管理人NEROが映画について語ります。

Caramel Cinema


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Be Cool/ビー・クール (2005/米) 120分




 ジョン・トラヴォルタ主演の95年製作「ゲット・ショーティ」の続編。
取立て屋から映画プロデューサーに転職したチリ・パーマーが、
インディーズ・レーベルの会社を経営する友人が殺されたのをキッカケに
今度は音楽業界に飛び込んでマフィアも敵に回し大騒動を繰り広げる。
ユマ・サーマンとの「パルプ・フィクション」以来の再共演も話題。
ハーヴェイ・カイテル、ダニー・デヴィート、ザ・ロック、
スティーヴン・タイラー(エアロスミスのヴォーカル)、KISSのジーン・シモンズ、
アウトキャストのアンドレ・ベンジャミンも出演。
更には新人歌手役でクリスティーナ・ミリアンも出演。
監督は「交渉人」「ミニミニ大作戦」のF・ゲイリー・グレイ。

 「パルプ・フィクション」好きなら一度は目を通したい作品ですね。
パッとしない、印象薄い世間の評判でしたが、私は気に入ったなぁ。
…最初、観てる間に寝ちゃったんだけどね。映画のリズム掴めたらオッケー。
しかしジョン・トラボルタはああいう大物演技が上手だね。
「俺を観ろ」と常に余裕ぶっこいて上手く相手を利用しちゃう。カッチョいい!
冷酷さの無い「ソード・フィッシュ」のガブリエルみたい。
チリと手を組む女社長役にユマ・サーマン。彼女も素敵☆
二人がダンスする所は勿論、二人が家に帰ってきたシーンを見ても
あのパルプの二人を思い出して二人の絡みを終始ニヤニヤして観ちゃう。

 物語の幸運の女神となるリンダ・ムーア役の子、ポッと出の新人かな〜
って思ってたら後でクリスティーナ・ミリアンだったこと知ってビックリ。
あんなに童顔な子だったんだね…歌は別に文句はないが、突出して上手いか?
エアロスミスと共演ライブも楽しめるので音楽好きも是非拝見してね。
敵になる連中が程よくおバカだから見てて楽しい。
チクリ電話のシーンなんて、ガキじゃんお前ら〜!!って。
黒人ギャングスタ軍団も程よくイイ奴等で和解しちゃうんだもん。
リンダの曲はともかくPVのセンスはいくらなんでもセンス悪いと思う。

チリ・パーマーって名前どうしても頭のこと想像しちゃわない?
ザ・ロックの役もビックリ。最終的には
奴の夢を実現させちゃうチリも凄い。
スティーヴン・タイラーの顔が素で気持ち悪いので苦笑。
これは薄味だけど癖にもなりそうな変わった映画だなと思った。


ピーナッツ (2005/日) 115分






 お笑い芸人ウッチャンナンチャンのウッチャンこと内村光良の監督作品。
自らの考えたオリジナルストーリーを元に劇場映画としては初の監督デビュー。
主演も務め、他の主要メンバーは深夜番組「内村プロデュース」の面々。
脇にも様々、ウッチャンと共演したことのある俳優や芸人が出演している。
主題歌には内Pでお馴染みNOPLANが歌う。
音楽には昔、ピアニストを目指したふかわりょうも作曲している。

 
10年前に草野球チーム“ピーナッツ”を率いて優勝を果たし、
それを題材にしたエッセイが認められスポーツライターとなった秋吉光一。
そして現在、彼は久しぶりに故郷に帰ってきた。
寂びれた商店街。かつて栄光を手にした“ピーナッツ”は、人数不足。
秋吉はピーナッツの再興を決意、かつてのチームメイトたちと再会を果たす。
そんな彼らも、いまやそれぞれに複雑な事情を抱え毎日を過ごしていた。
そのころ地元商店街では、大手企業による再開発の話が持ち上がり、
思い出の野球場までもが消えようとしていた…。

 キャストは内村光良、さまぁ〜ず(三村マサカズ・大竹一樹)、
TIM(ゴルゴ松本・レッド吉田)、ふかわりょう、吉田めぐみ、ベンガル、
飯尾和樹、青木忠宏、藤重政孝、奥貫薫、有田哲平、桜井幸子、
入江雅人、出川哲朗、ウド鈴木、原田泰造、中島知子、竹中直人…

 評判良いので借りてみました。勿論、内Pも見てましたし。
正直、最初の感想は…平凡過ぎるなぁ…だった。設定もテンポも展開も。
残るは、その過程をどう楽しむかなんだけど、これも自分的に微妙。
出てるキャストも決して嫌いではないが、どうも普段のキャラが邪魔をする。
役名で登場しても、所詮、三村は三村、ゴルゴはゴルゴ、でしかない。
「演技下手だな〜」「コントのキャラみたい」と生暖かい眼差しで見てしまう。
映画の空気はほのぼのしており、色彩は何となくノスタルジックだったりする。
内Pメンバーによる、内Pファンの為の作品が大前提なんだと思う。
芸人が集まって作った割には笑う要素もさほどない気がした。
ゴルゴの妻のキャラはあざとすぎて、何かもう見たことあるネタだし。
妻と娘の生活がかかってたり、妻が難病で試合の日に手術だとか、
女々しい男が雄々しい女に恋心を抱いたり、都会で挫折した男が
故郷に帰ってきて人生見つめなおして再出発したりと、
王道過ぎる。
それを映画好きとしても知られてる内村がどう料理するのかと期待したら、
丁寧に、馬鹿正直に直球勝負で来たのだから、好き嫌い別れる。
CG、スタントなしの硬派さは買うけど、全体的にあまりに地味な気がしてしまう。

