管理人NEROが映画について語ります。

Caramel Cinema


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ダーク・ウォーター (2004/米) 105分








 鈴木光司原作、中田秀夫監督の「仄暗い水の底から」を、
同じ原作・監督コンビの「リング」に続きハリウッドでリメイクしたホラー。
監督は「モーターサイクル・ダイアリーズ」のウォルター・サレス。
主演は「ビューティフル・マインド」のジェニファー・コネリー。

 離婚調停中のダリアは、5歳の娘セシリアの親権をめぐって
夫との争いが続いていた。娘と一緒に暮らすための部屋を求めて、
ニューヨークのルーズベルト島にあるアパートへとやって来たダリア。
薄暗く不気味な雰囲気漂うアパートだったがシングルマザーのダリアに
経済的な余裕は無いので、贅沢は言えない。
こうして、アパートの9階の一室で母娘ふたりの新生活が始まった。
ところが、寝室の天上にある黒い染みが日に日に大きくなり、
黒い水までしたたり落ちてくる。上の階では夜中に誰かの足音が…
さらに、裁判の行方も気がかりで、ダリアの心は不安定になり、頭痛が続く…

 まず、共演者がちょっと豪華。
不動産屋にジョン・C・ライリー(「シカゴ」や「アビエイター」に出演。脇でよく見る)
別れた夫役にダグレー・スコット(「MI:2」の悪役など)
ダリヤの弁護士役にティム・ロス(いろいろ出てるでしょ!)
管理人役にピート・ポスルウェイト(脇役でよく見る。ロミジュリの神父役とか)
あと、「キルビル2」のBB役だったパーラ・ヘイニー=ジャーデン出演☆
一番驚いたのは、娘のセシー役のアリエル・ゲイドちゃん。
ダゴダよりも可愛い…と思ったよ。うん。滅茶苦茶可愛いじゃん!!
この映画が初出演らしい。何であんな可愛い子が存在してるんだろ…

 ティム・ロス目当てで映画館へ足を運ぶ。
邦画オリジナルの「仄暗い水の底から」は見たことある。こっちは
結構、皆つまんなかったって言ってたけど、私は夜中に見て震えてた。
ハリウッド・リメイクってことだけど、あんまり話題になってませんよね。
だから、そんなに期待はしないで見たんだけど、なるほど
派手さはないけど、精神的なものが丁寧に描かれてて、好感持てた。
ホラー映画じゃなくて、暗めのヒューマンドラマみたいだった。
でも、ラストにはほんのり希望のようなものが垣間見えるような。
マンションもイメージピッタリで、映画の世界がもうジメジメしてて…

 冒頭、ジェニファー・コネリーの眉毛に釘付けになる。
段々慣れてきたけどね…凄いな、ありゃ。しかし、親子揃って美人過ぎるわ。
天上のシミがどんどん酷くなっていって、黒い水…ありゃたまんないね。
何か細工をしてるっぽかった夫だったけど、真相は闇の中。
でも、何処か良心が咎めるような表情をしてたのが印象的だった。
邦画の方の夫よりも、少なからず好感持てた。
ラスト近く、ナターシャの悲劇を知ってダリアが夫と歩み寄る姿勢を見せていて
二人とも娘のことを凄く愛してるんだよな、ってラストで更に切なくなった。
ナターシャは、淋しいだけで、自分を見捨てた両親や管理人は恨まずに
ただ、自分を愛してくれる人を捜してたんだな…
だからってセシーの母親を奪っていいわけないけど、悲しい。

 ティム・ロス演じる弁護士は、一見冷たそうだけど、仕事はちゃんとしてるし
すぐ“家族”を持ち出すのは、仕事とプライベートをちゃんと分けたいからだと。
実は一人身でも、“家族”を引き合いに出せば誰でも大抵は納得するもんね。
ほんとにチョイ役だけど、不安になったり、ちょっと心強かったり。
邦画では管理人逮捕とかなかったから、何か妙だったんだけど
蓋閉め忘れた→自分が咎められるから、黙ってて、タンクの掃除もしなかった
って辻褄が合ってた。キティちゃんのリュックサックの件にしても。
実際1度しか出てこなかったけど、ダリアが仕事の面接に来てて喋ってた女性
「ここよりいい職場が見つかったら私にも教えてね」とか、気さくな感じが良い。


 あんまりビックリさせて怖がらせようとする描写がなくて
主人公の気持ちになって「ここぐらいしか住めないな…」「天井が…うゎ最悪」
とかそういう意味で悲惨で怖かった。水びたしの部屋とか…ヒイィィィ!!!!(゚ロ゚ノ)ノ
って、段々と、その世界に引き込まれていった。
冬に見たから、あとからあったかいもん飲みたくなったしね。
私個人的な評価としては、邦画版よりも好きですね。
DVD買うまでは行かないけど、レンタルになったらまた見直したい。
監督がブラジル人だからか、ハリウッドっぽくない。
コテコテのホラー要素目当てで見たらガッカリするかもだけど、
親子愛や役者(主役&子役&脇役どれも魅力的)で見れば充分、楽しめた。


ダークネス (2002/米・西) 102分


 スペインの新鋭ジャウマ・バラゲロ監督が手掛けるミステリー・ホラー。
主演は「ピアノ・レッスン」のアンナ・パキン。
共演に「スパイ・ゾルゲ」のイアン・グレン、「蜘蛛女」のレナ・オリン。
「バッド・エデュケーション」のフェレ・マルティネス

 レジーナ一家は米国から父マークの故郷のスペインの郊外へ引っ越してきた。
この町はマークが生まれ育った場所で、祖父アルベルトも医師として在住。
一家は、緑に囲まれた静かな家で楽しい生活を迎えようとしていたが、
家の中で原因不明の停電をはじめ怪異な現象が度々発生するようになり、
幼い弟ポールは怯え、マークも情緒不安定になっていく。
原因がこの家にあると感じたレジーナは調べを進めていくうち、
40年前の皆既日蝕の日に7人の子供が失踪したという事件に行き着く…。

