管理人NEROが映画について語ります。

Caramel Cinema


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遊びの時間は終わらない (1991/日) 111分


 郁井邦彦原作の小説新潮新人賞受賞作を映画化。
監督は、後に難破金融堂ミナミの帝王シリーズを繰り出す萩庭貞明。
主演の本木雅弘はこの映画で狂気的演技で新境地を開く。
他、石橋蓮司、原田大二郎、斉藤晴彦、伊藤真美、甲元雅裕、萩原流行。
あと妙に西川きよし似の人がいると思ったら息子ですか。西川忠志。

 町おこしの一貫として、銀行と警察の合同強盗訓練を変わった趣向で開始。
それは犯人役の行動は筋書きなし、互いに臨機応変、対応すること。
犯人役として選ばれたのは、融通の利かない生真面目な警察官。
約3分で終了するかに思えた訓練が一転、犯人役は銀行に立て篭もり、
マスコミや野次馬を呼び寄せ、静かな町は大騒ぎに。
上司に無断で訓練を考案し実行してしまった警察署長は大弱り。

 レンタルコーナーに紹介文があって、ネットでも妙に評判良かったから借りた。
モックンは凄くいい演技をするんですよ。うん。好きです。
内容はドタバタ・サスペンスコメディー。
三谷幸喜作品が好きな人ならこれも好きそう。
犯人になりきった巡査と、事件を解決することにメンツをかける警察の戦い。
訓練終わりー!と言ってしまえばいいものを、意地になるのです。
おもちゃの銃と紙切れの札束で、いい大人が強盗ごっこ状態に。
なるほど、このタイトルは申し分なく映画に似合っているんだな。
萩原流行が役者として仕事してるの見るの久しぶりでした。
最近はすっかりバラエティ番組のタレントだもんな〜。

 モックンはつくづく男前やね〜あの髪型も、凄く似合ってる。声もイイ!
とても1991年の作品とは思えない、今でも通じる映画かもしれない。
若干、女性たちが古臭い顔をしているのを除けば…笑
「拘束済」や「死亡」、「レイプ」など文字を書いたプラカードひとつで
人を行動不能にしてしまい、玩具の銃で仮死者続出。誰も手が出せない!
だけど、他の人たちもマジになって“遊び”のルールにのっとって
平田巡査演じる犯人を何とか逮捕しようと躍起になるのです。
何処まで行くの?ってスタフロール始まって呆気にとられたけども…
そうだよね、“終わらない”んだもんね…そうですか…
巡査はあれから空港行って5億円要求したんでしょうか…海外逃亡まで…
現実的に言ってしまえば、ホントの事件でも強行突入しちゃうんだろうな。あは。

面白かったんだけど、つき合わされてる銀行員たちの疲れや怒りを考えると…
辛いぞ、あれは。お腹も減ったろうし。赤ん坊はオムツ替えたりミルクあげなきゃ。
「巡査の平田君に質問」『何ですか?』ってあっけらかんとするシーンが好き。


イン・ザ・プール (2005/日) 101分




 深刻な悩みを抱え相談に訪れた患者たちを、毎回珍妙な診療で
振り回し治療してしまう“トンデモ精神科医”伊良部一郎を主人公にした
人気作家奥田英朗の同名連作短編集を映画化した痛快コメディ。
主演はマルチに活躍を続ける劇団・大人計画の松尾スズキ。
監督は、構成作家などで知られる三木聡。
訪れる患者たちに、それぞれ
オダギリジョー:田口哲也(継続性勃起症) 職業は営業課のリーマン
市川実和子:岩村涼美(脅迫症) 職業はフリーライター
田辺誠一:大森和雄(プール依存症) 職業は大手商社マン
トンデモ精神科医の助手、お色気ナース役にMAIKO。
他、森本レオ、きたろう、ふせえり、岩松了、三谷昇など。

 DVD発売当初から気になってた作品。
観ても全く期待を裏切らない、素晴らしい邦画独特のとんでもコメディ!
「恋の門」は勿論、「下妻物語」とかそれ系好きな人なら楽しめるでしょう。
ぶっこわれた笑いや、マニアックなツボ、何か知らんけど笑える間などなど。
オダギリジョーは「SHINOBI」では散々だったけどここではいい演技してます。
ここ3日間、ずっと勃起しっぱなしなんです…なんて恥ずかしい病気も、
オダギリジョーが演ってるから不思議と興味が(オイ)それに何故か爽やか。
市川実和子演じる女性も、凄く心配性っぽさが出てて良かった。ハマリ役。
この脅迫症、外出する時、ガスの元栓締めたかな?鍵閉めたかな?とか
やたらと不安になって何回も確認しに戻ってしまったりする病気。
Daiがこれなんだけど、少し過剰とはいえ一人暮らしとかなら判らないでもない。
編集長役のふせえりもハマリ役。ああいう人ってあったかい…しオモロイ
プール依存症の方は実際に絡み少ないんだけど。これも病気か?
ランナーズ・ハイみたいなものだよね。水泳長時間で起こる快感って。

 何よりも松尾スズキの変な医者がツボでツボで…
素早い早口で結構妙なこと口走ったりするから。笑いセンスが絶妙。
どうみても変態オッサンなのに、ああいう人とお付き合いしてみたいかもなんて。
冒頭から惹き付けるオープニングから始まり、すべてが退屈とは無縁。
ワクワクして、笑って、あっという間にエンディングを迎えていました。
これはホントに面白かった!もうすでに3回も観てしまったという。
頭カラッポにして観て、登場人物たちに感情移入して観て…楽しいです。
邦画はスケール感では見劣りするけど、たまにこういう傑作見つけるからイイ。


UDON (2006/日) 134分








 「踊る大捜査線」シリーズの亀山千広プロデューサーと本広克行監督が、
“讃岐うどん”をめぐって繰り広げられる人生模様を描いたハートフル・ムービー。
主演は「交渉人 真下正義」のユースケ・サンタマリア。
ヒロイン役に「ココリコミラクルタイプ」でお馴染み小西真奈美。
他、ウルフルズのトータス松本や鈴木京香、小日向文世、升毅、要潤、
木場勝己、江守徹、他、フジテレビジョンの「とくダネ!」の3人や女子アナ等々。
香川県出身のタレントも出演してる模様。とりあえずナンチャン発見。

 讃岐うどんの国、香川県でうどん職人の息子として生まれた松井香助は、
世界中の人間を笑わせると大見栄切って家を飛び出しニューヨークへと渡った。
しかしスタンダップコメディアンへの道のりは厳しく、夢半ばで挫折し、
あちこちで作った借金を背負ってトボトボ帰郷することに。
そして、友人の紹介で地元のタウン誌で働き始めた香助はふとしたことから
うどんをテーマにしたコラムを開始。すると、これが大反響を呼び、
ついには日本中を巻き込む一大うどんブームへと発展していくのだが…。

 家族で映画館に行って鑑賞。ハッキリ言って凄く乗り気じゃなかった。
踊るシリーズは観てないし、これから先も観る気は起きないし、
ユースケサンタマリアが主役って…全然興味沸かない。うどんは好きだけど。
良くも悪くもフジテレビの商業主義が見え隠れしていて、少しクドイ。
きっと本当にこの映画みたいなうどんブームを狙っていたのだろう。
香川県はこの映画が出来たことでうどん巡りをしに来る客が増えたのだろうか。
ソウルフードというイメージで捉えたのは良かった。なるほどな。
例えば私は愛知県出身だが、きっと隣りの三重県のソウルフード(?)として
『MATUZAKAGYU』という映画が出来て、観て、、、食べに訪れるだろうか。
きっと地元の名物『KISHIMEN』だったら、映画に出てきたお店に行ってみたい
衝動に駆られるのかもしれない…地元愛が大きいので。

 
確執ある親子愛と、うどんブームのどんちゃん騒ぎを扱ってて、
親子愛のシーンがうどんブームにぶつ切り状態にされているのが気になるが
全体的に思っていたよりは面白かったです。期待しないが吉。
ただ、車を田圃に落としたり、別に格別おかしくもない笑いが気に障る。
クマも正直失笑もん。というか、あの辺のくだりでは観たことを後悔し始めた。
しかし、うどんブームでワイワイ街が活気づき、主人公たちが大喜びなのは
観ているこっちにしても、何かカタルシスを感じないでもない。
でもブームが去っておっさんが店閉めてしまったように、ブーム中すら、
うどんを作る店側が大喜びしてるシーンがなかったのがひっかかった。
元々、繁盛したからって格別儲かる仕事じゃないのかもしれないけど。
だから尚更、ブームがもたらすデメリットの方が印象に残って
ブーム作って引っ掻き回した主人公サイドが悪かったような気がしてしまった。
映画に出てきた、ネギを客が調達したり、日傘貸し出しして順番待ちする店とか
特番で既に紹介されてた店だったわ。あれUDONの回し者だったのね。


 ユースケサンタマリアの顔アップはやはり酷かった。
鼻の穴の形が左右で違い過ぎるんだもん。顔のバランスが悪いにも程がある。
目もすれてて、性格悪そうで、やっぱり好きになれない。というか、
彼は主役やんない方がいいと思う。バラエティ出すぎでキャラ確立してるし、
基本“大ボラ吹きでだらしない奴”ってイメージだから、脇が似合う。
演技も格別上手じゃない、というかどの役やっても同じだ。
トータス松本は意外と役にはまってたけど、「バンザイ」唄うのはどーよ。
とりあえずウルフルズの一番有名なの唄わせとけ精神でしょうか。
うどんと何の関係もないしね。物語の秩序を乱している。
例えば庄介役をやったのがTERUだったら「HOWEVER」唄うようなもん。
これは少し過剰な例えだけど、折角の庄介の役がはがれていった。
下手糞なCGも要りません。キャプテンUDONの存在意義が判らない。
親子愛を描くにしても、わざわざそんなヒーローにしなくてもいいだろうし、
ラストにいきなりあの映像が流れても、結局アイツはN.Y.で何してるのか不明瞭。
結構多くの人が、地元でうどん屋続けるんじゃないのかよ、って思ったことでしょう。
義兄の立場もあるだろうし(店自体、そんなに大きくないし、2人で充分。)
親父は残るなと言うし…一番良いのがN.Y.でうどん屋開業することかと。
芸じゃなくて、うどんで笑わせてやることにしたぜ!ってか。


 まぁうどんはよく出てきたけど、滅茶苦茶旨そうに食べるシーンも欲しかった。
終わった後は、確かに食べたくはなる。その時は「良かったじゃん」ってなるけど、
後から思い返せば、特に何も印象には残らない。そういう映画。
ドラマテイストが強くて、踊る系身内の役者がカメオ出演してて、
そういうスタンスが自分にとってはやはり気に食わなかったのかな。
1800円で観るには惜しいけど、1000円で…それでも惜しい人もいるかもだけど。
一人で観るより数人で観に行って、アレコレ文句や突っ込み交えて
そういう楽しみ方のほうが良いかもしれないです。そんなに悪くはない。
私にとっては、テレビでやってももう観ない系統の作品ですが。
暇つぶしに見るには、長すぎるんだよね。1時間半で収めて欲しかった。
元ネタとなった「おそるべき讃岐うどん」の本の方が面白いらしい。


ガーフィールド (2004/米) 81分



 1972年に新聞連載されていた漫画原作のふとっちょ猫をCGで描いたコメディ
猫好きだけでなく犬好きにもたまらない!ていうかどちらも可愛いよ!!
だらけたマイペースな日々を幸せに送っていた猫のガーフィーだったが
ご主人であるジョンが動物病院の獣医である同級生のリズに
犬のオーディを飼ってくれないかと頼まれる。
彼女に気があるジョンは快く引き取るが、ガーフィーは嫉妬で面白くない!
自己中なガーフィーはオーディを夜中に家から閉め出してしまい、行方不明に…
流石にちょっぴり反省しオーディを探しに行こうと決意し都会へ旅立つことに。

 とにかく大勢の犬、猫(そしてネズミも)が出てくるので癒されます。
CGで実在しないガーフィーとどうやって絡ませているのだろう…不思議だ。
ただ単純に面白い家族映画でもあるけれど、
野良犬猫や捨て犬猫がああやって捕まって知らぬうちに
どんどん処分されていくのだと考えると悲しいものがあります。
 ペットショップでも、生き物だけれど商品扱いだもんな…
あんな風に貰いに来てくれるシステムなんてあるのだろうか

オーディのダンスはたまりませんね。
あんな愛嬌あって大人しい犬なら大歓迎ですよ。
サー・ニコラスの猫、自分的に大ヒット!ああいう猫が欲しい…
こういうタイプの映画は家族友人、ゲラゲラ笑って
お菓子でも食べながら見るには最適な映画です。
これを見た後、うちも犬か猫を飼おうか〜といった会話になること間違いなし!
吹き替え声優の藤井隆さんもはまっていました。字幕吹き替え両方見たよ☆


木更津キャッツアイ 日本シリーズ (2003/日) 123分




 宮藤官九郎脚本の人気ドラマ「木更津キャッツアイ」の映画版。
オリジナルのスタッフ&キャストが再集結し、
死の淵から奇跡的に甦ったぶっさんが迎える最期のひと夏を描く。

 野球とビールに明け暮れ、いつもの5人で相も変わらずつるんでいたある日、
氣志團が計画していた地元・木更津での大規模なロックフェスティバルで、
キャッツたちが前座を務めることになり、ぶっさんはさっそく新曲作りに励む中、
山口先輩が新しい店を開き、美礼先生の幼馴染の男が木更津に帰ってきた…

 いつものメンバーに加え、哀川翔、ユンソナ、内村光良、
船越英一郎も参戦。
ドラマの1,2話見てすぐ日本シリーズに入ってしまった私。
でも、すんなり物語には入っていけたかと。オジーのエピソード以外は。
このドラマの特徴は野球の試合に準え、表裏が用意されてて、
「ちょっと待て、何でそうなったんだ?」って疑問を裏で説明する。
グルグルビデオテープを巻き戻すように場面が戻って裏に行くんだけど、
それが若干、画面五月蝿いのが問題かも。相変わらずウッチー大活躍。
クドカンドラマですからね。壮大なコント感覚で見れば充分楽しかったです。

 ウッチャン、なかなかオイシイ役貰ってるじゃないの。
いいキャラでした。正にコントみたいだったけど。
岡田准一自体に興味ないのでユンソナとのエピソードはどーでもよかった。
ユンソナも好きになれんのだよね。何が良いのか理解出来ない。
私はウッチー派。今回は英語が堪能なダディが登場して、何か和んだ。
ダディ、ダディ、バイシクル!」ってシーン。
ウッチャンが“微笑みのジョージ”の過去シーンをまんま、学生服で
薬師丸ひろ子はセーラー服姿で演じてて、ウッチャンは嬉しかったろうな。
笑う犬のコントの「癒し太郎」ってキャラを思い出したわ。
あの“やっさいもっさい”って映画の為に作った踊りなのかな??
オジーは死んでるのに大活躍。あの特殊メイク仮面は凄いな(笑)
冒頭に登場してくる年取ったメンバーたちのキャスティングもおもろい。
カニだのセックスだの無人島と、怪獣ゴミンゴ辺りがやり過ぎだ。

ドラマよりもおふざけが多い分、一部のファンには不評だったようだ。
若干ダレるシーンもあるけど、私は大好きだな。
「木更津〜キャッツ!」「にゃー!」って叫びたくなるよね(ならないか?)


