管理人NEROが映画について語ります。

Caramel Cinema


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レイヤー・ケーキ (2004/英) 105分




 英国の裏社会を舞台にしたスタイリッシュな群像クライム・サスペンス。
主演は、ピアース・ブロスナンの後を引き継ぎ、
6代目ジェームズ・ボンドに抜擢され注目を集めるダニエル・クレイグ。
共演の端役に「パフューム ある人殺しの物語」で主演を務めて有名になった
ベン・ウィショーもいる。(彼は他の作品でも度々ダニエルと共演。)
監督は、「スナッチ」のプロデューサー、マシュー・ヴォーン。今作が監督デビュー作。

 麻薬ディーラーとしてロンドンの裏社会を着実に駆け上ってきた一人の男。
好調なうちに引退しようとした矢先、ボスのジミーから新たな仕事を任される。
大物エディの失踪した娘を探し出すことと、ギャングのデュークが手に入れた
大量のエクスタシーを売り捌くというもの。どちらも簡単に片づくと思いきや、
エディの娘はなかなか見つからず、エクスタシーは出処が訳ありだった為、
男は取引にも八方塞、殺し屋に狙われるハメになってしまう…

 最初は興味なかったんだけど、評判が良いから鑑賞。
イギリス映画らしく、派手な演出は一切ないギャング映画みたいな感じ。
麻薬ディーラーだからマフィアじゃない、とはいっても世界は似通ってる。
この映画では007やってないんだけど、007っぽいショットが出てきてニヤリ。
登場してくる人物が多く、名前と顔と所属を覚えるのに少し困る。
J・J・コノリーの原作はもう少し事態が複雑なようだ。
イギリスの建物を楽しみながら、主人公がどう立ち回るのかを楽しむ。
殺し屋を始末する殺し屋を用意したものの、アッサリ返り討ちに遭ったり、
予定してた大金が貰えず、大損になる所が予め保険をかけておいたり、
「おっそうきたか」な展開があって、まぁまぁ面白かった。
結局、捜すはずだった娘はどこかで見つかって施設入り…何だかなぁ。
ベンが演じたシドニー君は端役だけど最後、おいしい所を持ってくね。
「俺の名前?それが判れば君は俺以上にキレ者だ…」な〜んて
格好よく映画を〆ようとしていた所に思わぬ伏兵!
原作者は続編も書くつもりらしいので主人公の生死は曖昧にしたとか。

「ギャングスター・ナンバー1」でも思ったけど、イギリス人ってスーツが似合うね。
シャツから浮き出る肉体の輪郭とかも、溜息もん。スタイルいいなぁ。
DVDには未公開シーンともうひとつのエンディングもあるので見逃さずに。
もっと軽めな作品だと思ってたけど、結構へヴィーでした。でも嫌いじゃない。


 
レインマン (1988/米) 134分


 1988年アカデミー賞作品&主演&脚本&監督受賞の有名な作品。
トム・クルーズとダスティン・ホフマン共演のヒューマンドラマ
 これ観て初めて以前やってた堂本光一&藤井フミヤのドラマ
「天使が消えた街」がパクリだと気付いた
しかし、かなり古い…17年前でしょ?
もうトム・クルーズかなり若いです。顔が凄い生き生きした肌してます

 経営不振に悩む自動車販売会社を営むチャーリー(トム)が
勘当された父が死んで何とか財産を手に入れようとするが
財産は兄のレイモンド(ダスティン)の世話人の手に
そこで初めて兄の存在を知ったトムは彼を無理矢理連れて行き
父の遺産の半分を手に入れようと裁判を起こそうとロスへ向かう…

 昔の映画っぽくテンポがゆったりしてます。
でも落ち着いて人間ドラマを見せてくれている感じが凄い好き。
ちょっと古いアメリカっぽさも好き。モーテルとか泊まって旅するんだけどね
ぎこちなくよそよそしかった二人の兄弟がしだいに心打ち解けていく。
過去のエピソードも次々と証されていき、チャーリーは
レイモンドとかつて一緒に暮らしていて、事情で離れ離れになったことを知る。

 若りし日のトムの演技もさることながら
ダスティン・ホフマンの演技に、かなり感動した。
映画じゃないものを観ている気分になった。
そしてラストのサングラス越しに魅せるトムの…もう…たまらんっす
静かな、それでいて胸に深く響くいい映画だと思う
ホットケーキのやりとりとか、ジーンときちゃったよ。
自分の中で、かなり大切な映画になりそうです。



レオン/完全版 (1994/仏・米) 133分





 リュック・ベッソン監督の代表作のひとつとも云える名作。
孤独な殺し屋・レオンと、家族を惨殺された少女・マチルダの
出逢いと別れを描いた「レオン」に、22分の未公開シーンを加えた完全版。
ふたりが心を通わせていく過程がさらに緻密に描かれ切なさが胸を締めつける。
完全版の名は伊達ではなく、よくある只長いだけの作品にはなっていない。
追加されたシーンでは「ニキータ」のジャン=ユーグ・オングラードがカメオ出演。
’94年版公開時にポスター等で使われていた、
爆発の炎からレオンがマチルダを護るシーンも登場する。
ベッソン監督は、数年後にポートマン主演で“マチルダ”を撮ると言っている。
実現を切に望む根強いファンも多いだろう。

 主演にジャン・レノ、まだ幼さの残るナタリー・ポートマン。
最も恐ろしい悪役として好演したゲイリー・オールドマンも話題に。
以前にテレビ放映された時は牛乳と植物大好き寡黙なレオンと
幼く弱いが気は強いマチルダのシビアで壮絶な映画という印象。
ラストはトニーに追っ払われる所で終わって釈然としなかったし…
今回DVDの完全版を見て、これは純愛映画だなと思った。