 Gyaoでやってたので視聴。ん〜微妙な映画だった。
アンナ・パキンは「X−MEN」の能力吸い取り姉ちゃんか。
スペインの監督だからか、映像がちょっと一風変わってた。
ホラーらしい、闇の得体の知れない恐怖を使っていて、
駅のシーンや謎の絵のシーンはゾッとしたし、いい線いってたと思う。
ちりばめられた謎も想像力を掻き立てるものだったけど、
最後になって、収拾しきれず色々と粗が出てしまっているのも事実。
これはこれでイイ終わり方だとは思ったけどね。
雰囲気は出てたので映画館で見たら怖かったと思う。

 
他のサイトの感想ともかぶるけど、包丁のシーンが印象的。
ああいう現実感あるハラハラが一番リアルで怖かったりする。
情緒不安定な人がいて、しかもそれが一家の大黒柱の父親で、
母親と娘と、幼い男の子しかいない家庭では力押しも出来ないからね。
結局あの写真の意味は何だったのだろう。
そして、儀式が成功して具体的にあのじいさんは何か得が??
レジーナの一言で別に改心した訳じゃなさそーだし。
闇が儀式を望んでいて色々とお膳立てをしてくるのは判ったけど、
建築家のじいさんを襲ったり昼間にも偽者を作れたり闇無敵じゃん。
トンネルに入って暗転、あとはおまかせ…
しかし、このジャケットの人物は誰なんだろう?


ターミナル (2004/米) 129分


 フランス空港で起こった実話を元に製作。監督はスピルバーグ
主演にトム・ハンクス、共演にキャサリン・ゼダ=ジョーンズという豪華3強
クーデターによって祖国が消滅し帰国することもアメリカに居ることも不可。
法律の落とし穴にはまり空港で生活することになったビクター。
彼がアメリカに来た目的とは?

 映画館で拝見。ヒューマンドラマ
感動作だと意識しないで観た方が楽しめた。宣伝ミスだね。
トム・ハンクスは正によくある役まわり。
外国人が感じる言葉の壁や感覚の違い、不安感は伝わった。
ビクターは“いい人”だからめげずにひた向きに頑張ってたけどね。
荷物置いてふらついたりハラハラしっぱなし。
所長がポテチぶちまけるシーンで何さらすんじゃこらと思った。

 仕事探しで奮闘するシーンは悲しかった…
空港で働く人たちと次第に打ち解けていくのは良かった。
落し物を賭けに使ってたり、ありそうな光景。
大事な目的もあって現状もやばくて生活も大変だけど
ちゃっかり恋をしてたな。アプローチもしまくり。あんな感覚羨ましい。

 巨匠もちょっと手抜きでリラックスしたいんだ!
こんな挑戦もいいじゃんか。って映画なのかも。
本当の目的も物語の筋もグダグダで中途半端だったけど
ヤギの薬の話とゼダのスチュワーデス姿が可愛いかったことが良い所。
笑い所もそこそこある。本物そっくりに作った巨大なセットも見所。
それぞれ実在の店舗が出店しているとか。
あとエロやグロは一切ないんで(衛生上よくない所はあったかな)
家族とまったり鑑賞するのには最適な映画かも。


 
大日本人 (2007/日) 113分






 お笑いコンビ・ダウンタウンの松本人志が贈る第一回監督作品。
日経エンタメで“シネマ坊主”として映画評論をする彼が脚本、主演もこなしている。
共同脚本には、放送作家として活躍する盟友・高須光聖。
2007年のカンヌ国際映画祭で“監督週間”部門への正式出品が決定。
北野武監督の「監督ばんざい」と共に、注目を浴びている。

 行こうかどうか迷ったけど、思い切って行ってみました。
撮影開始後も一向に映画の内容が報道されなかった謎の作品。
大佐藤というしょぼくれたおじさんを捉えたカメラはインタビューし、
野暮ったい質問の繰り返しで彼の生活環境や身上話を聞いていく。
彼の言う“仕事”とは一体何なのか?携帯で呼び出された大佐藤が向かった先は…

 シュールな笑いは好きです。でも正直、最初の方はどうなることかと
ちょっと不安になって見てました。カンヌの客が帰っていった始めの方。
“大日本人”が何なのか知ってから映画観たのは失敗だったな。
日常生活⇒
獣退治⇒日常生活⇒獣退治の波があまり上手に繋がってなかった。
インタビュアーのイライラする喋りは意図してやってるんだろうね。
名古屋に出張してくれたのは地元民としては大いに燃えました。
サンシャイン栄の観覧車と、向かいのカラオケビル!
オアシス21にも獣が…ところで通行人はさっさと避難済みなんですかね。
仕事が終わって馴染みのバーで飲み明かすなんて、普通のサラリーマン!
必要な時にでかくなる物が好きだったり、言葉に対する妙なこだわり、
伝統を重んじる大佐藤、戦時中の映像?に組み込まれてる大日本人、
戦時中みたいなノリで獣説明、ボケて巨大化し徘徊する4代目、
匂ノ獣が出てきて(板尾さん)大日本人と口論する所、
ワケわかんないけどドラマ演じてて昇天する童ノ獣?
がクスクスきました。
笑えなかったのは
幼い頃に感電し焦げた乳首と、一緒に巨大化しどっか行った猫。
欲張りすぎて作品としては笑いもメッセージ性も散漫になってる点。
獣が凄く気持ち悪い。戦うヒーローもとことん格好悪い(笑)
獣を倒して平和を守っているようなのに批難ばかりされる大日本人。
彼がいなくなったら、それはそれで困るんじゃないの〜?
ここら辺も、何かを比喩しているんだろうか?