 内Pメンバーが好きな人か、あまり映画を観ない人、もしくは
ベタで王道、人情モノに弱い人が見るなら充分楽しい作品かもしれない。
一緒に見てた母親は楽しんでた模様。弟は退屈してゲーム始めてた。
私自身、野球に興味がないのもいけないのかもしれない。
でも試合のシーンは前半よりはスラスラと見れた。
個人的には1度観ただけで充分かな…次回はもっと凝ったやつ希望します。
ほのぼのした作風といい、人柄なのかもしれないね。
映画監督は、どれだけ登場人物を苛められるかも大事だと思う。
あと、ひょんなところにゲスト出演者。アゴ男爵…
結局出れない
オセロ中島まんま、そーいうキャラだった。大竹さん結構雰囲気あるキャラだな。
泰造さんは、終始笑ってたねぇ。奥貫さんといい、アイアンポット思い出す。
ところでウッチャン、入江さんや出川を入れたのは分かるけど、相方は…?
市販のDVDは特典映像が半端なく豪華なので、ファンは買いですな。


HERO (2002/香港・中) 99分


 秦王暗殺を狙う趙国3人の凄腕の刺客を倒した者だけが秦王に近づける…
その偉業を遂げたひとりの無名という剣客が秦王の前に歩み出る所から始まる。
刺客達を倒した経緯を秦王に話していく。

 ジェット・リー、トニー・レオン、マギー・チャン、チャン・ツィイー…
有名な俳優が勢揃いし武術や剣術と闘いまくります。
あり得ない対空時間、最強っぷり…だけど、違うんだよ!
これはアクション映画じゃないんだ。芸術映画なのです。
絵を楽しむ、ってことなんだ。色世界とか色々さ。
そして脚本が非常に面白いと思った。
納得いかないで観ててもラストで圧巻されちゃいました。
日本語吹き替えで観るべきだと思った。見易いしね。

 ジェット・リーの顔があまりにボコボコなんでナンチャンみたいだった。
トニー・レオンが気に入った。何回そうなったんですか〜と。
チャン・ツィイー…未熟な小娘っぷりが似合っていました。
マギー・チャンは日本の女優で似てる人が結構いそう。強い女性って素敵
皇帝もなんか面白かった。設定もぶっ飛んでるけど退屈しない。

 珍しいタイプの映画だと思うし斬新な演出が多い。
観たことない人には是非にと進めたい作品。
回を重ねるごとに別の解釈が生まれそうな奥のある作品だと思うし。
ラスト観るとおぉおおおお!!!ってなるけど、
その後の歴史を知ってると何かもの悲しいね。


ヒーロー 靴をなくした天使 (1992/米) 118分





 ダスティン・ホフマン主演の皮肉なユーモア、そして妙な感動を織り交ぜた作品。
ジーナ・デイビス、アンディ・ガルシア共演。
ジョーン・キューザックとスージー・キューザックも出演してたりする。
監督は『危険な関係』、『堕天使のパスポート』のスティーヴ・フリアーズ。

 ケチなコソ泥でコソコソ副収入を得るラプラント。
彼は妻とも離婚され、一人息子とはたまに会えるくらい。
養育費を給料から天引きされ、いつも金欠気味で愚痴と言い訳ばかり。
そんな彼がある豪雨の夜、息子と映画を観に行こうとボロ車を飛ばしていると
目の前に突然、飛行機が不時着。端から炎上し出す機体。
助けを呼ぶ声を聞き、渋々人名救助するハメになったラプラント。
彼のお陰で54人の乗客乗務員が助かったが、彼は現場からトンズラ。
あの人は誰?残ったのは彼が忘れていった片一方のボロ靴。。。

 ダスティン・ホフマンの映画は滅多にハズレがないねー。
マスコミのやりすぎなトコや、なりきっちゃえば様になってしまうトコ…
最初はイライラしたアンディ・ガルシア演じるバーバーですが、
てっきり乞食から王子様扱いになり、有頂天になるのかと思いきや
次第に「あれ?こいつ善い奴なんじゃないの?」ってなってきて、
「こういう慈善活動はラプラントには出来ないよなぁ」と観客も悟っていく

ホームレス姿からビシッとスーツになったら、
「あぁ、いつものアンディ・ガルシアだ!」オドオドしてて笑えたけど。
靴を持って並んで自分が自分がと主張する金目当ての連中って
自分じゃないって心じゃ判ってるのによくもまぁと呆れたぞ。
フィクションだけど、現実にも居るんだよね、こういう人はさ。
片方の靴は、御伽話のシンデレラを彷彿とさせるね。

 人助けをしたのに、当日の夜に限って誰にも事情を話せなかった、
職場で話そうにも、上司はキレ放題、気の毒なラプラントである。
病院では追い出され、助けた女キャスターからも極悪人と罵られちゃう。
自分は汚い仕事をしながらも、息子といる時は立派な父でいようとする
姿には心を打たれるね。自分と違う、真っ当な道を進んで欲しいんだろうな。
父親を助けてと声かけた少年だったら、彼の顔がよく見えただろうに。
いつになったら真実暴露で逆転大騒ぎになるのかと踏んでたら、
民衆の夢を壊さず、良い終わり方を用意してくれました。

