管理人NEROが映画について語ります。

Caramel Cinema


オススメ映画 オススメ本 オススメ曲 プロフ ブログ BBS リンク メール
アタメ (1989/スペイン) 102 分


 ペドロ・アルモドバル監督作品。
アントニオ・バンデラス主演のスペイン時代の映画。

 スペイン語でアタメ→縛ってって意味らしいよん。
とある男が出所後、元AV女優を誘拐して、口説く話。
「お前をこんなに愛してる男が他にいるか?絶対惚れさせてみせるぞ!」
…ってな話。邦画の飼育シリーズに限りなく極似でしたがこれの方が古い。
 最初は滅茶苦茶拒否されていた男だけれど
彼女の為に一生懸命になったり危険なことにも飛び込んだり…
次第に彼女も彼に惹かれていく。エロいです。

 でも彼女を自由にしてしまったら、この愛する気持ちも消えてしまいそうで…
ラスト近くになってちょっぴり切なくなった。
スペインってああいう高い柵のマンションが多いのかな。
そして時代だからなのか水玉模様のワンピ着てるのが多いような。
遺跡みたいな所での情景が美しかった。
 人間の本能とモラルみたいなものが交錯してるような女性の心理や
気持ちの移り変わりを描いているのかな?そんな印象



海猫 (2004/日) 129分






 「失楽園」「阿修羅のごとく」の森田芳光監督が描くラブ・ストーリー。
谷村志穂の同名小説を映画化。
主演は「模倣犯」の伊東美咲。共演に佐藤浩市と仲村トオル。
他に、ミムラ、三田佳子、深水元基、小島聖などなど…

 1980年代半ば。この日、野田薫はそれまで住んでいた函館を離れ、
峠ひとつ隔てた漁村・南茅部の漁師・赤木邦一のもとへ嫁ぐ。
ロシア人を父に持つ薫はその日本人離れした容姿が人目を引いてしまい、
街の暮らしに息苦しさばかりが募っていた。
そんな時、薫はふとしたきっかけから漁師の邦一と出会う。
武骨な邦一に対して頼もしさと心の安らぎを感じ惹かれていったのだった。
慣れない漁師の生活も、邦一の愛に支えられ懸命にこなす薫。
やがて2人の間には娘・美輝も生まれ、
このまま幸せな暮らしが続くかと思われたのだが…

 森田監督の第二の失楽園、R指定もされた禁断の愛の物語…
そんな印象を受けて、この映画を映画館に観に行きました。
あと、主題歌を歌っているのがMISIAで、曲を作ったのがTAKUROなのだ☆
叙情感溢れる、壮大な歌でした…エンディング、それだけでウルッ
肝心の話の方は…なるほど、ドロドロしてて、昼ドラみたいでした。
漁師の生活って大変なんですね。楽しみないじゃん!!
海が、いかにも日本の田舎の海って感じで、
漁村も陰気な空気でジメジメしてた。地味さがリアルだ。

 最初にミムラ演じる美輝の修羅場から始まる。
全体見終わっても、何で彼があんな態度になるのか理解しがたい。
母親は母親、娘は娘でしょ?生き方だって違うわ!!
雪景色のなか、バス貸しきっての嫁入り姿の伊東美咲は綺麗でした。
あのシーンだけ、昔の邦画を思わせる。
しかし、伊東美咲はハーフに見えますか??
目はカラーコンタクトか何かしてたみたいだけど…
結婚して、慣れない漁師の嫁としての務め。
最初は辛くても、和気藹々としていたと思ったら、どんどん崩れ始める。
薫の弟が変にシスコンっぽくて気持ち悪かった。

 スルメを噛んでたのが「ちょっとおい!!」だった。
あんなことして出荷すんの?えぇ??
酔い止めの薬こっそり使ってて何が悪いんだよ!
小屋で強姦まがいなセックスのあと、放心状態になる薫。
薫は粗暴な邦一の嫁になるには身体も心も繊細過ぎた。
それに、漁師ってただの仕事で終わる職業じゃないじゃない。
家庭にまで凄い影響及ぼすし、跡継ぎとかもあるし、
人生そのものを漁師として生きていくスタイルの人間だもん。
それを一緒になって一生付き合うって相当の覚悟が要ると思う。