 
散々問題視されてる後半の展開は映画作品として真面目に受け止めてる人に
とってはそりゃ、サジ投げられた気分で納得いかないのも仕方ないし、
私もちょっと唖然としたんだけど、一番印象に残っているのがコレだったり。
ステイウィズミーとかドンタッチミーとかネーミングにもウケた。
北の国を米国がリンチして、日本がそれを傍観しつつ手を貸した形になってる?
エンドロールは飽きずに観させて頂きましたわ。
カッコ悪いわと色々ダメだしする宮迫ママ。つっかかるヒーロー宮川。
ここまでやっちゃうと内輪ウケの雰囲気バリバリなわけだけど、
「是非!」と言われてコップを出し続けながら
気まずい顔してる大佐藤さんお疲れ。

 なんだかこの作品、観た時よりも見終わって数日経った方が
自分の中での評価が上がってくるものなのかもしれない。
でもやっぱり、他の方には「是非!」とは勧めません。
松本信者と呼ばれる人達でも賛否両論ですから、こればっかりはどうなるやら。
ギャンブルしたいな〜って人なら劇場行くのもいいかもしれません。
少なくとも家族鑑賞もカップル鑑賞もオススメできないですね。
空回りしてる笑いも多かったんで、まだまだ料理できた気はします。
5年も構想し、10億円もかけた割には…ね。低予算だったらもっと好感持てた。
そうそう、早くも続編製作の話が持ち上がってるとか。「第二大日本人」?
一度戸惑いながらも慣れてしまえばちょっと安心して観れるかもしれない。


タイムマシン (2002/米) 96分








 「宇宙戦争」のH・G・ウェルズの同名原作を1959年に映画化したものをリメイク。
原作者のH・G・ウェルズの曾孫にあたるサイモン・ウェルズが監督。
が、後半体調を崩しゴア・ヴァービンスキー監督が代行。
主演に『メメント』のガイ・ピアーズ、『ダイハード3』のジェレミー・アイアンズ、
オーランド・ジョーンズ、サマンサ・ムンバ、シエンナ・ギロリー。

 テレビ放送日曜洋画劇場にて初鑑賞。
さんざんボロクソな酷評ばかりで駄作臭プンプンでしたけど、
観終わってみて一言。正直、自分こういうの結構好きだったりする。
まぁこれを映画館で1800円払って観ようとは思わないし、
DVDレンタルで200円払って観たとしても、ちょっと不満が残ったかも。
テレビ放送だったからこそ、その感覚で意外に楽しめたのかもしれない。
いやでも、なかなか凄い超展開ばかりで中世もの?から未来SFまで
猿の惑星?プレデター?スターウォーズ?インディージョーンズ?
いろんな映画を彷彿とさせる要素がムチャばりにてんこ盛りでした。

 ここからはネタバレ込みの突っ込み感想。
まず、普通にあの事件のあった日に戻って阻止しようとしても
無駄なのだと早々に悟って、答えを探しに遠く離れた未来へ
行ってしまおうという時点でまず驚いた。TV放送用にカットしたかもしれないが。
科学の進歩した未来の世界の人なら答えを教えてくれるのですか?!
その時からもう、死んだ恋人とかそれ以前に科学者としての
時空のしくみとか定義とかそっち方面に取り付かれたんだと思う。
夜になると船を引き上げるワケよりも、
こんな崖に何故村を作っているのか、そっちの方が気になるだろ!
頭でっかちの科学者のくせに、野生の時代に来たら、やたらと逞しい。
ハンターたちが獲物に撃つ吹き矢の謎の液体を調べてる描写があったが、
実は地底人は視力が極端に弱く、それの臭いを辿って襲ってくる、
だからその臭いを何らかの形で消し、敵から身を守れる、
みたいな科学者らしいことを思いついて主人公がそれを活かすのかと
思っていたけど、匂わせておいて、何もなかった。肉体でぶつかるのみ!
地底人の登場から、タイトルの「タイムマシン」の意味が判らなくなる。

 しかし、終盤きっちり地底人のボスがそれらしい〆をしてくれる。
「彼女が助かった場合、幸福な君はタイムマシンを作ろうと思わないだろ?
だからタイムマシンが存在するためには彼女は死ぬしかないのだ。」
「我々は元来誰しもタイムマシンを内に持っている。
過去へ飛ぶには記憶を辿り思い出を、未来へ飛ぶには夢を描き。」
確かこんなことを言ってた。ウン。なかなか感動的だったような気がする。
しかし、あのボスわざわざ主人公を殺さずに連れてきて
ご丁寧にこうなったまでを説明し、タイムマシンまで持ってきてくれて
自分の時代に帰りなさい、なんて結構いい奴じゃんかと思った。
でも「何故こんな親切にしてくれるんだ?」など尋ねないで
ボスが死んだら地底人の統率が取れなくなると仄めかされたのに
問答無用にボスをぶっ殺しにかかる。で、タイムマシンを
アッと驚く超破壊兵器として使い、地底人どもを滅ぼしてしまうというわけだ。

 過去は変えられないけど、未来は変えられるんだ!
…んーだけどさ、そもそもその境界線の現在の定義は…
頭こんがらがってきた。タイムパラドックスは矛盾してるからなぁ。
タイムマシンを生み出した主人公と、その機械の誕生に関しての
過去は決して覆ることがない。その因果あっての結果なのだから。
彼女を救っても、自分の生きている時代の彼女は生き返らないが、
彼女が生きているという別の未来が存在している、とか
同じタイムトラベルものでもどれが絶対とかないから定義は異なるのだろうね。
タイムマシン云々じゃなく、運命の相手とめぐり合えたら
そもそもオールハッピーなのさ、全て丸く収まるのさ、
それがいつの時代のどこであろうと、それが自分の帰る家になるのさ、と。
…で、冒頭の彼女の立場は?って感じになってしまうけど。
話の要点がすり代わっていって、無理矢理ハッピーエンドかよ!
なところが批難の大きな原因のひとつでしょうな。私的には全然構いませんが。
まぁあのN.Y.国立図書館のコンピューターが
ラストの方で幸せそうに皆の前で授業をしてたのが
ちょっと微笑ましかったし良しとしようじゃありませんか。