木更津キャッツアイ ワールドシリーズ (2006/日) 131分






 クドカン脚本のTVドラマの映画版第2弾にしてシリーズ完結編。
ぶっさんの死から3年、それぞれの人生を歩み始めたキャッツのメンバー。
ぶっさんが死んでチームは自然分解。木更津を離れていった。
ただ一人木更津にとどまり市役所に就職したバンビは、
ある時、荒れた原っぱで空からの不思議な声を聞く。
“If you build it, he will come(それを作れば彼がやって来る)”と、
なぜか英語で語りかけるその声をぶっさんのメッセージと確信するバンビ。
ぶっさんにちゃんと“ばいばい”を言わなければと思ったバンビは、
けんか別れしたアニとマスターそれぞれのもとを訪れ、木更津に戻るよう説得。
一方、自衛隊に入隊したうっちーは美人教官の猛烈なシゴキに音を上げていた。

 今回ゲスト参加する俳優は栗山千明、MCU、高田純次、レッド吉田と
栗山千明以外はどうもパッとしない。そう、これはレギュラーメンバーメインの
木更津キャッツアイを愛するファンに贈る最後の作品なのだ。
…かく言う私はドラマシリーズ見ておらず、つい最近ハマり出した新参者。
なので、ドラマから見てきたファンより思いいれが足らず、
劇場に足を運んでみたものの、皆が泣くようなシーンでも涙腺緩まず。
別に悪くはないんだけど、おとなしめだったね。
日本シリーズの悪ノリ加減がツボだった人には肩透かしかも?
DVD化する頃にはきちんとした姿勢で見れるよう、今から木更津漬けになる予定。

 ちなみに私はうっちー派。挙動不審で謎だらけで、オイシイとこ持ってく。
そんなうっちーが今回、またしても結構活躍するわけだが、
ドS教官栗山女王様により真人間へと豹変…そのギャップがたまらんのだが、
一部、やはり昔のうっちーは何処…と悲しい面も出てくる。
でも、エンドロールで付き合ってる二人のシーンがお気に入り。
ああいう、厳しくイジメ倒しておいて、実は…な展開大好物。

岡田義徳、童顔で演技もキャパ持っててイイなぁ…興味出てきた。
マスターとアニの大喧嘩にも笑った。ありゃー怒るわな。
ぶっさん復活までダレるという意見もあるが、THE3名様から入った私は
その3人が映ってるだけで充分モチベーション保てました。
アニが居たメイド喫茶のカウンター裏に、LUSHカタログが見えたと思ったが
あれは幻?勘違い?今度絶対、再確認しなきゃな…幻なら重症だ。

 冒頭の韓流版キャッツ、似てるけどチープさが出てて小バカにしてる?

本ネタの「フィールド・オブ・ドリームス」見たことないので、今度見ます。
完結編なのでバカ騒ぎ、悪ノリも控えてしんみりシーンも多かった。
結婚式の傘、ゾンビ軍団の後ろに人が…と裏の展開がチラッと判ったが、
パンチパーマにメッシュ入れてるトコとか判らなかったな〜浮いてたのか!
ミニミニオジーがMCUだったのか…ブリーフ一丁とか頑張ってたな。
喋り方が凄く素人臭いので、有名人なのかな〜?とは思ったけど。
オジーも、遂に野球がやれて満足したんだろうな。
ゾンビ軍団の有田似も笑えたけど、ペリー来航のDVDの衝撃の方が上かな。

DVD発売したら普通に買ってそうで恐い。未公開シーン欲しい。
ぶっさんにバイバイするというメインテーマをしっかり撮ったので、
どんなに興行収入が良くても、もう二度と帰ってくるんじゃないぞ〜と。
「シーサイドばいばい」って曲、全然覚えてないや;嵐のあの曲は耳に残るけど。
日本シリーズよりも薄味だったかな?なんて思いながらも、
またもう1回観に行きたいな〜という衝動に駆られてしまう。


刑務所の中 (2002/日) 93分


 花輪和一の同名漫画を映画化。監督は崔洋一。
キャストは山崎努、香川照之、田口トモロヲ、松重豊、村松利史、
大杉漣、遠藤慶一、木下ほうか…特別ゲスト出演で椎名結平、窪塚洋介。

 原作者の花輪本人が刑務所で体験したことをほのぼの表現した作品。
刑務所の暮らしってどんなもの?これならちょっと入って体験してもいいかも。
罪を犯したのに、こんな平穏で健康的で豊かな暮らししてていいのかな?

 この映画の事知らずに窪塚目当てで渋い山崎努の顔面アップジャケットの
DVDを購入。観て驚いた!こいつはとんだ掘り出し物だった
国の税金で犯罪者にこんな待遇させていいのか?なんて思ったら問題作だけど
花輪さんの気分になれれば最高。

 規則は厳しいし挙手や整列、行進、体操、仕事、決まり事はあるものの
それなりに面白いし楽しい生活空間だ。
同部屋の人たちと仲良くやれれば一種の極楽ではなかろうか。
囚人たちの部屋にテレビや雑誌があるのは洋画でもたまにある光景だけど
邦画で刑務所を柔らかく描いている映画に出会ったのはこれが初めて。
とても親近感が沸くし、日本人特有の生活の楽しみ方も滲み出ている。

 食事の豪華さにはまいったね。本当にうまそうだ。春雨スープ
大晦日や元旦には贅沢な献立目白押しだそうじゃないか。
想像して浮かれる囚人達の語りがうまい。料理がどんどん出てきて楽しいし。
あれがうまい、これがうまいと語る囚人たちが可愛い。
しかも休日に映画を鑑賞できるそうじゃないか。
しかもコーラとアルフォート付き。贅沢だ!休日の昼寝の様子ものどかだ。

 独房での内職に熱中したり爪きりみて感動したり
山崎努のキャラが凄い共感できてやばかった。ほのぼの大好き。
生活に困った人がたまに小さな罪で刑務所に入るらしいけど
ある意味、貧乏な暮らしよりも楽しいし豊かだ。健康的だし。
もし、一生ここにいろと云われたら…」のくだりも好き。
ホント、DVD買って良かったよ。最高だよこの映画


コニー&カーラ (2004/米) 98分


 「マイ・ビッグ・ファット・ウェディング」で注目を集めたニア・ヴァルダロスが
再び脚本・主演を兼ねたコメディ。共演は「シックス・センス」のトニー・コレット。
バーで歌って踊ってスターを夢みる2人の女性。客の反応はいつも薄い。
ある日、イザコザに巻き込まれギャングに追われることに。
ゲイバーのドラッグクイーンになって身を隠していたが、街の人気者になってしまう。
有名なミュージカルナンバーをふんだんに盛り込み描く。
「Xファイル」のモルダー捜査官で有名なデヴィット・ドゥカヴニー出演。
「雨に唄えば」のデビー・レイノルズも特別出演で登場。

 ジャケットから、「プリシラ」系かと思いきや、これ
ストーリーの流れは「天使にラブソングを」と同じだね。
女が男(ゲイ)に変装するのは、男が女に変装する「お熱いのがお好き」の逆。
主演の二人はよく知らないが、最初登場した時は男性が女装してるのかと思った。
そしてドラッグクイーンになったら、逆に女っぽく、色っぽく見えるのは
何だか凄い皮肉にも思える。似合いすぎたんかな??
身体が女性そのものでも、手術して変えた、って言えば通らないかな?
オーディションの時、彼女らの前にやってた二人組みが
「ロッキー・ホラー・ショウ」の歌をコスプレしてやっててうけた。
コニー&カーラも「エビータ」の曲を歌ってて、きっともっと音楽系の映画見てれば
知ってる楽曲がいっぱいあって面白かったのかも。
特別出演のデビーさん、娘のキャリー(レイア姫)はやっぱり全然似てないや。

 全体的に音楽系な映画かと思いきや、ゲイの世界もちょこっと描く。
自分が普通の男で、兄弟がゲイだったら…きっとジェフみたいに悩むのかな。
普通のバーでショーをしても受けなくて、ゲイバーなら受けるのって何故?
下ネタトーク大歓迎で、ノリが良いお客さんが多いから?
カミングアウト大歓迎よ」って締めは、なるほど、って思っちゃった。
吹き替え版の方がオカマ口調が楽しめて良かった。歌は英語になってるし。
ドラッグクイーンやゲイものが好きなら、見ても損はない作品かな。
製作にトム・ハンクスがいるって宣伝文句にもなってたけど、どうでもいいね。


THE 有頂天ホテル (2005/日) 136分






 コメディドラマなどで有名な人気脚本家・三谷幸喜の三作目となる監督作品。
大晦日の夜にひとつのホテルで繰り広げられる様々な人間ドラマが展開される。
それぞれが偶然に偶然を重ね、事態はドンドン複雑化してゆく…
みんな無事に幸せな新年を迎えることができるのか??

 キャストはこれでもかといわんばかりに有名俳優をジャンジャン投入。
☆役所広司(申し分のない副支配人) ☆戸田恵子(アシスタント・マネージャー)
☆伊東四朗(能天気な総支配人) ☆生瀬勝久(副支配人)
☆松たか子(議員の元愛人、今は客室係) ☆香取慎吾(歌を愛するベルボーイ)
☆堀内敬子(客室係) ☆川平慈英(ウェイター) ☆石井正則(ホテル探偵)
☆オダギリジョー(筆の達人・筆耕係) ☆麻生久美子(謎のフライトアテンダント)
☆原田美枝子(副支配人の別れた妻)☆角野卓造(マン・オブ・ザ・イヤー受賞者)
☆篠原涼子(神出鬼没のコールガール)
☆佐藤浩市(人生崖っぷちの汚職国会議員) ☆浅野和之(議員の秘書)
☆近藤芳正(耳の大きな男) ☆津川雅彦(事故に遭った大富豪)
☆西田敏行(死にたがる演歌歌手) ☆梶原善(演歌歌手の付き人)
☆唐沢寿明(一九分けの芸能プロ社長) ☆YOU(不幸せなシンガー)…
あと始めの方に「みんなのいえ」のココリコ田中演じる夫妻がいたり、
登場するアヒルの声が声優の山寺宏一だったりする。

 ほとんどのキャラクターにそれぞれエピソードが用意されていて
それが同時進行していく。あの人はどうなった?この事件は?なんて。
映画ってゆうよりも豪華なドラマ仕立てなので、入りやすいし
詰め込みまくっているので息をつかせずドンドン他の話が入ってくる。
今までの三谷幸喜の集大成って感じでしたね〜解決の仕方もドラマっぽかった。
「笑いの大学」があまりウケなかった私でも、これはよく出来てると思う。
三谷作品の笑いや感性が合わない、って人はダメかもしれないが。
小さいドラマがいくつか起こる感じで宣伝の“大晦日の奇跡”とは少し違うけど
ラストには確かにハッピーな気分になれるコメディだね。

 篠原と浅野が「鴨料理大好きなんですよー!」って浮かれて喋ってて
何で佐藤が不機嫌そうな顔してるのかな〜って思ったら…そうか!
三谷幸喜は大河ドラマ「新撰組」で佐藤浩市に芹沢鴨を演らせてたっけ…


 私が個人的に好きだったのはコールガール篠原。
何か凄い魅力的な女性に見えた。良い意味で悪女なんだけど優しいし。
毛皮脱いでガラッと変身しちゃうのも良かった。胸
でかいぃー!
香取とYOUがそれぞれ劇中で歌う唄も結構良かった。
YOUは歌手では成功しなかったけど、違う形で芽が出て良かったね。
あのジャズ凄い楽しそうな感じが出てて、上手かったし。
唐沢寿明はチョイ役だったね。議員の名前は…別に良いか。
客室係とウェイターの痴話喧嘩やホテル探偵のキャラが面白かった。
これは2回目見ればもっと細かい仕掛けとかに気づくのだろうか?
正直、粗があるんだろなと思ってたけど、予想外に完成度高かった気する。