誰しもヒーロー。ヒーローとは、我々の心の中の美徳の象徴だ
皮肉なコメディだと思っていたのに教訓もあって、名作でした。
一番心に残ったセリフが
世の中はウソだらけだ。そのウソの中から、
自分が好きなウソを選んで信じればいい
。」     うん…深い。
ダスティン・ホフマンは何故こうも、こういう役がお似合いなのだろう。


光の雨 (2001/日) 130分


 戦後の昭和1972年連合赤軍の同志リンチ事件を題材にした映画。
出演は萩原聖人、裕木奈江、山本太郎、塩見三省、大杉漣、金子貴俊など
連合赤軍事件を題材とする立松和平の小説『光の雨』を映画化しようとする
現在の人々が集まり、演じる場面と過去の実在の場面…
フィクションとドキュメンタリーを融合させた不思議な作りになっている。

 ロケ地である知床、極寒の地で撮影に臨むキャスト達。
自分達とほぼ同世代の人たちが革命に生き強い思想と信念を持ち
狂ったまま突き進んでった悲惨な事件を体現し、話し合う。
同じ赤軍を扱った「突入せよ!あさま山荘事件」とは格別の出来。

 他の役者たちも真に迫っていて
観ているこちらも過去と現在の境界線が掴めなくなった。
痛い…たまらなく苦しく痛い描写もある。

「あの頃は馬鹿みたいに純粋だった。狂っていたかもしれないけれど真剣だった」
革命とは何か。その愚かでも高い思想ゆえに…
歴史の授業でもこの時代の話はあまり教わらないし、
前は戦後いきなり平成になっていったような感覚だったけど、こうやって
今後の日本はどうあるべきか、若者たちががむしゃらに議論し、争い…
こんなことも知らないで今の平和主義の民主主義国家日本で
のうのうと生きてきたんだなと思うと、自分が恥ずかしくなった。
たくさんの犠牲や反省が繁栄されているのかどうかなんて判らないけど、
知っているべきことのような気がしてならない。
勿論、これを観ただけで全て知った気になってはいけないが。

右や左や赤…そういう思想がどうとかでもなく、ただいろんなことは知るべきだ。
理解とまではいかなくとも。
エンドロールが流れて、しばらくはその画面から目が離せなかった。
こんな映画を見たのは初めてかもしれない。
最後の山本太郎の言葉に聞き入ってしまった。
そして原作者のコメントに。
娯楽作品とはいえない映画だけれど、薦めたい。


光る眼 (1995/米) 95分




 ホラー映画「ハロウィン」シリーズ等で知られるジョン・カーペンターが'
60年のイギリス映画「未知空間の恐怖/光る眼」をリメイクしたSFホラー。
カルフォルニア州の海岸沿いの小さな町でその事件は起こった。
いつもと変わらぬある晴れた日、時計の針が午前10時を刻んだその瞬間、
突然、町で生活していた全住民が意識不明でその場に倒れこんだ。
人のみならず、動物たちまで…そして事件発生から6時間後の午後4時、
住民達はまるで何事もなかったかの様に目を覚ました。
そして不思議なことにその日を境に女性の住民達全員が“妊娠”していたのだ…

 まず凄いのが、キャスト。
元祖スーパーマンでお馴染み、クリストファー・リーヴをはじめ、
B級アクションヒーローとして有名?なマイケル・パレ、
クロコダイル・ダンディーな女、リンダ・コズラウスキー、
スター・ウォーズのルーク・スカイウォーカー、マーク・ハミル。

 リーヴとハミルが一緒に出てるの?って興味津々。
この映画、中古店でもよく見かける。大抵、何本も一緒に置いてある。
ウケは悪いみたいでね〜まぁそんなワケで期待しないで鑑賞。
最初の方はゾクゾクした。町全体が失神して、静まり返る。
その後、眼を覚ました住民たち。まるで世にも奇妙みたいな感じ。
女性が全員妊娠…の割には生まれてきた子供たちの数が少ないような気が。
そう、その得体の知れない赤ん坊を住民は産むことにしちゃったんですよ!
生まれてきた子たちは皆、銀髪。髪型まで似てる。
外見だけなら許せる。中身が大人び過ぎていて、可愛くない!!
子供たちが変な能力を使い、町では不可解な事故が多発。不安が高まる。
そのうち大人たちは子供たちに敵意を隠せなくなる。
何てことはない。子供たちの方も最初から敵意むき出しだったのだし。

 神父姿のルークはミサや葬式以外にどんな見せ場があるのかな?
とワクワクしてたら、
うぉ〜狙ってる〜見つかったぁ〜え?
俺ここで終わり?操られちゃうの?そんな…あぁ…バーン!!
老けた奥さんらしき人が魔女狩りもどきしてた所見ると、亡骸は発見済みかな。
残されたリーヴ氏は必死に精神の戦い!タイマーいつにセットしたの?
もうちょっと早めで良かったんじゃない?ドギマギしちゃったよ。
ひとつの精神を共有する人の形をした別の生き物、子供たち。
生き残った子の眼が最後、怪しく光るのを期待しちゃったよ。