 こんな感じでなかなか楽しめましたよ、と。
映画を観る時期や状況が違っていたら、ボロクソにけなして
超駄作の烙印を押すだけだったかもしれないけど。
そんな奇遇が、映画鑑賞の面白いところでもありますね。
まー楽しめないよりは楽しめた方がいいにこしたことはない。
タイムマシンに乗ってる間に周りの風景が変わっていく映像は魅せますな。



タイムライン (2003/米) 116分


 考古学専攻の学生たちが発掘で偶然見付けた
ジョンストン教授とそっくりの眼鏡とSOSメッセージ。
教授は実は極秘裏に開発された時空転送マシンで
14世紀のフランスに飛び、消息を絶ってしまったという…
教授の息子とその友人たちがその経緯を知り教授を捜す為に過去へ飛ぶ!

 時空を遡る説明とか余りなくて帰れるペンダントが一体どういう仕組みなのか
全然ワカンナイまんま進んでいったような気がするんだけど
何か見易い映画、って感じでした。
 どうしてもあの主人公がロードオブザリングのサムに見えちゃうんだよぉ〜
衣装とかが何か安っぽく感じたのは指輪物語の方が予算高いからだろうな…

 あの王女が〜〜ないと〜にならない。とかそういう過去の歴史の運命とかは
ありきたりだけどいい設定。石像の伏線がだいたい先に分かったけど
実際問題としてあれから大変なんじゃなかろうかなんて思ったり…
悪役が痛い目に遭うのは定番とはいえスカッとするね。



タイヨウのうた (2006/日) 119分






 シンガーソングライター、YUIの映画初主演作。
太陽にあたることのできない難病を抱えた少女と
太陽の下でサーフィンに明け暮れる少年との切ない愛を瑞々しく描く。
共演は「木更津キャッツアイ 日本シリーズ」の塚本高史。
監督はこれが長編デビューの小泉徳宏。

 海辺の街に暮らす16歳の少女、雨音薫。
彼女は太陽の光にあたれないXP(色素性乾皮症)という病気のため、
昼間眠り、夜になると活動する不自由な毎日を送っていた。
そんな彼女の密かな楽しみが、毎朝サーフボードを抱えて
仲間と待ち合わせて海へと向かう少年を部屋の窓から眺めること。
ある夜、いつものように公園で弾き語りライブをしていた薫は、
目の前を通り過ぎる例の少年に気づく。彼は18歳の高校生、藤代孝治。
衝動的に彼を追いかけた薫は、勢い余ってそのまま愛の告白をしてしまう。

 難病ものとか、悲恋ラブストーリーとか、苦手なんですよ。
正直言って、邦画ってそんなのばっかじゃないですか。嫌いなんですよ。
しかも、マンネリで新鮮味がなくて、泣かせよう泣かせようってミエミエで。
…だけどこの映画は評判良いし、塚本高史だし…借りてみましたよ。
まず、映像の作り方が丁寧で好感が持てた。
あの朝焼けとか、なんだか懐かしい。中学生時代よく窓から眺めてた。
アメリカの方でも取り上げられてた『ムーンライトチルドレン』
テレビの特番やブラピの「リック」で知ってはいました。
末期癌や白血病、エイズに続いてドラマチックな病気を探してきたな、と
ひねくれた気持ちで観ていたんですが、YUIの魅力でしょうかね。
純粋に雨音薫という子に好感が持てて、次第に世界にハマッていきました。
高校生役の塚本高史も凄い爽やかで、ちょっと馬鹿で、でも誠実で、
実際にこういう男の子いたら好かれるだろうなって微笑ましかった。

 
夜に二人で原付に乗り街に繰り出して
ギターで弾き語りして観客が集まり、何故かバックバンドまで付き始めるという
現実離れした演出にはYUIの宣伝映画かっ!と突っ込んでしまったが、

「Good-bye days」は本当に名曲だと思った。物語とリンクしてるからだけど。
YUIは沢尻エリカのように美人ではないが、凛とした強さ、心の美しさを感じる。
演技もそこまで上手ではないが、一生懸命さは伝わったし、
何よりも雨音薫という人物像にピタッとはまったんだろうね。
観終わっても余韻と唄が頭から離れず、YUIのアルバム買ってしまった。
初めて聞いた時はイマイチだったけど、なかなかスルメで気に入ってます。
セカンドアルバムには雨音薫が唄った「Good-bye days」と、
孝治の気持ちを唄った「 I remember you」があります。良い曲ですよ。
YUIって歌詞とか曲とかよりも、唄に心を込める感じ。それが魅力なのかな。

 終わりはもう、
あらすじや映画を観始め病気の話を聞いたあたりから
だいたい誰でも予想がつきますよね。分かっていて、それが訪れ、
最後に薫の作ったCDを聞いている彼や友人、両親。
サーフボードを持って海に駆け出すシーンが綺麗で気に入ってます。

何故かエンドロールが始まったあたりから、こう胸に響いてきました。
テーマもシンプルですが、まっすぐ直球で来る良さを感じます。
これは、好きですね。ここまで素直に好感持てる映画も珍しい。
「ランドリー」とかああいう癒し系に近いかもしれない。