ザ・マジックアワー (2008/日) 136分






 三谷幸喜脚本・監督作品。
ご本人がこれでもかとTVで宣伝しまくってますよね。
出過ぎてバッシング受けて、ちょっとへコんだそうですが。
佐藤浩市、妻夫木聡、深津理絵、西田敏行、 綾瀬はるか、伊吹吾郎、
小日向文世、寺島進、戸田恵子、香川照之、浅野和之、
甲元雅裕、近藤芳正、梶原善、など。
チョイ役にて中井貴一、天海祐希、唐沢寿明、山本耕史、香取慎吾、
市川亀治郎、谷原章介、鈴木京香、寺脇康文、市川崑。(最期のお仕事)

 マフィアのボスの女を寝取った男が、
命を助けてもらう代わりに伝説の殺し屋“デラ富樫”を
見つけて連れてくることを約束させられた。
しかし、捜せど捜せど見つからず。相手は幻の殺し屋だ。
仕方なく男は、売れない役者を映画撮影だと騙して
伝説の殺し屋の役を演じさせ、何とか場を乗り切ろうと画策するのだが…

 三谷作品って独特の癖がありますよね。
この笑いのセンスが合うか合わないかで当たり外れが大きい。
別に嫌いじゃないんだけど、ちょっとたまに煩わしかったり。
今回の作品も、基本は笑えましたよ。
でもあのくだりは有耶無耶になったな〜とか
あそこは引っ張り過ぎだろ〜とか、ここらへんクドイな、とか
多少ネバっこさを感じながらも、楽しんで観て参りました。

特に佐藤浩市が最初の方、売れない役者っぷりが
現実に比べると…なんて想像して笑えて仕方なかった。
中井や唐沢の役所なんかもね。佐藤との絡み方が。役者好きにはオイシイ。
タイトルの説明はちょっと浮いてたけど。総じて意味なかったね。
街のセットのハリボテ具合が、劇中茶化した説明もされてて
笑いの一部として確信犯なんだろうが、どうしても舞台観てる気分になった。
メリーポピンズやアンタッチャブルのあからさまオマージュとか
小さい遊び心は効いてて、楽しませようと尽くしてるのは分かるけど
小細工が多すぎかも。現実味が薄過ぎるのが最大の難点ではなかろうか。
「所詮はフィクションですよ〜」てイイワケされてるようで苦笑。

 騙し騙され系ということで「スティング」が比較されてましたが、
あれの良さって遊び心の反面、命懸けの真剣な騙しあいなんだと思う。
この作品には、命の危機感が薄すぎる。ハラハラしないのだ。
そりゃ、「映画は喜劇」がモットーの三谷さんですから、
仕方ないのかもしれない。下手に緊迫感出し過ぎたら
家族で観に来たり、笑いのみ求めるお客さんにドン引きされるかもしれない。
でも、悲しい哉、この騙し系の醍醐味である“リスク”。
ここは「えっこれ喜劇じゃないの?」と観客が戸惑う程の
ギャップのある恐ろしさを見せるというチャレンジも欲しかった。
そういう意味では所詮お遊びの域を出ない感が拭えず、
この題材を本気で生かすなら三谷色はもう少し抑えるべきだったと思う。
勿論騙す方は命懸けでやってるのだけど、全然怖さが伝わらない。

 ご本人は自己最高傑作と言っているけれど、
正直、この脚本を書く時間も、映画を撮る時間も、
もっと費やして凝ることができれば、完成度が上がったと思う。
他の脚本家や映画屋に見せても、恐らくここから手直しするべき部分が
ちょこちょこ見つかると思うのですが。最後の〆方といい、詰めが甘い。

 でも、本当に佐藤浩市は素晴らしかった。
彼にだけは、人物像のバックボーンも見えて応援したくなった。
彼のくだりだけ、この映画に笑い以外の要素を見出せた。
こういう別の要素とのミックスは大事だと思う。
単品の要素だけに重視する作品も決して悪くはないのだが、
“直接的な笑い”にこだわるだけでは、どうしても深みが出ない。
ゲラゲラ笑って1時間後には綺麗さっぱり忘れてる、
そんな映画に成り下がる。それで良い人は良いだろうけど。
他の主要人物たちは申し訳ないが、映画が終わった時に
その後が浮かばない。軽すぎる人物造型で心に残らない。
妻夫木や深津があの役をやる必要性もないし、
綾瀬はるかに至っては誰でも良かった気がする。
星野真理あたりが代わって演じても何の違和感もなさそうだ。
あ、それと谷原章介の老後を演じた柳沢真一さん。
ホントに谷原章介にソックリでビックリした。

 
外人との武器密輸のシーンも、マネージャーが殴られたら
事態がいつの間にやら収まってて、ここはいい加減過ぎだろう。
撮影されてなかったとショックを受けていたが、ラッシュを見ている
村田さんのくだりは、とても良かった。最高の演技かどうかは?ですが(笑)
ラストも、落ちぶれたボスがもういいやと命を投げ出す覚悟を見せたからと
何故いきなり女がなびくのかも理解に苦しむ。やぶれかぶれじゃんあんなの。
本物のデラ富樫にしたって、伝説の癖にチープ過ぎる。
売れない三流役者だけれど、長年やってきて映画制作スタッフと仲良しで
一声かければ皆が集まって協力してくれるくだりはジーンと来ました。
ナイフ舐めて何回もやりなおしたりするくだりが、
笑いとしては最高潮だっただけに、もっと騙し続けて欲しかった。


 時間が長く感じられてしまうのも難点でした。
1時間半で、もうちょっと“流れ”を大事にして欲しかった。
貪欲に笑いを求めるあまり、統一性に欠け、自然に流れていけてないのだ。
後半からは事態は急展開のはずなのに観る方は少しタルかった。
有名な俳優ばかりをズラリと並べて、見た目の華やかさはあるけど
やはり適材適所、あんまりカメオカメオと調子に乗ってると
スムーズに作品に入り込めないという致命的なことに気が付こうね。
儲け優先のフジテレビの悪い癖と欲が見え隠れして苦しい。
三谷さん、有望な新人俳優を起用してブレイク狙ってみては?
コメディだからいいじゃない、と思っていたけれど
この“笑い”と“騙し合い”が上手く絡めなかったような気もする。
過剰過ぎる宣伝は観客の鑑賞前のハードルを上げるので
ちょっと控えた方がよろしいかと。観てもらいたいのは分かるけど。
それでも私は三谷作品を格別好んでる方じゃないので
自然体で楽しみに行き、結果楽しめたのだからいいけれど。

以上、ちょっと辛口になってますが、総合して…68点くらいでしょうかね。
決して駄作ではないです。観ても損はしない。しかし傑作には一歩届かず。


下妻物語 (2004/日) 102分





 嶽本野ばらの同名小説を映画化した女の子青春コメディ。
出演は深田恭子、土屋アンナ、宮迫博之、篠原涼子、阿部サダヲ、岡田義徳、
小池栄子、矢沢心、荒川良々、本田博太郎、樹木奇林…
ロリータ命のマイペースな桃子。親の事情で下妻で暮らす彼女が
ふとしたキッカケで彼女と真逆のヤンキー娘、イチゴと出逢う。
反発の耐えない二人だったが次第に仲良くなっていき…

 日本らしいギャグ満載の楽しい映画でした。
下妻がどういう所か知らないけど、ジャスコは偉大ですな!
全体的に色がビビットな構成でパラレルワールドみたいな世界観だった。
桃子の両親の出逢いから、面白おかしく回想されて
漫画の世界みたいだったなぁ〜笑った!!!
ピー音入りまくりのバッダもののコラボとか!大阪も見事にパロられてた。
篠原涼子はいい女優さんだよね。

 ロリータフファッションって街で見かけても「きもい」と思ってたけど
今回で印象変わったね。ていうか、深キョンだから許せる!
この映画を観て何故彼女が魅力的なのか判った気がする。
彼女は演技は上手い方ではないけど
彼女にしか出来ない役がある!…毎回不思議少女が似合いすぎだね☆

 新人女優として注目されたモデル出身の土屋アンナの方は…
はっきり云って演技過剰な気がした。あんま好きになれなかったな。
モデルとしての彼女を知ってる人ならそのギャップで面白いだろうけど
私は何分、初めて見たもんで。わざとらしい〜って印象。
ヤンキーになった経緯と尾崎豊にはツボったけどね。
刺繍も単純に綺麗だなぁ〜と感心してしまった。
あんな世界もあるんだね。

 阿部サダヲがイケメンキャラをやるとはね!
といっても、ギャグの塊のような男だったな。そして二役。
小池栄子は出番少なかったもののこれも似合っていた。実際いそう。
樹木奇林と大仏で例の宣伝を思い出した。虫つかみは座頭市のオマージュ?
宮迫も凄い似合っていた。今まで出た映画の中で一番似合っていたんじゃ?
荒川良々はホントにお笑い向きの顔だよな。
話も面白いがキャスティングによる化学反応の勝利かも。
評判が良いのも納得がいく。
男性が見るには入りづらそうなイメージだけど、楽しめると思うよ。
変わった女二人の奇妙な友情の青春映画だね。

 前半後半でガラッと毛色が変わるんだけど
その変化にうまく乗れれば正に笑って泣ける映画といえよう。
ブランド店の社長の電話の言葉にちょっとジンときたわ。
ある意味、丸くなった二人より反発が絶えない関係の方が素敵とか思えたりして。
レアモノの原付、置いてきちゃっていいのかよ!


Shall we Dance? シャル・ウィ・ダンス? (2004/米) 106分






 ひょんなことから社交ダンスに目覚めるとともに
自分自身を見つめ直していく男を描いたコメディ・ドラマ。
原作である日本版では監督周防正行、主演役所広司で1996年に製作された。
本国日本のみならずアメリカでも大ヒットを記録した名作をハリウッド版にリメイク。
監督は「セレンディピティ」のピーター・チェルソム。
主演は「シカゴ」のリチャード・ギア。共演にジェニファー・ロペス。

 遺言書の作成を専門にするシカゴの弁護士ジョン・クラーク。
彼は高級デパートに勤める妻と2人の子供たちに囲まれ、
何不自由なく幸せに暮らしていた。
だが、単調な毎日を繰り返すことにどこか空虚感を抱き始めていたジョン。
そんな彼はある日、帰りの通勤電車から何となく外を眺めていた時、
とあるダンス教室の窓辺に佇む物憂げな美しい女性に目を留める。
次の日も電車の中から彼女の同じ様子を見届けたジョンは思わず途中下車、
彼女が気になる一心でそのダンス教室に足を踏み入れてしまうのだが…。

 オリジナルの方は随分前から何回か拝見してるので
このハリウッドリメイクは大いに興味深々でした。
さてさて、蓋を開けてみれば、確かに舞台をアメリカに移し、忠実にリメイク。
見た目も華やかで、ギアはお茶目でジェニロペはゴージャスだ。
日本の良さとは別の良さを引き出していて、それはそれで楽しめた。
日本版は、あれはコテコテの真面目サラリーマンが
何を思ったかダンス教室に通うことになって…って
日本人にしてみたら赤裸々な展開や状況のオンパレード。
でも、それが一種の味でもあった。
ダンス教室に通ってることなんてとてもじゃないが言えない…。
でも、アメリカじゃそんなことないんじゃない?趣味は趣味で堂々としてそう。
「僕、そんなに気持ち悪いですか」あんなジメジメした空間、中々あるもんじゃない。
あの日本臭い、人の目をやたら気にする、気弱でシャイな気質…
そういうの受け付けなかった人が見たら、リメイク版は満点な出来だと思う。

 アメリカ版のギアさんは、正直格好良過ぎるかもしれない。
ダサいおっさんが似合わないダンス始める、っていうのがミソなんだけども…。
薔薇持ってタキシード…あのシーン見た時、これは日本では真似できんと思った。
日本人の誰がやっても、きっと失笑もんだもん(泣)
ジェニロペ演じる若先生は、日本版よりもわりと愛想が良かった。
竹中直人の役の人は、多少日本版より変態度は抑えてたね。
カツラ被ってる時は本当にラテン系っぽさが出てた。
あの俳優さんも凄いはじけっぷりで、そこは観てるとギャップが楽しい。
ダンス大会での娘には、毎度「このバカ!」って思う。
探偵役は、日本の方がしっくり来たなぁ。親しみあるし。

 日本版とアメリカ版で、ラストのまとめ方が違ったので良かったな。
どんなことに夢中になっても本当に大切なものは忘れない。
その後の彼らを連想できるエンディングは好きだ。
でも考えてしまう。ここまで似せて、リメイクって何なんだろう?
原作に忠実なのは良いことなんだけど、やっぱり少しは創って欲しい。
辛口で言わせてもらえば、リメイクする必要性はあまりない。
格好良いのもどうですか?って程度で楽しむのには向くけど。
オリジナルもリメイクも、どちらもどちらの良さがあって私は好きだけどね。
でもやっぱりオリジナルの最初の衝撃を贔屓しちゃうかも。


12人の優しい日本人 (1991/日) 116分


 「櫻の園」の中原俊監督。
三谷幸喜と東京サンシャインボーイズが脚本。舞台劇を映画化。
陪審員制度をテーマにした名作「12人の怒れる男」をパロディリメイク(?)
塩見三省、相島一之、上田耕一、二瓶鮫一、中村まり子、大河内浩、梶原善、
山下容莉枝、村松克己、林美智子、豊川悦司、加藤善博…

 もし日本に陪審員制度があったら…架空の設定で
国に呼び出されしぶしぶ陪審員として話し合いに参加する12人の民間人と
1人の看守だけで構成されるストーリー。
被告が美人で状況もそれなり、無罪に決まりかけた所で
一人の陪審員が有罪だと名乗り出たことで自体は複雑化し…