 冒頭のレオンの殺し屋としての鮮やかな仕事ぶりは凄い。無敵っぷり。
アパートの隣に住むマチルダの家族はヤバイ仕事やってる荒っぽい父と
血の繋がらないそっけない継母、エアロビに夢中な姉、無邪気な弟。
最初はゲイリー演じるスタンフィールドはマフィアのボスかと思ったよ…
ああいう危機に直面した時、警察に駆け込むこともできない。
本来、守ってくれる立場が敵だなんてな…
何ともずるい悪だ。そして本人はちょっとイッちゃってる。頭は良いけど。
前に見た時、その非道っぷりが大分強く印象に残っていたんだけど
今観ると、ゲイリー自身不思議と愛嬌のある顔してるね。

 ナタリーは透明感のある美人だった。
幼いけれど、色気みたいなものも感じさせる。か細い身体だったなぁ。
最近のLUXのフェンシングCM綺麗で素敵だったよね。
トイレのシーンはマチルダと一緒になって固まった。
最初は厄介者でしかなかったけど、レオンが徐々に情を感じていくんだよね。
マチルダのゲームその1はちょっと痛々しい(笑)
あの空気は和みでも単純な笑いでも無いなぁ。

 硬派で渋い印象の映画だけど、観易いかも。
最初見た時は話の流れで胸が締め付けられる感じだったんだけど
今は、あの終わり方が何だか良いと思えてきた。
預けた金はやっぱり貰えないんだろうな…
続編のマチルダが出来るとしたら、プロの殺し屋になってるんだろうか。
「二キータ」も見直したくなったな。
エンディング曲が最高にきたね。スティングの「SHAPE OF MY HEART」
どこかで聴き覚えのある、切ない曲だった…
スティングのアルバムに興味が出た。


レクイエム・フォー・ドリーム (2000/米) 102分




 斬新な低予算SF映画「π」で世界を驚かせた
ダーレン・アロノフスキー監督が描く衝撃のドラマ。
主演は「エクソシスト」のエレン・バースティン、「17歳のカルテ」ジャレッド・レトー、
「ハルク」のジェニファー・コネリー、絶叫計画シリーズのマーロン・ウェイアンズなど。

 古いアパートに住む孤独な未亡人サラは、ヤク中で荒れる息子が出て行き、
大好きなTVのクイズ番組を見るくらいしか楽しみがなかった。
そんなある日、出演依頼の電話を受け、大喜びで届いた申込書にサイン。
思い出の赤いワンピースを着て出場しようとダイエットを決意する。
一方その一人息子ハリーと恋人マリオンと友人のタイロンが麻薬密売を画策。
一時はそれぞに人生がうまく回り始めたかに思えたのだが…。

 そんじょそこらのホラーよりもよっぽど恐い。
そんな噂を聞いたんで、このタイトルを捜して発見!レンタルに至りました。
アッサリまとめてしまえば、薬の恐ろしさを描いた作品。展開も読める。
でも、一人暮らしの老婆が儚い夢を見て近所の老人たちと騒いで
楽しそうにしてるのを見るのが非常に心苦しい。何が待ってるか薄々分かるから。
ハリーたちはどうしようもないジャンキーだから別に同情の余地なしなんだけど、
見ている内に幸せな未来設計を語る姿に哀れな気持ちでいっぱいになる。
特にハリーが儲かって母親に会いに行き、薬の話を聞いてやめるよう説得する所。
「ああ、コイツは薬の恐ろしさは充分判ってるもんな、やめたんだな」
いやそうじゃない。売る側になっても結局は自分たちも抜け出せてない。
でも、自分の母親にはそんな目に遭わせたくないのだ。
そして、そんな息子の心配をふりきり、彼女は苦しい胸の内を叫んで吐き出す。
…いやーしかし、毎日毎日あんな錠剤ばかり飲んでいたら気も狂いますよ。
ボロボロになったサラがテレビ局におしかけるシーンは目も当てられない。
病院送りになっても食事をせず、荒療治電気ショックの末、あんな姿に…
誰だろうね、あんな残酷な悪戯をしたのはさ…あぁ可哀想。
薬の恐さも改めて痛感しながらも、親を大切にしようと思ったよ。
ハリーの友達のヤク中黒人はやっぱり彼だったか。真面目な役もやるんだね。
彼はハリーを病院に置いて旅を続けるもんだとばかり思っていたよ。
薬と商売も大事だけど、友達の方が心配か…中途半端な人間性が響く。
ハリーの腕の傷も凄い気持ち悪い。
これは立派な麻薬撲滅ビデオだ。
他のドラッグ・ムービーと違って真正面からこれでもかと悲惨さを訴えてる。
ラストシーン、4人が似たようなポーズで眠りにつく(夢を見る?)
実現し得ない夢。あぁ、もうハリーは左腕が切断されたんだ…
しかしあの番組の主旨はよく理解できない。ダイエット番組?

どんどん見る側を不安にさせる音楽も強烈な印象を残す。
今まで「救いがない映画」といえば「ダンサー・イン・ザ・ダーク」を挙げてたが
これもそれに負けないくらいじゃないかな。刺激に飢えてる人は観てみれば?


