管理人NEROが映画について語ります。

Caramel Cinema


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危険な遊び (1993/米) 87分


 マコーレー・カルキン(ホームアローンの有名子役)と
イライジャ・ウッド(指輪物語フロドで有名になった子)
が共演したサスペンス映画
 もうふたりともまんまあの顔が成長したんですねー!!
イライジャの瞳のでかさもフロドの時のまんま
マコーレも前に観た「パーティーモンスター」とまんま同じ顔
しかし彼は悪魔的な役が凄い型にはまってて恐いくらいですよもう。

 母を亡くして父は長期出張で叔父夫婦に預けられたマーク
その家の息子のヘンリーと友達になり、彼に誘われ遊ぶことに。
しかし次第に遊びはエスカレートしていき、近所の犬をボウガンで撃ち殺し、
道路で衝突事故を引き起こす。
ヘンリーの異常さに恐怖を覚えたマークは周囲の大人に助けを求めるが…

 あんな小さい子供が??と考えると本気で恐ろしい内容です。
流れてくる音楽が凄い寂しさを強調してて、
直接的な感情を正直に表す子供ならではの素直な狂気が描かれてた。
ラストの展開は正直、ゾッとしました。
 ヘンリーは母親の愛情を渇望し固執していたわけではなく
あんな幼いながら世の中をずるく渡る仮面と狡猾な嘘を使い分けている。
あの天使のような笑顔の奥に潜む悪魔の心…凄かったです。



危険な関係 (1988/米) 121分


 ピエール・コデルロス・ド・ラクロ原作の『危険な関係』を映画化。
1959年、1977年、1978年にも映画化されている作品。
最近では韓国でペ・ヨンジュン主演『スキャンダル』としてリメイクされた。

 18世紀。フランス革命前夜のパリの貴族社会。
人々は贅の限りを尽くした甘美な暮らしに酔いしれ、快楽を追い求めていた。
そんな社交界の大輪として君臨するメルトイユ侯爵婦人は、
彼女の恋人バスティード伯爵が若い娘と結婚するらしいという噂を耳にし、
かつての愛人で、社交界きってのドンファンとして名高いバルモン子爵を使って、
当のボランジュ夫人の娘である美しき処女セシルの純潔を踏みにじろうとする…
18世紀のフランス貴族社会の頽廃を浮き彫りにして
背徳の烙印を押された同名の禁断の書の映画化。
限りなくインモラルな愛と性のゲームを、
絢爛たるエロスと情念がはびこる人間関係で描く。

 キャストはグレン・グローズ、ジョン・マルコヴィッチ、ユマ・サーマン、
ミッシェル・ファイファー、キアヌ・リーヴスと中々の顔ぶれ。
アカデミー脚色賞や美術、衣装デザイン賞も受賞した。
ユマもキアヌも若々しい。キアヌ、へっぽこっぷり似合い過ぎ。
ミッシェル・ファイファーって凄い女優なんだなって思った。
勿論、グレン・グローズの底知れぬ表情も凄かった。

 貴族たちは何が仕事なんだろうと『ベルばら』観てても思うこと。
彼らの存在意義は華やかに着飾り人生を横臥するロココ精神なのかな。
そこにあるのは純粋な恋愛ではなく、壮大な心理ゲーム。
どちらが勝つか、負けるか、支配するか、淘汰されるか…
そんな世界で生きてきたバルモン子爵が侯爵婦人に頼まれた仕事以外に
伯母の屋敷に居るトゥールベル婦人を口説きにかかる。
堅物で献身的なクリスチャンでもある彼女を落とすのは
社交界でも自分の自慢にもなるし、何より面白いから。
マルコヴィッチ演じるバルモンは、最初は毛嫌いすべき悪い男。
一緒にバスティードに復讐を企むメルトイユとのショットはまるで昼ドラ。
優雅な舞台で繰り広げられるドロドロしたエロスの世界。

 セシルの一転した変わりようが凄かった。
まさに、転んだらタダでは起きない女性の精神。前向きともいう。
信頼され尊敬される位置にいながら影で操るメルトイユ婦人は何と恐ろしや。
バルモン子爵はちょっと旬が過ぎたふけ顔な気がしたけど
劇中でメルトイユが云ってたように、そういう歳なんだろうな。
女性は奪われるのが好き、とか成る程教訓めいた言葉も出てくる。
終盤に差し掛かり、観ている方も薄々判って来る、ある真実。
あの時、勝った想いは単なる執着で、プライドからくる歪んだ愛に過ぎなかった。
最後にようやく本当の自分の気持ちを悟るバルモン…

 過去に何度もリメイクされただけあって
とても濃い人間のエゴの詰まったドロドロ恋愛劇。そんな印象です。
フランス革命前夜のパリが舞台という退廃的な貴族という設定が好き。
最初は、人物の名前がこんがらがって、ごっちゃになりそうになったけど
入り込んだらもう夢中…これは中々の秀作だと思う。


 
木更津キャッツアイ 日本シリーズ (2003/日) 123分




 宮藤官九郎脚本の人気ドラマ「木更津キャッツアイ」の映画版。
オリジナルのスタッフ&キャストが再集結し、
死の淵から奇跡的に甦ったぶっさんが迎える最期のひと夏を描く。

 野球とビールに明け暮れ、いつもの5人で相も変わらずつるんでいたある日、
氣志團が計画していた地元・木更津での大規模なロックフェスティバルで、
キャッツたちが前座を務めることになり、ぶっさんはさっそく新曲作りに励む中、
山口先輩が新しい店を開き、美礼先生の幼馴染の男が木更津に帰ってきた…

 いつものメンバーに加え、哀川翔、ユンソナ、内村光良、
船越英一郎も参戦。
ドラマの1,2話見てすぐ日本シリーズに入ってしまった私。
でも、すんなり物語には入っていけたかと。オジーのエピソード以外は。
このドラマの特徴は野球の試合に準え、表裏が用意されてて、
「ちょっと待て、何でそうなったんだ?」って疑問を裏で説明する。
グルグルビデオテープを巻き戻すように場面が戻って裏に行くんだけど、
それが若干、画面五月蝿いのが問題かも。相変わらずウッチー大活躍。
クドカンドラマですからね。壮大なコント感覚で見れば充分楽しかったです。

 ウッチャン、なかなかオイシイ役貰ってるじゃないの。
いいキャラでした。正にコントみたいだったけど。
岡田准一自体に興味ないのでユンソナとのエピソードはどーでもよかった。
ユンソナも好きになれんのだよね。何が良いのか理解出来ない。
私はウッチー派。今回は英語が堪能なダディが登場して、何か和んだ。
ダディ、ダディ、バイシクル!」ってシーン。
ウッチャンが“微笑みのジョージ”の過去シーンをまんま、学生服で
薬師丸ひろ子はセーラー服姿で演じてて、ウッチャンは嬉しかったろうな。
笑う犬のコントの「癒し太郎」ってキャラを思い出したわ。
あの“やっさいもっさい”って映画の為に作った踊りなのかな??
オジーは死んでるのに大活躍。あの特殊メイク仮面は凄いな(笑)
冒頭に登場してくる年取ったメンバーたちのキャスティングもおもろい。
カニだのセックスだの無人島と、怪獣ゴミンゴ辺りがやり過ぎだ。

ドラマよりもおふざけが多い分、一部のファンには不評だったようだ。
若干ダレるシーンもあるけど、私は大好きだな。
「木更津〜キャッツ!」「にゃー!」って叫びたくなるよね(ならないか?)