 怒れる〜の場合は陪審員に選ばれた12人。一人だけ無罪に手を挙げ、
様々な推理を持って、皆の意見を覆してゆく…
優しい〜の場合、最初は簡単に無罪で済むはずが、一人だけ有罪に変えて、
「こんな簡単でいいんですか?話合いましょうよ」と。
これの凄いとこは、逆転につぐ逆転…
一体本当はどっちなんだろう…と気になってしょうがなくなります。
演技派俳優ばかりのリアル芝居。「ああ、こういう人いるんだよな〜」と思う。
だいたいドラマの端役等で観たことある人が多かった。

これは映画というより劇に近いものでしたが…元が舞台劇だもんね。
場面転換もほとんど必要なかったし
その場だけで展開していく映画って集中力と想像力が要るけど
面白いよね!文句無しにいい内容だと思いました。
日本も陪審員制になったら、こうやって悩むんだろうなぁ〜と思いましたね。
やる気の無い人、意見を曲げない人、意見を言わない人…
有罪になって当たり前の事件でも、陪審員に選ばれて、決を出して、
それによって容疑者が死刑になった場合…後味が悪い…とか
あいつは死んで当然の奴なんだ、
あの人は悪いことするような人には見えない…とか
いくら美人でも、過去がどうであろうと、犯罪は犯罪…裁かなくては…とか

推理をどんどん進めていって憶測でこんなこと、
陪審員のやることなのかな?とも思ったけど…
話し合いの末決めるんだからいいのか。


スクール・オブ・ロック (2003/米) 110分


 主演は「愛しのローズマリー」にも出てたジャック・ブラック
この人は太っててちょいむさい顔で、必ずしも魅力的じゃないけど憎めない〜

 傲慢で無神経でいばりんぼが災いしたのか、仲間からバンドを追い出され
友人の家に居候するデューイ。家賃半額払えないなら出て行くことになり
やけくそになった彼は教師の振りをし
優秀を絵に描いたようなもの目指してる名門私立学校に乗り込む。
 あるクラスの担任になったものの、デューイに授業する気なんて更々ない。
しばらくは毎時間自習で切り抜けていたが
音楽の授業で演奏する生徒たちを観て自分とクラスでバンド結成を決意。
適当に言いくるめてロック史授業、宿題としてロックCDを聞くなど
彼独特のロック指導が始まる!

 最初は傲慢なロッカー気取りの男だったんだけど
話が進むにつれて好感度アップアップ
始めのうちはクラス全員が参加なんて出来るのか?って思ったけど
演奏チーム、舞台裏方、見張り、照明係、コーラス…
クラスの皆が一丸となって大会に参加し優勝することを目指す。

 そこそこ笑いありで、設定も展開も考えればありきたりかもしれないけど
名作じゃないけど駄作でもない、いい映画な感じ
「元気になる映画」ってのが一番しっくりくるかも。
ただ私自身、ロックに詳しくなかったので残念。
 ロック大好きでそれなりに物を知ってる人が観たら楽しさが増すだろうな。
本物のロックとかこだわりまくりな人には物足りないかもしれないけど
そういうの興味ない人が観れば価値観も変わるかもね
はじけまくる女校長がおもろかった。


大日本人 (2007/日) 113分






 お笑いコンビ・ダウンタウンの松本人志が贈る第一回監督作品。
日経エンタメで“シネマ坊主”として映画評論をする彼が脚本、主演もこなしている。
共同脚本には、放送作家として活躍する盟友・高須光聖。
2007年のカンヌ国際映画祭で“監督週間”部門への正式出品が決定。
北野武監督の「監督ばんざい」と共に、注目を浴びている。

 行こうかどうか迷ったけど、思い切って行ってみました。
撮影開始後も一向に映画の内容が報道されなかった謎の作品。
大佐藤というしょぼくれたおじさんを捉えたカメラはインタビューし、
野暮ったい質問の繰り返しで彼の生活環境や身上話を聞いていく。
彼の言う“仕事”とは一体何なのか?携帯で呼び出された大佐藤が向かった先は…

 シュールな笑いは好きです。でも正直、最初の方はどうなることかと
ちょっと不安になって見てました。カンヌの客が帰っていった始めの方。
“大日本人”が何なのか知ってから映画観たのは失敗だったな。
日常生活⇒
獣退治⇒日常生活⇒獣退治の波があまり上手に繋がってなかった。
インタビュアーのイライラする喋りは意図してやってるんだろうね。
名古屋に出張してくれたのは地元民としては大いに燃えました。
サンシャイン栄の観覧車と、向かいのカラオケビル!
オアシス21にも獣が…ところで通行人はさっさと避難済みなんですかね。
仕事が終わって馴染みのバーで飲み明かすなんて、普通のサラリーマン!
必要な時にでかくなる物が好きだったり、言葉に対する妙なこだわり、
伝統を重んじる大佐藤、戦時中の映像?に組み込まれてる大日本人、
戦時中みたいなノリで獣説明、ボケて巨大化し徘徊する4代目、
匂ノ獣が出てきて(板尾さん)大日本人と口論する所、
ワケわかんないけどドラマ演じてて昇天する童ノ獣?
がクスクスきました。
笑えなかったのは
幼い頃に感電し焦げた乳首と、一緒に巨大化しどっか行った猫。
欲張りすぎて作品としては笑いもメッセージ性も散漫になってる点。
獣が凄く気持ち悪い。戦うヒーローもとことん格好悪い(笑)
獣を倒して平和を守っているようなのに批難ばかりされる大日本人。
彼がいなくなったら、それはそれで困るんじゃないの〜?
ここら辺も、何かを比喩しているんだろうか?

 
散々問題視されてる後半の展開は映画作品として真面目に受け止めてる人に
とってはそりゃ、サジ投げられた気分で納得いかないのも仕方ないし、
私もちょっと唖然としたんだけど、一番印象に残っているのがコレだったり。
ステイウィズミーとかドンタッチミーとかネーミングにもウケた。
北の国を米国がリンチして、日本がそれを傍観しつつ手を貸した形になってる?
エンドロールは飽きずに観させて頂きましたわ。
カッコ悪いわと色々ダメだしする宮迫ママ。つっかかるヒーロー宮川。
ここまでやっちゃうと内輪ウケの雰囲気バリバリなわけだけど、
「是非!」と言われてコップを出し続けながら
気まずい顔してる大佐藤さんお疲れ。

 なんだかこの作品、観た時よりも見終わって数日経った方が
自分の中での評価が上がってくるものなのかもしれない。
でもやっぱり、他の方には「是非!」とは勧めません。
松本信者と呼ばれる人達でも賛否両論ですから、こればっかりはどうなるやら。
ギャンブルしたいな〜って人なら劇場行くのもいいかもしれません。
少なくとも家族鑑賞もカップル鑑賞もオススメできないですね。
空回りしてる笑いも多かったんで、まだまだ料理できた気はします。
5年も構想し、10億円もかけた割には…ね。低予算だったらもっと好感持てた。
そうそう、早くも続編製作の話が持ち上がってるとか。「第二大日本人」?
一度戸惑いながらも慣れてしまえばちょっと安心して観れるかもしれない。


チャップリンの独裁者 (1940/米) 126分






 チャールズ・チャップリン製作・監督・脚本・主演作。
相手役の女優ポーレット・ゴタードは当時チャップリンの奥さん。(その後、離婚)
第一次世界大戦の末期、混乱する戦場で飛行機墜落により記憶喪失になった
ユダヤ人のチャーリー一等兵。病院を退院する頃には政変が起き、
街はすっかり独裁者ヒンケル総統率いる軍の支配下となり
親衛隊たちの横行に人々は震え上がっていた。
事情を知らない彼は黙々と床屋を再開するものの…

 チャップリンの映画は有名なものなら中学生時代に見てはいる。
改めて見直すことで、当時は判っていなかった事もいっぱいあった。
色んな映画を観てからチャップリンの映画を見直すことで
こんなに昔に、今でも通じる笑いを作って残したなんてと実感した。
彼は無声映画の印象が強いのだけど、この映画で初めて喋ってるらしい。

 トメニア=ドイツ、ヒンケル総統=ヒトラー総統と、誰が見ても判る象徴。
ムッソリーニに当たる人物も登場し、ヒンケルとの張り合いも面白い。
チャップリンは今回、床屋のチャーリーと独裁者ヒンケルの二役をこなす。
観ての通り、思い切り戦争風刺の映画なんだけど
この時代にあって、堂々とこの映画を作り、公開したチャップリンは凄い。
ヒトラーの喋りの特徴を掴み、皮肉とユーモアでコメディにしてしまう。
しかし、ただコメディにしただけでは歴史を知る人々にとっては心から笑えない。
だが彼がこの映画に込めたメッセージが次々と滲み出てくるようだ。
この映画をどういう風に捉えるべきか、観るたびに自分的解釈が変わった。

 ハンナと恋仲になり、街の人たちに祝福されながらデートに行ったり…
チャップリンの仕草は今で言うとキモかわいいの部類なのかな(笑)
兵隊たちに押し入られるシーンで籠の中の鳥が映っていたのが印象的。
何故逃亡中の人間が、ゴルフクラブとかあんな大荷物持ってるんだ!

 こんな時代を背景にしても、抱腹絶倒なシーンばかり。
彼が音楽に乗ってお客の髭を剃っていく場面や銀貨のシーンがお気に入り。
ヒンケルのキレっぷりも大笑い。怒号、ボタンのシーン。
しかしまぁ、よく物語が出来ている。
ラストの有名な演説シーンは鳥肌もの。何回観ても聞き入ってしまう。
あの熱弁が、彼が世界に伝えたかったメッセージなのだろう。
演技とは異なる力強さを感じた。
なかなか深い味のある作品だと思う。平和への強い祈りを感じさせる。
戦争ものとか、重いし…なんて敬遠していても、向き合うべき時はある。
それをとても観易く、笑いをタップリ込めて贈ったのかもしれない。
まだ未見の方には是非観て欲しい。
大笑いして、最後に感動して…まさに傑作。最高な映画だよ。
こんな月並みな言葉でしか推薦できない自分の語学力の無さを恥じる。


東京ゾンビ (2005/日) 103分




 花くまゆうさく原作のカルト漫画『東京ゾンビ』を、
浅野忠信と哀川翔の豪華共演で実写映画化した異色のサバイバル・ムービー。
2人とも主人公の特徴であるアフロとハゲのカツラを被り熱演。
また、2人は1ヵ月間道場に通い柔術の基礎を学んだ上、
柔術家でもある原作者の花くま氏自ら柔術指導に当たったと言われる
地味にリアルな柔術シーンもみどころ。
監督は「殺し屋1」などの脚本で注目を集める佐藤佐吉。これが長編デビュー。

 近未来の東京。消化器工場で働くアフロのフジオとハゲのミツオ。
柔術をこよなく愛する2人は師弟のような強い絆で結ばれていた。
そんなある日の昼休み、いつものように2人が柔術の練習をしているところに
本社の社員、藤本が現われ、ミツオをいたぶり始める。
それを見ていたフジオは衝動的に藤本を殺してしまう。
仕方なく2人は死体を産業廃棄物のゴミ山“黒富士”に捨てる。
ところが、同じように黒富士に捨てられた死体が次々とゾンビ化して復活、
増殖を始め、瞬く間に東京を埋め尽くす。
ゾンビから逃れるため、ミツオの提案で北へと車を走らせる2人だったが…

 主演はそれぞれ違うジャンルで邦画に出まくってる二人ですね。
他に、パフェ親父こと志賀廣太郎、古田新太、漫画家の楳図かずお先生まで!
原作者の人も、親父狩り女子高生のゾンビ役など、出演してるそうな。
更に親父狩りしてた女子高生は海賊版キャンペーンの黒涙の子らしい。
他にも数人、知ってる顔の役者さんがいたけど…省略。
邦画でゾンビ映画、しかもブラックコメディってことで手を出してみました。
正直、最初の方は微妙かな〜って思って見てたんだけど、
後半、ぶっ壊れた世界になっちゃって、ある意味ファンタジーでした。
ヘンテコな空気が漂ってて、つまんないようで、つまるような…
ゾンビをパロッてる意味では「ショーン・オブ・ザ・デッド」の方が出来がいい。
原作の漫画を知らないので何とも言えないんだけど、
王子は意外性があって良かった。フジオの嫁の喋り方にイラついた。
柔術戦法はゾンビには限りなく有効じゃないだろ。噛まれちゃうだろ。
う〜んとうなりながらも、続きが気になって最後まで見ちゃったんだけどね。
シュールな脱力系邦画コメディで、ゾンビ系統も平気なら一見の価値アリ。
感性が合えば、きちんと笑えて泣けて、楽しめるようにはできてます。


トッツィー (1982/米) 113分


 ダスティン・ホフマン主演、ジェシカ・ラング、ビル・マーレイ、テリー・ガー共演。
監督・脚本シドニー・ポラック。彼はドーシーのエージェント役でも出演。

 演技力はあるが、理屈っぽくて仕事を斡旋するエージェントからも
煙たがられてしまう、一癖ある失業中の俳優ドーシーは、
ある時、どうしても仕事が欲しかった為に役者仲間の受けたテレビドラマの
中年女性の役オーディションを女装してドロシーという名で合格してしまう。
女装環境に馴れ女の気持ちを知る一方、共演の女優に密かに恋してしまう。
金の為だけだったが番組も人気が出て契約も伸びることに…
このままじゃずっと女装してなきゃならなくなる!どうするドーシー!!

