管理人NEROが映画について語ります。

Caramel Cinema


オススメ映画 オススメ本 オススメ曲 プロフ ブログ BBS リンク メール
ヘアスプレー (2007/米) 116分














 歌とダンスとオシャレ満載のハッピーエンターテインメント!
本作のオリジナルは、奇才ジョン・ウォーターズ監督による
伝説のカルトムービー『ヘアスプレー』。
2002年、ブロードウェイでミュージカル化され“ヘアスプレー現象”と
呼ばれるほどの大ブームを巻き起こし、トニー賞8部門を受賞した。
この大ヒットミュージカルをアダム・シャンクマン監督が完全映画化。

 主役のおデブちゃんトレイシーを演じたニッキー・ブロンスキーは
1000人のオーディションから選ばれた新人。
トレイシーのママ、エドナに扮するのはジョン・トラボルタ。
ミュージカル映画は『グリース』以来29年ぶりである。
トレイシーのパパ、ウィルバーにはクリストファー・ウォーケン。
トレイシーの憧れる男の子リンクには
『ハイスクール・ミュージカル』で米ティーンの人気者になったザック・エフロン。
意地悪なテレビ局オーナー・ベルマ役にミッシェル・ファイファー、
ベルマの娘でトレイシーのライバルのアンバー役にブリタニー・スノウ。
コーニー・コリンズ・ショーの司会者をジェームズ・マーズデン、
ニグロ・デーの番組DJメイベルをクイーン・ラティファが演じる。
トレイシーの親友の女の子役にアマンダ・バインズ、
ダンスが上手い黒人の男の子シーウィード役にイライジャ・ケリー。
メイベルの娘でありシーウィードの妹でもあるアイネス役にテイラー・パークス。
Lサイズ洋服店の店長にジェリー・ステイラー(ベン・ステイラーの父)など。

 1962年、米メリーランド州ボルチモア。
ダンスとオシャレに夢中な16歳の女子高生トレーシーは、
ヘアスプレー企業提供の人気TV番組“コーニー・コリンズ・ショー”に出演し、
憧れのリンクと踊ることを夢見ていた。そしてある日、彼女は
母エドナの反対を押し切り、番組のオーディションに参加する。
しかし、その太めな体型から、番組の中心メンバーであるアンバーと
彼女の母で番組も仕切っているベルマに追い払われてしまう。
ところが一転、巡り巡って番組ホストの目に留まり、
レギュラー・メンバーに抜擢されたトレーシーは一躍注目の存在に。
だが、そんな彼女の成功が面白くないベルマとアンバー母娘は
様々なトラブルを仕掛け、ある時ついに大事件が発生する…。

 劇場鑑賞。始まった途端に楽しい。底抜けにワクワクした。
勝手に足がステップを踏みたくなる。一緒に踊りだしたくなる!
ストーリーは多少荒っぽいところもありますが、 あの空気にメロメロになりました。
ドリガーと似たような、黒人差別問題も扱っております。
というか物語の舞台が60年代だから、ダイアナ・ロスや
シュープリームスも活躍し出した頃ですからね。
人種、体格、人格、思想、そういったものをひっくるめて、
そういう差別や偏見なんてバカバカしい!クールに行こうぜ!
世の中、人生、楽しんだもの勝ち!そんなハジけたミュージカル映画です。

 主役の子は、日本で言う“ぽっちゃり系”を越えちゃう巨体ですが、
あの愛嬌ある笑顔とダンスでとっても魅力的です。
「ちょっとくらいデブでもいいや」と思ってしまうぽっちゃりさんが出そうです。
私も勘違いしそうになりました。危ない危ない。でも、違うんだよね…。
普通は周りの目を気にして、自己嫌悪に陥り、卑屈になっていって、
ムスッとした顔つきになってく人が多いのに、この子は朗らか。
こういう子は痩せても太ってても魅力的だから、女性として非常に羨ましいなぁ。
この子、痩せても美人になりそうだしさ。今後も仕事が来るのかな?