レザボアドッグス (1991/米) 100分










クエンティン・タランティーノ監督の衝撃のデビュー作。
彼がレンタル屋で働いてる最中にアイディアが浮かんで作られたとか…
主演のハーヴェイ・カイテルがこの脚本を読んで気に入り、
主演をつとめることで製作資金を援助したんだとか。
共演にティム・ロス、マイケル・マドセン、スティーヴ・ブシュミ
クリストファー・ペン、ローレンス・ティアニー、監督のタラも出演。

宝石店を襲った強盗団一味が、待機していた警察官に出くわし
仲間は数人殺され、命からがら逃げて秘密のアジトにたどり着いた彼らは
仲間の中に、警察の犬が混じっていると言い出す…

強盗団のメンバーが皆ミスターホワイト、ミスターオレンジなど
色の名前で呼ばれているのが、ちょっとおかしくて良かった。
本名を知ったらお互いの為じゃないからか。
メンバーが朝食をとりながらくだらない話を真剣にしてるとこから始まり
タイトルが出たと思ったらいきなりやばい場面。
これ観てティム・ロスって凄くない?!とその演技に感心した。
ハーヴェイ・カイテルの渋さにもやられた。
スティーヴ・ブシュミって本当にいかにもな小悪党な顔してるね。ナイス!
後にキルビルに出てきたバド役のマイケル・ハドセンが観れて
きっとバドも現役時代はこういう風に…と思った。

 たびたび回想に入って、ちょっとよくわからない会話も多かった。
だけど2回目からはよく分かった。2回目から活きてくるんだな。
この映画は1回観ただけじゃ良さが表れないと思う。
宝石店を強盗したというシーンも実際は映らないから
各キャラの発言を聞いて、強盗現場を想像する。
マドンナの歌の歌詞内容についての討論とか
ラジオの選曲話とか、現地の人なら分かる笑いも多かったろうな。きっと。
一般受けも考えると「パルプ・フィクション」の方が華やかで面白いんだけど、
私はコレも甲乙付け難く気に入っている。
友人にも大いに勧めたい一品なんだけど、癖の強い作品だから評価が割れそう。

ラストは
驚愕…あぁ〜!!って思っちゃったけど
彼の心境になったら、そうせずにはいられなかったのかな…二人とも

こんなに後引くストーリーを低予算で作れるなんてな。
役者の名演技の賜物だろうけど…とにかく凄い作品。
この映画の後、出演者たちがどんどん出世していったので
今では凄い豪華キャストなのです。今じゃ集めるの大変だろうな。
レンタルしたんだけど、あとから未公開シーンや特典映像が気になって
スペシャルエディションを購入してしまいました。

 ティム・ロスがイギリス人だってこの時知ったよ。
…そういえばどことなくそういう顔だ。彼のイギリスでの作品も気になった。
イギリス英語とアメリカ英語は発音が違うので、色々苦労したらしい。
タランティーノとのエピソードとかも語ってて、仲良いんだなぁって。
インタビューのマイケル・ハドセンに笑った。面白い人だね。
いつまでも飽きないであろう作品になるよな。きっと。

 タラちゃんワールドって共通しているんだろうな。
この世界ではギャングがガレージで仲間割れしたり、マンション乗り込んで
聖書読んで銃ぶっ放したり、はたまた田舎の教会で虐殺事件が起こったり…
実際に、レザボアで名前の挙がった“マーセルス”や“看護婦のボニー”は
「パルプフィクション」にも居たし、パルプのジュールスが後に、
「KILL BILL」の教会のピアノ弾きになったって線も考えられる。
“アラバマ”は「トゥルー・ロマンス」に出てくる女性と同一人物で、
“スカグネティ”は「ナチュラル・ボーン・キラーズ」に出てくる。
なかなか作品作らないけど、その分次が楽しみだ。


レジェンド・オブ・ゾロ (2005/米) 126分






 “奇傑ゾロ”をモチーフにした映画「マスク・オブ・ゾロ」の7年ぶりの続編。
監督は前作に続きマーティン・キャンベル。製作総指揮スティーブン・スピルバーグ。
主演も同じくアントニオ・バンデラス、キャサリン・ゼダ=ジョーンズ。
ゾロ(アレハンドロ)の息子役にメキシコで大人気の子役アドリアン・アロンソ。
敵役にルーファス・シーウェル(アルマン伯爵)、ニック・チンランド(ジェイコブ)

 カリフォルニアがアメリカ合衆国31番目の州になろうとしていた1850年。
それは民衆に自由と平和をもたらすことを意味していた。
しかし、その是非を問う重要な住民投票を妨害しようとする勢力が出現。
そこへ、黒いマスクで素顔を隠した正義のヒーロー、ゾロが登場、
民衆の敵を蹴散らし投票の成功を後押しする。
彼の正体はデ・ラ・ベガ邸の主、アレハンドロ。(正体を知るのは妻と神父のみ)
妻エレナとは、息子ホアキンのためにゾロを“引退”すると約束していた彼だったが、
各地の投票が終わるまではゾロを続けるとエレナに告げる。
しかしそれを聞いたエレナは不満爆発。ヒーローの妻は辛い。
そして、鐘が鳴ったらどんな時でも出動しなきゃならない、ゾロは更に辛い。

 アメリカではイマイチ盛り上がらなくて、試写の評判もアレだったから
少し残念に思いながらも、それでも駄作であろうとバンデラス目当てで劇場へ。
誰だ?つまんないなんて言った人は!普通に滅茶苦茶楽しかったんですけど。
少しアメリカ万歳な姿勢が気に障るくらいで、ユーモアあり、ハラハラありで
ヒーローもののアクションとしては充分、合格点に達していると思った。
バンデラスも、もう45歳ですもんね…確かに老けたけど、まだまだチャーミング。
キャサリンのお色気シーンはありませんが、バンちゃん脱いでます。
それに付け加え、ゼダ姐さんも活躍しまくり、美しく、勇ましい!
ゾロの息子のホアキンも凄い可愛くてヤンチャで良い味出してました。
この映画の為に英語を覚えて出演したんだそうな。
撮影現場ではアントニオとスペイン語で交流して楽しかったってさ。

 「スパイキッズ」のような家族で戦う展開が嫌いな人はダメなのかな?
まだまだ魅力がいっぱい。ゾロの愛馬トルネード!ギャグ担当(笑)
会場でもクスクス笑い声が聞こえてきて、和ませてくれます。
神父さんのキャラもよく出来てたな。あのファイティングポーズがツボ。
敵役のアルマン公爵はアレハンドロとは別なハンサム系で、目の保養。