木更津キャッツアイ ワールドシリーズ (2006/日) 131分






 クドカン脚本のTVドラマの映画版第2弾にしてシリーズ完結編。
ぶっさんの死から3年、それぞれの人生を歩み始めたキャッツのメンバー。
ぶっさんが死んでチームは自然分解。木更津を離れていった。
ただ一人木更津にとどまり市役所に就職したバンビは、
ある時、荒れた原っぱで空からの不思議な声を聞く。
“If you build it, he will come(それを作れば彼がやって来る)”と、
なぜか英語で語りかけるその声をぶっさんのメッセージと確信するバンビ。
ぶっさんにちゃんと“ばいばい”を言わなければと思ったバンビは、
けんか別れしたアニとマスターそれぞれのもとを訪れ、木更津に戻るよう説得。
一方、自衛隊に入隊したうっちーは美人教官の猛烈なシゴキに音を上げていた。

 今回ゲスト参加する俳優は栗山千明、MCU、高田純次、レッド吉田と
栗山千明以外はどうもパッとしない。そう、これはレギュラーメンバーメインの
木更津キャッツアイを愛するファンに贈る最後の作品なのだ。
…かく言う私はドラマシリーズ見ておらず、つい最近ハマり出した新参者。
なので、ドラマから見てきたファンより思いいれが足らず、
劇場に足を運んでみたものの、皆が泣くようなシーンでも涙腺緩まず。
別に悪くはないんだけど、おとなしめだったね。
日本シリーズの悪ノリ加減がツボだった人には肩透かしかも?
DVD化する頃にはきちんとした姿勢で見れるよう、今から木更津漬けになる予定。

 ちなみに私はうっちー派。挙動不審で謎だらけで、オイシイとこ持ってく。
そんなうっちーが今回、またしても結構活躍するわけだが、
ドS教官栗山女王様により真人間へと豹変…そのギャップがたまらんのだが、
一部、やはり昔のうっちーは何処…と悲しい面も出てくる。
でも、エンドロールで付き合ってる二人のシーンがお気に入り。
ああいう、厳しくイジメ倒しておいて、実は…な展開大好物。

岡田義徳、童顔で演技もキャパ持っててイイなぁ…興味出てきた。
マスターとアニの大喧嘩にも笑った。ありゃー怒るわな。
ぶっさん復活までダレるという意見もあるが、THE3名様から入った私は
その3人が映ってるだけで充分モチベーション保てました。
アニが居たメイド喫茶のカウンター裏に、LUSHカタログが見えたと思ったが
あれは幻?勘違い?今度絶対、再確認しなきゃな…幻なら重症だ。

 冒頭の韓流版キャッツ、似てるけどチープさが出てて小バカにしてる?

本ネタの「フィールド・オブ・ドリームス」見たことないので、今度見ます。
完結編なのでバカ騒ぎ、悪ノリも控えてしんみりシーンも多かった。
結婚式の傘、ゾンビ軍団の後ろに人が…と裏の展開がチラッと判ったが、
パンチパーマにメッシュ入れてるトコとか判らなかったな〜浮いてたのか!
ミニミニオジーがMCUだったのか…ブリーフ一丁とか頑張ってたな。
喋り方が凄く素人臭いので、有名人なのかな〜?とは思ったけど。
オジーも、遂に野球がやれて満足したんだろうな。
ゾンビ軍団の有田似も笑えたけど、ペリー来航のDVDの衝撃の方が上かな。

DVD発売したら普通に買ってそうで恐い。未公開シーン欲しい。
ぶっさんにバイバイするというメインテーマをしっかり撮ったので、
どんなに興行収入が良くても、もう二度と帰ってくるんじゃないぞ〜と。
「シーサイドばいばい」って曲、全然覚えてないや;嵐のあの曲は耳に残るけど。
日本シリーズよりも薄味だったかな?なんて思いながらも、
またもう1回観に行きたいな〜という衝動に駆られてしまう。


キスキス、バンバン −L.A.的殺人事件− (2005/米) 103分


 「リーサル・ウェポン」「ラスト・ボーイスカウト」などを手掛けた
人気脚本家シェーン・ブラックが自ら初監督も務めたクライム・アクション・コメディ。
主演は「チャーリー」のロバート・ダウニー・Jrと「ドアーズ」のヴァル・キルマー。
ヒロインには「スタンド・アップ」のミシェル・モナハン。

 ニューヨークのしがない泥棒ハリー・ロックハート。
警察に追われて逃げ込んだのは、ハリウッド映画のオーディション会場。
俳優に間違われたハリーはオーディションをパスし、
探偵役のスクリーンテストのためにロサンジェルスへ。
彼はそこで役作りのため、通称“ゲイ”と呼ばれている
本物の私立探偵ペリーに弟子入りし、ある人物を見張ることに…
ハリーは、女優を夢みてハリウッドへやって来た幼なじみハーモニーと再会。
やがてハリーとペリーは奇怪な事件に遭遇。ハーモニーも関わり事態は複雑化。

 ロバート・ダウニー・Jrって冴えない顔してますなぁ。
ヴァル・キルマーがすっかりぽっちゃり体型になっててビックリ。
中身は偶然が重なってすったもんだしてるうちに、偶然が重なって…と。
アクションものとしては物足りず、コメディとしても物足りない。
でも、この情けない感じがちょっとだけ好きかもしれない。
本当はクリス・ペンが出てる「キス★キス★バン★バン」が観たかった。

 
自分以外の同級生全員と寝た女…それでもよく想い続けられますこと。
それに失礼だけど全然惹かれないしね。美人じゃないし、人としても。
下の娘を犯してた父親に何でヴァル・キルマーが会いに着て
軽蔑してるのかも、ちょっとよく判らん展開だった。
妹のことを訴えるのは姉の役目じゃないのかね?

謎解きに関しても、ちょっと荒っぽい推理も目立ったかな。
主人公のおっちょこちょい具合に突っ込みまくって見る分には面白いかも。
何でそういうことするかなー?!何でそんな展開が?!は好み。
しかし、完成作品としては華がないというか、少々お粗末かも。


北の零年 (2004/日) 168分






 史実を背景に壮大なスケールで描いた愛とロマンの物語。
主演は吉永小百合、共演に渡辺謙、豊川悦司、柳葉敏郎、石田ゆり子、
香川照之、石田さとみ、吹越満、奥貫薫、寺島進、平田満、
田中義剛、阿部サダヲ、忍成修吾、鶴田真由、石橋蓮司。
石田さとみ演じた多恵役の少女時代は「SAYURI」で子役もした大後寿々花。
監督は「世界の中心で、愛をさけぶ」「GO」の行定勲。

 明治4年。四国・淡路に暮らす稲田家の人々は藩内の派閥争いが原因で
明治政府から、北海道・静内への移住を命じられる。
海を渡り、北海道へ辿り着いた総勢546名の移民団は、
自分たちの新しい国を建設するとの希望を胸に凍てつく原野に立ち向かう。
希望の光であった殿が到着されるまではと賢明に木を切り城を建て、
厳しい冬も辛い現実も仲間たちと何とか乗り越えた彼らは
無残にも裏切られ、藩はおとりつぶし、淡路に帰ることも出来なくなり、
北海道の地を新たな故郷とし、自分たちの新しい国を創るという意気込みで
小松原英明(ワタケン)はこの厳しい環境でも育てられる苗を求めて札幌へ。
残された妻の志乃(吉永小百合)と娘の多恵(大後寿々花)は待ち続けた。
しかし待てど暮らせど夫は返らず。苗を頼みの綱としていた人々も苛立ち
しだいに統制は崩れていった。志乃は娘と二人、寒い吹雪の中を
夫が向かった札幌へと旅立つのだが…

 正月映画でテレビで放送していたので拝見。
こんなに空回りで突っ込み所満載だと観てるうちに楽しくなってくるね。
感動スペクタクル大作のつもりで作ったんだろうけど、終始ニヤニヤしましたよ。
宣伝流れていたころは“もうひとつのラストサムライ”的な雰囲気でしたが、
この話は…
終わってみて、そういえば死人がほとんど出てないのにビックリ。
そう、最初の方に病気で死んだ石田ゆり子の息子の雄之介くらい。
それが引き金にもなって石田ゆり子と柳葉夫婦は壊れていくんだけど、
香川照之演じるイヤラシイ商人がね…ちょっと微妙だったね。
妻子が雪にまみれて死にそうになって、「さぁどうするトヨエツ!」って思ってたら
唐突に異人さんが馬にのって現れて急に5年後馬名人になってるとはポカーン
他の人たちもすっかり洋服になって同じ村にいるしサ。意味不明!
イナゴの襲来で気が触れたオッサンは油かぶって自ら火達磨になるし
この展開はトヨエツ活躍させるための何者でもなかったね。不自然。
熱演してた渡辺謙さんも相変わらず格好だけは良かったんだけど、
志乃と多恵に再会した時、さぁこの5年、どういい訳つけるんだ?と思ったら
病気で看病受けた女とそのままくっ付いて子供もいるなんて…
そう、あの名作『ひまわり』と似たような現象だったとは。
そしてやっと帰ってきたと思ったら馬よこせと。んで持ってきなさいと言いつつも
引渡しの時は沈黙する志乃。いつの間にやら仲間たちが鍬とか持ってきて
香川はどうなったのか謎だが石田ゆり子までデモに加わる模様。
ラストサムライの時とはうってかわって制圧する側に回ったワタケンだったが
やはり結局は見逃しちゃう。トヨエツが登場して志乃が庇いに行って、
ワタケンは若干「何だよ、お前も新しい男いるじゃん」な顔して、
「馬にしてやられた」チャンチャン。何だよ、その〆方は!
志乃が畑を耕すくだりがもう観てるこっちが恥ずかしくて赤面しちゃった。