 何でこの映画の存在を今まで知らなかったんだろう。
何度もテレビ放映もされてるらしいじゃん!うかつだったわ…
こういう設定の映画だと、『ミセス・ダウト』あたり有名だけど、こっちはもっと古い。
相変わらずダスティン・ホフマンは演技上手くて脱帽もんです。
今回は女装ってことで裏声を除けばホントにどこかにいそうなおばちゃんに!
指の先まで女性を演じてるのが判る。結構…美人なんじゃない??
普段着が地味なドーシーはドロシーになってから化粧や服に金をかけて、
女性ってこんなに大変だったのか、って思ったり、
サポートしてくれる友人とこの服どう?これは?なんて言い合ってるの(笑)

 成り行きでアッサリと女性と関係持てるドーシー…
思えば「卒業」も「クレイマー、クレイマー」も。モテモテじゃないですか。
あの女優さんも、色々とネガティブで可哀想でしたね。
次々とドロシーもモテちゃうんだから笑っちゃう。
あぁ〜ドーシーとドロシーが別々に存在したらいいのに!…なんて。

急に図太い声になったり、レズだゲイだの、やりとりが最高。
演技を熱く語る冒頭のドーシーがまんまホフマンの素に思えてきてしまう。
役者志望な人も観れば結構参考になることがいくつかあるのでは?
単純なコメディではない、ある種の恋愛観、テーマも見え隠れしてて良い。
かかってる音楽も何処かで聞いたことある名曲だし
ラストシーンのあのカットが気に入ってます。


隣のリッチマン (2004/米) 99分


 アメリカを代表する二人の人気コメディアン、
ベン・スティラーとジャック・ブラックが共演した痛快コメディ。
同じ工場で働き家もご近所のニックとティムは気心のしれた親友同士。
しかし夢見がちなニックの突飛なアイディアから発明した商品が
瞬く間にバカ売れし、ニックはたちまち大富豪となる。
ティムは最初にニックに共同出資者として投資を頼まれたのだが
まさかそれが大成功するなんて思いもよらず、奥さんに責められる。
隣りの家が豪邸と化し、ティムは嫉妬と後悔で大パニックに。
やがて妻にも別居され職まで失ったティムはふとした出来心から…

 ベンもジャックもSNLに出演したコメディアン。
共演者にはレイチェル・ワイズとクリストファー・ウォーケンとなかなか豪華。
同じ立場、同じような生活を送っていた親友が大成功して、
嬉しいんだけど、淋しくて、色々物を送られて嬉しいんだけど、引け目を感じる。
しかも、あの時選択を間違わなければ自分も一緒に…って思いもある。
今更、仕事仲間に入れてくれなんて図々しくて、プライドも許さない。
相手が悪いわけじゃないって判ってるんだけど、たまらなくなる。
そういう状況ってレベルは違えど皆充分共感できる気持ちだよね。
映画の冒頭から流れてくる♪それがEnvy〜って歌もテーマを語ってるね。

 クリストファー・ウォーケンって結構コメディ出てて意外な印象。
「ディア・ハンター」のイメージ強くて硬派な俳優かと思ってたら
洋画の田中要次並に色んな映画に出演してますね〜
結局、ラストにあんな形で出てきたのにはアッケラカン。
ジャック・ブラックは「愛しの」とか「スクール・オブ〜」で知ってるけど
ベン・ステイラーにはあまり縁がないので、今度見てみよう。
レイチェル・ワイズの熱演にも驚き。別人かと思ったよ。
爆笑もんのコメディじゃないし、ちょっとブラック・コメディっぽく、
嫉妬とはどんなもんかを判り易く描いてる。
私だってティムの立場なら思いっきり嫉妬して卑屈になっちゃうし、
ニックの立場だったら親友に色々プレゼントして浮かれちゃうなぁ。
…ところで、フランって何ですか?食べたことない。


トリック 劇場版2 (2006/日) 111分




 自称売れっ子天才奇術師・山田奈緒子と
霊能力など存在しない!と言い張る天才物理学者・上田次郎の迷コンビが、
毎回怪しげな超常現象の秘密を解き明かす人気TVシリーズの映画版第2弾。
ゲストには“2時間ドラマの女王”片平なぎさと堀北真希。
 関東沖合に浮かぶ小さな島、筐神島。山の頂上には巨大な岩。
それは、この島を支配する霊能力者・筐神佐和子が、たった一人で
一晩のうちに持ち上げたものだという。村人たちも実際にこの目で見た。
そんなある日、上田次郎のもとに青沼という青年がやって来て、
10年前にかくれんぼの最中に行方不明になり、最近になって筐神佐和子に
連れ去られたことが判明したという幼なじみの美沙子を連れ戻してほしいと
依頼してくる。勿論、お礼に村の金銀財宝があるとかさりげに主張しといて。
山田は当然のように奈緒子を巻き込み、2人はいざ筐神島へと乗り込む…。

 仲間由紀恵、阿部寛、野際陽子、片平なぎさ、堀北真希、
平岡祐太、綿引勝彦、上田耕一、生瀬勝久、池田鉄洋、などなど…
ちょい役で大仁田アツシやらマギー四郎、Mr.オクレやらも登場。
更に堤監督マニアにはたまらない、『加藤家へいらっしゃい!』の
次女・環と長男・保の顔も見ることができます!嬉しかった☆

 まず冒頭思わぬ所で癒された。(
卵からヒヨコ〜
まぁなんてこと無いトリック、いつも通りの展開なんですけど、それでも
小ネタとパロディが散りばめられてて、そこがミソ。クスクス笑いが耐えません。
今回の片平なぎさの操る怪しい団体は、箱はあの世とこの世を繋ぐもの…
と教祖様が箱の中に入って火あぶりにされ、新しく作った箱から
すんなり登場という、トリックファンからだと、前にも似たネタあったな〜って感じ。
劇場版でこれがラストと言われるが故か、窓とか前にも使ったトリックが再登場。
しかしまぁ、山田と上田のコンビって本当によく出来てるよ。
仲悪いんだけど、仲良くて、二人の作る変な空気が好感っていうか…
仲間由紀恵は演技の幅は広くないんだけど、この山田が凄く魅力的。
美人なんだけど、美人と見なされないトコとか変な言動、行動。

 
ブックオフ・ネタ、ゆーとぴあネタ、モザイクネタ、悪魔の実、ブラジル行き、
上田が例のセリフを言った時、そういえば最近、声優したもんなと。
山田も山田で、自分の出世作を何年ブリかに再びあの役を披露。
当時から仲間由紀恵を知ってる人ならニヤリせずにはいられまい!!
CGのお遊びがあって、やりすぎだろ!って思えたりもするけど笑った。
沼に落ちる時は『指輪物語』のパロとも噂されていますな〜
今回は生瀬さんの舞台の仕事が忙しく、主役サイドの絡み一切なしだそうで。
お母様はお母様で接触しないで行動してましたな。間接的には助けたけど。

パンフレットを買えばパロディや小ネタの解説が詳しく載ってるそうですよ。

 楽しく観て、アッサリ忘れていってしまうんだけど、時々思い出すトリック。
ラストシーンの一瞬で、望みを抱いたファンも少なくないはず!
完に続きがあるなんて。堤さんなら、きっとやってくれるさ!「よろしく、ねっ!」


ナイトミュージアム (2006/米) 108分






 もしも博物館の剥製たちが夜動き出したら?というアイディアから生まれた
「ミート・ザ・ペアレンツ」のベン・ステイラー主演のファンタジー・コメディ。
共演にプライベートでも仲良しなオーウェン・ウィルソン(ノンクレジット)
「SINCITY」カーラ・グキーノ、ロビン・ウィリアムズ、ミッキー・ルーニー、
「メリー・ポピンズ」の煙突掃除屋役でも有名なディック・ヴァン・ダイクも出演!
監督は「ピンクパンサー」「ジャスト・マリッジ」のショーン・レヴィ。

 アイディア商品で一攫千金を夢見で定職につけないバツイチ男ラリーは
最愛の息子ニッキーからも愛想尽かされはじめていた。
養育費も満足に払えず妻と新しい再婚相手にも頭が上がらないラリーは
思い切って職安を訪れ、アメリカ自然史博物館の夜警の仕事を紹介してもらう。
何故か仕事に就いた途端に辞めていく者が多いというこの職場。時給11ドル50。
長年そこで務めていた老人たち3人の代わりに夜警の仕事に就いたラリーは
最初の一晩で驚くべき光景を目にすることに…

 ファミリー向けだよなと思って家族で鑑賞することに。
正解でしたね。この手の映画は一緒に見る人が多ければ多いほど楽しいかと。
逆に一人で観たら良さが出ないというか、つまらなく感じるかもしれない。
あまり深いテーマやメッセージ性はない。でも楽しい。
アメリカ自然史博物館に行ったことある人なら倍楽しいかも。
私は勿論行ったことないんですが、ゲーム「パラサイト・イヴ」で
ここを舞台にガンガン撃ってたのでお馴染みのティラノや熱帯雨林とか
あぁ〜アソコかぁなんて。どこまであのゲームが忠実だったかは定かじゃないが。
これでベン・ステイラーが日本でも一般的に有名になったようですね。
ジョニー・デップがカリビアンで一般的に知られるようになったように…
そこまでブレイクはしてないし、これからもしなさそうですが私は好きです。

 ローマ人オクタヴィウス(オクタウィアヌス)と西部人ジェデダイアの争い、
火つけてる原始人、マヤ族モアイ、銅製のコロンブスとか、
南北戦争してる顔ナシ人形、
ルイスとクラーク探検隊を案内したインディアン少女サカジャウィア
合衆国26代目大統領セオドア・ルーズベルト大統領とか
フン族(ローマに侵攻した遊牧民)の王アッティラ、猿のデクスター…
実際の人物をそのまま使ったり、多少名前も変えて脚色してたり。
ケンブリッジ大学で英語を覚えちゃったというアクメンラー王以外、
人間で正真正銘な本物は彼しかいない…よね。
54年前からエジプトの展示品アクメンラー王の石版の影響でこうなっている。
そんな前からあの夜警3人は今まで大した事故もなくやってきたのかね。

毎晩あんな状態になるのならしっかり各部屋に鍵をかけて
夜警なんてしない方が安全かもしれないが。

 
大きな危機に直面し、色んな時代の連中を説得し団結させ、
偉大になれるチャンス、仕事を成す為の努力、歴史のお勉強、
その結果馬車を「ダコタ!」で止めて見事に息子に見直されたラリー。
この流れは王道だけどジ〜ンときましたね。
終わり方もノリノリで好き。あの職場楽しそうだな。また問題起こりそうだけど。
ラジコンカーが中から運転出来るわけないのは目をつむりましょう。
エンドロール途中にその後の3人も登場。丸く収まって良かったな。

想像通りでしたが満足度はまぁまぁ。たまにはこういう映画もいい。
最近はこういう米製ドタバタコメディが劇場公開しヒットするのが珍しい気が。
家族や友人とワイワイお菓子食べて見るにはいい。78点。


ナチョ・リブレ 覆面の神様 (2006/米) 92分


 「スクール・オブ・ロック」の主演・脚本コンビ、
ジャック・ブラック&マイク・ホワイトが再び手を組み、
「バス男」の新鋭ジャレッド・ヘスを監督に迎えて贈るハートウォーミング・コメディ。
実話をヒントに、貧乏修道院を救うためメキシカン・プロレス(ルチャ・リブレ)の
覆面レスラーとして奮闘する心優しき太っちょダメ男の活躍を描く。

 幼くして両親を亡くし、修道院で育てられたナチョ。ヒーローを夢見る彼は
大人になり今はその修道院で料理番として孤児たちの面倒を見る日々。
しかし、お金のない修道院では子どもたちに満足な食事を与えることもできない。
そんなある日、街でルチャ・リブレのスター、ラムセスの人気を目にし、
自分もレスラーになってお金を稼ぎ、子どもたちにおいしい食事をと決意する。
しかし、ルチャ・リブレは修道院の規則に反する為、内緒で試合への出場を決め、
知り合った謎のヤセ男を相棒に、奇妙なトレーニングを開始するのだが…。

 バス男の監督かぁ〜…どーりで…このユルさ。
でも正直、「スクール・オブ・ロック」や「バス男」の期待でこれ見てはいけない。
のんびり、ノホホンとしてて笑い所も微妙なんだけど素朴であったかい。
特に感動するシーンとかないんだけど、ジャックブラックの魅力は感じる。
長州小力のお腹が好きならナチョも好きになるかもしれない(?)
意外な見所としてはシスター・エンカルナシオンでしょうか。
地味だけど美人です。ペネロペ・クルスか長谷川京子か…そんな顔。
あとロケ地がメキシコなんでその雰囲気がたまらなかった!
BGMもメキシコ音楽でラテンが熱い!
プロレスに関しては修行も試合も中途半端で消化不良気味だけど。
日本で映画館上映だったけど、これはDVDで見た方がいい気がする。
ジャック・ブラックの大ファンで彼を観てるだけでニヤニヤ出来る人なら
文句なしに楽しかった!と言えるのでしょうが、一般受けではないです。


ナッティ・プロフェッサー/クランプ教授の場合 (1996/米) 96分


 エディ・マーフィ主演のSFXコメディ。
温厚内気な性格の生物学科教授クランプは、180p180kという超肥満体型。
その為、働くのもやっとで学部長を悩ます大ドジ連続の日々を送っていた。
そんなクランプ教授の前に、ある日、クランプ教授を尊敬しているという
研究生のカーラが現れる。美人の彼女を好きになり、
どうしても痩せたいと願った彼は、開発中のDNAを操作する痩せ薬を
自分の身体で実験。するとスリムな身体に大変身したどころか、
性格も陽気で強気な口八丁手八丁のまったく別人になっていた。
彼は早速カーラに迫り始めるが…

 ジェリー・ルイス主演の「底抜け大学教授」をもとにしたコメディ作品。
肥満体型から痩せ型に行き来するSFXの他、
リック・ベイカーによる一人七役を演じたE・マーフィ七変化の特殊メイク等、
様々な特殊撮影を駆使して爆笑シーンを生んでいる。
「ビバリーヒルズ・コップ」以来、やや低迷気味だった
E・マーフィの復帰作として大ヒットとなった。