 私は昔のアラン・ドロン主演のゾロを見て以来、あのゾロファッションと
キツネの精霊、民衆の味方…フェンシングと鞭、黒馬…全てが最高に大好き。
そしてマスク〜でも今作でも見せてくれる、その上手い具合にうまく行く
凝った戦い方に凄い胸がワクワクして、たまんないのだ。
前作は荒くれ盗賊がホプキンスに教えを受けてドンドン成長していくのがミソ。
今作は家族問題で妻が家出、息子は情けない父親に失望、
飲んだくれて、ふてくされて…さぁ、どうするんだゾロ!
学校でゾロばりに大活躍するホアキン…将来が楽しみだ。
土地の権利書を取られた夫婦、奥さんが勝手に出て行かない方が
ゾロとしても家族3人ちゃんと助けられたんじゃなかろうか…
炎に包まれる赤ん坊、判っちゃいるけど、火が近すぎてビビッたぞ。
酔っ払いアレハンドロが見つけたクレーター、ひょっとして
べジータか宇宙人が出てくるんじゃ…って想像して笑えた。


 今作で、もう次はないんでしょうな。有るとしたら、それこそスパイキッズ。
ちょっと淋しいけど、もう一花咲かせてくれたキャスト・スタッフに感謝。
難しい要素が無いと…って人は物足りないのかな?頭は使う必要ありません。
前作と比べるにしても、私としては十二分に楽しませて貰った内容だと思う。
前作を見ていなくても、それはそれで面白いと思う。大人も子供も安心して楽しめる。
スカッとする格好良いアクション映画が見たい人は是非どうぞ!
←劇場公開で特典ディスクが付いた前作のコレクターズ・エディションが発売。
もうDVD持ってるけど、特典に惹かれて買いたくてたまんない。


レジェンド・オブ・メキシコ/デスペラード (2003/メキシコ・米) 101分






 待ちわびた、待ちわびた!デスペラードの続編だぁ〜☆
映画館に行きました。前作知らない友達誘って。
ロバート・ロドリゲス監督、エル・マリアッチ三部作最終章。
アントニオ・バンデラス、サルマ・ハエックの二人は勿論、
前作で死んだ人も別の役で出る。
同監督作品にダニー・トレホとチーチ・マリンがよく出てるよね。
お馴染み役者って好き。しかも脇役。
今回はジョニー・デップが共演!!バンデラスと夢の共演

 前作で復讐遂げて恋人も作ってハッピーエンドじゃん?と思ったのもつかの間
まさか、ああなっちゃうとはね…エルの立場からしてみたら世を儚みたくなる。
今回はジョニー扮するCIAにクーデターの手伝い依頼を半ば強制的に受ける。
かつてのマリアッチ仲間二人を引き連れまたまた3人で大暴れ。

 最初に、ギターの音色と音楽にやられた。
もう、やばすぎ!あのあとサントラを買ったよ。ウットリもん。
前作よりもかなり寡黙でとっつきにくくなったエル。そりゃそうか…
サルマも出番少ないけど冒頭の足とナイフがセクシー
歌も歌っていて、凄い色っぽくていいんだよね…羨ましい。
サンズのキャラがいい味出してたなぁ〜開き直ってる悪って魅力的
上手に立ち回ってるつもりが、いつの間にやらアレレノレって展開も素敵。
せっかくの共演だったのに、二人とも離れて仕事してる感じで残念。
また別の機会にでも二人の魅力全開の個性的な映画をやって欲しい!

今作では初代「エル・マリアッチ」のカルロス・ガラルドーが
見方のマリアッチ役で出てるからこれも要チェックだね!
またとんでもないギター兵器が登場。

 政府が絡んできてキャラも多くて麻薬王と将軍の区別がつかなかった。
あの人、スパイダーマンのグリーンゴブリンの人か。
あのチワワ(?)みたいな子犬抱えた人…意外な人柄でツボだった。
引退したFBIのおっさんも…キャラ多かった今回は。
でもいいんだ!ストーリー的に破綻してようが、荒削りだろうが
この映画はムードとテイストと世界観を楽しむものなのだからー!!
メキシコのお祭り「死者の日」が見れた〜凄い民衆ですね。

 メイキングで怖がるサルマや監督にギター教わるバンデラスや
映画のこと語るジョニデや他の出演者たちも楽しい。
「この映画は善人はひとりもいないしね。」確かにそうだ。
サントラと「ROBERT RODRIGUEZ'S MEXICO AND MARIACHIS」っていう
三部作ベストのようなアルバムまで買ってしまった。
特典DVD付きで、監督のバンドのライブも見れる。はまりまくった。

 今回で組んで意気投合したのか、ジョニデ主演で映画撮るとかいう噂。
それもいいけど、ロドリゲス監督!!
また別の作品でもアントニオ・バンデラスを起用した映画を作ってね。



-less [レス] (2003/仏・米) 85分


 若手新鋭コンビ、ジャン=バティスト・アンドレアとファブリス・カネパの
デビュー作にして、各地の映画祭で評判を呼んだ戦慄のスリラー。
 クリスマスの夜にハリントン一家は母方の祖母の家で毎年行われる
クリスマス・パーティに出席するため、車で祖母の家へと向かっていた。
20年以上も同じ道を通ってきたフランクだったが、この日は気分を変えて、
高速道路を使わずに普通の道路を使って行くことに。
外灯も無く、長い一本道をひたすら進む。どうやら迷ってしまったようだ。
そんな時に、道路沿いの森に白いドレスを着て赤ん坊を抱いた女性の姿を見つける。
フランクは車を止めて事情を聴くが女性は何も答えない。
このままにしておけないと彼女を車に乗せ、事態は更に不気味になっていく…