 金払って見るとひたすら呆れる…というかテレビで見ても呆れたんだけど、
よくもこんな映画が…しかも吉永小百合がこれで日本アカデミーとか。
行定監督ってホントに酷いな。マトモな作品捜す方が難しそうだ。
キャストだけ無駄に豪華で、真面目にやってるんだけどオカシイ。
出演してる俳優が好きだったり、ネタとして見るにはいいかもね。


ギフト (2000/米) 111分


 『ダークマン』『シンプル・プラン』最近では『スパイダーマン』で知られる
サム・ライミ監督作品。彼の有名な『死霊のはらわた』も見てみたい。
主演は『エリザベス』のケイト・ブランシェット。
共演にキアヌ・リーヴス、ヒラリー・スワンク、
最近トム・クルーズとの婚約話で話題になったケイティ・ホームズ。

 “ギフト”と呼ばれる特殊な超能力を持ったアニーは
夫に先立たれ4人の子供を抱え、小さな町で占いをして暮らしていた。
夫の過剰な暴力に悩み、それでも別れることができない女性や
小さい頃のトラウマが原因で情緒不安的な男性など…
そんなある日、結婚を間近に控えた若い女性が失踪する事件が起こった。
手がかりの掴めない警察は彼女に協力を依頼するが…

 ホラーコーナーに置いてあったけど、サスペンスの部類じゃなかろうか。
突然の音にビックリすることはあったけど
(あと、ケイトの思わぬパンチラシーンにもビックリ)
どちらかと言うと『シックス・センス』みたいな類かも。
ケイトは儚げで透き通った美しさが在る不思議な女優さんですね。
ヒラリー・スワンク、最初全然彼女だと気づかなかった。
キアヌ…暴力夫の役なんだけど、顔が何故かちっとも恐くない。
彼の底の浅過ぎるキャラに、こいつじゃないだろうと普通に思った。
ケイティはこの映画で初めて観た。

 キャストがなかなか豪華だし、一見の価値はあり。
撮影に使った場所は実際に心霊現象で有名な場所なんだとか。
撮影ではそれぞれ皆、心霊体験のようなものもしたとか、しないとか。
バディ役の人がかもし出しでいる危うい雰囲気がよく出てた。
ジョヴァンニ・リビシ。『プライベート・ライアン』等に出演。

 ストーリーを観ると、対して凝った脚本ではないんだけど
サム・ライミが撮るだけあって不思議と入り込んで観れた。
展開も、結構ありきたりではある。
ただ、息子との関係が中途半端だったような気がしないでもない。
学校での態度が云々ってシーンが出てきて
母親と和解するもっと具体的な出来事が用意されててもいいような。
ドニーのその後も凄く気になる。

 超能力は存在するとは思うけど自分とは縁が無いと思ってる。
劇中ケイト演じるアニーがカードを使って占うんだけど
どういう基準でやってんのかチンプンカンプン。直感勝負っぽい気もする。
ヴァレリーもバディも「カードで占って」って訪問してくるけど
実際は占いの結果じゃなくてアニーに相談しに行くことが大事なのかも。
占い師っていうよりカウンセラーな印象。
「そんな気分じゃないの」って断った所が今でも凄い残ってる。
あの時、ああしてたら…ってずっと悔やんでしまいそうな瞬間だ。


きみに読む物語 (2004/米) 123分






 ニコラス・スパークスの小説を映画化したラブ・ストーリー。
運命的な恋に落ちながらその関係を引き裂かれてしまった一組の男女の、
時を経た永遠の愛をロマンティックに描く。監督はニック・カサヴェテス。
主演はライアン・ゴズリング(ノア役)、レイチェル・マクアダムス。(アリー役)
ジーナ・ローランズ(カルフーン役)、ジェームス・ガーナー、(デューク役)、
ジェームス・マースデン(婚約者ロン役)、サム・シェパード。(ノアの父親役)

 とある療養施設に独り暮らす初老の女性。
彼女は認知症で、過去、現在のことはどんどん忘れてしまっていた。
そんな彼女の元には毎日、初老の男性が本を読み聞かせにやってきた。
物語は、若い男女の情熱的な出逢いと恋、そして別れ…二人の運命を綴ってあった。
1940年、アメリカ南部の町ノース・カロライナ州シーブルック。
家族とひと夏を過ごしにやって来た少女アリーは、そこで地元の青年ノアと出会う。
やがて二人は強く愛し合うようになるが、裕福な家柄のアリーの両親は
材木業で日々汗を流す肉体労働者のノアを煙たがっていた…

 日本がセカチューならアメリカはきみ読む。そんな宣伝文句。純愛映画路線。
最初は全然興味なかったんだけど、『ホットチック』のレイチェルが出てるし、
『16歳の合衆国』のライアンも出ている…それに意外に評判が良い。
レンタル屋でもしばらく借りられなかったので思いは募った。そして観た。
…ごめんなさい、私にはよくわかりませんでした。この映画の良さが。
まず、宣伝で既に「
この本の登場人物は老人二人の若りし頃」ってのは知ってたし
若い二人の恋愛がホント単純で芸がなくて、あぁアメリカっぽいな〜で。
ライアン君、『16歳の合衆国』では光ってたけど、あまりに無表情過ぎ。
何か、感情移入し辛い。恋愛映画なんだから、もっと素直に直球演技して欲しい。
レイチェルは凄い尻軽女に見えてしまったけど、まぁ尻軽女になってしまうよね。
ずっと手紙待ってたのに、7年も待ってたのに…って、会いに行けよ!って話。
彼女は、彼を愛するっていうか彼の彼女への愛を頼ってただけに見えた。
どれだけ愛されれば幸せか、そんな受身姿勢に思えた。
彼は彼で、手紙毎日1年間、返事が来ないのをちょっとはおかしいと思え!
自分だったら、送り先間違えてるのかもなーって思って手段を変える。
あのアリーの母親の恋愛話も、え?どんな偶然よ?とってつけたよーな話…
って急で何だこの展開って思えた。「もう彼が誰かも判らない」
きっと彼女は昔、あそこの労働者の誰かと恋に落ちたんだけど、
多分、あの人…いや、この人だったかな?と適当に指差してるだけなのでは?w
まぁ好きだったのは「いつものケンカよね?明日になったら元通りよね?」って
激怒していたアリーが急に態度一変させて車にすがりつくシーン。何かリアル。

…まぁ、突っ込んでいたらキリないですよね。そういう細かいすれ違いが、
恋愛をより複雑に、燃え上がらせる?の?そうなの?ようわからん。
婚約者が別に悪い人じゃないのが気の毒だ。X-MENのサイクロプス君。
彼とくっついても彼女は充分幸せになってたと思う。愛されたと思う。
ノアのこと思い出すまで幸せ絶頂だったじゃない。きゃぴきゃぴはしゃいでさ。
未亡人さんも、引き際心得てて、何か可哀想。去る者の方が良く見えてしまう。

 老人の一途さがこの映画の肝みたいですが、泣くまでは至らず。
ただ、アヒルがわんさかいる湖のボートのシーンは綺麗だったかな。
あと、二人が抱き合う時に決まっているポーズ。ガバッと女性が覆いかぶさるw
アメリカの移動遊園地とかにある、簡易観覧車って人が落ちて事故が起こりそう。
二人と行動を共にしていたもうひとつのカップルはその後、普通に消えたね。
強い絆で結ばれたカップル…って、でもひと夏過ごしただけだったんだね。
私は受け付けなかったけど、コレ気に入る人も恐らくはいると思う。
少なくともセカチューよりはずっといいと思うし。うん。


CASSHERN (2004/日) 141分


 宇多田ヒカルの夫でPV監督だった紀里谷和明が初映画を撮った今作。
主題歌「誰かの願いが叶うころ」も宇多田ヒカルが担当。
出演者に伊勢谷友介、麻生久美子、寺尾聰、樋口可南子、小日向文世、
宮迫博之、佐田真由美、要潤、西島秀俊、及川光博、大滝秀治、三橋達也、
唐沢寿明と、人気若手俳優から大御所まで出演者は超豪華。

 70年代に流行ったアニメ「新造人間キャシャーン」の実写映画化。
現代とはまったく違う未来。そこでは日本が太平洋戦争に勝利し
亜細亜連邦共和国という巨大大国と化し
未だ戦時下にあり軍事産業に力を注ぐ荒れ果てた世界。
父との確執で家を飛び出し軍隊に参加した鉄也が戦死…
科学者である父の東博士により新造人間に生まれ変わる…

 映画館で拝見。とにかく映像が暗めで見辛いのが欠点。決して美しくはない
話の内容は中学生位の漫画家目指すネガティブな人が考えたかのような展開。
国境とか隠された遺跡とか、第7管区などの位置関係がよく掴めない。
主人公の鉄也に全然感情移入できなかった。むしろブライ最高!だった。
唐沢寿明は「白い巨塔」の財前教授でもそうだが舞台演技的なのが似合う。
 ちょっとした友情出演か、GLAYのTAKUROとHIHASHIも少し出演。
サグレーとの対戦が最悪でした。アクションしてんのかよ?!
内藤薫がツボにはまった。老医師とバラシンの繋がりを知ってホロリ。ブライも。