 「海猫は…いいなぁ自由で」薫は自由な男、広次に惹かれていく。
邦一の弟で、漁師になることを否定し、家を飛び出して絵を描いている広次。
私は二人が結ばれてもうまくいかないんじゃないかと思った。
悲恋…確かに悲恋なんだけどさ。薫は脆すぎた。
邦一がどんどん嫌な男に見えてくるものの、(実際、最低だが)
時折見せる寂しげな顔が印象的で、彼もまた求めていたんだなと思った。
「俺はどうすればいいんだよ!」のシーンでは
あの女とくっ付けばいいだろ!」って思ってしまったけど。
何故あそこで薫がああなるのか、ちょっとおかしかった。
ていうか、映像の撮り方もおかし過ぎ。笑えてきてしまった。

 澄んだ美しさではない、荒れた海が印象的だった。海猫の鳴き声も。
漁師たちの間でも組合同士の争いがあるんだね。
単なる火遊び相手に見えた啓子がずっと側にいたのが
何故だか無性に嬉しく感じてしまった。
…誰も責められないんだよな。しいて言えば、邦一の母親か。
R指定だけど、そんなにエロスを感じなかった。もっと壊れて欲しかったな。
「セカチュー」に対抗した森田監督が幻想の純愛ではない愛を描いた。
が、興行収入も評判もさんざんでしたね…。
原作では、ハーフならではの苦悩や娘たちの詳しい描写もあったのかな?
キャラの創りこみが足りないような気もした。
あと、三人とも見慣れた役者さんたちだったので
現場での撮影はどんな感じだったのかなーと舞台裏を想像してしまう。
でも私はそんなに嫌いじゃないよ。


下弦の月 ラスト・クォーター (2004/日) 112分


 人気漫画家矢沢あい原作の同名漫画を映画化。
キャストは栗山千明、hyde、成宮寛貴、伊藤歩、小日向文世、緒形拳…
ひょっこりゲストに陣内孝則、やまだひさし(ラジオDJ)も。
 家庭環境が複雑で恋人に裏切られ居場所をなくした望月美月。
そんな夜、彼女が懐かしいメロディに惹かれ訪れた不思議な洋館。
そこでギターを奏でる外国人のアダムと出逢う。
アダムと1週間過ごした美月は旅立つアダムについて行くことにするが…

 原作は随分前から読んでいた。ミステリアス・ラブストーリー。
映画を観始めた時は、そのイメージのギャップに苦しんだけど
これはこれ、と割り切って観始めた。
そりゃ、アダムは小さいし栗山は何か変だったけど…
あと伊藤歩は色んな役やってるね〜意外な役回りでビックリ。
未だに『リップスティック』のヤンキー女のイメージが…

 役者が棒立ちで淡々とセリフ喋ってる感じがアレだったんだけど
…終盤に差し掛かる時にはほんのり涙を流していました。
何ていうか、漫画とは違う魅力もあると思う。
直接的に心に訴えかける何かにやられた。
美月と知己の砂浜シーンが綺麗で好き。
知己のキャラから、浮気できるイメージが無いんですが…
でも男ってそういう生き物なのかしら。
栗山は最初ミスキャストかと思っていたけど
長い黒髪もあのドレスで段々栄えてきたかな。存在感も出た。
hydeも相変わらず大根だけど(ビデオの英語なんて閉口した)
セリフが少なめなのが功を成したかな。

 双子の設定とラストの複線はどうかと思ったけど
そのすぐ後の美月の言葉で納得した自分がいた。
劇中で使われた曲、かなり前に出したhydeの1stソロアルバムにも収録の
私も結構気に入ってる曲で映画にも合っていたんで良かったな。
原作にあった歌詞の一節がなかったのはちょっと寂しいけど。
エンディング後のワンシーンでちょっぴり哀しくなった。
恋人の後追い自殺をした人は決してあの世や来世でも幸せにはなれません
っていう残酷な運命を見せ付けられたな。

 幻想的で現実味が薄く制作費も易そう。邦画らしさかな。
良くも悪くも恋愛漫画原作でアイドル映画の部類なんだけど
そういうのが気にならない人なら素直に感動できる映画だと思う。
原作まだの人は観てから読んだ方がいいのかな。
私は原作とは少し違う展開にドキドキもしたけど。
指輪をペンダントに変えたのは、判りづらいからかな…