太陽がいっぱい (1960/仏・伊) 122分





 アラン・ドロンの美しさを世に知らしめた映画。日本でも大ブレイク。
監督は『禁じられた遊び』、『パリは燃えているか』等で知られるルネ・クレマン。
出が貧しい青年トムは幼馴染の大富豪の息子であるフィリップと旅行中、
彼を船上で殺害し、海に沈めてしまう。
フィリップのサインを真似てパスポートを偽造し、預金を引き出す。
フィリップの名前でホテルに泊まり、彼が生きているよう工作するトム。
タイプの手紙しか来なくなったことを不審に思う婚約者のマルジュ。

 今観ても完璧なまでに美男子なアラン・ドロンにはまいったなぁ〜
この映画、両親も大好きでよく観てたらしいけど、こりゃ名作になるわな。
まずイタリア地中海の舞台が美しい。町並み、市場、真っ青な海。。。
映像の古臭さもかえって映画の魅力を引き立たせる。
シャツ一枚でペンダントがチラ見しているドロンの着こなしも惚れる。
ギラギラした視線、ギラギラした太陽、どこか闇を秘めた表情、
どこか影のある音楽、吸い込まれそうな瞳、、、虜になります。
ちなみにフィリップ、最初出てきた時からどうしても
ドロンの方が上品に見えちゃったんだけどなぁ…仕方ないの?
殺害前のトムの方が垢抜けていなくて、何かひ弱に映って、
殺害後の方がトムの男前っぷりが上がっていると言われているんだけどね。
ちなみにドロンは演技の方はあまり上手い方じゃないらしい。
でも字幕頼りな日本では全然判んない。アッパレ。

 
船上やホテル廊下での長回しは今の映画なら編集してしまう所、
主人公の気持ちになってハラハラし、息を呑みました。
見る前から結果は判っていたのですが、有名なラストシーンには脱帽もん。
ずっと船にひっかかっていたのか…リアルにドキッと戦慄走った。
あそこであえて、マルジュの悲鳴に顔アップしなかった所と、
トムが呼び出されて一瞬怪訝な顔をしながらも、微笑って画面から去る。
残されたのは海。トムは観念したのか、それとも知らずに行ったのか…
それとも、満たされた今、もうどうでもよかったのか…


 映画解説者淀川さん曰く「この映画は同性愛を描いている」とは言うものの、
直接的な表現は無く、トムもフィリップも心理描写は無い。
でも見ていると、トムはそれほどマルジュに執着がないようにも思える。
映画の流れ的には婚約者に金を相続させて、彼女と一緒にモノにしてしまえ!
と捉えるのが普通なんだけど…フィリップのようになりたかったのだし。
生まれが卑しく、努力しても金はなかなか稼げない。
そういう人間が大金を手に入れようとして犯行に及んだと思うと凄く暗い話だ。

アラン・ドロンといえば、これと『アラン・ドロンのゾロ』と『レッド・サン』しか
見ていないわけだけども…『サムライ』って映画もいつか見てみたいな。
有名なサムライって香水はアラン・ドロンが『レッド・サン』で共演した、
侍役の三船敏郎をイメージして作ったらしい。
とにかくこの映画を見て、アラン・ドロンに惚れなさい!!おすぎもそう言うはず!


ダ・ヴィンチ・コード (2006/米) 150分






 全世界で500万部突破したダン・ブラウン著、同名の大ベストセラーを映画化。
監督は『アポロ13』、『ビューティフル・マインド』のロン・ハワード。
主演にトム・ハンクスを迎え、『アメリ』のオドレイ・トトゥ、イアン・マッケラン、
ジャン・レノ、ポール・ベタニー、アルフレッド・モリーナと豪華俳優を揃える。

 閉館後のルーヴル美術館。ダヴィンチの素描<ウィトルウィウス的人体図>を
模して横たわる、ソニエール館長の死体が発見された。
死体の周りに残された不可解な暗号。その中にはハーヴァード大学教授の
ラングドン(トム・ハンクス)の名前が…彼をホシと決め付ける警察。
殺人の容疑者として連れてこられたラングドンは拘束されそうになるが
暗号解読官で館長の孫娘でもあるソフィー(オドレイ・トトゥ)によって助け出される。
ファーシュ警部(ジャン・レノ)らフランス司法警察に追われながら、
隠された暗号を解読し、謎を解き始める二人。館長を殺した謎の組織も動く。
ダヴィンチが自らの絵画に残した歴史を覆す衝撃の真実とは…?

 世界同時公開!でキリスト教徒からブーイングの嵐、批評家からは
ウケが悪いと評判ですが、普通に謎解き映画として楽しんで観ましたとも。
キリスト教とキリスト教の基礎知識が無いと辛いもんがあるそうだけど
私は映画の中に出てきた説明とキリスト教の大まかな知識だけでも
まぁ映画の主役の行動と言葉に着いていけたんじゃないかな?ってとこです。
まずルーヴル美術館のロケが見所のひとつですよね。綺麗。
あの透明ピラミッドは知らない人は知らないいんだね。この映画を期に
ルーヴル美術館混みそうだね〜皆トムの真似してあそこに屈みそう。
かく言う私もまた改めてじっくりルーヴル美術館周りたくなっちゃった。
謎を解きながら色々教会を回るので視覚的にも何か目の保養。
説明上、昔の時代の映像とかも見れて、想像もし易かった。