 劇中で「どうして人間は戦争してしまうんだ」を繰り返してたけど
戦争を起こすのはごく少数で、多くはそれに従わされて嫌々戦ってるのに
戦争はいけないこと。っていうのは誰でも知ってることだけに
ちょっと説教臭すぎてダメだ。しかも問題投げかけるだけで悦に入ってる感が嫌

 どうしてもCG満載なのが安い印象。キャラ萌えできなければ救いようがない。
貨物車や巨大ロボとの戦いとか、どうでもいいと感じる場面が多い。
 この映画は監督の自己満足しかなかったように思うので、
次回作ではもう少し観る立場のお客さんのことも考えよう。
これでは原作アニメファンも劇場へ足を運んで騙された気分になる。


キャットウーマン (2004/米) 104分


主演ハル・ベリー、敵役にシャロン・ストーン。
バットマンシリーズの悪役で知られるキャットウーマン主役のアクション映画。

 化粧品会社に勤めるペイシェンスが偶然会社の新薬の秘密を知ってしまい、
殺されてしまう…しかし不思議な力に目覚め、猫の能力を備えた超人となった!
キャットウーマンのコスチュームがあまりいけてない。それが残念。
ハル・ベリーは目茶目茶可愛いかった!!パーマロングヘアと
ショートカットの凛々しいハルが両方楽しめる作品。
惜しいかな、黒い肌では黒いコスが映えなかった。
デビュー戦の仮面タイプの方がいけてたように思う。

 B級ジャンルになるけれど、ハル・ベリー好きなら楽しめることでしょう。
シャロン・ストーンの武器があまりにもアレで…何か夏木マリに見えた。
そういう面ではハルは研ナオコかな?
 ヒーロー物らしくストーリーは単純明快だし、リラックスして見れる。
欲を言えば相手役のベンジャミン・ブラット、地味過ぎたと思う。
ラストの展開が漫画「シャドウ・レディ」みたいだった。
 人気が出ればシリーズ化したいだろうけど、どうなんでしょう。
これでハルはラジー賞をとってしまったしね…



キャビン・フィーバー (2002/米) 93分




 新鋭イーライ・ロス監督が低予算で撮り上げ評判を呼んだスプラッタ・ホラー。
学生生活も終りを迎えた5人の若者ポール、カレン、ジェフ、マーシー、バート。
最後の夏休み、彼らは車で遠くの田舎町に繰り出し、
山奥のキャビンを借りて思う存分酒とセックスとドラッグを楽しむことに。
しかし、突然遭遇した皮膚が爛れ、血だらけの男に車を壊されたことから、
彼らは次々と謎の感染病の混乱と恐怖に巻き込まれていくことに…。

 これまたタランティーノ監督が絶賛していた映画です。
何ていうか、コテコテのアメリカらしいホラー映画の王道を行く。
出てくる若者たちは皆揃って馬鹿ばかりで、行動もやはりお馬鹿。
ヤリたい盛りのカップルと、そうなりそうなカップルと、余った男。
突出したヒーローやヒロインがいるわけでもなく、感染源は謎。
「何であの人がこんな目に遭わなきゃいけないんだ?!」って理不尽さは無い。
だから、後引くホラーではなくスプラッター・ムービーですな。
グロさは中々のもので、ちょっと陰湿すぎるくらい。
何じゃこりゃ〜!な展開も多くて、突っ込みつつ見るのも楽しいかもね。

 声を上げてしまったシーンが、腐ったハシゴ。「うわちゃぁ〜」って(笑)
遺体が貯水池に浮かんでて、わざわざ確認しんでもいいだろに。
どうせ死ぬならセックスでも…どうせ死ぬなら誰でも感染しやがれ!って。
あと、毛を剃るシーンとか…痛々し過ぎるんですけど!!
朝のうちにさっさと行動すりゃいいものを、グズグズし過ぎ!
でも、終盤の展開を見るとあの田舎町の連中は厄介ごとをもみ消すことしか
考えていないらしいので、結局はダメだったのかな。
病院に担ぎ込んでおいて、あの仕打ちはないよぉ。
ロクに調べもしないのに片付けて、町の連中もいずれ…な〆は好みだな。
まぁ、みんな揃って因果応報。あのカンフー子供は何処へ??


 見易くて直接的で判り易い恐怖を描いているので、気軽に楽しめる。
何か設定的には古いホラーっぽいんだけど、新しい感じもする。
この監督はかなりマニアックらしく、日本のホラー映画も好きらしい。
最新作「HOSTEL」では三池崇史監督も出演してるとか。


キャリー (1976/米) 98分


 スティーヴン・キング原作小説をブライアン・デ・パルマ監督が映画化。
厳格カトリック教徒の母親の元で育ったキャリー・ホワイトは
地味で大人しく学校からも浮いた存在で、クラスの皆から苛められる日々。
だが彼女は超能力を持っており、感情が爆発すると暴走する性質を持っていた。
学園祭が迫ったある日、トミーから一緒に行かないかと誘われる。
常々皆と同じようになりたいと願っていたキャリーは母親の反対を押し切り
パーティーに参加するのだったが、キャリーを嫌うクラスメイトたちは
密かにある計画を練っていたのだった…

 ホラー映画として有名なタイトルでしたが、観るのは初。
しかしこれってホラー映画じゃないだろ。オカルト込みの苦い青春映画っていうか
キャリー役のシシー・スペイセクの表情が良くて、実際に居そうな子だった。
一見陰気な子なんだけど、お洒落すると綺麗に変身。
判ってはいたものの、パーティーでのあの笑顔…凄い残酷。
悪役にジョン・トラヴォルタも出演。若いね〜
キャリーの味方の先生、凄い先生なんだけど、あんな先生いるか??

 スーは最初は計画の一種としてトミー使っていたんだと思ったけど、
終盤の流れを見ると、どうやら本当に反省して、
キャリーに学園祭を楽しんで欲しかったみたいだね…
トミーも途中から頼まれたからじゃなく、本当にキャリーに好意を抱いてたし。
スーも先生も、そしていつの間にやらトミーもトバッチリで…なわけだけど
一番可哀想なのは、暴走してしまって、激しく後悔して
傷ついて帰ってきたのに母親にまで仕打ちを受けるキャリーだよ。
とことん可哀想な残酷物語でした。
ラストのB級ホラーのような流れはいらんでしょうに!


 画面がカット割になったのは良くなかったね。
病的な母親に育てられて、悲惨なキャリー。学校でも悲惨なキャリー。
昔の映画なので、直接的な残酷描写は控えめだけど
その分、心にズシンと来るものがあった。
キャリーの立場になると、ああなるのも無理はない。
確かにこれは、言い方は変だけど傑作と呼べる代物かも。
23年後に作られた続編「キャリー2」は評判イマイチ。製作も監督も違うしね。


ギャングスター・ナンバー1 (2000/英・独) 103分






 ギャングの世界に足を踏み入れた一人の男。名は呼ばれない。
様々な紆余曲折を経て、のし上がり、ナンバー1となった男は現在55歳。
今では立派なギャングスター。誰もが彼を恐れ、寄り付かない。
そんなある時、かつての自分のボスであった男が出所することになった。
暗黒街の帝王フレディ・メイズ。彼の時代はとっくに終わった。
しかし確かに過去、男が心から憧れた唯一の存在でもあった。
彼は若き頃の自分とフレディ、その時代を振り返っていく…

 若きギャングスターにポール・ベタニー、
年老いたギャングスターにマルコム・マクダウェル。
フレディ・メイズ役にデヴィット・シューリス。
監督はスコットランド出身のポール・マクギガン。

 ポール・ベタニーの悪に徹する姿が最高に輝いて見える。
まず、彼は手足が長くてスーツ姿が凄く栄える。それに驚いて見とれた。
脱いだらそれ程でもないのに…(撮影の仕方にもあるのかな?)
現在から過去に遡り、最後にまた現実の物語が来る作りなんだけど、
最初はちょっとショックだった…あんなハゲた団子鼻になっちゃった…
フレディは老けメイクで登場したんだから、彼もポールのままでよかったんじゃ。
余程、大御所な役者なのかと思ったらマルコム君じゃないですか…
これもまた、二重ショック!「時計仕掛けのオレンジ」の栄光よ何処…
未だに代表作が乏しく、有名な映画には全然出てらっしゃらないのね。
デヴィット・シューリスは好演だった。ギャングにも品は大事。