設定は悪いわけじゃないんだけど、インパクト不足なのかな。
作品全体的にダラーっとしてて、ホラーってゆうほど恐くない。
オーメンな子が沢山町に生まれたと考えたら恐いはずなのに、そこまで恐くない。
今からリメイクし直せばもっとえげつない、グロシーンも追加して
面白く料理できるのかな?うーん。ちょっと微妙かな。
総評、確かにこりゃ、駄作です。でも、キャスト目当てで見ると楽しいかもよ。


ピカレスク −人間失格− (2002/日) 133分


 作家・太宰治の実像に迫った猪瀬直樹著者『ピカレスク 太宰治伝』を
元“LUNA SEA”ボーカリスト兼タレントの河村隆一主演で映画化した作品。
人一倍強い功名心や自意識と劣等感の狭間で苦悩し、
愛人との度重なる心中スキャンダルや恩師・井伏鱒二との確執といった
人間・太宰の短くも波乱に富んだ生涯をドラマティックに描く。

 主演を務めた河村隆一自身、映画の主題歌を唄い、
サウンドプロデュースとしても映画制作に参加。
共演にさとう珠緒、緒川たまき、朱門みず穂、祐木奈江、とよた真帆
佐野史郎、大浦龍宇一、田口トモロヲ、大杉漣、猪瀬直樹も特別出演。

 津軽地方の資産家の四男として生まれた太宰治は、
やがて帝大(現:東京大学)の学生となり、文学者になることを志すが、
21歳のとき、青森の芸妓・戸山初枝と同棲中に最初の心中事件を起こす。
しかし、相手は初枝ではなく銀座のカフェの女給・田辺なつみ。
うまくいかない事柄が重なり、そのすべてを周囲の所為と決めつけ、
自棄を起こした末の振る舞いだった。
しかし、命を落としたのはなつみ一人で、太宰自身は助かってしまう。
その後、初枝とも心中未遂を起こし離婚した太宰は、
有名作家であり恩師の井伏鱒二の媒酌で西原佐知子と再婚するのだったが…

 この映画が話題になった頃、丁度太宰治を読んでて興味深々でした。
私はアーティストとしての河村隆一も買ってたし、どんな出来になるのか
近所の映画館ではやってなかったのでDVD化したものを購入して拝見。
何故か今はこのDVD手に入りにくいのかな?

 河村隆一自身の演技が上手いかどうかは判らないけど、
この映画自体がとても繊細な雰囲気の中流れていくようで
太宰に興味の無い人、もしくは河村隆一嫌いな人はつまらないと思う。
でも、この独特のテイストを希少だなと私は愛してます。
その時代らしい服装や小道具等も古き良き日本を感じさせる。
佐野史郎演じる掴めない井伏氏や太宰を取り巻く様々な女性。
太宰はやはり、相当のナルシストなんですね。自虐的な。
自殺未遂を繰り返して親や兄を脅して金を巻き上げている。
小説も売れて軌道に乗っても不安定な生活…
生まれ付いての人格で人は幸せを永遠に掴めないのかもしれない。

 さとう珠緒が普段のテレビで見るキャラじゃないのでそこも新鮮。
なかなか世間知らずの幼さの残る女性をうまく演じてたと思う。
「彼女は純ではなく、無知なのだ」ってセリフは名言ですね。
最後の心中相手の富美栄もなかなか真に迫ってた。
あの時に、初めて太宰は自覚した、ってことですよね。
生きる為に自殺を繰り返してきたことを。
勿論、これは太宰の友人の猪瀬氏の書いたこと、ってだけで
当人の心境なんて知る由も無いわけだけど…色々考えさせられる映画。
内容からして暗いし、高尚なもの求めて観るのも違うと思う。

 エンディングは勿論、あの河村隆一の歌声が聞こえてくるわけで
少し興冷めですけどね…そこまでイメージは崩してない曲ではある。
劇中に、太宰治の小説の一節も出てきて文章読むたびに思い出す。
自殺を実行するって本当に怖いことだな…
心中前の田辺なつみの云った一言も印象深い。
太宰治自身が書いた「人間失格」とは似て非なるものだけど
明らかに自分をモデルにして書いたと考えられているんだろうな。


美女と野獣 (1991/米) 84分


 ディズニー映画の中でもかなり上位なお気に入りです。
外見に惑わされて内面の美しさを蔑ろにしてはいけないという教訓を持つ寓話。

呪いで醜い野獣にされた王子が優しい少女ベルと出逢い心を開いていく…

 浸透し過ぎてありきたりな風にも取れる展開。
キャラが唄う歌もこれといって思い入れはないけど
映像が綺麗。
城の図書館とダンスホールがお気に入り。

城に住む召使の中に置時計の人がいたけど、あれ何気ドラえもんみたいだ。
他の召使たちが人間の姿に戻って「よかった、よかった」空気も好き。
思えば一人の王子が癪に障ったからって国中巻き込むなんて迷惑な話。

セリーヌ・ディオンとピーボ・ブライソンが唄う主題歌
Beauty and the Beast」も忘れてはいけない。いい曲です。
 話が終盤になって、野獣ピンチになったときに
泣いてしまったこともある。ジ〜ンとくるんです。ホント