 まさに、都市伝説みたいな話だったな。
夜に車を走らせ、対向車もなく街の明かりも見えないのって凄く怖い。
そのうえ、普段は通らない道で、しかも気味悪い女性を拾っちゃうんだもの…。
家族は父親、母親、長女とその彼氏、弟の5人で、やっぱりホラー系だから
そう、次々と…になってくわけ。直接描写が無いけど、それなりに怖い。
白いドレスを着て赤ん坊を抱いた女や、黒いクラシックカー、
日本の怖い話とも通じる何かがあって、ゾクゾクしました。

 実は他のサイトでネタバレ読んでしまったんですよ。
それでも、「何であの人たちを狙うんだ?」って凄く気になって、
どんどん崩壊していく家族、堂々巡りな一本道、謎の目的地、
イッちゃってる母親のショットガン(これがガチで恐いっす)、父親の暴走、
最後の最後で夢オチ…と見せかけて、意味深なラスト。
白いドレスの女性は事故で即死して、あの家族を弄り殺す充分な理由はあって、
(直接の責任は居眠り運転した父親だけだけど…でも連帯責任だな)
標識にあった目的地は女医さんの名前だったとはなぁ…
“すんだらしたいこと”ってメモ、ラストで父が書いた文字…何か泣ける。
現実ではないけど、只の夢ってわけでもなかった…って不思議な設定好きです。


 ジャケットの写真、女の子に見えた。普通の年頃の女だったのね。
思えば家族の面々も、娘の彼氏を除けば現実にチラホラいそうなタイプですね。
邦画バージョンだったら親父は田中要次あたりでしょうか。
自分の誤った判断でこんな目に遭って…って凄い圧力だし居た堪れないな。
闇の世界って本当に恐い。ガソリンや懐中電灯の僅かな光が頼り…。
原題は『デッド・エンド』こっちの方がしっくり来る気がする。
低予算で精神的にもグイグイ引きこんでくれる映画ってことで評価高いです。


レッド・ドラゴン (2002/米) 125分


 「羊たちの沈黙」「ハンニバル」のトマス・ハリス原作の
レクター博士三部作の1作目に当たる作品。
「羊たちの沈黙」でレクター博士は既に拘束されているが、
これはその過去の話…
主演は勿論、アンソニー・ホプキンス。
彼を追うFBI捜査官役にエドワード・ノートン
彼の上司役にハーヴェイ・カイテル。

 FBI捜査官のウィルは連続殺人事件の解明の為、
精神科医のレクター博士の助言を受けて捜査していた。
だが、偶然彼が犯人であるという真実が判り、傷を負いながらも彼を逮捕する。
のちに引退し、家族と平和に暮らしていたウィルだったが
上司のジャックが訪問し、最近起こった殺人事件の捜査協力を願い出る。
最初は困惑するウィルだったが承諾、捜査が行き詰まり
拘束中のレクター博士に助言を求めるが…

 シリーズ三部作の中でいったらこれが私は一番好きだ。
流れ的には「羊たちの沈黙」と似た展開だけど
レクター博士にとってはウィル捜査官は自分を捕まえやがった人だ。
しかも殺人鬼は自分を崇拝している。
二人の会話のやりとりも興味津々だ。
今回の犯人像は嫌いじゃない。殺人鬼と盲目女性の愛…
燃える家のシーンは寂しい気持ちになった。

 助言を与えつつも犯人の行動を読んで楽しんでるレクター博士。
テンポが良いし、気持ち悪いサイコ・スリラーではないかな。
だから良質サスペンス映画としても観れる映画だと思う。
ラスト近くであんな展開になったのは不意打ちでl怖かった。

 これのオリジナルの映画「レッドドラゴン/レクター博士の沈黙」
はアマチュア映画っぽくて手を出していない。
原作もいつか通して読んでみたいとは思うけど…


レディ・イン・ザ・ウォーター (2006/米) 110分




 「サイン」「ヴィレッジ」に続くM・ナイト・シャマラン監督の6作目。
主演は「サイドウェイ」「シンデレラマン」のポール・ジアマッティ、
共演に「ヴィレッジ」のブライス・ダラス・ハワード。
監督自身もやっぱり、出演しています。結構重要な役で。

 真ん中にプールがあるアパートの管理人・クリーブランドは、
毎日、故障箇所を直したり、プールを掃除したり単調な日々を送っていた。
最近プールが汚れていると指摘された彼は、真夜中に誰かが
プールで泳いでいるのを目撃し、彼女と出逢った。
彼女の名はストーリー。“ブルー・ワールド”からやって来たという。
選ばれた人間を捜し、元の世界へ帰るという彼女の話を信じたクリーブランドは
マンションの住人たちの中から特別な役割を持った人物を捜し出し、
ストーリーを助けるために協力を求めるのだった。

 とうとう、ラジー賞の作品・監督・脚本・助演男優にノミネートされ、
監督賞と助演男優賞を受賞してしまったシャマラン監督。
過去のシャマラン作品支持者からも、すこぶる評判がよろしくない今作。
ナーフ(水の精)の御伽噺チックなミステリアス・ファンタジー。
そこに挑戦する気概は買うんですが、確かにコレはとっつきにくい。
いや、話は終わってみれば極めてシンプルですが、「…で?」となる。
「サイン」も「ヴィレッジ」も楽しめた私ですが、この作品は不合格かな…
何かしら強烈なメッセージがこの作品では極めて薄い気がした。
そう、まるでカルピスを20倍に薄めてしまったような…控えめ過ぎ。