 ギャング映画って日本でいうヤクザ映画じゃん?そう考えると
敬遠しちゃうんだけど、何でなんだろう、ギャングやマフィアって格好良いイメージ。
ラストの男のセリフを聴いて、何て首尾一貫したわかり易いテーマだったんだろ
これって私も考えたことあるし、とある漫画のセリフを引用すれば、
女を抱いて、いい車乗り回して…こういうのは幸せって言わねぇんだってさ
ってことだろう。
彼はとことん孤独で人生の楽しみも知らずに、
フレディに強い憧れを抱くのだが恋人が出来たことで、
腑抜けた彼を、追い越そうと考える。嫉妬もあるんだろう。

冷酷に徹しての尋問や車の中で惨事を静観している様がゾゾッとした。
ポール・ベタニーは最高に悪役が似合うなと感心してしまう。不気味。
残酷描写や理解に苦しむ妙な心理的映像が挿入されている。
事を行う前に丁寧に服を畳む様がサイコに気持ち悪かった
出所したフレディが彼を見つめる。彼が最高に惨めで哀れに見えてくる
設定やテーマが個人的に凄く好みだったな。
言葉で表すのは簡単だけど、こうして見せられると、改めて実感する。
金や権力が全てな人間は虚しいだけだと。


キューティ・ブロンド (2001/米) 96分




 リース・ウィザースプーン主演で全米で大ヒットしたプリティ・ピンク・コメディ。
共演に「Gガール 破壊的な彼女」のルーク・ウィルソン、
「ブルー・クラッシュ」のマシュー・デイヴィス、
「クルーエル・インテンションズ」でもリースと共演したセルマ・ブレア。
ラブコメ系の名脇役女優ジェニファー・クーリッジも出演。

 ファッション大好き、大学社交クラブを仕切る人気者のブロンド娘・エル・ウッズ。
大学卒業も迫り、ワーナーのプロポーズを心待ちにしていたエルだったが、
大好きな彼は政治家志望で、ハーバードのロー・スクールに入学するという。
勿論ついていこうと張り切るエルだったが、別れの言葉を切り出される。
「将来を考えるなら、ブロンド美人よりも頭のきれる知的な女性」と。
それでも彼を諦めきれなかったエルは超難関のロー・スクールへ進学!
全身ピンクできめた陽気で能天気なブロンド娘にロー・スクールは大騒ぎ!

 随分前に友達に見せてもらった映画。再見。
「ブロンド女はヤリマンでバカ」そんな偏見差別もテーマのひとつ。
しかしエルは、愛の力で難しい試験を突破し、厳しい学校生活をこなすのだ。
全身派手なピンクで揃え、チワワを連れて歩く様は正に歩くバービー人形。
でも自分のファッションセンスを堂々と貫くのって素敵です。
故郷の親しい友
人たちとも別れ、息苦しい学校に入って法律のお勉強。
美容室で知り合ったポーレットと愚痴を言ったり励ましあったり…
再び見てもこの作品は、ラブコメの中でも群を抜く良さがあると思う。

 主人公のひたむきさ、長所を活かした決め技、
ライバルとの和解、
趣味が高じた知識、爽快な大逆転、
元彼をギャフンと言わすトドメ。
彼を追いかけて入ったつもりが、自分の天職を見つけちゃうのもイイね。
ナンパに失敗していた同級生を救っちゃう一芝居、
反目してたヴィヴィアンがエルの考えに惹かれているさりげないシーン、
アリエナイザーだけど盲点を見つけ裁判中に犯人を見つけちゃうところ

自分を高めることができれば、今までと違った目で相手を見れる。
エルは成長し、ワーナーがどういう男性なのか、冷静に見れたんだろう。
失恋に泣く人も、相手よりも高みに行っちゃえば、
「あんなくだらない奴、知ーらない」と簡単に吹っ切れるよね。
そうして、お互い尊敬し会える男性とも出会っちゃうんだからハニカんでしまう。
こういうのは映画ならではだけど、やはりハッピーエンドは嬉しいものね。

外見だけで判断される、どうせ私なんか…と思ってないで!
恋も仕事も頑張ってる女性に、エネルギーを与える映画。
勿論、こういうのに抵抗がない男性も見たら凄く楽しめると思う。
ラブコメを見ない人は、この
作品を皮切りに見ていけばハマるかもしれません。
プリティ・ピンク・シリーズでも今の所これが一番出来がいいと思う。


キューティ・ブロンド2/ハッピーMAX (2003/米) 95分




 全米大ヒットした『キューティ・ブロンド』の続編。
主演のリース・ウィザースプーンは今作では製作総指揮も。
主要キャストはマシュー・デイヴィス、セルマ・ブレア以外は変わらず。
「フォレスト・ガンプ」のサリー・フィールドなどニューフェイスもチラホラ。

 ロー・スクールを優秀な成績で卒業したエル・ウッズは
大きな法律事務所に勤め、弁護士としてバリバリ仕事をこなしていた。
愛するエメットとの結婚式も最高のステージが用意できた。
招待客は大事に選ばなければ!そうよ、ブルーザーの母親はどこ?
片時も離れない相棒のブルーザーの母親を式に呼べないなんて!
エルは探偵に頼んでブルーザーの母親を捜してもらうことに。。。

 前作がプリティ・ピンク・シリーズ最高の出来なら、
この続編はシリーズ最悪の出来の作品だと豪語しよう。
きっと前作ファンの8割はこの映画の内容に不満を感じたかと思う。
キャラクターたちも変わらず楽しそうに動いてはいるものの、
エルの愛犬ブルーザーの母親捜し&ブルーザー法案成立という
今回の流れは、愛犬家や動物愛護者を敵に回すつもりは毛頭ないけど
描写の仕方にも問題大アリだと思うが、ひいたね。

 動機も気持ちも理解できるけど、エルには他のテーマで戦って欲しかった。
化粧品の実験動物って具体的に何をして、どういう症状が出る、とか
どうせ扱うなら明確に主張して欲しかったし、映画のカラーに合わないけど
“酷い動物実験の写真”とやらを見せて欲しかった。
そういう細かいこと討論しないで、愛犬が可愛いだの
的外れな気がする。
でもそういうシリアスな展開はこの映画には向かないから、
やっぱり別の事件で、立法よりも逆転裁判の方が見たかったです。
前作でライバル、後に親友になったヴィヴィアンが出てこないのも寂しかった。
“デルタ・ヌウ”のことも、よく判んなかったしな〜勢いだけはあったけど。
今回の新メンバーもあんまりキャラ立ってなかったし。
あのおばさんも急に手のひら返して、急過ぎてショックでも何でもなかった。
バカ賢かったエルが、これではウザい女にしか映らないのが悲しい。
正直、いいところがみつかりませんでした。酷い出来です。
前作のメンバーが出てるだけで満足、な人ぐらいにしかすすめません。


宮廷料理人ヴァテール (2000/仏・英) 118分






 ソムリエの原型、ホイップ・クリームの創作など、
フランス料理界に名を残す天才料理人フランソワ・ヴァテール。
彼の生き様を、フランス映画史上空前の制作費40億円を投じ、映画化。
監督はアカデミー賞3部門受賞の『キリング・フィールド』、
『ミッション』で知られる巨匠ローランド・ジョフィ。
音楽は『ニュー・シネマ・パラダイス』『海の上のピアニスト』のエンリオ・モリコーネ

 1671年、コンデ大公のもとに、ルイ14世から居城シャンティイ城への
3日間の訪問が告げられた。老いた英雄コンデ大公は再起をかけ、
莫大な借金をも厭わず一世一代の大饗宴で国王をもてなそうとする。
総てを取り仕切る事になった宮廷料理人のヴァテールは限られた時間の中で
贅を尽くした完璧な料理と、その料理にふさわしい演出を準備する。
やがて歴史に残る3日間の華麗な宴が始まるが、
その裏では、陰謀、裏切りなど様々な欲望が渦巻いていた…

 この料理人の話は知ってたけど、映画があるとは知らなかった。
主演を務めたジェラール・ドパルデューは有名らしいけど、あまり知らないな。
ユマ・サーマンとティム・ロスの共演が楽しみで観た。
そういえば二人とも、上瞼が分厚いって共通点が…笑
ユマがティムの友人でもあるゲイリー・オールドマンと離婚してたのは知ってたが
その後、『ガタカ』で共演したイーサン・ホークと再婚してたとは…!
んで『キル・ビル』前に子供を産んでるわけだけど
イーサンの浮気報道が原因で別居中。離婚調停の話が進んでいるらしい。