 主人公のママを演じるのはジョン・トラボルタ。
主人公をはるかに凌ぐ巨体の特殊メイクは凄いけど、手先は明らかに…ねぇ。
あんな血管通った逞しい手先は、本当のおデブさんにはありえませんて。
指も太るんだから!もう劇中、ママが何かするたびに
「あのトラボルタが…」と元の彼を思い出して噴出しそうでした。
主人公のパパを演じるのはクリストファー・ウォーケン。
シリアスな作品からギャグコメディまで何でも出てくる俳優さん。
彼とトラボルタのデュエット&ダンスは見物です!
太ってる姿を見られるのが嫌でひきこもりだったのねママ。
そんなママを勇気づけ、一緒にお出かけする娘。暖かい。
すっかり冷めきってると思っていたパパとの仲。不倫騒動で愛確認。
この夫婦再生物語も一見アッサリしているようで、
なかなか暖かいです。

 「ハイスクールミュージカル」で人気爆発中のザック・エフロン。
顔が何かひと昔前のスターっぽいと思うのは私だけ?
60年代の格好ということで、エルヴィスみたいな髪型で
伸びる歌声で魅せてくれます。主人公が恋焦がれる男の子リンク。
…でも若干、影が薄いような気も。他にも色々と面白いキャラが多いから。
彼が
映画当初はアンバーに指輪を贈るほど惚れていたのに、
トレイシーにメロメロになっちゃうくだりはちょっとご都合主義だよね。
写真を抱いて歌ってる彼は、何故だか滑稽で笑えるのでした

へアスプレー会社提供の人気番組のホストを演じるのジェームズ・マーズデン。
彼はね…「君に読む物語」では主人公の想い人の婚約者、
「スーパーマン・リターンズ」でも主人公の想い人の夫、
「X-MEN」に至っては原作では主人公なはずなのに、主役の座を
ウルヴァリンに取られて、さらにウルの想い人の恋人役という、
何か非常に残念賞?な役柄が多かったんですが…
ここでは眩しいばかりの笑顔で唄って踊って司会して、
最高に輝いてて惚れちゃったぜ。私的にはリンクより彼が好みだ。
「熱い熱い!」「いいねぇそのノリ!」みたいなジェスチャーが最高(笑)
そして「シカゴ」のビッグママ、ここでもビッグママなクイーン・ラティファ。
彼女も最高でした。黒人の人種差別に主人公と共に立ち向かうリーダー。
今すぐには変わらない。でもいつかは変わる。だから今始めよう
たしかこんなセリフだったかな…名言が飛び出します。
アイネスがミス・ヘアスプレーになっちゃったのはちょっと意外。
他、いじわるブロンド母娘の母役にミッシェル・ファイファー。
まだまだ若いね…ホント絵に書いたような意地悪おばさん。
アンバーはちょっと天然入ってて、根っから悪い子じゃないみたいだよね。

 また観に行きたいです。友達誘って2回目行こうかなぁ。
映画が終わって、「さぁてもう一回見るか!」って思っちゃいました。
冷静に物語を分析してみると、あそこは中だるみしちゃったなぁ…とか、
(主人公とあのムードが途中で何か影が薄くなっちゃうし)
「楽しい」だけが残る映画みたいな印象もあるし、
よくよく掘り下げれば何か隠れた問題定義があるかも…な作品でした。
観る人を幸せな気持ちにさせてくれるカラフルで楽しい映画☆91点。
…オリジナル版映画のDVDがプレミア価格でビックリだね。廉価版待とう。


ペイチェック 消された記憶 (2003/米) 118分




 「マイノリティ・リポート」の原作者フィリップ・K・ディックの短編小説を
「M:I−2」「フェイス/オフ」のジョン・ウー監督が映画化。
出演は「デアデビル」のベン・アフレックと「キル・ビル」のユマ・サーマン。

 時は近未来。フリーのコンピュータ・エンジニア、マイケルは
ハイテク企業と短期契約を結び、極秘プロジェクトに参加し高い報酬を得ていた。
ただし、契約により参加期間の記憶を消されることが条件だった。
そんなある日、彼はビッグ・プロジェクトに携わった巨大企業のオールコム社から
9200万ドルの破格報酬を提示される。その代償は3年間の記憶。
しかし、契約終了後に多額の報酬の権利を自らが放棄したらしく、代わりに
ガラクタとしか思えない19個のばらばらなアイテムが入った封筒を手渡された。
警察に拘束され、オールコム社から命を狙われることになったマイケル。
何らかの陰謀に巻き込まれたと察した彼は、記憶を失う前の自分が
現在の自分の為に残した何かのメッセージと、そのガラクタのような私物が
危機を回避する重要なキーアイテムであることを悟っていくのだった…。