 
誰一人、「バカバカしい、その女気が狂ってるんでしょ」と
全否定する人がいないのと、管理人が急に部屋を訪ねて来て妙な質問をされ、
適当に答えたらそれが間違いで、何の因果か獣に襲われてしまう人とか、
ナーフを一目見ただけで何かに覚醒して本がスラスラ書けるようになっちゃう
将来国を動かす人物の心を動かす本を出す作家さん(監督、男前やね)、
世界を救う選ばれた人物たちが全てこのマンションの住民、
何故か執拗にナーフの素足ばかり攻撃したっぽいCG獣、
右半身だけ鍛えてる妙な男、結局防御には役立たなかった姉妹たち、など

滑稽な設定がシャマラン節なんでしょうが、もっと冒険して欲しかった。
何でストーリーは途中から、あまり喋らなくなったんだろ?
何か作家の妹が手話通訳みたいなことしてたけど…何で??
ストーリーから直接、人間にアレコレ説明しちゃいけない設定だったっけ。
管理人さんの辛い過去が明らかになるものの、本筋との繋がりが弱い。
映画が始まり、不思議なもの、現象が起き、秘密が明らかになる…
で、ハッピーエンド。
それだけじゃダメなんだな、って思いましたね。
何故か無性に眠くなりました。この映画、二度観ることはないでしょう。


レディ・キラーズ (2004/米) 104分


 トム・ハンクス主演の…これはブラック・コメディーか?
身分を偽りカジノの金を盗む為にある未亡人の家の部屋を借りて
こつこつとトンネルを掘る5人組。
計画がうまく行くものの、おばあさんにばれてしまい…

 紳士しゃべりなトム・ハンクスは新鮮だったな
いつもお人よしのおっとりさんな役が多いような気がするし。
みんな中途半端にお人好しだったり、普通にあせったりして失敗ばかり

 人が死ぬのに吹き出してしまうこれは何だ?
皮肉というか何というか計画全部裏目に出て…
すべてはあそこに行ってしまったのね。

 橋のガーゴイル像みたいなのがどこがアメリカじゃない国っぽかった。
片田舎だからかな?変わったテイストの映画でした。
家族で観ても問題なし!笑って観れます。
 ある意味完全犯罪を成し遂げた5人組
ピクルスが異様にかわいく見えちゃった。
あのばあさん、いいキャラしとったわ〜


レ・ミゼラブル (1998/米・デンマーク) 133分






 「ノートルダムの鐘」などでも知られるフランスの小説家
ヴィクトル・ユーゴー作「レ・ミゼラブル」の映画化。過去にも多数映画化されている。
日本では「ああ、無情」という題名で童話ジャンルにも置いてあったりする。
監督は「愛と精霊の家」などで知られるビレ・アウグスト。
主演は「シンドラーのリスト」のリーアム・ニーソン。
共演に「シャイン」のジェフリー・ラッシュ、
「パルプ・フィクション」のユマ・サーマン、
「ロミオ&ジュリエット」で人気を博したクレア・デーンズ。

 1812年のフランス。19年の刑期を終え、仮出獄したジャン・バルジャンは
親切に泊めてもらった神父から銀の食器を盗んで逃亡。
警察に捕まり連れ戻されたが、司教はジャン・バルジャンを許すのだった。
それを機に改心したジャン・バルジャンは数年後、
ヴィゴーの町で皆から尊敬される市長になっていた。
地位も信頼も財産も得ていた彼の前に現れた、新署長に赴任してきたジャベール。
彼はパリで盗人だったジャン・バルジャンを知っており、
ジャン・バルジャンは正体を見破られ、執拗な追っ手から逃れることになる。

 小学校の頃、図書室でこの本の存在だけは知っていた。
あの時、読んでおけばよかったかなぁ。でも、銀食器のくだりは有名なので知ってる。
その後、こんな色んなことが起きるとは…原作はもう少し長いようだ。
正直、かなりい
い映画でした。名作ならではの教訓を含んでいるのは勿論、
終始飽きさせない展開に画面に釘付け。物語に夢中になりました。

 
「ジャベールこの野郎〜」とイライラして観ていました。
正義にも慈悲が必要だ、ってつくづく思う。血の通わない正義は寒気がする。
空腹でパンを盗んだせいで20年も刑期をつけられたジャン・バルジャン。
いくら脱獄囚でも、あんなに寛容で他人の為に尽くす人なのに、
ちょっとくらい目をつぶってあげようよ!って思いましたね。
それと、この時代のフランスには時効がないのか?普通はとっくに時効だよね。
殺人罪には時効は要らないと思うけど、窃盗罪には時効あってもいいと思う。
ジャンを庇ってくれる人達も暖かくて好きだ。
原作ではユマ演じるファンティーヌは身体だけでなく歯も売ったそうな。
コゼットを引き取るシーンでは里親にも怒りがこみ上げ、逆転爽快。
マリウス役の青年、どこかで見たことあるなーと思ったら皇帝ネロの人か。
どこまでもお人好しで、絶対にジャベールを殺さないジャン・バルジャン。
最終的に無償の善は頑なな正義を動かしたんでしょうか。
人間、良いことも悪いことも出来るけど、保身を考えず良いことだけを徹底的に
選んだジャン・バルジャンはバカ正直で損で、だけど後悔はしないのかな。
心根に良心を持つ人は時として悪魔の囁きのような誘惑に負けたり、
嘘をついてしまったりするけど、その後に残る後味は最悪なんだ。
どんな結果が待っていようとも、正しいと思うことを貫くのは素晴らしい。
そういう意味ではジャベールも正義を貫く人なのだが、視野が狭く融通が効かない。
何故身を投げてしまうのか一瞬戸惑ったけど、それがあの人の意地なのかもな。


 この映画のお陰で何か大事なことを思い出したような気がする。
名作なだけあって、こういう本を教科書でもやればいいのにな、と思った。
個人的には92点あげたいね。皆さんにもオス
スメ。
フランスが舞台の話なのに英語なのは少し残念かな。
色んな「レ・ミゼラブル」があるので好きな役者で選べば見やすいかも。