ガストンがあまりに気障で不細工でどうしようもないね。
外見だけで比べても野獣の方が格好いいし愛嬌あるわ。
ベルが本大好きな設定も今思うとなかなか味があるんじゃなかろうか。


ビッグ・フィッシュ (2003/米) 125分


ティム・バートン監督、ユアン・マクレガー主演の心暖まるファンタジー。
原作はダニエル・ウォレスの小説
自分の体験を御伽話のように面白おかしく語る人気者の父と
3年前にそれが原因で不仲になっていた息子。
父の余命がわずかだと知り、戸惑いながらも父を理解しようとする息子
病床で父は自分の人生を振り返り始める…

 公開当時はあんまり興味がなかったんだけど
レンタルになってからもういつ行っても貸し出し中
…かなりの評判だなと期待大。ようやく借りることが出来て観ました。

 彼の語る話が映像として出てきてティム・バートン世界を堪能できる。
あんまり毒気が無いけれど、それもまた良しじゃないだろか。
靴がいっぱいぶら下がってる街が印象的でした。まさに御伽噺
ひょこっとスティーブ・ブシュミがいたのもツボ。
変人の役やらせたら彼はピカ1だよね。
 ユアン演じる主人公の笑顔が見るものをホンワカ気分にさせてくれた。
彼が人気者だった、というのがよく顕れていたと思う。
サーカスの時が止まったシーンは綺麗だったなぁ…ロマンティック

一面の花畑は最高。
いきなり現れてあんな告白受けてもどうかと思うけど、あれは最高!
相手の男の立場に立ったらたまんない人生なんだろうけど〜
魔女と巨人もユニーク。団長も最初悪人かと思ったけど…
洗濯物のシーツの所では分かっちゃいるものの
彼女の気持ちになって泣けた。
父と息子の物語だけど、父と母の愛の描き方も素晴らしい。
バスタブのシーンとか、歳を取ってもこんな夫婦になりたいと思ってしまった。

評判とはちょっと違った印象を受けたけど(薄いかも、という)
これはこれでいい物語でした。
男性の方が感情移入し易いと思うけど…
事実は全部違うかもしれないけど、あれは事実でこれは幻想で…と
あれこれ分けて分析したくもないかな。
気持ちを楽にして観ていたい映画。


羊たちの沈黙 (1990/米) 118分


 一大サスペンス・ブームを巻き起こしたサイコ・サスペンス。
アンソニー・ホプキンス、ジョディー・フォスター共演。
トマス・ハリスのベストセラー同名小説の映画化。
1991年アカデミーの作品賞、主演男優賞、主演女優賞、監督賞、脚本賞受賞。

 女性を誘拐し、皮を剥いで殺すという猟奇殺人が多発。
捜査に行き詰ったFBIは新米捜査官クラリスに
元精神科医で殺人鬼のハンニバル・レクター博士に接触するよう指示。

 二人が牢獄で会話するシーンは凄みを感じずにはいられない。
レクター博士の静かで理性と狂気が混じるような存在感。
あまりに彼のキャラが強いのでホプキンスを
「レクター博士の人」と云えば人名知らない人でも判ったりする。
彼にすべてを見透かされながらも犯人逮捕とレクター博士への関心からか
刑務所に通い、独自の捜査もし事件の解明に賢明に取り組もうとするクラリス。

 被害者が誘拐され親族がテレビで犯人に訴えてている場面は
現実の悲惨な事件ともリンクされて悲しい。
レクターが脱獄するシーンも見物。
最早、本筋の皮剥ぎ事件の犯人は印象薄い。
レクター博士が言う程、賢そうには見えないし狂った馬鹿に見えてしまう。
映画だからだけど、相変わらず刑事は一人で無茶をする。

 死体を拝見するシーンや倉庫に入るシーン…
所々、気持ち悪いものも多い。犯人の趣味も気持ち悪いが。
ラストの電話する場面が好きだ。
彼のこれからの自由な人生を思うと…どうなんだろう。
捕まるようなヘマはもうしまい、とは思ってるだろうけど
個人的な趣向もかねて人を殺すのはやめないとは思うし…


火火(ひび) (2004/日) 114分




 女性陶芸家として高い評価を受ける一方、長男の発病をきっかけに
骨髄バンク設立に大きな役割を果たしたことで知られる神山清子の半生を映画化。
主演は「ホタル」の田中裕子。共演にこれが映画デビューの窪塚俊介。
黒沢あすか、池脇千鶴、遠山景織子、岸辺一徳、石田えり。
監督は「愛の新世界」「光の雨」の高橋伴明。

 焼物の里、滋賀県信楽町。同じ陶芸家だった夫は女と消え、
女手ひとつで2人の子どもを育てる女性陶芸家、神山清子。
彼女は、江戸時代に失われてしまった技術である穴窯による
自然釉の復活に執念を燃やし、極貧生活の中で、失敗を繰り返しながらも
陶芸家としての信念を貫き通し、窯焚きを続け、
遂に念願叶って信楽自然釉の完成に成功する。
そんな幸せも束の間、長男・賢一が、白血病に倒れてしまう。