 テレビで放送したのを拝見。前にも見たんだけど、面白いぃ〜
ベタなストーリーだけど、その分キャラに素直に好感が持てる。
下ネタばっかりの家族や人の欠点指摘して悪口言って爆笑取るコメディアンとか
日本じゃこういうの引かれるよね。気分を害する。
元々、遺伝で体脂肪率も高くて、体脂肪率は減らせない。
痩せようと努力しても、痩せることが出来ない人は実際にいるのだ。
自己嫌悪になって、世間の目が気になって
ヤケ食いして、後悔して…その悪循環。
映画ではエディが特殊メイクで太っていたけど、
あのくらいの人があそこまで痩せられたら世界が変わって見えるだろうね。

 カーラ役のジェイダ・ピンケットはマトリックスシリーズのナイオビ役や
「コラテラル」の女性などで見たことあった。ここにも出てたんだね。
ウィル・スミスの奥さんだってことは最近知った。
「荒野の七人」などで知られるジェームス・コバーンもパトロンの役で出演。
この方は、2002年に心臓発作でお亡くなりになっていました。
この映画に出てくるクランプ教授の家族が凄いの何のって。
子供以外、全部エディ・マーフィーが演じているのだ!
そして吹き替えは山寺宏一!!もう大、大、大好き☆
お母さんの声がツボにはまって笑えてしかたなかった。
テレビで肥満の人を励ましてる声も山ちゃんだったような。
物語の終わりにNG集までテレビで流してくれるんだもんな。

 クランプ教授のキャラがしっかり確立されてたからか、
痩せたバディ・ラブのキャラは嫌味に感じることだらけ。
見ている私でも、バディよりシャーマン取るわな。
特に凄い展開はないけど、たまに出てくる悪夢が面白かった。
エディ・マーフィー自体が好き嫌い別れる癖の強い役者なので
彼の映画は気に入るか気に入らないか、パッと分かれそう。
続編、まだ観たことなかったなぁ。
クランプ家の面々…ここではエディは計9役をこなしてるらしい。
何と、前回の彼女はいなくなって、ジャネット・ジャクソンが出てるじゃん!
やはり、前回に比べると評判はイマイチ。


ハッカビーズ (2004/米) 107分




 「スリー・キングス」のデヴィッド・O・ラッセル監督が描く異色の哲学コメディ。
主演は「天才マックスの世界」のジェイソン・シュワルツマン。
共演にジュード・ロウ、ダスティン・ホフマン、ナオミ・ワッツなと豪華。
歌手のシャナイア・トゥエインも何ちゃって出演。

 自然保護団体に所属する若き運動家のアルバートは探偵事務所の門を叩く。
そこは実在主義を考える哲学探偵夫婦のオフィス。
アルバートは最近、何の接点もなかった赤の他人である男と偶然にも
3回も出会ったことから、宇宙の真理、自分の存在意義、全てを知りたくなった。
探偵夫婦に自分を観察してもらうことにして、彼は活動を続けようとするが、
森と沼を守る運動に共感し、一時は親しく手を組んだブラッドが立ちはだかる。
彼はスーパーマーケット“ハッカビーズ”のエリート社員。
彼もアルバートと同じ探偵を雇っていたことで、ますます状況は複雑に…。

 これもミニシアターコーナーで発見。
ダスティン・ホフマンが出演していることだし…拝見。
哲学論ってのはメンドクサイねぇ〜自分と他者の存在とか関係とか、
個々を作る物質がうんたらかんたらと…自分も中学時代は変なことばっかり
考えてたけどさ…こういうテーマを。今は全然考えない。
何を論じても絶対的な答えなんて出ないし、一番自分にとっての
しっくりくる言い回しを作り出せば満足するでしょうよ。
真面目に理解しようとして映画を鑑賞する人によっては、
テーマも不明瞭で意味不明でイライラするかもしれない。
私は思っていたよりは楽しめたかな。要は滑稽な様を描いてるわけだ。
ギャグだもんな…斜に構えて見るのが正しい。
土曜日の昼下がり時に見たのも良かったのかも。

 ダスティン・ホフマンは怪しげな哲学論を語る探偵夫の役。
白髪のおかっぱ頭で、シーツを全宇宙だと言う。
主役の人は妙に顔が濃くて…気になった。むさいわ〜
ジュード・ロウのキャラが結構面白味あったな。
主人公の精神世界にひょっこり登場してくるくだりが好きだ。
主人公の分身だと紹介されるNO石油派消防士トミー役は
「PLANET OF THE APES 猿の惑星」のマーク・ウォールバーグ。
人生の意味を探していたんだけど、案外そういうことは
憎んでた相手に実はちょっと共感できたり、恋人が出来たり、
そういうことで間接的に満足できちゃうってことなんだろうか?
夢中で哲学を語る人って興味ない人にとっては悪質な宗教勧誘みたいなもんかも。
「同じ話題しかしてないぞ君も」のシーンでは誰しも思い当たる節あるのでは?
ナオミ・ワッツはあの探偵夫婦の影響で何故あんな変な格好を??

セリフのひとつひとつが自分の予想のつかぬ言葉返しばかりで、
変わった映画ってことで新鮮だったし、演者も楽しそうだったな。
何ちゃって哲学系ブラックコメディとしてどうぞ。BGMも素敵です。


バッドサンタ (2003/米) 91分


 サンタに仮装した中年ダメ男が繰り広げるハートフル・ブラック・コメディ。
監督は「ゴーストワールド」のテリー・ツワイゴフ。
製作は「レディ・キラーズ」「ディボース・ショウ」のコーエン兄弟。
主演は「チョコレート」「バーバー」のビリー・ボブ・ソーントン。
 クリスマスを間近に控えたアリゾナ州のとある街。
何よりも酒と女が大好きな中年男ウィリー。彼は毎年クリスマスシーズンになると
デパートでサンタクロースの格好をして子供たちの相手をするバイトをしていた。
だが本当の姿は、クリスマス後の売り上げが詰まったデパートの金庫破り。
今年も妖精に扮した小人の相棒マーカスと共に、とあるデパートに狙いを定め、
サンタの扮装で好きでもない子供たちと一緒に写真を撮るウィリー。
ところが、そんなウィリーに一人の冴えない肥満少年がなついてしまう。
最初は邪険にしていたウィリーだったが、事情で少年の家に居候するハメになり…

 クリスマスネタのギャグコメディだと思って見てたら、そうでもない。
子供に見せようなんて思わない方が良い。おっさんサンタが酷すぎる。
これは、ブラック要素満載で、主人公のおっさんがあまりにもダメ男で、
少年と交流していくうちに、心を入れ替えていくんだな〜って思ってたけど
なかなかその片鱗が見えないまま、「アル中って最悪…」ってひたすら思った。
主演のビリーはアンジェリーナ・ジョリーの元夫だそうな!!
「ラブ・アクチュアリー」ではアメリカ大統領を演じ、
「チョコレート」ではハル・ベリーと熱く絡んだあの人。凄い変身ぶりだな。

 あんまり笑えるネタがないので、ギャグ系って感じがしなかった。
でも、あのダメダメっぷりには、ラストまで見てやらねば。なんて気を起こさせる。
子供の夢を壊す内容だけど、ああいう落ちぶれたサンタってのもアリかも。
笑えねぇ〜よ!そのネタ!!ってマジでビックリした。ばあさん…
心を入れ替えたアイツのその後の姿を拝みたかったな。
クリスマス・シーズンってことで鑑賞してみたけれども
とにかくお下品なネタ満載なので、割り切ってご鑑賞下さい。
アメリカでは大ヒットしたっていうんだから、凄いというか何というか。


ピンクパンサー (2006/米) 93分




 怪優ピーター・セラーズがドジな警部、ジャック・クルーゾーに扮した
往年の人気シリーズを、スティーヴ・マーティン主演でリメイクしたドタバタ・コメディ。
共演にケヴィン・クライン、ジャン・レノ、ビヨンセ・ノウルズ。
特別出演でクライヴ・オーウェンも面白い役で出演している。
監督は「ジャスト・マリッジ」のショーン・レヴィ。

 フランス代表チームが中国代表に勝利した直後、
フランス代表を率いるイヴ・グルアン監督が試合会場で
何者かに殺される事件が発生し混乱の中、彼が身につけていた
高価なダイヤの指輪“ピンクパンサー”が消えてしまう。
捜査を指揮するドレイフェス警視は、ドジなクルーゾー警部を捜査に抜擢する。
そうして世間の注目を彼に集中させ、自分はのびのびと捜査を進めて
手柄を独り占めにしようという魂胆だったのだが…。

 ピンクパンサーは父が好きなので小さい頃、一緒にいくつか見てたけど
今じゃ全然記憶に残っていない。オープニングのピンクの豹は大好きだけど。
何年も経った今、思い切ってリメイクに振り切られたこの映画、
少なくとも、日本で劇場公開されても全然話題にはされませんでしたよね。
ギャグもあんまり笑えないって評判だったから、期待しないで、
ビヨンセが出てるしなーって理由でレンタルで拝見しました。
意外に…王道な笑いが多かったんだけど、笑えました。
スティーヴ・マーティンは今まで縁がなかったのでほとんどお初。
クルーゾー警部に付く相棒役のジャン・レノは髭が無いせいか印象変わった。
真面目な顔して変な行動取る所が見事にツボりました。
ビヨンセは相変わらずビヨンセ以外の何者にも見えず。歌も唄う。

 ドジなんだけど自覚がなくて、こうと決めたら突っ走る。
最後の最後、あまりにも決着のつけ方が簡単過ぎるのだけど、
それはそれでご愛嬌。あの音楽が聞こえてくるだけで高揚するのよね。
ピンクパンサーって宝石があまりにも玩具みたいで、
そしてサッカーの監督が普通に所有してるのがあまりに不自然だけど
こそらへん、コメディだから多めに見てあげるとして57点くらいかな。
久しぶりに旧作にも興味が出たので、今度見比べてみるとしよう。


ファンシイダンス (1989/日) 101分




 お坊さんだって恋をする!踊っちゃう!悩んでる!
岡野玲子のヒット・コミックスをもとに周防正行が修行僧の青春を
スタイリッシュに軽妙に描き、邦画界にコメディの新境地を拓いた傑作。
主人公・陽平を演じるのはこれが映画初主演となった本木雅弘。
相手役には鈴木保奈美。その他、竹中直人、田口浩正、大槻ケンヂなど。
ちなみにバンドには東京スカパラダイスオーケストラが参加している。

恋に、オシャレに、モテんがためのロックバンド…
人生気ままに楽しく過ごしていた塩野陽平クン。
所がなんと、家業をついで田舎の寺の住職になるために坊主修行をする為に。
こうして禅寺・明軽寺を舞台に、厳しくもお洒落なお寺ライフが始まる。
古参の僧達に蹴られ殴られ寝ても覚めても座禅と作法。
挙句に都会に残してきた恋人真朱サンの姿もチラついて…
しかしそんな修行生活の中で彼は自分なりの悟りを開いていく。

 廉価版DVDが安かったからジャケットに惹かれて購入。
まだまだ若いねーモックンの演技はまだ発展途上でした。
これの似たようなキャストで「シコふんじゃった」「Shall we ダンス?」と続く。
ドタバタコメディなんだけど、少し昔の作品なだけあって
ちょっとテンポが悪いような…でも憎めない。憎む必要もないけどさ。
お坊さん修行がどんなものだかダイジェストに分かって面白い。
質素な食事に厳しい規則正しい生活。健康的そうだなぁ。
陽平の弟君の変なキャラと田口の羊羹丸喰いが印象的。
そして仏教vsキリスト教にも。陽平をちゃん付けするご隠居も可愛い。

今まで、坊さんにこんな就職合宿があるとは知らなかった。
各寺で息子や弟子に直に教育して跡継ぎにしたりしてるのかと。
街でみかける托鉢僧への見方も大分変わる。
そういえばどこかのでかい寺で若い修行僧たちがはしゃいで掃除してるところを
見かけたこともあったなぁ。爽やかな坊さんたちは結構格好良かったよ。
映画でいうと、そりゃ最先端だもんな。格好いいさ。
正直、
大トリになった法戦式はよく分からなかったんだけど
坊さん生活をザッと知れるし、モックンのはじけっぷりも面白いです。
当時の時代のファッションは変テコだなぁ。柄もの重ね着とかしてるし。
DVDの特典映像の竹中直人のインタビューが面白かった。
結婚する前の周防監督とそんなに仲良しだったのね。
特典には坊さん用語も詳しく載っている。


フォー・ルームス (1995/米) 99分


 4人の監督がそれぞれ1話ずつ担当した4話収録の映画。
1話目「ROOM 321 お客様は魔女」監督:アリソン・アンダース
2話目「ROOM 404 間違えられた男」監督:アレクサンダー・ロックウェル
3話目「ROOM 309 かわいい無法者」監督:ロバート・ロドリゲス
4話目「ペントハウス ハリウッドから来た男」監督:クエンティン・タランティーノ

 ティム・ロス演じるホテルのベルボーイが大晦日の夜、一人で勤務になり
4つの部屋を巡りそれぞれ色んな出来事に巻き込まれるというストーリー。
1話目にはマドンナが出演。これで彼女はラジー賞受賞★
3話目にはアントニオ・バンデラス…更に特別な役でサルマ・ハヤックも登場。
4話目には勿論、タラちゃん自身が出演すると共にブルース・ウィリスも。