 キリストは神じゃない?っていうよりトムの髪は本物じゃない?と
疑ってしまう彼のヘアスタイルも見てみればそんなに気にならなかった。変だけど。
服装からも連想して、何か古畑任三郎みたいと思ってしまったのは私だけ?
ポール・ベタニー演じる怪しげな修道僧がいい味出してて好きだったな。
何故あんなに不気味な形相?って思ったら
色素欠乏症で迫害を受けてたという
設定があったんですな。自分拷問シーンの顔の歪みに自分も顔が歪んだよ。
顔だけで2時間半、全身だと3人がかりで6時間もかかるメイクなんだそう。
導師は利用してただけだけど、オプスの幹部のアリンガローサとは
信頼関係があったんだな、って思うとシラスのラストがモノ哀しげ…。
オプス・デイって実在する宗教団体なんだね。原作者訴えられてるそうじゃない。
ジャン・レノって結構蚊帳の外的な役回りだったんですなぁ。消化不良。
リー・ティービングは執事使って一芝居打つ必要あったのか?
そのまま付いていってれば普通に二人が謎解いてくれたと思うのだが。
何よりもソフィーが末裔だって知ってたあの教会連中は本人が来るまで
何の干渉もしなかったの??事故死とかしたらどうすんのさ。
そして宣伝でも印象的だった館長のあの死に様が自分でやったことだとすると
素っ裸であんなポーズ取って死を迎えるなんて…ちょっと信じられんわ;

 キリストに妻がいて子孫が息づいてるって知っても、教徒以外はフーンでしょ。
しかし教えを守る為に魔女狩りとか子孫を潰しまくっていたとか
2千年も経てば、子孫がめちゃんこ居てもいいはずだけどねぇ。
日本の天皇家の血筋が元辿れば大勢の日本人に混じっちゃってるのと一緒でさ。
終盤に行くまでにソフィーが末裔だろ、って誰でも気づくよね。

原作読んでからだと映画に不満を抱く人がほとんど。これは仕方ない。
映画観てから原作読むとはしょった部分も読めて楽しいらしい。読もうかな。
キリスト教徒ではないがキリスト教にそこそこ興味持ってる私としては
面白い解釈のひとつだと思うし、なかなか考えさせられるテーマもあった。
ラングドンのラスト近くの神の存在意義みたいなものも素直に飲み込めるし。
この映画を観て何よりも真っ先に主張したかったことといえば、コレ
ダヴィンチのモナリザあんま関係ないじゃん!!あんなに宣伝に使っておいて…
とりあえず私は『ナショナル・トレジャー』よりも好きですね。


TAXI NY (2004/米) 97分





 リュック・ベッソン製作・脚本で大ヒットし、シリーズ3作までつくられた
フランス映画「TAXi」をハリウッドでリメイクしたカー・アクション・コメディ。
舞台をニューヨークに移し、クイーン・ラティファ演じる女タクシー・ドライバーが
ひょんなことから落ちこぼれの刑事とコンビを組み、
神出鬼没の女銀行強盗団との息詰まる追跡劇を展開する。
共演は人気コメディアンのジミー・ファロンと
本作が映画デビューとなるスーパー・モデル、ジゼル・ブンチャン。

 有名なカー・レースでの優勝を目指す女性ドライバーのベルは、
念願だったタクシーのライセンスを取得し、さっそく特別仕様のタクシーに乗り
ニューヨークの街中を疾走する。
そんなベルのタクシーに、セクシー美女4人組の銀行強盗団を追う
刑事ウォッシュバーンが乗り込んでくる。
彼は車の運転が極度にヘタだったため、仕方なくタクシーを利用したのだった。
しかし、ベルのスーパー・ドライビング・テクニックで強盗団と
壮絶なカー・チェイスを繰り広げ、あと一歩のところまで追い詰めたが…。

 リュックベッソンの「TAXi」はテレビで部分的に見ただけで
だいたいどんな話だったかは知ってるけど、きちんと観たことはなかった。
今作はハリウッド・リメイクということですが…
なるほど、タクシー改造車でのカーチェイスとギャグが売りなんだけど
無難にまとめた、って感じで、面白いけど、何か物足りなかったかな。

 主演を務めたクイーン・ラティファは「女神が家にやってきた」や
「シカゴ」のママで見たことあって、独特の味を持つ女優さんですよね。
彼氏とのアツアツぶりが、ちょっとおかしかったな…
ジミー・ファロンってサタデー・ナイト・ライブ出身のコメディアンなのか。
その割には、普通のおっちょこちょいの青年の役って感じで
そんなにコメディアンっぽさがなかったよーな。
セクシー美女強盗団に、もうちょっと見せ場が欲しかったなー。

 ジャケットが凄く良いね。絵的に格好いい。
話は単純明快で、最初から最後まで、車ばっかりでした。
最初の自転車すり抜けの方が見てて面白みあったかも。
短い映画だし、観易いんだけど、もうひとひねり欲しかったところ。
ギャグも、ほとんどが肩透かし。イマイチ。もっと壊れてもいいのに。
リメイク作品なだけに、元の作品ファンにとっては退屈かも。
出演してる俳優が好きなら楽しめるかな。


TAKESHIS’ (2005/日) 107分




 2005年のベネチア映画祭でサプライズ出品という特別待遇で
大きな話題を集めた北野武監督作。
芸能界で成功を収めたタレント“ビートたけし”と、
売れない役者の冴えない中年男“北野”が出会い、いつしか
両者の世界が重なり合い混沌としていくさまを斬新なタッチで描き出す。

 大物タレントとして多忙でリッチな毎日を送るビートたけし。
一方、そんなたけしにそっくりな売れない役者・北野は、周囲からバカにされ、
オーディションに落ちてばかりで、コンビニ店員をしてなんとか暮らす日々。
ある日、北野は偶然にも大ファンであった大物ビートたけしと出会う。
これが引き金となり、ビートたけしが演じる映画の世界へと迷い込んでいく北野。
しかし、それは夢とも現実とも分からない不思議な世界だった…。

 キャストはビートたけしを始めとして、
京野ことみ、岸本加世子、大杉漣、寺島進、渡辺哲、六平直政、
美輪明宏、上田耕一、竹重勉、ビートきよし、津田寛治、松村邦洋、内山信二、
「座頭一」でもタップを披露していたTHE STRiPESも参加。