レモニー・スニケットの世にも不幸せな物語 (2004/米) 109分






 幼い三姉弟妹が数々の災難に見舞われるファンタジック・コメディ。
“不幸のオンパレード”をウリに世界中でベストセラーとなった児童書
『世にも不幸なできごと』シリーズを映画化。
監督は「ムーンライト・マイル」のブラッド・シルバーリング。
主演は「ブルース・オールマイティ」のジム・キャリー。

 裕福なボードレール家の三姉弟妹。
長女のヴァイオレットは、並外れた知恵とひらめきで
日常の発明品を作る14歳の天才発明家。
長男のクラウスは本の虫で、読んだ本をすべて暗記している。
末っ子のサニーは、どんなものでも噛みついたら離さない女の子。
そんなある日三姉弟妹が海辺で遊んでいたところ、自宅が火事になり、
愛する両親は莫大な遺産だけを残し焼け死んでしまう。
身寄りのない三姉弟妹は、ほどなく遠縁の親戚オラフ伯爵が預かることに。
しかし預けられてすぐ、三姉弟妹はオラフ伯爵の目当てが
自分たちの遺産だと気づくのだが…

 まず、キャストが結構、好感持てた。
ジム・キャリーは相変わらずのハイテンションで役を楽しそうに演じてたし
ジョセフィーンおばさん役は何とあのメリル・ストリープ。
エッ?もう、あんなおばさんだったっけ?ちょっとおかしいトコがツボ。
そして主役となる三人が、これまた可愛いこと…
長女ヴァイオレット役のエミリー・ブラウニングは自然体な可愛さで
長男クラウス役のリアム・エイケンは日本の男の子っぽくて親近感。
末っ子サニー役は二人一役でカラとシェルビーの双子。ホフマン姉妹。
ダスティン・ホフマン出演。クレジットには名はないけど、終盤すぐに分かった。
物語を書いてるストーリー・テラーのレモニー・スニケットは
シルエットだけしかわからないけど、声はジュード・ロウ。
私はてっきり、彼もその後三人の前に現れるかと思ったよ。
ていうか、作者名まんまだったのか。

 特に現実離れしてるわけじゃないけど、世界観がファンタジー。
ノスタルジックっぽい、黒と灰色と、茶色が強調された世界だった。
子供が観て単純に楽しめるファンタジーじゃなくて、ちょっと毒がある。
世にも不幸せというけど、状況は確かに不幸せ。
でも、何故か笑って鑑賞できる映画でしたね。
三人がそれぞれの長所を活かしてピンチを切り抜けていくのが素敵。
変人で凄く嫌な奴のオラフ伯爵にしつこく付き纏われるんだけど
周囲の大人が理不尽なほど、頼りない。
遺産目当てで命を狙われたりするから、内容的にはシビアなんだけど
独特の世界観がギャグ・ファンタジーにしている。

 冒頭に「これはハッピーエンドが好きな人は観ないで」って注意があるけど
ラストはハッピーエンドといえるんじゃないのかな。
三人がこれからも前途多難な旅を続けるのだとしても。
原作が児童書だから、ツメが甘いのは頷ける。
全体的に優しくて、ちょっとトゲのある話、って感じなので
合わない人は、観てもちっとも面白いとは感じないかもしれない。
もっと過激なエピソードを混ぜてもよかったような気はする。
ともあれ、望遠鏡が望遠鏡である必要はあまりなかったのかな?
エンドクレジットの影絵の映像も楽しいので、お見逃しなく!


恋愛寫眞 Collage of Our Life (2003/日) 111分







 東京とニューヨークを舞台に、一組の男女の恋愛模様を
ミステリアスに描いたラブ・ストーリー。
監督は「トリック 劇場版」の堤幸彦。主演は広末涼子と松田龍平。

 プロのカメラマンを志す誠人は不思議な女性、静流と出逢う。
最初はモデルとして接していた誠人だったが静流がカメラに興味を持ち
誠人が少し指導してやると天性の才能か、彼女はどんどん上手になっていく。
ある一件でプライドが傷ついた誠人は静流と距離を置くことに。
二人がプロのカメラマンになるまで逢わないという約束で…
 そんなある日、静流が死んだという噂を耳にした誠人。
だが、時を同じくして彼女からの手紙が彼のもとに届き、誠人はN.Yへ旅立つ…

 松田龍平のこと、『御法度』観た限りでは好きじゃなかった。
顔写真だけ見ると、特に受け付けない顔をしてるし…
でも、この映画を観ると彼は凄く良い役者なんじゃないかと思う。
人を引き付ける変わった存在感。親の七光りってわけじゃないのね。
最初は鼻に付く日本人の喋る英語も、慣れるとそれなりに面白い。
むしろ邦画で、日本人が英語喋って字幕が出て
それをナレーション替わりに進行していくこの映画のスタイルが新鮮。

広末は、これまたハマリ役、不思議な女がよく似合う。
それも、深キョンよりも少し大人びた雰囲気の不思議系なんだよね。
最近j低迷気味の広末だけど、稀有な女優さんだと改めて思った。
またどんどん、色んな作品に出て欲しい。
彼女の寝顔の写真は、普通に綺麗で素敵な写真だと思った。

 この映画を観ると写真というものに魅せられる。
感化されて、ついつい良いショットを考えたり、憧れたり…
写真がスライドされていく時のBGMが更に雰囲気を盛り上げる。
静流が撮ったニューヨークの写真とか、確かに魅力的と思えてくる。
最初の方の二人の関係が深まっていくミカンの設定とか大好き。
ロマンチックな恋愛漫画みたいでもある。