軽い気持ちで観る映画。マジに観ちゃいけません。
いかにも深夜映画の匂いプンプンなテイストです。
冒頭のピンクパンサーみたいなアニメーションも好きだ。
オムニバス形式のコメディ映画です。1本で4つの味が楽しめる☆
ティム・ロスが終始、苛ついたりテンパったり。
この映画では冴えないヒョロ男に見えるけどレザボアやパルプ、それぞれ
受ける印象が全く違うから、凄いなぁと思う。
あれから色んな映画を観て、改めてこれを観ると、ティム・ロスにしては
随分、珍しいキャラにチャレンジした作品だったんですね!
彼の演技が鼻に付くって人もいるみたいだけど、好きな人にはたまらん作品。

 1話はちょっと、何がしたかったのかよく判らないまま終わって
キモがマドンナだけじゃキツイかなと思った。
謎めいていて、ワクワクはしてたんだけどね。肩透かし食らった気分。
2話は掴みはオッケー。ああいう一触即発な状況は好きだ。
3話、バンデラスの恐いけど、お茶目なマフィアも面白い。
あの子供二人は今見るとまんま「スパイ・キッズ」の原点ですね!
子供たちが観てるテレビ、最初の方に映ってたのは
同ロドリゲス監督の初期作品だ!「エル・マリアッチ」の特典に入ってる。

 4話目の話が一番好きかな。3話も同じくらい好きだけど。
タランティーノが夢中でマニアックな話する熱心な雰囲気がたまらなく好きだ。
くだらない話でも徹底してるし、妙なこだわりが面白い。
これでタラとティムが肩組んでるシーンを見て、
ティムってこんなに小柄だったんだ〜それともタラが大柄だった??なんて。
これを観て、「リオから来た男」を見たくなったわ。
確かにああいう説得を受けたら、誰だって引き受けるさ!!
あのベルボーイ、結局一夜のうちにどんだけ稼いだんだよ。
チップ制の国が少し羨ましくなる映画でした。(笑)
あんまり評価は高くなかった映画になるかもしれないけど、
こういう監督別々で共通の話を作るというのはまたやって欲しい試みだ。
これ大好きで、たまにもの凄く見たくなるんす。マジで。


フルモンティ (1997/英) 92分


 失業中で奥さんとも離婚した主人公のさえない男。
養育費を入れないと愛する息子に会えなくなる!急いで友人と職探し。
車でガス自殺しようとした友人ゼロの男や劣等感のかたまりな男
実はクビになったのを隠して毎朝出勤するふりをしてたおじさんや…
オーディションもして仲間を集めて彼らが目指したもの
それはフルモンティ=すっぽんぽん だった
世間では負け犬ランクな彼らでも、何か出来ることがある!

 フルモンティって何ぞや?この映画観るまで知りませんでした。
ストーリーの筋を観て異質な感じがしたのもそのはず、イギリス映画だもんね
知らない俳優ばかりだし…
 ゆったり、たんたんと流れていくので山場とかわからなかったんで
まさかあんな終わり方をするとは…意外。もっと先があるかと思ったけど。

 主人公の男がヒョロっとしてて頼りなさげでかなりださいんだけど
「がんばれ、がんばれ」って思える不思議な作品。
人間、せっぱ詰まったら最終的には脱げばいいのね?!
裸の価値は男女さほど変わらない??
見せる対象が変わるだけ、隠されてるものは誰だって正直興味あるのだ。

 あの彼女が自分に劣等感満々の彼に言った台詞はあたたかい。
ラスト近くの男の子の一括にもジンときた。
恥ずかしいこともあるけど、あんな体験ばかりさせてくれるお父さんは
決してそんなに悪くはないと思う。
ハリウッド的な一発逆転アメリカンドリーム要素が無い分、現実感があった。


ホーンテッドマンション (2003/米) 98分




 「パイレーツ・オブ・カリビアン/呪われた海賊たち」に続き、
ディズニーランドの人気アトラクションを映画化したホラー・コメディ。
監督は「ライオン・キング」「スチュアート・リトル」のロブ・ミンコフ。
主演はエディ・マーフィー、ジェニファー・ティリー、
ナサニエル・パーカー、テレンス・スタンプ。

 不動産業を営むジム・エヴァースは仕事熱心で家族サービスも少ない。
今度の週末に家族旅行に行こうと妻サラと約束を交わすものの、
旅行前日に、大きな取引の話が舞い込んでくる。
それは、大昔に建てられた名家の豪華な屋敷を売りに出したいという依頼。
仕方なく翌日ジムは家族旅行の途中、一家でその屋敷に立ち寄ることに。
しかし、いざ屋敷に着いた途端一家は突然の嵐に見舞われてしまう。
そこで彼らは、不気味な執事に促されるまま、
一晩をその屋敷で過ごすことにするのだったが…。

 テレビ放送で拝見。一時期はちょっと話題になってましたね。
ディズニー映画ですからねぇ。ちなみに、アトラクション未体験です。
「ホーンティング」でもそうですが、古い豪邸が呪われて…ってお約束な設定で。
999人のゴーストっていうのは凄い数ですけどね。
実際は細かく数えてもそこまでは出演してませんよね?
王道のステージだけど、流石ディズニーといったところでしょうか、
ほどよく笑えて、それなりに薄味ですが醍醐味シーンもありました。
エディ・マーフィーは良くも悪くもいつものコメディ演技って感じで。
ジェニファー・ティリー、なかなか綺麗な方ですね。
テレンス・スタンプは私にとっては未だ「プリシラ」の長老様です。
謎の水晶おばさまと使用人2人のコメディ担当をはじめ、
何故あの執事は全ての幽霊を統べる力を持っているんだろう?
きっとそれは、魔王が何故魔王なのかぐらいどうでもいい理由かなぁ。
暖炉が勝手に悪を裁いてしまって、ちょっと拍子抜けだけど
子供向けだからこんな感じでいいのかもしれない。
その後、DVDでは違う終わり方なのかもしれないけど、
あの豪邸を売ったのか住んだのか、知りたいね。
住む方が話的にはいいけど、メンテやら色々費用がかさんで大変そうだな。
大事な鍵が汚い水の底に沈んで娘が潜って取りに行ったり、
私もこういうのにハラハラした時期あったなぁなんて俯瞰で観てしまう。

さすがにパイレーツより娯楽性は低いだろうけど、ディズニー好きなら
こうやって映画になって、またアトラクションも楽しんで、と
売る側にとっても2倍おいしい効果になるんでしょうね。


マスク2 (2005/米) 96分






 ILMのVFX技術とジム・キャリーの全身を駆使したコミカルな演技が
大ウケし、世界中で大ヒットした94年製作のナンセンス・コメディ「マスク」の続編。
今作では生まれながらにしてマスクのパワーを持ったスーパーベイビーが登場、
マスクとベイビーを巡ってさらなる大騒動が繰り広げられる。
主演はジム・キャリーに代わって「スクリーム」シリーズのジェイミー・ケネディ。
監督は「キャッツ&ドッグス」のローレンス・ガターマン。

 漫画家でいまはアニメスタジオに雇われている小心者の青年ティムは、
ある日、愛犬オーティスが拾ってきた奇妙な緑色のマスクを被ってしまう。
人格が変わり大胆になった彼は、会社の仮装パーティで一躍ヒーローに。
そのまま家に帰り、妻トーニャと情熱的な一夜を過ごす。
やがて月日は流れ、その時に授かった赤ちゃんアルヴィーが生まれる。
不思議なことに、アルヴィーはマスクを被っていないのに、
どうやらスーパーパワーを備えているらしい。
一方、緑のマスクはオーティスがいつのまにか被っていて家の中は大騒ぎ。
そこへ、マスクの本来の持ち主であるいたずらの神様ロキが取り返しにやってきた。

 1は、テレビ放映で観たけど、断片的な記憶しかない。
ジム・キャリーはギャラ問題で降りたらしいね。ファンはさぞ残念でしょう。
私自身はマスクに思い入れがなかったので、期待無しで鑑賞。
なるほど、前回のぶっ飛び具合からして、2の主人公はおとなしい。
ていうか、パーティーのシーンは限りなくつまんない。
劇場で観た人はこの時点で退場する人出そうだなと思った。
でも話は主人公がマスクを被って大暴れするのがテーマじゃなかったので
赤ん坊とマスク被った犬のカートゥーンアニメ張りの戦いや
父親のオーディーンに怒られながらマスクを捜すロキが見所。
ティムがマスクを被るのは2回だけだし。粘土質な髪型はどうかと…

 ロキ役のアラン・カミングのとってもキュートな瞳が好きだ!
『スパイ・キッズ』でも似たようなトリッキーだったけど良い顔してんね。
『X-MEN2』のナイトクロウラーだったんだ…今作で名前と顔を覚えよう。
北欧神話の神様が絡んでくるのが私好みでした。
普通、そこで交換して終わるはずが、マスク同士を戦わせたいのか
変に長引いた展開はどうかと思ったけど進んだ映像技術を見せたかったのね。
赤ん坊は確かに可愛らしいけど、合成映像が多くてきもかった。
放尿も、やり過ぎ。あんな赤ん坊いたら、無邪気に殺されそう。
犬も普段は可愛らしいのにマスク被った時のあの豹変…コワッ

 本国アメリカでのウケは良くなかったらしいが日本ではヒットしたとか。
ラストの、割とすんなり収まる所が結構よかったな。
続編のようなタイトルだけど、マスクを拾った別の話なんだし
題名を変えた方がよかったのかもね。私はまぁ嫌いじゃないよ。
前作のマスクはちょっとダークさもあって、幼い弟が怖がってた記憶がある。
家族愛がテーマなので、前回のマスクよりも子供向けかも。
マスクの能力を備えた赤ん坊をそのまま育てちゃっていいのか?


マルコヴィッチの穴 (1999/米) 112分


 スパイク・ジョーンズの長編デビュー作。
"俳優ジョン・マルコヴィッチ"の頭へとつながる穴を巡る不条理コメディ。
人形遣いのシュワルツと妻のロッテはひょんなことから
映画俳優のジョン・マルコヴィッチの頭の中につながる穴を見つける。
そこに入ると誰でも15分間マルコヴィッチになることができた。
これを利用して商売を始めたところ、その"マルコヴィッチの穴"は大繁盛、
連日行列が続いた。しかし妻のふしだらな願望を聞いたシュワルツは…
一方、自らの異変に不安を覚えたマルコヴィッチは…

 一時期話題になってたし、宣伝も見たことあった。
興味が出て観てみたら、コメディってジャンルじゃないような…
冒頭から静かな、いたって平凡な地味なシュワルツの人生を見せられた。
務める会社が7と二分の一階とか社長が変とか、クスリとも来ない…
コメディだと思って見るとダメですね。ジャンルはコメディに置いてあるけど
妙に哲学的なこと語ろうとしてるし、シリアスだし展開は正に不条理。
ジョン・マルコヴィッチをよく知ってる人なら喜んで観れるかも。
でも私は今の所「ジャンヌダルク」と「仮面の男」しか見てないもので…

 劇中、地味な奥さんがまさかキャメロン・ディアスだとは思わなかった。
ああいう顔だっけ?確かに観たことある顔だったけど…混乱した。
あとこの映画、マルコヴィッチの友人役でチャーリー・シーンが。
カメオ出演でショーン・ペン、ブラッド・ピット、ウィノナ・ライダーが。
でも本当に、ちょい役だね。ブラピなんてピンボケで一瞬だったし(笑)
主演を務めたジョン・キューザック、まだ彼の特徴が掴めません。

 一番面白かったのがマルコヴィッチ自身が穴に入ったトコ。
あの世界、あのテンションのみの映画だと思ってたからさぁ〜
映画始まって、ああいうシーンばっかりってのも飽きるかもしれないが
ああいうノリを期待してしまっていたからね…
あと、動物たちがいい味は出してた。お喋りオウム欲しい。
あと、確かに人は他人の中に入ってみたいという願望はあると思うが
映画の中で、そのマルコヴィッチの中に入ってどう楽しいのか
うまく表現できていなかったような気がする。
そして家族で見た私はエッチなシーンで気まずくなった…

 私はシュワルツが気の毒だなんて全然思わなかったよ。
むしろ、自業自得だしラストまで未練タラタラなのは嫌な感じ。
穴の秘密が判った時点で、マルコヴィッチが可哀想なわけだし
あの終わり方も、思いっきり後味悪いかなぁ…
しかしこの映画、思いっきりジョン・マルコヴィッチをアピールできて
観た人間は他のどの映画を観ても彼の名前を観ればこれ思い出すだろうし
凄いインパクトを残す映画ではあるだろう。


ミート・ザ・ペアレンツ (2000/米) 108分


 『オースティン・パワーズ』シリーズで知られるジェイ・ローチ監督作品。
製作総指揮スティーブン・スピルバーグ。
愛する彼女との結婚を彼女の父親に認めてもらうために、
彼女の妹の結婚式の機会に彼女の実家に訪れるグレッグだったが、
その父親が元CIAの頑固者で、度重なる不運にも見舞われ、
二人の仲はどんどん危うくなっていく…
主演は『メリーに首ったけ』のベン・ステイラー、ロバート・デ・ニーロ。
テリー・ポロ、ブライス・ダナー(グウィネスの母)、オーウェン・ウィルソン等。

 全米大ヒット・コメディで、続編にダスティン・ホフマンが出るというので
1を拝見しておこうかと思いました。デニーロ嫌いだったけど、良かった。
オースティン系に比べて随分、現実的な設定で笑わせてもらいました。
爆笑系っていうより、「うわぁ〜、あちゃ〜、えぇ〜」って感じで。
緊張しまくってドンドン印象を悪くしていってしまうんですが、
ベン・ステイラーはこういう可哀想な人がよく似合うねぇ。
猫嫌いなんですか…なのに何で猫に懐かれちゃうんでしょう。
全体的にそれ程インパクトのある映画じゃなくて、何かほのぼのしてた。
彼女ももうちょっと仲を取り持ってあげろよ、とか思ったけど、
後半辺りはもうグレッグの自爆で自業自得な感じがした。

 
骨壷壊しちゃったり、嘘付いちゃったり、誤解されちゃったり、
花嫁に青アザ作っちゃったり、燃やしちゃったり、散々な事があって、
ラストは何か娘が言うから急に無理矢理仲直りしちゃった風で納得いかない。
私が親父の立場だったら、あのくらいで水に流すなんて無理無理。

でも、あのラストのワンシーンと続編がある、ってことで許しちゃうよ。
デニーロは製作にも関わってるんですな。楽しそうに演じてた。
車の中で、猫だの犬だの、この音楽は〜とか、慣れない相手に
お互いに気を遣いつつも空気読めてない感じがなんかナチュラルだった。
元・婚約者の家があんな豪邸だったら、かぁなぁり落ち込むんですけど…
航空会社にあんな目に遭わされたんだもの、荷物預けない姿勢は最も。
あの暴言にビックラこく添乗員が泣き出してくれないかなーなんて思ったけど、
アメリカ女性は日本の女性よりもああいう暴言聞き慣れていそうだね。

フォッカーって苗字のきわどさが、今後の展開でも使われそうだ。
ホフマンが彼の親父として続編登場!楽しみだなぁ。


ミート・ザ・ペアレンツ2 (2004/米) 115分


 恋人の親父がデニーロだったら?!全米で大ヒットした爆笑コメディの続編。
今回はデ・ニーロに加えてベン・スティラー演じる主人公の両親役で大物俳優、
ダスティン・ホフマンとバーブラ・ストライサンドも登場!!