 私の嫌いな邦画のイメージを寄せ集めたような映画でした。
何でも監督は誰にも判らない、面白いとかつまんないとか言えない作品を
意図して作ったらしいけど…ハッキリ言ってつまんなかったです。
凡人には理解が及ばないだけで、この映画には隠れた主張が込められてるとか
熱心なファンは細密に分析しているようだけど、監督は別に意識してなさそう。
とにかく私が嫌いな傾向だったのは、後半に呆れる程やるドンパチ。
寒い笑いと、こんな状況どう?って試験的に散りばめられたグロ描写。
ヤクザ映画が嫌いな理由が、このドンパチの音なんだよね。
特にこの映画はうるさいうるさい…音量絞ろうかなと思ったけど、
そうすると肝心のセリフを聴き逃す。ボソボソ聴こえない。だから嫌い。
ガラの悪い、いかにもチンピラ系なヤクザがいっぱい登場するし、
観ててイライラするし、誰がどう撃たれてもどうでもいいって感じで。
美輪様が登場して、後半では「ヨイトマケ」とか唄ってくれちゃって、
衣装替えもして登場する辺りを除けば、私にはキツイだけな時間でした。

 短めな上映時間だったから、平気かなと思ってたけど、
それでも最近、邦画のこの変な間には耐えられない。
哲学的なことを装っているのかもしれない。情感やワビサビ気取りかもしれない。
それでも、テンポが悪いと胸がムカムカしてしまう。そして眠気も襲う。
たけしファンか、京野ことみのヌード目的ぐらいでしか観る価値なさそう。
タップシーンも退屈で、毛虫とかもういいよって思った。
理解不能なことが個性的で高尚だとは単純に言えないんじゃない?
たけしは、双拳銃で撃ちまくり、弾をくらっても死なない。
そんなイメージが確立された作品でもありました。二度と観ない。


旅するジーンズと16歳の夏 (2005/米) 118分





 4人の仲良し女の子が初めてバラバラに過ごす16歳の夏休みに、
異なる4つの体験を、ひとつの不思議なジーンズを通して綴る青春ドラマ。
世界的ベストセラー、アン・ブラッシェアーズの小説『トラベリング・パンツ』を映画化。

   仕切り屋でスポーツ万能な明るいブロンド娘のブリジット、
   読書や絵を描くのが好きな、控えめで大人しいリーナ、
   見た目も中身も個性的で黒ロングに緑のメッシュの入ったティビー、
   豪快だけど実は繊細、スペイン系で体格が大きめなカルメン。

 偶然が重なり、一緒の時期に産まれて一緒に育った仲良し4人組は、
夏にそれぞれ、ブリジットはサッカーの合同キャンプでメキシコへ、
リーナは祖父母が住むギリシャへ、ティビーは一人地元でバイトしながら、
負け犬人生を綴るドキュメンタリー製作をし、カルメンは離婚した父に会いに、
別れて過ごす夏休みを前に、ショッピングを楽しんでいた4人は
不思議なジーンズを見つけて大ハシャギ。体格の違う4人にピッタリはまったのだ。
4人は夏休みの間、このジーンズを1週間ごとに着回していこうと決める。

 ミニシアターコーナーで発見。変なタイトルだなと思いつつ、惹かれた。
てっきりロードムービーものかと思ってたけど、違いますな。
4人それぞれバラバラに異なったエピソードが同時進行していき、
ジーンズと一緒に回される手紙で、各々が離れている仲間を想う。
不思議なジーンズはとっかかりは作るけど、非現実的な展開にはならない。
まず私はリーナの行ったギリシャの映すだけで絵になる風景に惹かれた。
あぁ…行ってみたい。ギリシャ素敵すぎ!そして漁師の男と恋に落ちるとか、
正に女性の旅の理想みたいな展開でした。ちょっとロミジュリ要素あり。
リーナ役の子、どっかで観たと思ったら「シン・シティ」のベッキーか!
サッカー合宿のブリジットはコーチの男性に目をつけ積極的にアピール。
の始まる前にブリジットには伏線あったけど、あんまり意識してなかった…
ティビーはスーパーの店員をしながら映画制作。地味だけどこれも良かった。
カルメンの父親&その他家族が凄いイラついたんですけどー!!
ガラス割った時点で、父親は追いつかなくても追いかけるべき。
あの後、気まずそうに家族の晩餐を続けましたじゃ、カルメンが惨め過ぎる…
結局、映画の締めの描かれ方でもカルメンの方は解決してなさげ。
だけど、友達がいるもんね!カルメンもそのうち恋人が出来るでしょうよ。


 いい掘り出し物でした〜若者青春ドラマ好きならお勧め。
全体的に明るいし、4人の主人公がそれぞれ別の場所で過ごすので
絵的にも見てて飽きないし、そのうち「さぁどうする?」と先が気になる。
個人的にナターシャ・べデ
ィングフィールドのアンリトゥンが流れたので興奮。
何よりもギリシャの舞台が素敵で素敵で…旅先って設定なのがまた良い。
4人を繋ぐのがジーンズって設定なのも斬新で凄いね。
2度観て2度感動。ガチで人にお勧めしたい作品です。


誰も知らない (2004/日) 141分








 「ワンダフルライフ」「ディスタンス」の是枝裕和監督が、
1988年に実際に起きた事件をモチーフに映画化した人間ドラマ。
母親に置き去りにされた4人の子供たちが、大人たちに知られることなく、
兄妹たちだけで生きていく姿を丁寧な筆致で描く。
2004年のカンヌ国際映画祭コンペティション部門に正式出品され、
長男役の柳楽優弥が日本人初となる男優賞を
カンヌ史上最年少で受賞し大きな話題となる。

