心して観ていられる感。何だかこのチャウ・シンチー映画って
例えるなら、うすた京介漫画のマサルさんやジャガーさん系を彷彿とさせる。
ギャグのジャンルではなく、最初は冴えない作品としての主人公が登場し、
(この場合、フン=フーミンやピヨ彦ポジション)後から影の主役が
おいしい所を持っていく…まぁシンチー登場が真打登場なわけで(苦笑)

 今作ではいつもシンチーの相手役が美人(または美人だけど最初はブス)
なのに反して、最初から変な勢いで突っ走るおばさんなのだ。
最終決戦もそれはそれで拳法出てきて楽しいんだけれども、
フェラーリとの初戦、マージャン対決の方が笑えたし良かったな。
あのCG丸出しながらジャンを宙で操る様とか…
詐欺ギャンブラーの映画だけど、実際に参考になる技巧はないっす。
余談、いつも最初は字幕で挑戦するのだが、いつも途中で吹き替えて観てしまう。
だって何か観易いし、チャウ・シンチー映画ってそれ系統な感じするじゃん。
山ちゃんとか、知ってる声優だったりすると嬉しかったりする。
今作は、暇つぶし程度に見るには丁度よさげ。
DVDは単品で購入するにはちょっと高いとは思う。


トレインスポッティング (1996/英) 93分






 アーヴィン・ウェルシュ原作の本をダニー・ボイル監督が映画化。
この監督はのちに、『ザ・ビーチ』や『28日後…』の監督も務めている。
ドラッグに翻弄される青年の物語。本国はもとより、アメリカ、日本でも大ヒット。
主演は当時25歳のユアン・マクレガー。この映画をきっかけに、大ブレイク。
ユエン・ブレスナー(ズバッド役)
ジョニー・リー・ミラー(シックボーイ役)…アンジェリーナ・ジョリーの元夫。
ロバート・カーライル(べグビー役)…演技派俳優としてそこそこ有名。
ケリー・マクドナルド(ダイアン役)
仕事もせずにヘロイン漬けの日々を送っていたレントンは、麻薬絶ちを決意。
紆余曲折を経て何とか更正し、イギリスで定職に就けた彼だったが、
腐れ縁の仲間たちは再び彼を誘って、ドラッグ絡みの話を持ちかけてくる…

 この映画のユアン・マクレガーのポスターは色んな所で見かける。
これが当時は凄く流行ってて、「ユアン格好良い、こんな生き方してみたい」
なんて、さらりと言える奴はおかしい。人として普通に軽蔑してしまう。
ドラッグをやってる若者を格好良く見せる映画は、私は大嫌いだ。
低俗なヤンキーが粋がってるのと一緒で、美学でも何でもないから。
そんな堕落したスコットランド人の若者5人が登場するわけだ。
冒頭の音楽と勢いと、語りはぐいっと引き込むのには良いと思う。
有名なトイレのシーンは、ある意味スプラッタ映画より強烈で目を覆いたくなる。
奴等、ロクな連中じゃねぇ。こんな風にはなりたくない、って思うさ。
それが、教育的で真面目過ぎて、つまんないって言えるのも若さ故だ。
…なんて直面からドラッグの危険性についてなんて書いたって仕方ない。
これは、ドラッグが大きなイメージを締めているけどソレが主役の映画じゃない。

 ドラッグを他のモノに置き換えて見るのも良いかもしれない。
自分にとっての現実逃避。頭をカラッポにできる何か。そして、為にならないモノ。
タバコ、酒、テレビゲーム、インターネット、余計過ぎる睡眠とか。あくまでも過度。
それぞれ、好きな人には利点がドンドン思いつくと思う。
ドラッグ常習者の意見もそう。快楽を得る、嫌なことが吹っ飛ぶ、アイディアが湧く…
私が日課にしてる映画鑑賞にしてもそう。適度な趣味なら一般人に留まるが、
常にそればかりの日々を続けていたら映画依存症となるし、為にはならない。
ダラダラ続けてしまう惰性。それを振り払う勇気をくれる映画でもないんだよな〜
そこら辺が、一種のアート止まりというか。主人公は
更正してないもの
ビジネスマンになった主人公の元に悪友が転がりこんできて、
「追い出したいけど、腐っても友達…」みたいな思考が出てきて、
ちょっと判る。
ラストは
一応、一種の爽快系なんだが深読みするとネガティブに思う。
「最後の1本…」って結局打つアイツは、ドラッグが手に入ったらすべてフリダシ

結果がすべてじゃない。問題定義して放り出す作品も別にキライじゃないし、
反面教師な作品も好きだったりする。だけど何か認めたくない何かがこれにある。
…関係ない話、ユアンはSW2の撮影中アル中だったらしく、共演してたナタリーが
酒臭いし、下品な冗談言うし、一緒に絡むのを凄く嫌がってたとか。
イギー・ポップの音楽も映画に華を添えてて、サントラは人気らしい。
当時は映像の撮り方が斬新だったらしいけど、何かPVみたいだった。


トロイ (2004/米) 163分


 ブラッド・ピット、エリック・バナ、オーランド・ブルーム、ダイアン・クルーガー
ショーン・ビーン、ピーター・オトゥールなど豪華キャストによる歴史劇。
「トロイの木馬」の物語は御伽噺として伝えられてきたが
最近の発掘調査でトロイの都が存在したことが確認された。

 紀元前12世紀、トロイとギリシャの強国スパルタは和平を結ぶ。
スパルタの妃ヘレンとトロイの王子パリスは密かに愛し合っており
ヘレンを勝手にトロイへ連れ帰ってしまう。
激怒したスパルタ王メネラウスはギリシャ中の軍隊を集結させトロイを攻める。
その史上最大になるだろう戦に名を残そうと英雄アキレスも参戦する…