 金をかけただけあって、壮大で豪華なセット。
でも料理人らしい場面は菓子細工を作ったりとシーンには少なかった。
料理人っていうより壮大な持て成しの総合管理者って感じでした。
とにかく多忙らしく、ぶきっちょな性格でせっかくの王の誘いも乗らない。
何日間も寝ないでプランを考えて、あれやこれやと周りに指示を出す。
残念ながら人間ドラマ的にはうまく描ききれていない感が否めない。
とりあえず美術が素晴らしいです。

 ローザン侯爵がもっとでしゃばって邪魔してくれると思ったが
案外と生易しい妨害だったな。アンヌがわざわざ忠告する程でもなかった。
宮廷で優雅に暮らす貴族たちが本当の意味で心から楽しめるのは
他人を陥れる策略や自己顕示欲を満たす行為ばかり。
借金で首が回らないヴァテールはそれでも尽くす。
そして宴の最後の日、あることを悟るわけだ。
華やかな舞台を見て嬉々してる観客たちの裏では
裏方たちが必死に素晴らしい舞台を演出しているのだ。

 痛風治療に生きた鳥の心臓が必要とか、無茶苦茶じゃないかな。
インド式の食卓ランプとかあったけど、もっと料理の芸術も見たかった。
貴族たちが被ってるでかいクルクルカールな頭が
おかしいんだけど、歴史で、日本のマゲとかと同じなんだろうな。
でも付け外しが出来て便利そう。ありゃ、暑苦しそうだ。
DVDにはキャストのインタビューも載っているので楽しめた。
主演を務めたジェラールはフランス人で、劇中では英語で喋ってたけど
あとでフランス語にも吹き替えれるよう配慮はあったとか。
出てる俳優はほとんどイギリス人だったね。ユマはアメリカ人だけど。
風を止めた、とか変テコなシーンがちょっとあった。
完璧を求めたヴァテールにとって、その後があるなら何を望んでいたのだろう。


CUBE (1997/加) 91分






 斬新なストーリーとビジュアル・センスで話題となったカナダ産異色作品。
謎の立方体に閉じこめられた男女6人の脱出劇を、緊迫感漲る演出で描く。
ゲーム感覚の謎めいた展開で、人間の闇部を抉った秀作。
ある日突然、正方形の巨大な立方体に閉じこめられた6人の男女。
何のために作られたものなのか、なぜ自分たちが入れられたのかは誰も知らない。
脱出方法は6つあるハッチのいずれかを選び、
同じ立方体でつながっている隣に移動しながら出口を探す以外ないが、
いくつかの部屋には血の気も凍るような殺人トラップが仕掛けられていた。
そんな中、やがて彼らは安全な部屋を示す“暗号”に気づくが…

 カナダ製作の映画ということで、新鮮な気持ちで見ました。
出演してる俳優は私は誰も見たことない人ばっかりだったし。
監督のヴィンチェンゾ・ナタリは、まだ作品は少ないけど注目されていますね。
「カンパニーマン」や「ナッシング」も機会があれば見てみたいです。
最初見た時はとにかくドキドキしっぱなしで、目が離せなくて
ラストで放心状態…とにかく頭が疲れた映画でした。
2回目を見てみたら、案外冷静に見れて、ちょっと物足りなくも感じたかも。

 冒頭からグロイ描写があるので、苦手な人はオススメできない。
始まって終わるまですべてがキューブの中だけで進み、
外の世界のことは全然判らない。見ている人がいるのか、
その者たちは、自分たちを一体どうするつもりなのか…
コレといった主人公はいないので、誰が生き残るのか、
生存出来る者がいるのかすら、判らない…
例の手を離すシーン、クエンティンの顔がみるみる変わっていくのを見て
おばさんと一緒にサァーっとなったよ。凄い瞬間だった。
後半になってくれば、だいたいは絞られるものの、ラストは仰天したね。
おいおい、執念とはいえ、そんなのアリですかー!!
さっさと出てから喋ればいいものを…嫌な予感はしたんだ…


 人間の作ったどんなものよりも、人間の心に潜むものの方が恐ろしい。
数字のことが出てきて、素数は判ったけど、因数とかチンプンカンプンで…
ヤバイな自分。学校で習ったんだろうけど、綺麗さっぱり忘れてる。
自分がもし、こんな状況になったら…(((;゚Д゚)))ガクブル
詳しい座標がうんたらかんたら…数学に詳しい人が見たら尚楽しめるのかな?
ミステリーだしホラーだし、サスペンスだし、ある意味SFな映画。
低予算でも、アイディア次第でこんな作品が作れるんだなぁ〜。

 一緒に入ってた20分の短編映画の「ELEVATED」も凄かった。
エレベーターという閉鎖空間で起こる密室の恐怖って面では似てる。
ある意味、キューブよりも楽しかったって人もいそうだな。
前にレンタルしたDVDには入ってたんだけど、
今回レンタルした「CUBE ファイナルエディション」には入ってませんでした。
何故入れなかったんだろう?本編の未公開シーンよりも、こっちが見たいのに。


凶気の桜 (2002/日) 122分


 ヒタキクニオの同名小説を映画化。
主演の窪塚洋介が強く映画化を希望し企画から参加した意欲作。
撮影に当たり渋谷ロケを敢行。
監督は本作が初作品となる薗田賢次。
窪塚洋介、モデルのRIKIYA、格闘家の須藤元気が
若きナショナリスト”ネオ・トージョー”の3人組を演じる。
窪塚演じる山口に惹かれる女性に高橋マリ子、
消し屋三郎に江口洋介、右翼の会長に原田芳雄、幹部に本田博太郎。

 山口、市川、小菅の3人は特注の白い特攻服を纏い
自分たちが育った渋谷をうろつくゴミを退治する日々。
知り合いである右翼の政治結社の会長青田に見込まれ世話になる。
あるクラブで麻薬を捌く外国人たちを暴行したのが原因で
次第に三人はヤバイ世界に足を突っ込んでいくことに…

 最初は理解に戸惑いました。
この映画を観て、何を掴み取ればよいのだろう?
暴力を選んだ者は暴力によって潰されていく…?
窪塚洋介が熱意を注いでいた作品なだけに空回りした印象。
確かに今の時期、こういう題材を扱うことは難しいし誰もしなかったことだ。
でも内容がいかにも深いと銘打っておいて、この収拾の悪さは…

 白い服の集団、レイプ、暴行、窃盗などは「時計じかけのオレンジ」の真似?
でもこの映画を観て、理解しようと原作を読んだ。
映画では詰め込みきれなかったエピソードや会話もあった。
だけど、やはり難解だ。何処に魅力を感じろと言うのか。
「GO」の後にまったく逆の立場から日本に苛ついてる人物を演じているね。
脇を固めてくれた原田芳雄はこの映画をどう受け止めてるんだろう。

 W洋介の絡みを楽しみにして行ったけど…
消し屋三郎の手際の良さは驚いたよ。殴るシーン痛々しいけど…
バイオレンスを格好よく描いているようでも映画のテーマとしては否定しなきゃ。
この映画のメッセージとしては「日本をダメにするな!」ってことなんでしょうか。
でもバスで席譲らない大人が汚いとか、そういうのもあんまりだ。
あのお母さんだってあんなことされて席譲ってもらっても気まずい。

 この映画を観て「キングギドラ」に興味を持ってしまった。
「最終兵器」とこの映画のサントラ買っちゃったよ。
エンドロールの音楽と映像が和で綺麗だなと思った。


嫌われ松子の一生 (2006/日) 130分








 「下妻物語」の鬼才クリエイター、中島哲也監督が
山田宗樹の同名小説を中谷美紀主演で映画化した奇想天外な女の一生物語。
不器用ゆえに転落の一途を辿る壮絶な人生の中にあっても、
どこもまでもまっすぐで一生懸命なヒロインの姿を、
CGを駆使した多彩な映像表現とミュージカル風味の味付けでカラフルかつ
ポップに描き出す。ユニークにして豪華な共演陣も話題に。

中谷 美紀(松子)  奥ノ矢 佳奈(松子の子供時代)
柄本 明(松子の父)  キムラ 緑子(松子の母)  香川 照之(松子の弟(紀夫))
市川 実日子(久美子(松子の妹))   濱田 マリ(紀夫の妻)
瑛太(笙(紀夫の子、松子の甥)) 柴咲 コウ(明日香(笙の彼女))
伊勢谷 友介(龍 洋一) 黒沢 あすか(沢村 めぐみ)
谷原 章介(爽やか佐伯先生) 宮藤官九郎(小説家の卵)
劇団ひとり(岡野さん) 武田真治(ヒモ男) 荒川 良々(床屋の主人島津さん)
Bonnie Pink(「白夜」トルコ嬢) 谷中 敦(「白夜」マネージャー)
竹山 隆範(教頭) 角野 卓造(校長) 嶋田 久作(牧師)
囚人役に土屋 アンナ、山田 花子、AI、、、あき 竹城(係官)
木下 ほうか(「ひかり荘」の1階住人) ゴリ(「ひかり荘」の隣人)
他、木村 カエラ、片平なぎさ、本田 博太郎、蒼井 そら…