 とある2DKのアパートに引っ越してきた母と4人の子供たち。
しかし母親であるけい子は、子供の出産届けも出しておらず
戸籍上では存在しない子供達を産み、育ててしまった。
自分と12歳の長男・明だけの2人暮らしと大家に嘘をつき、
けい子は子供たちにも近所にバレないようにと言い聞かせる。
兄妹たちは父親がみな別々で、学校に通ったこともない。
けい子が外で働き、明が母親代わりとなって家事をし、兄妹の面倒を見ていた。
それでも家族5人、それなりに幸せな日々を送っていた。
そんなある日、新しい男ができたけい子は、
わずかな現金を残して突然家を出ていってしまうのだった…

 これ観ようと思うまでに随分時間がかかった作品です。
実際にあった事件をモチーフにして描いていて、明らかに救いが無いから。
事実とは多少異なり、この作品は絶望の中に希望を見出すように
描いているのかもしれない。でも、観てみたら到底そうとは思えなかった。
徹底した悪がいない、周囲の大人たちが中途半端な善人。
母けい子も、完全に子供を見捨てたわけではない。
それぞれの父親たちも、決して非情なわけではない。
コンビニ店員も、ごはんをくれるいい人ではある。
その中途半端な優しさ、深く関わりたくはない潜在意識。
本当に彼らのことを思うなら、万引きが誤解でも何でも警察に渡すべきだ。
どのレビューでも言われている通り、これは
「誰も知らない…というか、知ってても知らない振りをしている」

 身勝手な母親の「私は幸せになっちゃいけないの?」って言葉。
ハラワタが煮えくり返るような腹立だしさを感じたね。
事実、子供を産んで母親になるべき女性や父親たる男性が
精神的にまだまだ未熟で、ノリで産んだ子供の責任の重さに耐え切れない。
区役所の相談所は、そんなケースでいっぱいだ。
この映画を観ることで、そういう現実を知らない人にも知ってもらう。
そういう意味で、この映画は観るべき映画だとは思う。
でもこの映画を観て「こんな事があるんだ〜」とか「泣けるよ」とか
簡単に云いきってしまう人もどうかと思う。
自分達がそれぞれ、将来この映画に出てくる大人たちになるとも限らない。
自分では気づいていないけど、事なかれ主義や、結果逆効果の救いの手、
卑怯な責任逃れの言い訳…自分可愛さにとった酷い行動。

 登校拒否してる子供が観たらどう思うのだろう。
「アフリカでは飢えて死んでく子が沢山いるのよ。食べ物を粗末にしないで
好き嫌いせずにちゃんと食べなさい」って云われるのと大差ないだろうか。
あの空間で生活している子供たちがひょっとしたら
アパートの隣に住んでいるかもしれない。
でも、もしそうだったとしても、他人の生活に乗り込んでいって
事態をいち早く察知し、助けようなんて思っても行動はなかなか出来ない。
物語の途中で関わってくる女子高生も、だ。
ドキュメンタリーのようなリアルな映像の見せ方、淡々とした言葉使い
子供たちの自然な表情…静寂で落ち着いたゴンチチのBGM

 ふと疑問に思ったのが、長男が母の連絡先に電話して
本人が出たのに思わず電話を切ってしまう所。
彼は母の性格をある程度把握していて、冷静に事態を判断したんだろうけど
彼がもう少し賢ければ先が見えてるあの暮らしを続けなかっただろうに。
生活がすさんで、質素で不潔めいてくる。ゾッとしてしまう。
タテタカコの歌う「宝石」が映画に凄く合っていて
あの歌が流れてきた時、たまらなく胸が痛くなった。
辛いし、実際の時間よりも長く感じたこの映画。また観たいとは思えない。

 主演の柳楽優弥君本人は、その表情と存在感は良いけど
演技がそれほど光るとも思わなかった。むしろ、あの賞は
作品と共演した他の子役の子達と一緒に獲れた賞だと思う。

 この映画のモチーフとなった実際の事件…
事実はこの映画よりも残酷だと聞いて調べてみた。
確かに、かなり違う。巣鴨子供置き去り事件→  参考にしたサイト


ダンサー・イン・ザ・ダーク (2000/デンマーク) 140分


 あの歌手のビョークが主演を務めたミュージカル・ドラマ。
しかし、これはミュージカルに似つかわしくない内容の話だけあって
世間でもかなり評判になったよね。

 1960年代のアメリカ、セルマは愛するわが子を一人で育て
せっせと機械工として働くセルマだったが日々衰える視力に悩む。
息子にも遺伝するその目の病を何とか治そうとせっせと貯金し、暮らしていたが
ある日、工場を解雇されてしまう。
そして不幸に拍車をかけるように貯金していた大事なお金まで盗まれ…

 運の無い人はどんなに頑張って生きても報われません
そんなことを云われているような映画だった。
勿論、セルマには希望が残された。
だけど、やっぱり酷いと思う。もっと救いが欲しい。
あまりにも理不尽だ。セルマも悪い所はあったかもしれないけど比じゃない。
何より許せんのは浪費妻とその夫。死にたいなら自分の手で死ね!

 兎に角、映像が不思議な作り方でショートフィルムのようなリアルさもあり
列車の映像の時のような幻想感も味わえる。
あの歌だけは、今でも大好きだ。
他の歌はどれも残酷で気味が悪い。いたたまれん。
まるで実際にあったかのようにラストの無音は壮絶だった。
事実、あんなことが起こったとしてもあんな事にはならない社会でなければ。

たまらなく欝になる映画だろうことは間違いないかと。

 あの列車のシーンだけはまた見てもいいけど
もう出来れば二度と見たくない映画かもしれない。
でもこの映画自体は凄いとは思ってる。映像は美しい。
これを観たらこれからの価値観に影響が出る人もいるかもしれない。




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