 評判がイマイチだったので、今まで観てなかったんだけど、凄く面白かった。
ジョン・ウーのアクションに面白いサスペンス要素が加わってて、
大根役者の代名詞となってるベン・アフレックは、それなりに許せるし
闘うヒロインとしてユマ・サーマンだもんね。この映画での彼女は美しくないけど。
何の役に立つのか判らないアイテムの使い道が判るたんびにワクワクした。
なるほどね〜伏線が張り巡らされていて、それが上手い具合に繋がっていく。
逃走劇のアクションと緊迫感、自分の消された過去の謎を追うサスペンス要素が
見事に映画を盛り立てていて、終わり方も凄く清々しかった。

 鳩が飛び出した時、あぁ、ジョン・ウーだった!って思い出した。
主役のオファーは最初、マッド・デイモンにあったそうな。
それで、マッドがベンを推薦。この二人はホントに仲良しなんだな。
近未来SFだけど、監督はSF嫌いらしく、世界観は現実に近い。
未来を知った結果、人類が滅びの道を辿る、とかさりげにテーマが深い。
未来を知ってしまったら、それはもう未来ではない。良いフレーズだ。
必ずといっていい程、ああいう誤解を受けて警察に追われる映画とかって
警察側にも一人は理解者というか、擁護派が出来るよね。
人類を救うだけのお人好しか?って思ったらやってくれちゃったよマイケル。
幸せいっぱいの2人+1人?が凄く微笑ましかった。
もうひとつのエンディングは全然良くない。質入れた指輪持ってこられてもねぇ。

インコが出てくるだけで、鳥好きな私は心が和んでしまった。
観終わった後、ニンマリできるアクション娯楽映画でした。


べオウルフ/呪われし勇者 (2007/米) 114分






 英文学最古の文献のひとつとされる英雄ベオウルフの冒険物語を基に、
オスカー監督ロバート・ゼメキスが、「ポーラー・エクスプレス」に続いて
最新のパフォーマンス・キャプチャー技術を駆使して、
実写とCGを融合させた革新的な映像で幻想的世界を壮大に描く。
主演は「ディパーテッド」「キング・アーサー」のレイ・ウィンストン、
共演にアンジェリーナ・ジョリー、アンソニー・ホプキンス、ジョン・マルコビッチ。

 古代デンマーク。戦士ベオウルフは、時の王フロースガールの命によって、
人々を襲い続ける呪われし巨人グレンデルの討伐に立ち上がる。
そして激戦の末、グレンデルを見事に打ち負かすのだった。
しかし、平安が訪れたのも束の間、ベオウルフの部下たちが皆殺しにされる。
それは、魔性なグレンデルの母による仕業だった。
ベオウルフは仇を討とうと怪物の住む洞窟へ足を踏み入れるが…

 まず、TV宣伝とかポスターの段階では分からなかったんですが
映画が始まってビックリ。これフルCG作品だったんですね。
アンジェリーナの全裸が合成だって噂は聞いてたけど。不自然不自然。
ちょっとリアルさを頑張ったシュレックの人間みたいなの。
服が身体にベタッとしてて動き方も不自然そのもの。
でも、たまーに気合入れて作ってるらしいシーンでは、限りなく実写に近かったり。
特にジョリー様の顔とかは限りなくリアルに近かったかな
しかし、王妃の顔とかメチャクチャ不自然です。
私のアンソニー・ホプキンスをどうしてくれる!バッカスみたいな演出要るの?
ジョン・マルコビッチも最初誰だか判らなかった。いつ裏切るのか期待した。

 元ネタは北欧神話の古いお話らしいですね。
この映画ではそれに新たな解釈を加えて、かなりストーリーを追加したみたいです。
しかしね、
フルチンで怪物と闘ってフルンティングって名剣を手に入れたり、
ドラゴンとの戦いでアレが*に刺さりそうになったり真面目なシーンに笑いが。
いざ怪物と戦うぞって時に王妃に惜しげもなく披露する全裸。
巨乳のテーブル拭きとか何を狙ってんのかと。
スケベな部下がやられそうな時、べオウルフが間合いを見計らっていて、
間一髪助けるのか?!と思ったら見事に殺されてから突撃!w
いかにして股間を映さずに戦うか…いろんなものでカモフラージュ☆
剣や煙、障害物で隠される分、そこに視線が集中してしまう。
グレンデルは怖いっていうか、出来損ないで可哀想な印象すら受けた。
王妃が竪琴を奏でるシーンで、てっきりこれなら気に入るのかと思ったら、
これも「うるさーい!」で笑った。気の毒な耳だ。
名剣とやらはアッサリ溶かされちゃったわけだが(萎えるという表現が正しいか?!)
もし誘惑に負けなくても、ジョリー様をどうやったら退治できるんだろうね。
グレンデルはきちんと父親には手を出さなかったが、
ドラゴンは思いっきりべオウルフを殺しにかかっていましたね。しかも弱点狙いで。
最初のうちにご丁寧にドラゴンの弱点講座があったのは凄い前フリですね。
ラストは…やっぱりウィーグラフも誘惑に負けて王になるのか。
因果は巡る…でも、契約を交わしたら自分の人間の子供も持てなくなるって
知っていたら契約しなかっただろうなぁべオウルフも。夫婦仲も冷え切ってしまうし。