 恋人パムの父親ジャックから苦難の末にようやく結婚の承諾を得たグレッグ。
だが喜びも束の間、結婚を目前にしたグレッグに新たな試練が待ち受ける。
それはジャックに自分の両親を引き合わせること。
グレッグは元CIAで超堅物のジャックに、父は弁護士、母は医者と説明していた。
しかし実際は、父バーニーは息子の誕生を機に休業して専業主夫となっており、
一方の母ロズは医者とは言っても高齢者向けの性生活カウンセラー。
おまけに2人ともあまりに開放的すぎる変わり者で、
堅物のジャックとは何もかもが対照的なのだった。
グレッグは、この最後にして最大の難関を無事乗り切ることができるのか?

 うわぁ〜!待ってました!借りてきたDVDを即プレイヤーに入れたよ。
相変わらず相性最悪なグレッグとジャック。トラブル災難続き。
ダスティン・ホフマンはあんまり映画には出ないからコメディは貴重です。
小麦色の肌、あの陽気さ、今の彼でも十二分に惚れまくっちゃいます。
もうね、デニーロを役でも演技でも食っちゃってるホフマンが。
いいじゃ〜ん、あんな開放的でフレンドリーな両親。
ナンバーワン派、オンリーワン派、色んな主義主張で対立をあらわにしていく。
でもフォッカー両親vsジャックって感じで。ジャックの奥さんはもうあきれてるだけ。
今回は前回に出てきたパムのお姉さんの子供が何故かひっついてきて
余計に事がこんがらがる、こんがらがる…変なアイテムも登場。
メイキングシーンでデニーロもホフマンもおちゃらけて笑い放題。
そう、演じてる側が楽しいのは、観てるこっちも伝わってきます。
私は勿論、1作目よりも2作目のハチャメチャ感が大好きですね。
3作目はあるのか?もう困難はないと思うが…孫の取り合いとか??


女神が家(ウチ)にやってきた (2003/米) 105分


 これは…邦題で一瞬ハァ?(゚Д゚)なイメージで全く想像つかなかった。
妻と別居中の寂しい弁護士の夫が
チャットで親しくなった見知らぬ女性に会う…という風に
話は流れていくわけですが、出会った彼女は外見も中身も想像と大違い。
しかも彼女は前科者、金無し宿無し控訴願いでほぼ無理矢理居候
妻の用事で子供二人預かったこともあり表面上メイドとして雇うことに。

 何だか日曜の昼間に観るには丁度いいような感じのさらりとした映画でした。
後半で真相が色々明らかになるわけだけど…
 この映画は何か白人黒人の偏見やイメージみたいなのが
分かり易く描かれていますな。今でもそういうものが残っているのかな?
おばあちゃんのあの食卓での会話はあり得ない〜人として!!
でも料理を運ぶ側と下げる側が違うってのは初めて知った。



もしも昨日が選べたら (2006/米) 107分





 主演は「50回目のファースト・キス」のアダム・サンドラー、
共演に「アンダーワールド」シリーズのケイト・ベッキンセイル、
ラブコメからシリアスまで恐面役者、クリストファー。ウォーケン、
ロード・オブ・ザ・リングシリーズのサム役、ショーン・アスティン、
ラブコメの顔、ジェニファー・クーリッジ、
アダムとの友情出演でロブ・シュナイダーも出演。
成長した息子役にダスティン・ホフマンの息子のジェイク・ホフマン、
娘役にはジャック・ニコルソンの娘のロレイン・ニコルソンが出演!
監督は「ウェディング・シンガー」「80デイズ」のフランク・コラチ。

 建築士のマイケルは、美しい妻ドナと2人の子どもたちの為に
ガムシャラに働く日々。いい家に住んで、いいものを買って…
いつしかそれは、仕事優先で大切な家族を顧みない生活となっていった。
そんな時間に追われてばかりのマイケルは、
煩わしいリモコン操作に嫌気がさし、どんな電化製品も一台で操れる
“万能リモコン”を求めてデパートの商品売り場をうろつく。
そして、怪しげなコーナーを見つけ、怪しげな店員モーティから、
日常生活さえも早送りできる不思議なリモコンを手に入れる。
妻との口論を早送りしたり、犬の声を小さくしたり、
音声言語を変えて取引先との接待に成功し、昇進したり
人生を思い通りに操作し始めるマイケルだったが…。

 Daiのとこにお邪魔した時、見せてもらった映画。
最近、涙もろくなってきたなぁ…見事にストライクですよ。
ちょっと前だったら、こういう家族ものは苦手だったかもしれない。
でも今なら分かる!親の大切さ、妻の大切さ、子の大切さ…家族、家族、家族
いや、基本はコメディなんですけどね。シビアな展開もありつつ。
ショーン・アスティンは「50回目のファースト・キス」でも変なキャラだったな。
彼はファンタジー大作で子役から復帰したけど、コメディで喰ってくのかしら?
アダム・サンドラーは流石、こういうラブコメの主役が上手い。
ベン・ステイラーとはまた異なるんですよね。映画の雰囲気が。
今回相手役になったケイト・ベッキンセイルは「パール・ハーバー」や
「ヴァン・ヘルシング」とかイマイチな役が多かったけど、
この映画では彼女の美貌がよく栄えていて、見所のひとつです。
ジェイク・ホフマン君は男前でした。演技の面はよく判らないけど将来楽しみ。

 
学習モードなんて機能を後から知ったお陰でさぁ大変、
いきなり巨漢デブになったり、何年も歳月が経っていたり、
自動モードで家族に冷たくしてしまっていたり…ホラーですよ。おぉ恐い。
お父さんが亡くなる前に会いに来たシーンで冷たくあしらった過去の自分と
もうすでに亡くなっている父親をいとおしそうに見つめるマイケル。
こんなシーン、こんなリモコンアイディアがないと出来なかったよね。
最初に不可解なベッドシーンを持ってきたことで
察しのいい人は既に夢オチが読めるそうですが…
私も正直、あんな悲しい形で終わるなんてナシ!
どんな屁理屈でもいいからハッピー・エンドにしなさい!って
心の中で叫んでたから、ああいう展開になって心底嬉しかった。
仕事でどんなに成功しようが、最終的には家族以上の価値なんてない。
…だって本当に価値があるものなんて愛だけでしょ?
…だって最後に意味を持つものなんて愛だけでしょ?(Ayuから引用)
“善人は報われるべきだ”あの天使もやってくれるじゃないの。
ただひとつの人生、大事な人と過ごす時間を大切にしなければ。


 何でリモコンなのに巻き戻しがないの?とか
細かい疑問は後から後から沸いてくるんですが、とてもいい映画でした。
下ネタが若干あるので、人に薦めたい気持ちを抑えてます。
もし私がリモコン手にしても…使うのは音声切り替えくらいでしょうか。


ラッキー・ナンバー (2000/米) 106分


 「ユー・ガット・メール」のノーラ・エフロン監督が、
ナ一攫千金を狙いナンバーくじでサギ計画を実行する連中を描くコメディ。
実際に起こった事件をデフォルメしての映画化。
主演はジョン・トラヴォルタとリサ・クドロー。
共演にティム・ロス、ビル・プルマン、監督のマイケル・ムーアも出演。

 1988年アメリカの小さな町ペンシルバニア州ハリスバーグ。
地元テレビの人気お天気キャスター、ラス・リチャーズは
当たると思って投資していた副業のスノーモービル店の経営が悪化、
借金で首が回らなくなる。相談した友人ギグのアドバイスは、
同局のナンバーくじ番組のロット・ガールを務めるクリスタルと一緒に組み、
ナンバーギャンブルで640万ドルをゲットする一獲千金計画。
計画は意外にも順調に進み、大金を手にできるハズだったが…

 前々から見たくて見たくてしょうがなかった映画。
トラヴォルタとティム・ロスの「パルプフィクション」以来の共演だよ?
まぁパルプではお互い絡んだ演技は無かったけどね。
しかも犯罪コメディーって言うじゃない。
一般的にこの映画はそんなに評価高くないけど、私はアリかな。
結構上手い役者が揃ってて、演技合戦してるような雰囲気がたまらない。
ファミレスで喋ったり、バーカウンターで計画練ったり、キッチンでの空気…。

 始まってトラヴォルタの短め坊主頭が印象的。毎度顔でかい。
良い人な笑顔なんだけど、あまりに笑い顔過ぎて裏があるのかと勘繰った。
ティムの役柄が結構面白かった。こうなるぞ〜って期待を裏切ってくれて。
出ましたあの眼光。裏仕事のコネ持ちって本当に便利だね。
そしてビルが演じる、やる気の無い警官もいい味出してた。
こういう人が警察にチョロチョロいたら治安はどんどん悪くなってくんだろな。
思いもよらない不運な状況に陥ったり、とんだ肩透かしを食らったり、
主人公が巡り巡って周りに振り回されてるのが面白かったね。

 リサ・クドローはドラマ「フレンズ」で有名らしいけど、私は初見。
性格悪いんだけど、判り易い性格でユーモアがあって凄い役だった。
監督のマイケル・ムーアはエンドロールに出るまで気づかなかった!
太ってるんだけどね。いつも帽子とメガネの印象だったもんで。
普通にスーツ着てるとああいう風に見えるんだね。
監督としてじゃなく俳優として出演するのは初めてらしい。

 兎に角ヘンテコな話の展開が嫌いじゃなかった。
クイーンの「We Are The Champions」が流れて不意を突かれた。
何だその展開…
終わり方も勧善懲悪じゃなくて逆にスッキリかも。
一部死人が出たけど、皆ハッピーになりました〜♪
ってか。
話題の大作じゃないし、内容もそこまでじゃないんだけど脚本面白いから
特典映像のインタビューやコメンタリーまでバッチリ見てしまった。
軽い気持ちで見る分には単純にクスッと出来る映画だと思う。


レディ・キラーズ (2004/米) 104分


 トム・ハンクス主演の…これはブラック・コメディーか?
身分を偽りカジノの金を盗む為にある未亡人の家の部屋を借りて
こつこつとトンネルを掘る5人組。
計画がうまく行くものの、おばあさんにばれてしまい…

 紳士しゃべりなトム・ハンクスは新鮮だったな
いつもお人よしのおっとりさんな役が多いような気がするし。
みんな中途半端にお人好しだったり、普通にあせったりして失敗ばかり

 人が死ぬのに吹き出してしまうこれは何だ?
皮肉というか何というか計画全部裏目に出て…
すべてはあそこに行ってしまったのね。

 橋のガーゴイル像みたいなのがどこがアメリカじゃない国っぽかった。
片田舎だからかな?変わったテイストの映画でした。
家族で観ても問題なし!笑って観れます。
 ある意味完全犯罪を成し遂げた5人組
ピクルスが異様にかわいく見えちゃった。
あのばあさん、いいキャラしとったわ〜


笑の大学 (2004/日) 121分


 太平洋戦争中の日本に笑いを追及する劇作家と
それを不謹慎と憎み許可を下さない検閲官の二人が
取調室で繰り広げる三谷幸喜脚本の舞台劇を映画化した作品。
役所広司と稲垣吾郎がひたすら喋ります。

 もっとゲラゲラできる映画だと思っていましたが…
ま、クスクス笑いが主だったような。笑いのツボが合わなかったのかな。
そして終盤にさしかかってくると…ね。
笑いたくて来た人にはちょっとふいうちだよね。
それでいて素直に感動も出来ないし…だってやりきれないじゃない。
余計な説教臭さは頂けませんでした。
 役所広司の演技は流石だと思った。
脚本も色々考えるの大変だったんだろうと思う。
良作だけどラストが心残り。
二人の駆け引きは面白かったけど…うむ。
初見だったし「えぇ〜また?」って思う瞬間が多くて主人公の気分になって
「いい加減許してくれよ」と思った。何かまた観たいってタイプじゃなかった

 あの舞台になってる取調室は名古屋市役所らしい。
余談だけど役所広司は昔、公務員で役所勤めしてたから役所広司なのでした〜
稲垣五郎も頑張ってはいたけどね…
あの役は明らかに三谷幸喜自身を意識してるんだろな。
毎日、蝶ネクタイの柄だけ変わってた。
出演者に八嶋さんや加藤あいが出てたなんて後から知ったぞっ




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