 実話を元にした映画だけれど、私はこの人たちの存在を知らなかった。
骨髄バンクの存在は知ってたけど、なかった時代を考えたこともなかった。
焼き物の専門用語も焼きあがるまでのプロセスもよく知らないけれど、
前半の焼き物にかける清子の熱意は見ごたえがあった。
後半はガラリと骨髄バンクの話になってしまうのだが、
これはこれで大事なメッセージがあると思うし、この映画を観て
骨髄バンクに登録してくれる人が一人でも増えれば浮かばれると思う。
骨髄移植手術も描かれる。見たあと、私も純粋に登録に行こうかと思った。
でも、作品としてはやはり、まとまりがなくなってしまったことは否めない。

 窪塚俊介は確かに兄と似てるけど、まぁやっぱり別人なわけで。
親の七光り云々のくだりが出てきた時は、“実際は兄の七光り”なんて思った。
格別悪いわけではないけど、突出して良いわけでもない。無難な印象。
話題性はあっても、きちんと伸し上がっていった人とそうでない人の差は出る。
この映画で評価に値するのは俊介じゃなくて紛れもなく田中裕子。
万引きした子供を懲らしめる方法も凄まじいし、怖い。でも正しい。
お姉さんは選択し直せるのならば父方へ行っただろうなぁ…

劇中出てくる言葉のひとつひとつが重くズシンと響く。
褒められようとするな、形にとらわれるな、ぐしゃっとつぶすあの手も凄い。
自分の立場になって想像したらぐしゃっとされる気分は最悪だけど、
高みを目指すなら、あれくらいの屈辱も修行の内だと思わなきゃね。。。

邦画特有のとっつきなさと聞き取りにくいセリフと、湿った雰囲気はあったけど
眠気に襲われずに最後まで鑑賞できました。
見終わって泣いたという方もいるように、響く人には響くかと思う。
ただ…個人的には2度3度と見たい作品ではないですね。


ひまわり (1970/伊) 107分




 「自転車泥棒」「靴みがき」で知られる巨匠ヴィット・デ・シーカ監督作品。
主演はソフィア・ローレン、マルチェロ・マストロヤンニ、リュドミラ・サベリーエワ。
ナポリで知り合い、恋に落ち、結婚したアントニオとジョヴァンナ。
しかし戦争は長引き、アントニオにも礼状が。引き裂かれる二人。
やがて戦争は終わったが、ソ連の前線に送られた夫は行方知れず。
諦めきれないジョヴァンナはソ連へ赴き、夫アントニオを捜すが…。

 有名な名作ですね。難しそうなイメージで今まで手を出してませんでした。
ところがどっこい、すんなりと胸に入っていきました。切なさがあふれた。
戦争に引き裂かれた夫婦の絆。今でも昼ドラでよくあるパターンです。
昔の映画、暗いイメージのイタリア映画と、とっつきにくそうなんだけど、
この映画は今の若者でも見ると心に響くものがあるのでは?
…まぁ、夫婦までいかなくとも、誰かを心底愛したことある人なら分かるはず。
この理不尽さ。誰も悪くない、彼も彼女も仕方のないこと。だからやりきれない。
苦しい。恋しい、でもどうしようもない。痛々しかった。

 
二人が浜辺でいちゃついて、結婚して卵24個料理してるシーン。
イタリアの風習で結婚したら卵料理食べるらしいんだけど、
その量に、その味付け。想像しただけでこっちも腹いっぱいだわ。
第二次世界大戦、日本はドイツと共にイタリアと同盟国だったんだよな。
実際、戦争で引き裂かれた婚約者や夫婦で似た境遇も実際あったそうな。
戦死した兵たちの眠るひまわり畑だけでも、妙に生々しかった。
太陽と、太陽の方を向いて咲くひまわり。男は太陽で女は花か、
はたまた、太陽は女で男は花か…解釈様々。
ジョヴァンナが奥さんと子供にショックを受けながらも、駅まで行き、
確かにアントニオの姿を見て、列車に駆け乗る一連のシーンが凄かった。
取り残されたアントニオの表情と、ジョヴァンナの涙。
「もう、元の二人には戻れない。永遠に…」
ソ連の奥さんも、複雑な心境でそれを見守るしかなかった。
後にアントニオがイタリアへ行く時も、家で待つ彼女の胸中は計り知れない。
ジョヴァンナとアントニオは改めて再会し、苦渋の決断をする。

流れる音楽も素晴らしい。見終わった後、しばらく頭から離れなかった。
戦争の残酷さ、悲惨さも教えてくれるし、反戦のようでいて、
おおっぴらに言葉にしていないのが良い。誰しも悟れる。明確な言葉は要らない。
こういう映画をスクリーンで観たら、きっと人生観に影響与えそうだ。
眠くなる眼をこすって見ていたはずなのに、途中から夢中になって
映画を観終わった後もずっと余韻に浸ってしまいました。
文句なしの名作ですね。多くの人に見てもらいたいとも思います。


ビューティフル・マインド (2001/米) 134分





 集団における個人の意志決定メカニズムを定式化した“ゲーム理論”を構築し、
後の経済学理論に大きな影響を与えノーベル経済学賞を受賞した
実在の天才数学者の人生をラッセル・クロウ主演で映画化した人間ドラマ。
共演エド・ハリス、ジェニファー・コネリー、ポール・ベタニー、ジョシュ・ルーカス。
監督は「遥かなる大地へ」「アポロ13」「のロン・ハワード。
第59回ゴールデン・グローブ賞では作品賞、主演男優賞はじめ4部門を獲得。