 こういう映画は映画館でその世界を楽しみたい。
行ってよかった。予想以上に面白かった。
半袖スカート鎧で重そうな剣を振り回すのは迫力あった。
ブラピのアキレスも、癖のある性格で掴み辛いけど
決闘シーンはドキドキしたし、時間を忘れて魅入ることが出来た。

 へクトルが次第にどんどん格好良く見えてきたのも納得だ。
思った以上にへタレになったパリスは、逆に天晴れなキャラだ。
苦労人なオデッセウスも、好感持てたし。
砂と海の色が映えて気持ち良い景色だった。
装飾品や服の生地、鎧や盾も作りこんであって綺麗だった。

 ギリシャ神話では神々の名前が登場し、それぞれ気に入った人間に
加担したりもするんだけど、今回は象徴的存在とだけで
そっちの方が現実感もあったし成功だと思う。
 死人の両瞼にお金を置く習慣が、日本の三途の川の渡し銭と同じだった
時代も場所も遠く離れた違う文明でも同じようなことをしてたのか…と親近感

 女性陣も美しいけど男性もそれぞれ男前が多いところでも見ごたえある。
観終わってパンフを買ってDVDが出たら絶対に買おうと決めていた。
もっといっぱい映像特典つけて欲しかったけど…本編だけでも満足としよう。



どろろ (2007/日) 138分






 手塚治虫の異色作「どろろ」を妻夫木聡、柴咲コウ主演で映画化。
共演に中井貴一、原田美枝子、瑛太、中村嘉葎雄、
杉本哲太、土屋アンナ、劇団ひとり、麻生久美子、原田芳雄。
監督は「害虫」「黄泉がえり」の塩田明彦。
アクション監督を「HERO」のチン・シウトンに任せ、ニュージーランドロケを敢行。

 とある国の長き戦乱の時代、天下を欲せんとした男・醍醐景光は
地獄堂に収められた禍々しき48体の魔物と呪われた契約を交わした。
天下を引き換えに、我が子の身体を差し出した醍醐は
反対する妻を説き伏せ、生まれた醜い子供をタライに乗せて川へ流した。
その捨て子を拾った医師・寿海は48箇所を奪われた赤ん坊を
何とか生かそうと義手や義足を作って無い部分を補い、立派に育てた。
やがて成長し、百鬼丸と名づけられた青年は奪われた箇所を取り戻す為、
魔物を倒す放浪の旅に出、そこでコソドロのどろろと出会うのだった。

 原作、大好きなんですよ。なので、どんな出来でも劇場へ行きました。
最初の方あたりは良かった。醍醐が地獄堂で契約するシーンとか
原作をマジマジと思い出したし、中井貴一は似合ってた。
最初の魔物退治も、予想以上にワイヤーアクションしまくりで燃えた。
優しすぎると思ってた妻夫木の百鬼丸も想像以上に格好良かった。
どろろは明らかにキャスティングミスだなと。アイタタター。
そこまで冒険できなかった製作サイドに文句言いたいね。
中性的な子役を見つけてきて、しっかり演技指導して起用すりゃいいじゃん。
柴咲がどんどん嫌いになっていってしまった。キンキン声が神経に障る。
百歩譲って普通の女優を使うにしても、もっと若い子の方が良かったね。
瑛太はイメージ的にはバッチリだったのに何?あの髪型は。
最終的な展開も原作曲げてて気に喰わなかった。
まず
百鬼丸を不死身状態にしてしまったのはいかがなものか。
絶対死なないならどんな戦闘見せられてもワクドキしないじゃん。
原作の百鬼丸は刺されたら普通に負傷するし、足生えないうちに義足を失ったり
結構危うさもあったし、人をアッサリ切り捨てる鋭さも好きだったのに。
子捨て寺のエピソードも突っ込み所満載。アンナも大根。
あの両親はお供えできる大おにぎりがあるなら子供を育てられるだろ。
どろろの母親のおかゆエピソードも欠かせなかったのに。涙涙よ。
原作で魅力的だった妖刀や滝の魔物のエピソードとかイイ要素あったのに。
多宝丸のビジュアル的違和感もそうだけど、生き返っちゃダメでしょ。
原作で、闘ってる最中に兄弟だと気づいてのくだりが好きだったのに。
最終的には親父が改心しちゃうのも納得いかない。母親犬死。
多宝丸が兄上を待っています、ってそんなキャラちゃうし。
あの悪趣味なダイゴの動きそうな城も遠めに眺めるだけで終わるし。

そして極めつけは何処でも言われてる妖怪の着ぐるみ&完成度の低いCG。

 でもね、妖怪退治のダイジェスト3連戦は結構好きだったな。
百鬼丸とどろろが仲良くなってくくだりも分かる。闘い方はイマイチだけど。
雰囲気をぶち壊すビキニの踊り子と音楽がメキシカンなのが気になった。
さんざん文句言ったけど、今までのSF時代劇の中では楽しめる方かな。
若干親子対決のあたりのテンポが悪くてイライラしちゃったけど。
原作にあったよく分からない禍々しい魔物とかの雰囲気が無いのも残念。
この監督はこういう作品向いてないよ。「あした吹く風」は大好きなんだけどな。
原作でも中途半端に終わってしまったけど、アニメでは完結してるらしいから
今度、DVD−BOXでも揃えて見ようかなぁ。映画の続編は無しでヨシ。




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