 誠人がニューヨークで出逢う人と出来事がかなりぶっ飛んでる。
911事件の現場で記念写真撮ってる観光客に複雑な気分…
そして日本好きなアーティスト(?)のカシアス
彼の部屋に飾られた写真や物にもご注目。
あと小池栄子も出てきます。
堤監督の作品にしては凄い大人しく綺麗な雰囲気な映画だなと思ってたら
後半の展開に口がアングリ。でも、いい意味で裏切ってくれたね。
ちょろちょろとチープなギャグをはさむことにより
真面目モードになった時のギャップで心に来るもんもある。
広末のアイドル映画?とか地味そうな映画…ってイメージあるけど
これ、なかなかの作品だと思う。
今度、他の人にも薦めてみたい。


恋愛適齢期 (2003/米) 128分


宣伝で流れてたシャーリーンの「愛はかげろうのように」で気になってた作品
ジャック・ニコルソンとダイアン・キートンとキアヌ・リーブス共演。
中年男女の恋愛映画、とだけなら興味をそそらないけど、これは見逃せない。
観て正解でした。うん。良かった。幸せをお裾分けしてもらった。

 プレイボーイな初老のハリーが若い彼女の親の別荘へ遊びに行って
病気になってしまい、その家の母親と近所の病院の医者のお世話になる。
最初は若い女性にしか興味がなかったハリーだったが、同居しているうちに
彼女の母のエリカと次第に仲良くなっていく。
エリカはバツ1の独身の売れっ子の小説家で、別荘で物書き中。
若い二枚目医者ジュリアンは彼女の作品の大ファンで、彼女に好意をよせる。

 ジャンルはギャグ部類だったけど、これは普通に恋愛映画だろう〜
最初は歳を取りすぎたハリーのがっつき具合に苦笑もんだったけど
だんだん、お茶目で可愛く見えてきた。これがエリカの視点なのかな?
ジュリアンは医者で二枚目で自分に好意を寄せてくれていて
年上のハリーか年下のジュリアンか…二人の間で揺れるエリカ。
小説も次第にそんな三角関係(?)の内容に近くなる。

 お互い若者のような衝突が無いから不思議な三人の関係だった。
いたって普通の男性を演じていたキアヌも見所かも。
エリカの迷いもよくわかる気がする…うん。
どうなるのか、判ってはいたもののやっぱり嬉しい…ものなのかな?
紳士的に去る側の男の背中にも美学を感じてしまう。


RENT/レント (2005/米) 135分




 ピュリッツァー賞を獲得したブロードウェイの大ヒットミュージカルを映画化。
80年代末のニューヨークを舞台に、家賃(RENT)さえも払えない貧しい生活の中、
ドラッグやエイズといった様々な問題に直面しながらも夢に向かって生きる
事情様々なアーティストの卵たちの姿を綴る。
監督は「ハリー・ポッターと秘密の部屋」のクリス・コロンバス。

 1989年のクリスマス・イブの夜。イースト・ヴィレッジにある古いアパート。
家賃を去年の分まで滞納し電気も暖房も止められた一室に暮らす
ルームメイトのロジャー(ミュージシャン志望)とマーク(映画監督志望)。
ベニーはかつて友達同士だったが家主の娘と結婚。地域開発の為、
家賃を払わないアパートの住人たちを追い出す算段を進めていた。
ロジャーは恋人がエイズを苦に自殺して以来すっかり引きこもり状態。
階下に住むヤク中のダンサー、ミミはロジャーに気がある様子。
マークの元彼女モーリーンは地域開発反対をデモLIVEで呼びかける。
彼女の現在の恋人は女性のジョアンヌ。喧嘩が絶えない。
ロジャーたちの親友トム・コリンズはドラッグ・クイーンのエンジェルと恋仲に。

 劇場公開当時、同じくブロードウェイミュージカル映画の
「プロデューサーズ」とよく比較された「レント」 評判がメチャメチャ良い。
で、見てみたら…つ、つまらん!!! 久しぶりだわ、こんなにつまんないの。
ミュージカルってほとんどハズレ引いたことなかったんだけど…引いちゃった。
歌うシーンがやたらに多すぎるのも物語の波を壊すし、
歌もオープニングの「Seasons of Love」以外はちっとも良く感じない。
次に始まったメガネのダサロックに閉口しちゃった。
登場人物に魅力的な人が一人もいなかったのも辛い。全体的に地味なんだよね。
働かないわ、夢追ってても何もしないわ、 家賃払わないで威張って着飾ってるわ、
登場人物の半分以上がエイズだわ、もう滅茶苦茶。
同性愛の人、エイズの人、貧乏な人、 深く描く要素はつまっているけれど
どれにも焦点を絞って描いていないのでどれも薄っぺら。

 
ノリも一本調子で、ひたすらバカな若者たちを見せられた気分。
エンジェルのサンタ扮装ダンス&歌はちっとも心に響かなかったし、
ハイ、ラブラブなゲイカップルになりました〜イチャイチャしてます。
超幸せ!…アレ?何か病気が進行してきました…死にました。
と、淡々と映像で見せられて、葬式で皆のスピーチ聞かされるけども響かない。
エイズに感染した経緯もわからないから同情してもいいものか。
他の出演者たちも「何て身勝手でつまらん奴等だ」て思った。
「実は…エイズなんだ」「あら奇遇、私もよ。」で意気投合して付き合っちゃう二人、
出世するカメラ小僧のメガネもキーキー五月蝿いレズカップルもどうでもいい。
葬式で喧嘩してからミミ見なくなったな〜行方不明じゃない?マジ〜?
皆で捜してみよう、路地で凍えてたわ!「ごめんなさい、愛してる!」
エンジェルが三途の川渡るなって言ってくれた、生き返った〜めでたし、めでたし。

こんなに早く終わらないかなと思った映画も久しぶりだわ。

 でも、世間では凄く評価が高い映画なんだよね。
それ考えると、どうしても合点がいかなくて
私だけ違う映画観てるんじゃないの?って思っちゃう。
ごく少数だけど否定派の人もいるみたいだけどさ。



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