 いつか将来、役者が要らない時代が来る?とは思いませんが
これに至っては、実写じゃ不可能なアクションシーンもあって
ま、面白い試みだったんじゃないかなと。
でも宣伝材料に使われてたロード・オブ・ザ・リングや
300(スリーハンドレット)には遠く及ばないですけど。
3Dで見るからこそ価値があるそうなんですが、地元では上映してませんでした。
ネタ気分で観に行くって人くらいにしか勧められないなコレ。
個人的総合得点は…40点ってとこかな?
やはり「300」みたいに俳優とCGを見事にコラボさせるべきじゃないかなと。


ベクシル 2077 日本鎖国 (2007/日) 109分




 『ピンポン』、『アップルシード』などで知られる曽利文彦監督作品。
21世紀初頭、バイオテクノロジーの驚異的なロボット産業が発展を遂げ、
日本は市場を独占してしまう。国連は日本を国際協定で規定しようとするが
日本は自ら国連を脱退、ハイテク鎖国に突入する。
その後10年、日本と日本人を観た者はいない。
衛星からも完璧にガードされた日本に、アメリカの特殊部隊“SWORD”は
日本を動かす巨大企業“大和重鋼”の陰謀を掴む為、日本に潜入する。
そこで女兵士べクシルが観た日本とは…

 声優には俳優を起用。主役ベクシルには黒木メイサ、
隊長のレオンには谷原章介。鎖国日本の反政府軍のマリアには松雪泰子。
声優の大塚明夫、櫻井考宏、森川智之らも脇を固める。

 適当に試写会にいっぱい応募したらコレに当たって観てきました。
こういうCGは正直苦手かなぁ…ゲームのイベントシーンを繋いだような。
ストーリー的にも革命的なもんはなかった気がする。
勿論、内容よりも映像重視で鑑賞に臨んだわけですが…それでも落第点。
何よりもキャラの表情が硬すぎて、無感情に見えてしまうんだよね。
スタイルも何か微妙にポリゴンチックで動きが不自然。
ロボットとか好きな人はそういう造型でも楽しめるのかな?
別に格好いいデザインだとは思わなかったんだけど。

 
アメリカの未来都市での暮らしの描写をもっと見ていたかった。
レオン、日本に着いてからその後、何も出来てないっていう。不甲斐ない。
“不死”のテーマももう飽きてしまったな。あの社長バカじゃん。
実験台にするにしても、徐々にやればいいものを、
いきなり日本全国民にサンプル投与しちゃって全土砂漠にしちゃうとはね。
にしても生態を徐々に機械化してくなんてそんなウィルス有ですか。
食事をする楽しみも疲れや痛み、快感も生を実感する大事な要素でしょうが。
ケーブルのシーンはスピード感あったけど、板倉さん、何で二度手間よ。
ルードもどき、あのタイミングでボスに刃向かうかい。
「マリアは私に大切なことを教えてくれた…」とか歯の浮く臭いセリフいらん!

タダ観だからそんなに腹は立たないけど、かなりの地雷映画でした。
余程の覚悟をして観に行って下さい。私は二度とは観ないでしょう。8点。


ベティ・ブルー/インテグラル 完全版 (1992/仏) 185分




 86年に公開された「ベティ・ブルー/愛と激情の日々」の完全版。
121分あった作品に未公開シーンを加え大幅に物語の筋が変わり、
オリジナル版のファンからはすこぶる評判が悪い。
監督・製作ジャン=ジャック・ベネックス。

 海沿いのバンガローで小説を書きながら塗装業をしている青年ゾーグは、
セクシーな少女ベティ・ブルーと同棲し、愛欲に溺れ自堕落な日々を送っていた。
上司から仕事を頼まれベティがプッツンしたのをきっかけに引越し、
パリの友人宅に転がり込む。ゾーグの小説家としての才能を
信じてやまないベティは熱心に彼の処女作を印刷し雑誌社に投稿。
平和な日々も束の間、ゾーグとベティは互いを愛するが故に奔走してゆく…。