 1947年9月、プリンストン大学院の数学科に入学を果たしたジョン・ナッシュ。
数学の知識はあるものの、人付き合いが下手で常に独り。
研究に没頭するナッシュは次第にクラスメートからも敬遠されていく。
しかし、ナッシュのルームメイトになったチャーリーにも助けられ、
彼ははついに画期的な“ゲーム理論”を発見する。
大学でようやく認められた彼は希望するウィーラー研究所に採用され、
そこで恋人も出来て、結婚もしたナッシュ。
しかし、彼は人には言えない極秘任務を任されていたのだった…。

 アカデミー賞作品ってことで、注目されてたけど何か嫌ってた作品。
何かいかにも感動狙いっぽいし、実話とか「あっそ」精神でした。
で、一度も観てなかったこの作品に手を出したきっかけはポール・ベタニー。
どこかのサイトの俳優紹介で、この映画の役柄のことがネタバレされてて
最初に登場した瞬間から、「これって隠しとくことだったんじゃん!」って吃驚。
…なので、後半明らかになっていく展開が読めてしまった。
そんな残念なこともありましたが、なかなか全体的にうまく見せていて、
映画としても見易いし、ちょっと薄味な印象受けるけど良作だと思いました。

 
「総合性失調症」といえば、友達にも同じ病の人がいるので、
彼女にもこの作品を見てもらいたいなと思いましたね。
特定の生活パターンを持ち、それを乱されることを嫌うっていうのは
「レインマン」の自閉症とかぶるな。精神病って区別はあるけど症状は似るね。
受賞した日ぐらいは幻覚とお喋りしてあげてもいいんじゃないかなーなんて
ちょっと思ってしまった。そんなに悪いことでもない気がしないでもない。
私だったらむしろ、自分で作り出したというキャラたちが、
どういう思考をしているのか詳しく会話してみたくもなってしまう。
しかし、現実だと信じていたものが全て虚構だったというのは悲劇だろうな。
自分を認める世界を表すパーチャーだったり、脳内友達チャーリー、
そして自分自身で認めるキッカケにもなった女の子だったり。


 ジョン・ナッシュの人生を支えた奥さんが何よりも凄いと思った。
ジェニファー・コネリーの眉毛には毎度注目してしまうが…
映画半分くらいの地点でようやく自然に見えてくるんだよね。変なの。
どんどん年老いていくナッシュと奥さんと、その他の人々。
脳内友達作っちゃったけど、ホントは歩み寄れた、友達になれた人がいたんだ、
老人になって図書館で生徒と戯れるナッシュを観て思わず微笑んでしまった。
精神病は大きなハンディだけど、それがあるがゆえにその頭脳もある。
ただ病院に入れてしまうよりも、個人の意志を尊重してあげる勇気。

そういう視点がウルッときた。ただ、泣くまではいかないけどね。
悪い作品じゃないんだけど、何かが足りないかもなーなんて思った。
そして私は数学大の苦手分野なので、数式とかワンサカ出てきてもサッパリだし
彼のノーベル賞とった功績も全然理解が及びません。
暗号解いてくのだって、観てれば数字が浮き出てくるの??と難解。


ピンクパンサー (2006/米) 93分




 怪優ピーター・セラーズがドジな警部、ジャック・クルーゾーに扮した
往年の人気シリーズを、スティーヴ・マーティン主演でリメイクしたドタバタ・コメディ。
共演にケヴィン・クライン、ジャン・レノ、ビヨンセ・ノウルズ。
特別出演でクライヴ・オーウェンも面白い役で出演している。
監督は「ジャスト・マリッジ」のショーン・レヴィ。

 フランス代表チームが中国代表に勝利した直後、
フランス代表を率いるイヴ・グルアン監督が試合会場で
何者かに殺される事件が発生し混乱の中、彼が身につけていた
高価なダイヤの指輪“ピンクパンサー”が消えてしまう。
捜査を指揮するドレイフェス警視は、ドジなクルーゾー警部を捜査に抜擢する。
そうして世間の注目を彼に集中させ、自分はのびのびと捜査を進めて
手柄を独り占めにしようという魂胆だったのだが…。

 ピンクパンサーは父が好きなので小さい頃、一緒にいくつか見てたけど
今じゃ全然記憶に残っていない。オープニングのピンクの豹は大好きだけど。
何年も経った今、思い切ってリメイクに振り切られたこの映画、
少なくとも、日本で劇場公開されても全然話題にはされませんでしたよね。
ギャグもあんまり笑えないって評判だったから、期待しないで、
ビヨンセが出てるしなーって理由でレンタルで拝見しました。
意外に…王道な笑いが多かったんだけど、笑えました。
スティーヴ・マーティンは今まで縁がなかったのでほとんどお初。
クルーゾー警部に付く相棒役のジャン・レノは髭が無いせいか印象変わった。
真面目な顔して変な行動取る所が見事にツボりました。
ビヨンセは相変わらずビヨンセ以外の何者にも見えず。歌も唄う。