 平成13年、ミュージシャンを夢見て上京してきたものの、
すっかり腐っていた笙の前に突然父親がお骨をもって現れた。
今まで黙っていたが、お前には伯母がいて、その伯母の松子が死んだから
住んでいたアパートの後片付けをするよう頼まれる。
渋々ゴミ屋敷へと向かった笙は伯母の松子の人生を知ってゆくのだった。
昭和22年、福岡に生まれた川尻松子の不器用で奇想天外な人生とは…。

 Daiに誘われて観に行ってきました。「下妻物語」の監督なんですな。
最初はギャグ路線かなと思ったけど、始まりからもう暗い暗い…
でもギャグや小ネタ、笑い所もいっぱいあって、歌も盛り沢山。
日本のミュージカルって悪い印象が強かったんだけど、見事でした。
なんていうか、思い切りがいいのかな。選曲も素晴らしかったと思う。
どの役者も、パッと出てきてパッと型にはまってるから凄い。
クドカンの暴力男っぷりがリアルで上手だなーって思ってしまった

片平なぎさの使い方も楽しい。お遊び満載で、CGで絵のようなおふざけも。
ああいうユーモアを混ぜなかったら、とことん暗い話になっちゃうもんね。
松子の転落人生は、まさに昼ドラの主人公のように不幸のデパートで、
かつ、何処かにもこういう人は案外いっぱいいるかもしれない…と思わせる。

 誰かに裏切られたり、他人に嫉妬したり、孤独が怖かったり、
不器用に人を傷つけて、傷付けられて、痛い思いをしたことある人ならば、
この映画って絶対他人事に思えなくて、面白いんだけど、哀しくて、
楽しいんだけど、辛くて、抱くのが希望なのか、絶望なのか、判んなくなった。
観終わったすぐ後は、ちょっとそこら辺が不明瞭で、複雑な気分になった。
また観たいような、もう観たくないような…凄くアレコレ考えた。
胸が凄く締め付けられるようなたまんない気持ちにもなっちゃうんですよ。
単純に、泣けたとか感動したとか、そういう言葉使っちゃいけないような…。

 ダメ男を好きになっちゃう松子だけど、自分自身もダメ女なので
一緒になって転がって普通の道から外れちゃうんだろうなぁ…
例え男がいなくても、女友達じゃそのスキマは絶対埋められないのかな…
今だ男に頼りきったことのない私には理解の及ばない所だろう。
ラストに判る、松子が求めていたもの。
「おかえり」「ただいま」の持つ意味がこんなに大きなものだったなんて。

 人生って何なんだろう…松子は愛されていた、なにかをしてあげた。
ラストの歌のシーンで、松子に関わった人達が松子のよく唄っていた歌を口ずさむ。
死んじゃったあの人も、酷い別れ方をしたあの人も…切なくて、美しかった。

カラフルだったり、ノスタルジィだったり、空撮がメチャ綺麗だったりと
シーンによって全然違う雰囲気になる動と静のバランスが凄い。
昭和から平成にと、移り変わっていく時代も感じる。靴下折ってたな…そーいえば。
今までに出逢ったことのない後味の映画でした。
邦画の可能性を感じる、会心の逸品。絶賛されるのも当然だな。
でも、この映画を批難する人の気持ちも判らんでもない。長めだなとは思うし。
この映画は好きだけど、また観るか…?って言われるとちょっとためらいが。
物事のプラス面よりもマイナス面の方がよく目に入ってしまう性質なので…
大衆向けのようで、観る人を選ぶような、不思議な癖がある映画。


キル・ビル Vol.1 (2003/米) 113分


 元暗殺者だったブライドは妊娠をきっかけに組織を抜け普通の男性と結婚し
幸せを手にしようとしていた…しかし組織に発見されリンチに遭い全てを奪われ
長い昏睡状態から目覚めた彼女は日本刀を手に復讐を始める。

 映画館で観ました。
こんなぶっ飛んだ映画はなかなか無いので面白かったです。
タランティーノ仕込みの変な日本で暴れるユマ・サーマンもさることながら
着物に身を包んだルーシー・リューもかなり良かった。
片言の日本語も一種の愛嬌。刀社会も活かした洒落。
タラちゃんは日本びいきだから一層好きだ。
千葉真一もどうせならアクションに参加して欲しかったけど…
栗山千明も棒読みながらクレイジー女子高生はまってました。

 アニメシーンも入れられ斬新でした。あれもあれでいい味出してます。
それに、ああいうシーンを実際の子役を使ってやらせちゃ忍びないでしょう。
配慮もあるかと思う。意外とスプラッター系で苦手な方は遠慮した方がいい。
でもブラックジョークなスプラッターだから偽物感バリバリ。

挿入歌とエンディングに流れる梶芽衣子の演歌にはまってしまいました。
毎度の事ながらこの監督はこういう演出がうまい。
映画は全体的に観てアクションですがブラックなギャグともとれるし、
哀しい女の愛憎劇とも取れて案外複雑なのかも。
前後編でイメージがかなり変化するので
何度観ても新しいものを発見できそうです。



キル・ビル Vol.2 (2004/米) 136分


 前作で組織の2人を始末したブライドは残りのエルとバド、
そして最終目的である組織のボスであり、かつての恋人だったビルの命を狙う…

 映画館で見た時は前作と比べてアクション少なくて期待外れだったんだけど
これって二度目からがいい味出てくるタイプだったんだね!
 あまりに前作とテイストがらっと変わっちゃったけど、名シーンが多い
前作はチャンバラ活劇とか東洋テイストだったのを
今作はウエスタンな雰囲気バリバリ〜メキシカン

 BGM作ったのが映画監督のロバート・ロドリゲスだったのも知りました。
特典映像でバンド持っててギター弾いてる映像とか見て驚いた。多才だなぁ

タランティーノとは親友なんだよね!

 教会の惨劇が始まる前のシーンが自分的に大好きだったりする。
今回で、ブライドがあんな目にあったのは自業自得だったような〜とか
思えなくもないけど、やっぱりその気持ちになって考えるとね…婿の立場ないが
パイメイとの修行シーンが痛々しいながらもあの板にパンチするのは真似したく
なった。あのおっさんも突っ込み所満載な次元の人間ですなぁ

 エルとの決闘は女ライバル同士戦いという感じで白熱しました。
ブライドって格好いいよなぁ…ちょっとお茶目だし。心も強いし。
「レザボアドッグス」で非道を演じたマイケル・マドセンがおちぶれ役で笑った。
「子連れ狼」の英語バージョン出てきた時には、監督らしいなと微笑ましかった。

あんな展開になるとは思いませんでしたが、確かにキャッチフレーズの通り
これは愛の物語になりました。



銀河ヒッチハイク・ガイド (2005/米・英) 109分





 突然宇宙人に破壊された地球の最後の生存者となった男が、
銀河のガイドブック片手に奇想天外な宇宙を巡るSFアドベンチャー・コメディ。
もともとBBCのラジオドラマとして書き上げられ、SFパロディの傑作として
カルト的な人気を呼んだ故ダグラス・アダムスの同名原作の映画化。
監督は本作で劇場長編デビューとなるガース・ジェニングス。

 ある日突然、地球は宇宙人によって木っ端微塵に吹っ飛ばされた。
運悪く地球が太陽系を通る銀河バイパスの建設に邪魔だったために。
50年前から立ち退き警告は来ていたが、地球人は呑気にも気づかなかった。
偶然にも宇宙からの旅行者だった異星人を助けた縁で、どういうわけか
冴えない英国人アーサーだけが地球人としてただ一人生き延びることに。
彼を助けたのは1親友フォード。実は、彼は宇宙でのサバイバルを指南する
銀河系最大のベストセラー『銀河ヒッチハイク・ガイド』の著者だった。
アーサーは行き当たりばったり広大な宇宙をアテもなく旅するハメになる。

 あ〜あぁ、見ちゃったよ。変テコな映画をさ。
要するにこれは、寝転んで菓子食べながら頭空っぽにして見る類なんだろう。
笑いのセンスがようわからん、主人公もヒロインも言っちゃなんだが微妙。
宇宙旅行に何故タオルが不可欠なのか、最後まで意味不明。
銀河の大統領って他の星人全然統治できてなくない??
ビル・ナイとジョン・マルコビッチだけ知ってる役者だった。
妙に無気力なロボットとか何か考えるとはたきが叩いてくる惑星とか…??
どうでもいい設定や必然性のないものを盛り込んでるから、
こういう不思議なものが出来るのね。勉強になります。
タイトルのヒッチハイクガイドは最初の方でしか活躍してなかった気がする。

 良かったのは、冒頭のイルカのシーン。歌なんか最高ね。
なるほどなぁ〜地球人は勝手に解釈してるだけかも…なぁんてね。
生命の答えとか妙に哲学してるわりには、投げっぱなしな感が自由で素敵。
Daiの言うインパルスの板倉さんカメオ出演もしっかりと(笑)
メイキングとか未公開シーン見たけど、(゚Д゚≡゚Д゚)エッナニナニ?
この人たちって行き当たりばったりで映画作ってんの?って思った。
その場のインスピレーションだけで好きにセリフやポーズ変えてない?
それとも、DVDのオプション用にふざけてるだけかい?
この映画、絶賛する人はそうはいないでしょう。ポカーンが一番多い反応かな?
でも隅から隅まで批難できる映画でもない気がしてしまうのは何故だろう?