 完全版は評判悪いけど、レンタルDVDがこれしかなかったので。
凄い女だわ…ベティ。私が男の立場だったらリタイアしてます。情けないかな?
こういう女性と交際してたら一週間に1回くらいは爆発するの慣れなきゃな。
愛がいくらあっても、金がいくらあっても情緒不安定な女。
この映画が大好きだっていう女性は気持ちが理解出来るのかなぁ?
完全版なだけに、長かった…心に変なものが溜まっていく感覚。
2人のために世界はあるの!って感じで人様の迷惑お構いなしな2人。
だから常識を重んじる私としてはちょっとゲンナリしてしまう。

 
「たまには働け!」「はいよ〜ベティも手伝えってさ」
最初は楽しんでたものの、プッツン。家の中のもの全部投げ落とす。
愛の逃避行とばかりに勝手に借家バンガロー燃やして去る。
友達の店で働かせてもらって客相手にあそこまでブチ切れるベティ。
そんな彼女をたしなめるどころか、陰でコソコソ悪戯ゾーグ。
小説が貶されて編集者の家に押しかけ暴行。
妊娠して大喜びするものの違って乱心。子供誘拐。自傷。
狂おしいほどの愛ゆえにってことなんだけど、精神病じゃないかね?
ゾーグが小説家として成功しないからとても苦しんでるとか
彼のことを深く想うが故なんだろうけど、ゾーグだって彼女の為に
心労がたまることもしてるし女装して強盗まで…(強盗の流れは面白かった)
誕生日に特別な演出をしたり、土地を買ったり(車も盗んで使っちゃってる)
色んなことして彼女を喜ばせようとするんだけど
喜びも束の間、少しの負で彼女はドン底に沈む。
愛し合っていて浮気もないのに破滅にしか向かえないのだろうか。

満足しない女に、それでも健気につくす男、って構図に思えたのだが
健気につくして自分を傷つけまくってる女とも取れる。ん〜謎だ。
「これ、いいな」とは言えないし他人にもお勧めできない映画だけど
見た後はちょっと色々悩ませるものがある。でも2回目はキツイ。
見る時期によって最高にも最低にもなるタイプの映画なのかな。


ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ (2001/米) 92分


 ブロード・ウェイで上演されたちまちロングヒットとなったロック・ミュージカル
舞台と同じジョン・キャメロン・ミッチェルが監督・脚本・主演で映画化。
性転換手術を受け、ロック・シンガーとして活動する
ヘドウィグの波乱万丈の半生を描く。

 冷戦時代の東ドイツで生まれ母の手ひとつで育った主人公。
青年時代に男同士で恋に落ち、当時ベルリンの壁で閉鎖国家であった故郷から
出るため、性転換手術を受け、ミスでちょっとだけ股間の物体が残る。
渡米したものの、彼氏には結局捨てられバンド結成をした矢先
同じ夢を追い求めるトニーと出逢う。彼を深く愛するヘドウィグだったが…

 DVDジャケットが凄いのなんのって。ドラッグクイーンの映画かと思ってた。
主にライブで歌う映像が満載で、それぞれがオリジナルの曲なので新鮮。
映画の為だけに作られた曲とかは、有名歌手とかじゃない限りは
大抵はずれだと思っていたけど、これは快く聴ける代物だった。

筋肉もついてて、最初はオカマってまるわかりな気がしたんだけど、
いろんな髪型、いろんな服装、いろんな格好で出てくる彼を観てると、
本当に美しい。綺麗だと思った。
彼は自分の作った楽曲を恋人であるロッカーに使われ、
その恋人は今や人気のアーティスト。
ヘドウィグはツアーで彼のあとを追い…

 どんなどんでん返しが?とか どんな形で復讐するのかな?って
思ってたんだけど、これが意外でした。
ヘドウィグは彼に与えた。それとは少し異なるが、彼もヘドウィグに…

 なんか、切ない気分になる映像効果とかが凄いなと思った。
「愛の起源」っていう曲は名曲かもしれない。
ちなみにこの映画、ロングランで大ヒットしたとか…
「プリシラ」よりも勢いがあって、パパッと観れた映画でした。
映画ならではの魅力が出た作品だと思う。
これは、小説にしたら駄作だし、漫画で表しても伝わらないものですね。