 ドジなんだけど自覚がなくて、こうと決めたら突っ走る。
最後の最後、あまりにも決着のつけ方が簡単過ぎるのだけど、
それはそれでご愛嬌。あの音楽が聞こえてくるだけで高揚するのよね。
ピンクパンサーって宝石があまりにも玩具みたいで、
そしてサッカーの監督が普通に所有してるのがあまりに不自然だけど
こそらへん、コメディだから多めに見てあげるとして57点くらいかな。
久しぶりに旧作にも興味が出たので、今度見比べてみるとしよう。


ピンポン (2002/日) 114分








 いまや日本を代表する若手俳優の一人となった
「GO」「Laundry ランドリー」の窪塚洋介主演の青春スポーツ映画。
人気漫画家・松本大洋の同名原作を「GO」の宮藤官九郎が脚本化。
監督を務めるのはVFXプロデューサーも務める曽利文彦。
卓球に青春をかける高校生たちの栄光と挫折、そして友情を熱く爽やかに描く。
ハイ・スピードで展開する壮絶な卓球シーンを臨場感たっぷりに映像化。
共演者にもスマイル役にARATA、ドラゴン役に中村獅童、
チャイナ役にサム・リー、アクマ役に大倉孝二
タムラのオババ役に夏木マリ、小泉役に竹中直人。
警官役に松尾スズキ、大田キャプテン役に荒川良々、
津田寛治や山下真司、石野真子などもチョイ役で出演している。

 卓球をこよなく愛し、勝つことに絶対的な自信を持ちながら
天真爛漫で気分屋のペコと、“卓球は暇つぶし”と公言するクールなスマイル。
二人は幼なじみで、小さい頃から近所にある卓球場、タムラに通っていた。
高校生になった二人は共に片瀬高校卓球部に属していたものの
練習にはまともに参加しない毎日を送っていた。
そんな二人が対戦すると必ずペコが優位に立つ。
しかし、日本卓球界の星と期待された過去を持つ卓球部顧問・小泉は
スマイルの才能に目を付け、執拗に指導しようとする。
そんな彼らに、インターハイの試合が迫っていた…

 窪塚洋介の映画を初めて映画館で観たのがコレでした。
予備知識も入れず原作も読まず、鑑賞。
とりあえずクドカン節がアチコチに感じられて退屈なんてひとつもない。
劇中彼らの親は一切登場しない。実際高校生には見えないけど(笑)
原作も後からコミックス買って読んでみたら、こっちもユーモア満載。
最初はどう見てもギャグにしか見えなかったペコのおかっぱも、
そんなに気にならなくなりました。むしろ、格好いいとさえ。

 そして凄い大事なテーマを扱ってると思うんだよね。
夢を持つ者、追いかけた者なら誰しも共感できるもの。
才能という大きな壁、努力すればという信念。続けることの難しさ。
粉々に砕かれる自信とプライド。緊張と不安、恐れ…
夢破れて日本で再起を図ろうとしているチャイナ。
自分を殺してまでその地位を死守せんとするドラゴン。
絶え間ない努力で才能に勝ろうとするアクマ。
ペコとスマイルを含むこの5人がそれぞれ異なった者を指していて
誰でも誰かに自分を当てはめて見ることが出来ると思う。

 能天気で気分屋だったペコは思わぬ敗北で挫折する。
スマイルは決意する。「ペコ、先に行くよ」ここからが面白い。
メキメキと頭角を現していくスマイル。腑抜けるペコ。
ペコの復活には興奮したね〜テクノの音楽が卓球にマッチしていた。
湘南の海岸、夏、神社、予選会場、景色の撮り方も結構好きだな。
スマイルの夜に渡るまでのジョギングとかも好きなシーンのひとつ。
オババとペコの交流も微笑ましくてギャグ入ってて好きだ。

 小泉コーチ、オカマですか?ってくらい凄いキャラだったなぁ。
彼の過去話も涙をそそる…現実は厳しいもんです。
ドラゴンこと中村獅童がここからあそこまで大物になっていくとはね…
ツルツル坊主頭、眉毛無しは今となっては貴重なお姿か?
私が不覚にも一番涙してしまったのはアクマです。
「どこ見て歩けば褒めてくれんだよ?!どこ見て歩きゃよ!!」
切ない…切な過ぎるっ!!彼がペコを励ましてくれて、良い奴だなって思った。
そんな中、覚醒したペコは才能よりも何よりも、楽しむことですべてを越える。
チャイナの言葉がうまくまとめてくれていましたね。
感動して、心が打ち震えましたとも!「お帰り、ヒーロー」

こんなにスカッとした興奮を邦画で味わったのは初めてだったかも。
DVDも購入して、今や5人ともそれぞれ大好きなキャラです。
原作ファンの一部の方々はこの映画化には少々不満ありだそうですが
私にとっては正に甘く苦いスポコン青春映画として大満足の出来。
こんな素晴らしい作品に出会えたことに感謝したい!

 初回限定盤2枚組みの特典ディスクにはメイキングは勿論、
監督・脚本をクドカンが務めた大田キャプテン主役の「ティンポン」収録。
これがまた、結構切なかったり、えげつなかったり…笑えた。
他に予告編や記者会見、舞台挨拶やインタビューなど盛りだくさん。
実際に卓球やらせたら中村獅童が下手で困ってて、
大倉が結構いい線行ってたっていうんだから(笑)ギャップ考えちゃう。
卓球のフォームやら、丁寧に教えてくれる講座もありました。




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