キンキーブーツ (2005/米・英) 107分




 監督は英国TV界から進出したジュリアン・ジャロルド
主演のチャーリー・プライス役に「キング・アーサー」のジョエル・エドガートン、
ドラッグクイーン・ローラ役に「堕天使のパスポート」のキウェテル・イジョフォー。
(彼は「ラブ・アクチュアリー」でキーラと結婚する黒人男性役でもある)
他、工場夫ドン役に「ショーン・オブ・ザ・デッド」のエド役ニック・フロストがいたり。

 とある田舎町にある、昔からの伝統を引き継いできた靴工場。
その跡取りであった一人息子のチャーリー・プライスは
新婚旅行に出かけようとした途端、、社長である父親が急死。
赤字だらけの工場と残された従業員を任されることになった。
靴、経営術、流行、すべてにおいて未熟なチャーリーは空回りばかり。
そんな時、偶然が重なりドラッグクイーンのローラと知り合ったチャーリーは、
彼ら(彼女ら)が履けるセクシーブーツを作ろうと奮起する。

 イギリス産のハートフルなコメディ・サクセスストーリー。
「フルモンティ」系が好きな人にオススメかな?
街角の靴屋。足の木型に丁寧に皮を貼り、コツコツ靴作り。
そういう古きよきヨーロッパっぽさが素敵。でもそういう雰囲気は冒頭だけ。
ローラが結構、ホントに女性っぽく見えたりするから不思議ね。
主人公のチャーリー・プライスにはあんまり好感持てませんでした。
チャーリーは他力本願な所があって、でもかなり偉そうでイラつくし、
ローラは強そうに観えるけど、かなり打たれ弱い。ハラハラしちゃう。
最初のブーツが出来た時、ローラの自論が判り辛かった。
パリの新作発表会を無駄に盛り上げん為の二人のイザコザは
やっつけ感がぬぐえなかったけれど、ステージでスペシャルショーが
始まった瞬間は、この映画の中で最高に輝く時間になりました。

これがやりたかったからこの映画作ったのかな?と。
履いてる靴で人間性が測れる…確かにそうかもしれない。
いつまでもくたびれた靴履いてたら幸せ逃げてくかも!
オッシャレ〜な雰囲気はないけど、洗礼されてない半端な場末さが。
あんまりカタルシスは感じないけど、ちょっといい話、ってとこですね。


キング・コング (2005/ニュージーランド・米) 188分








 1933年に製作されたSF映画の金字塔「キング・コング」を、
最新のテクノロジーを駆使し、空前のスケールでリメイクしたアドベンチャー超大作。
「ロード・オブ・ザ・リング」シリーズのピーター・ジャクソン監督が長年夢みてきた
悲願のプロジェクトが「ロード〜」の大成功を受けついに実現。
ヒロインには「ザ・リング」の絶叫女優ナオミ・ワッツ。
共演に「戦場のピアニスト」のエイドリアン・ブロディとコメディ俳優ジャック・ブラック。
船長役はこれまた「戦場のピアニスト」で大尉を演じたトーマス・クレッチマン。
プレストン役のコリン・ハンクスはあの有名なトム・ハンクスの息子。
キングコング役は「ロード〜」でもゴラムの動きと声を担当したアンディ・サーキス。
彼は素顔で船の乗組員の一人としても登場している。

 物語の舞台は1930年代初頭のニューヨーク。
野心家の映画監督カール・デナムは、映画制作のストップがかけられるや否や
急いで重役たちからトンズラして、抜けた女優の代わりとして
街で見かけた不運な女優アン・ダロウをスカウトし、船に乗り込む。
脚本家ジャック・ドリスコルも巻き込んで、デナムは海図に載っていない
幻の島“髑髏島(スカル・アイランド)”へと危険な航海を決行する。
何も知らされていない彼らを乗せ、撮影しながら船は霧の中へ…
嵐に遭い、船が座礁し、何とかその島に到着する一行。
さっそく撮影を開始するが、やがてアンが原住民にさらわれてしまう。
救出に向かったクルー達はそこで想像を絶する世界を目の当たりにする…

 こういう映画は映画館で観なければ!と公開最終日のレイトで鑑賞。
まず私はオリジナルのキングコングは見たことありません。
イメージは「ビルに登って絶叫する美女を片手に大暴れしている図」という感じ。
「ロード・オブ・ザ・リング」にこれ程ハマッたことだし、これも見てみたい!と。
映像技術の目覚しい進歩もさることながら、監督の悪趣味さも出てて
原住民が本気で気持ち悪いし、それに増して島の蟲がもうヤバイ。
大作向けに作られてなければ相当グロイ場面になったことでしょう。
島に着くまでがダルいと言われていますが、私はそこも充分楽しめた。
一昔前のニューヨークの景色、人々の暮らし、レトロな音楽と服装。
今後に繋がる人間関係の深みを持たせる為の伏線なんでしょうね。
アンとジャックの出逢いと船員たちとの交流が船舞台の別の映画みたいだった。
島に着いたらピンチの連続で飽きるどころか疲れるくらいの危機、危機、危機。
いつも思うけど、主人公たちはどうしてあそこまで希望を捨てずに…と。
私だったら、このシーンで死んでるな…とか、ここで固まっちゃうな!とか。

 
監督と助手が女優を捜そうと会話してる時に出てくる
“女優フェイ・レイが出演している、クーパー監督がRKOで撮 影中の映画”が
オリジナルの33年製作のキングコング!とか面白いリンクもある。
コングが何故コウモリに襲われる?普段はそこで寝てないから?とか
あんな傷だらけの船でどうやってコングを運んだ?
オリジナルもそこは省略している、余計なリアリズムは捨てましょう。
ってな具合で、他のサイトで見れば疑問もだいたいは理解できるでしょう。
現地住民の白目ひん剥いて小刻みに飛び跳ねてるシーンは何か妙に笑えた。
アン一人の為にクルーたちがあんな危険を冒すなんて…
コングといい、やはり美女ってそれだけで凄い価値なのねって嫉妬する(笑)
恐竜ラッシュも怖かったけど、蟲の襲来でもう勘弁して〜ってなった。
毎度登場する船長、アンタ格好よすぎ!出番をわきまえてるの??
コング効果のせいかエイドリアンが凄く男前に見えた。
ジャックもコング並に美女の為に凄い行動を起こしまくるんだな…
クルーたちの人間関係も少し描かれてたのでN.Yに帰った後どうなったか知りたい。
ラストは予想はつくものの、ジーン…泣くまではいかないけれど。

しかし、見世物にする時にクロロホルム水鉄砲用意してなかったのかね。
いや、そりゃ人間の身勝手さと醜さはよく出てて、暴れ回って欲しかったけど。


 船での撮影シーンで夕日バックのアンが目茶目茶綺麗に見えた。
ザ・リングシリーズでは特に魅力感じなかったけど、ナオミ・ワッツ美しいわ。
こうやってさりげにアピールしとく
から、惚れるコングの感情移入も手伝うのかな。
オリジナルでは美女と野獣は心を通わせることなんて無いんだってさ。
それが良かったのに!って人と、今回の関係の方が好きだ、って人で分れる。
3時間が長いとはちっとも感じなかったけど、お尻だけ長さを痛感していた。
DVDになったら未公開シーン追加で4時間くらいになるかな?
詰め込みまくってて、少しもダレる所が無く、ひとつの映画なんだけど
「タイタニック」「ジュラシックパーク」人喰族?や蟲系パニック映画で、
SF・ファンタジー・ラブ・アクション・ホラー・アドベンチャーと要素たっぷり。
全編通して真面目ってわけでもなく、笑い所もいくつかあります。
えぇ〜?巨大ゴリラが暴れる映画なんて興味ないし〜と敬遠する気持ちも判るけど
これは一見の価値は充分有りますね。映画館で観れて良かった。



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