 これとはあまり関係ないかもしれないけど、
やはり、愛情って欲しがるだけじゃダメだし与えるだけでもダメなんだよね。
相互に支え合わないと、ただの毒かもしれない。麻薬のようなものかも。
一度、愛されることを知ると、それなしで生きれた頃には戻れない…
人はつくづく弱くできている。だけど心は強くなれるはず…


ヘラクレス (1997/米) 90分


 ディズニーアニメ。「アラジン」製作スタッフがギリシャ神話を元に映画化。
天界を統治する全知全能の神ゼウスに息子が生まれた。ヘラクレスだ。
影で天界を乗っ取る計画を進める冥界の支配者ゼウスの弟ハデスは
ヘラクレスを人間に変え、地上へ落としてしまう。
人間として不自然な馬鹿力を持ったヘラクレスは自分の居場所を捜していた…
育ての両親から自分の出生の秘密を知ったヘラクレスは
ヒーローとして認められ、天界で神の仲間入りをすべくフィルに弟子入りする

 あんまり評価されてないみたいだけど、私はこれがお気に入り。
ディズニー吹き替え派の私としては
少年時代のヘラクレスのへタレ声には唖然だが
一応、青年ヘラクレスのTOKIO松岡はいい味出してたと思う。
そして工藤静香!メグの変な口調は笑えた。
あとハデス!!嶋田久作凄いよ。格好いいよそのローテンション
吹き替え声優の面白さも大いに手伝って私は大好きなのかもしれない。

 ギリシャ神話は小学校の頃から愛読してたからよく知ってる。
一説にはヘラクレスは天界の暴れ者で毛嫌いされて地上に落とされたとか
ゼウスの妻ヘラが嫌ったとか(ヘラの息子じゃないんだよ!)
それで地上の多くの怪物たちを倒すことになった論が多い。
ギリシャ神話は様々な解釈があって、だから面白い。
今回のちょっとお子様向けだけど、こういう単純解釈も悪くない。

 ムキムキマッチョのヘラクレスは好みじゃないが
初めての恋に胸ときめかせたりメグを救おうとしたり…そういうのはたまらん
英雄を育てることが夢のフィルと阿呆なペガサス。
アルゴ船やペルセウス、アキレスの話もちょっと出てきたし
ゴスペル女たちやゼロがヒーローに早代わり♪の歌も好き。
あまり紹介されなかったけどオリンポスの他の神々も出てきた。

 エンディングの日本語版では藤井フミヤが歌う
「Go the Distance」もお気に入り。よくカラオケで歌ったなぁ〜



ヘルボーイ (2004/米) 132分




 悪魔の子“ヘルボーイ”が主人公のアメコミを映画化。
主演は「ロスト・チルドレン」「エイリアン4」のロン・パールマン。
共演にセルマ・ブレア、ジョン・ハート。
 第二次世界大戦末期、ナチスは妖僧ラスプーチンと手を組み
冥界から邪悪な存在を召喚しようとしていた。
計画が実行される直前にアメリカ軍の奇襲によって阻止され
ラスプーチンは冥界に飲み込まれる。
それと引き換えに人間界に紛れ込んだ頭に角が生えた赤鬼の赤ん坊
彼を引き取った超常現象学者のブルーム教授は
彼に“ヘルボーイ”と名前を付け育てる。
時代は現代に移り、生き残った配下の手によってラスプーチンが蘇えり…

 異形のヒーローは色々いますが、これは新鮮でしたね。
ヘルボーイは頭がもう退廃しかかってる見た目がおっさんなんですもん!
しかもおでこのでっかい角の根元…あり得ないあの太さ笑
出てきたばかりの赤ん坊が思春期も通り越して30年後が舞台なんて…
でも彼の精神年齢は低そうですがね。
ぶきっちょで要領悪いし友好的じゃないが根はいい奴なキャラ。
教授が結成した超常現象調査防衛部に所属して
必要な時に呼ばれて戦うわけ。

 仲間の魚人が凄い。何故に腐った卵が好きなのか。
過去を読み取ったり知識は豊富そうだが実戦向きじゃないのね。
それにあの首のやつがないと外界で暮らせないみたいだし。
あの組織に来るまでどうやって過ごしてこれたんだ!
もうちょっと出番が欲しい所だがウルトラマンの親戚みたいな顔に好感。

 厄介な能力を持ち悩む女性リズ。
発火能力がある程度操れるものと思いきや
土壇場になってあの発動方法は驚きだね。
そしてあれのせいで後からあんな展開になっちゃうし。
彼女に入れ込むヘルボーイは可愛い。

 要するにこういう映画は物語よりもキャラを楽しむ系だと思う。
最初の戦闘に出てきたあの怪物、出すぎてうざい。
ヴァンヘルシングといい、敵を鮮やかに倒せない主人公はいかがなものか。
プロフェッショナルなんだし、最初くらい格好良く倒して
ヘルボーイがどの程度の強さなのか見せ付けておくべきかも。
苦戦していくのは物語が進むにつれ強敵が出てこればいい。
恋愛要素もありでテンポはあまりよくない。戦闘の見せ方も派手さは無い。
捜査官がいっぱい犠牲になり過ぎで可哀想。

 私が一番気に入ったキャラは何といっても
ナチスの殺し屋ゼンマイ仕掛けの仮面男、クロエネン。
素顔が凄い!しレコード聴いてるシーンが滑稽で笑った。
戦い方が鮮やかだった。ああいうキャラはツボです。
ラスプーチンは悪の親玉役としては力不足。
ラスボスとの戦いもイマイチんな盛り上がりだったし。

 これは軽い気分で観れば楽しめる作品だと思う。
新米捜査官君は耐熱仕様じゃないので彼女は諦めなさい!
エンディング後に置き去り上官が出てきます。


ベルリン、僕らの革命 (2004/独・オーストリア) 126分





 革命思想に燃える男2人女1人が主人公の青春映画。
現代ドイツの社会を背景に、革命とは何か?大人と若者の溝、青春の葛藤を描く。
監督は今作が二作目となるハンス・ワインガルドナー。
主演のヤン役に『グッバイ、レーニン!』のダニエル・ブリューエル。
ヤンの15年来の親友ピーター役にスタイプ・エルツレッグ。
二人の間で揺れる女性ユール役にユリア・イェンチ。
富豪のハーデンベルグ役にブルクハルト・クラウスナー。
ドイツ映画としては11年ぶりにカンヌ映画祭に正式出典され、大喝采を浴びた。

 ヤンと親友ピーターは、夜な夜な豪邸をチェックし、留守中に忍び込んで
家具などをいじってメモを残す。金品は一切盗まない。
“贅沢は終わりだ。エデュケーターズ(教育者)”とメモを残す反体制活動をしていた。
ピーターが旅行に出かけている間に、ピーターの彼女のユールと親しくなったヤンは
ユールの境遇に同情し、ついついエデュケーターズのことを喋ってしまう。
私怨のある豪邸をたまたま見つけたユールは悪ノリして、ヤンを誘って
屋敷に忍び込んでしまう。そこで好き放題鬱憤を晴らすが…。

 ドイツ映画はあんまり観たことないので新鮮でした。ドイツ語。
左翼思想というか、赤軍派というか…日本にも通じるテーマではあると思う。
貧富の差に憤り、表向きは不買運動などをしている3人が事件を起こす。
あの子がケータイ忘れたり、色々と足ひっぱるのでちょっとイライラした。
友情にヒビが入ってしまうのも、痛々しくて観てられない。ピーター哀れ。
顔を知られてしまったことから、金持ちの中年を誘拐してしまうのだが、
ここからどうしても暗い展開になってしまいそうでハラハラした。
オヤジは幸いにも殺されず、アルプスの山々で活き活きし出す。
自分もかつては活動家だった、年をとると保守的になり、思想は変わる。
若者だからこそ、持てる情熱というヤツ。多くの先人達は結局変革できずに終わる。
財産を捨てようと思うとか言い出した辺り、今そこに居るから言える事だと思った。
家に帰ってくれば、その気なんてなくなる。勿論、寄付云々もね。それが人間。
それでも、逃げれる時に逃げずに、飄々と生活に溶け込んで仲良くなった
あのオヤジには、凄く親しみ感じたし、自分が若者の立場だったら
やはり通報を充分承知で、もう釈放する気になってしまうだろうな。
オヤジはオヤジで、心情は違うけど、やはり通報する。これが現実。
オヤジの立場からしたら、そりゃ自分で働いてここまで築いただけなんだから、
金で物買って、収入に見合う暮らしして何が悪いんだ!って思うのも無理ない。

でも、人生の選び方次第で勝ち組負け組になるとかそういう単純なもんでもない。
若者3人は、自分たちが負け組側だから、活動家になったと言い切れなくない。
世界中の皆が豪邸を持って豊かな暮らしが出来るなんてコトは絶対ないわけで。
バランスの為にも、貧富の差は決して無くならない。ユートピアはあくまで理想。
だけど、理想通りとはいかなくても、その理想に近づくことぐらいは可能かな?
映画はちょっと洒落た終わり方で、「
何も変われないか…」と考え込んだ。

 “僕らの”革命ってところが、重要だね。資本主義を否定しているけど、
別に彼らにそれ以上に良くなる解決策があるわけじゃない。
現状に満足してないから反発しているだけの、若さ故の行動だから。
革命には、思想と行動力と、その後の新しい改革案が必要だと思うんだよね。
いつの時代も、若者が反発して、老人たちは保守派に回る。
そのサイクルが少しづつ世界を変えていくと監督は言っている。
でも、最近は革命思想自体が衰えていっている。とも。
こんなこと言ってる私も、金に困ったら偉そうなこと言ってられなくなるのかな。
金持ちになったら、その“人間性”を真っ向から否定してしまっているのかも。
ハレルヤとか音楽もいいテイスト。切なさややりきれなさを倍増させた。
なかなか深いテーマで、山々の自然とかもいい味出してました。結構オススメ。


変身 (2005/日) 108分




 人気ミステリー作家・東野圭吾の同名小説を映画化したミステリー。
主演は「雨鱒の川」の玉木宏と「花とアリス」の蒼井優。
共演に佐田真由美、山下徹大、松田悟志、釈由美子。
監督は「ジュブナイル」の助監督や「ウルトラマンメビウス」の監督・佐野智樹。

 病院のベッドで目覚めた青年・成瀬純一。
事態が飲み込めなかったが、後に自分が銃弾を受け、
脳に損傷を負い、他人の脳の一部を移植されたことを知る。
工場で働き、恋人の絵を描き、幸せな暮らしを送っていた純一。
退院し、恋人の葉村恵と再会した純一は元の生活に戻ろうとするが…

 深夜放送で拝見。玉木宏も蒼井優も東野圭吾の小説も好きだしな…
しかし、これは救いようがない。超駄作。原作は知らないけど、
小説は確実に出来が良いそうだ。いつか読んでみようか。
「変身」ってどうしてもカフカの小説の方が浮かぶなぁ。
じゃあ、ダメな点、疑問点を羅列していってみようか。
・他人の人格に支配されていく設定はまだしも、何であそこまでキレ易いのか。
脳の提供者は犯罪者だが、心底悪人ではないし、殺人狂でもないのに。
・恋人を抱く気になれず追い出し、美人医師と関係を持つまではまだいいが、
あの流れは強引過ぎる。意味が判らない。早速裏切ってますw
・その美人医師と復讐に来る輩の関係性が全然描写不足。
・犯人の双子の妹役。釈由美子があり得ん程、ブサイクに撮れてるのは何故?
・普通の流れでいったら、犯人の無念が晴れていないから暴走してる?
と考えて不動産屋の社長に復讐をすると思ったんだけどな…
・そもそも脳の部分的には純一の方が占める割合大きいのに何故支配される?
影響を受けて別人格の片鱗が見えるなら判るけど消えてくって何でよ。
・初の脳移植成功で実験体扱いを受けているが、
ピアノ弾く少女のシーン、付いてきた女助手監視してねぇw何しに来たんだ。
・ラストの自殺シーン、泣かせ演出が酷くてゲンナリ。伸ばし過ぎ。
・興味津々なあの医者、結局暗転した部屋で固まったまんま??

 最初のぎこちない出会いとかは微笑ましく見れたんだけどなぁ。
純一が絵じゃなくて音楽に興味があるのが発覚していくシーンで、
純一が徐々に千秋先輩になっていったら面白いのに…なんてw
最終的に完成した絵が綺麗だったので、まぁ…10点てとこですかね。
時間の無駄、俳優の無駄、全くもっていいとこなしでした。
人物描写を丁寧に、終わりの持っていき方を変えれば良作になったのかな。



このページのトップへ戻る








  

 
  

数字
ジャンル別
SF
近未来SF
ファンタジー
アクション
パニック
バイオレンス
アメコミ
アドベンチャー
サスペンス
スリラー
ミステリー
ホラー
モンスター
ラブストーリー
ロマンス
ヒューマン
ロードムービー
青春
スポーツ
ドキュメント
サクセス・ストーリー
コメディ
おバカムービー
ラブコメ
プリティ・ピンクシリーズ
歴史
文芸
戦争映画
時代劇
オムニバス
ミュージカル
テレビ・ドラマ
アニメ
その他
トップページ
SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送