危険な関係 (1988/米) 121分


 ピエール・コデルロス・ド・ラクロ原作の『危険な関係』を映画化。
1959年、1977年、1978年にも映画化されている作品。
最近では韓国でペ・ヨンジュン主演『スキャンダル』としてリメイクされた。

 18世紀。フランス革命前夜のパリの貴族社会。
人々は贅の限りを尽くした甘美な暮らしに酔いしれ、快楽を追い求めていた。
そんな社交界の大輪として君臨するメルトイユ侯爵婦人は、
彼女の恋人バスティード伯爵が若い娘と結婚するらしいという噂を耳にし、
かつての愛人であり、社交界きってのドンファンとして名高いバルモン子爵を使って、
当のボランジュ夫人の娘である美しき処女セシルの純潔を踏みにじろうとする…
18世紀のフランス貴族社会の頽廃を浮き彫りにして
背徳の烙印を押された同名の禁断の書の映画化。
限りなくインモラルな愛と性のゲームを、
絢爛たるエロスと情念がはびこる人間関係で描く。

 キャストはグレン・グローズ、ジョン・マルコヴィッチ、ユマ・サーマン、
ミッシェル・ファイファー、キアヌ・リーヴスと中々の顔ぶれ。
アカデミー脚色賞や美術、衣装デザイン賞も受賞した。
ユマもキアヌも若々しい。キアヌ、へっぽこっぷり似合い過ぎ。
ミッシェル・ファイファーって凄い女優なんだなって思った。
勿論、グレン・グローズの底知れぬ表情も凄かった。

 貴族たちは何が仕事なんだろうと『ベルばら』観てても思うこと。
彼らの存在意義は華やかに着飾り人生を横臥するロココ精神なのかな。
そこにあるのは純粋な恋愛ではなく、壮大な心理ゲーム。
どちらが勝つか、負けるか、支配するか、淘汰されるか…
そんな世界で生きてきたバルモン子爵が侯爵婦人に頼まれた仕事以外に
伯母の屋敷に居るトゥールベル婦人を口説きにかかる。
堅物で献身的なクリスチャンでもある彼女を落とすのは
社交界でも自分の自慢にもなるし、何より面白いから。
マルコヴィッチ演じるバルモンは、最初は毛嫌いすべき悪い男。
一緒にバスティードに復讐を企むメルトイユとのショットはまるで昼ドラ。
優雅な舞台で繰り広げられるドロドロしたエロスの世界。

 セシルの一転した変わりようが凄かった。
まさに、転んだらタダでは起きない女性の精神。前向きともいう。
信頼され尊敬される位置にいながら影で操るメルトイユ婦人は何と恐ろしや。
バルモン子爵はちょっと旬が過ぎたふけ顔な気がしたけど
劇中でメルトイユが云ってたように、そういう歳なんだろうな。
女性は奪われるのが好き、とか成る程教訓めいた言葉も出てくる。
終盤に差し掛かり、観ている方も薄々判って来る、ある真実。
あの時、勝った想いは単なる執着で、プライドからくる歪んだ愛に過ぎなかった。
最後にようやく本当の自分の気持ちを悟るバルモン…

 過去に何度もリメイクされただけあって
とても濃い人間のエゴの詰まったドロドロ恋愛劇。そんな印象です。
フランス革命前夜のパリが舞台という退廃的な貴族という設定が好き。
最初は、人物の名前がこんがらがって、ごっちゃになりそうになったけど
入り込んだらもう夢中…これは中々の秀作だと思う。


グリッター きらめきの向こうに (2001/米) 104分


 アメリカの人気歌手マライア・キャリー主演作。
スターになるまでの自らの自伝的体験を元にマライアを前面フィーチャーし
歌手ビリーとして描いたアイドル映画。
エリック・ベネ、サ・ブラットら音楽界のビッグ・アーティストの出演も話題に。

 幼いビリーは歌手であった母の姿を見て育つが母のアル中が原因で
親子は引き離されることになり、彼女は孤児院で育てられる。
大人になったビリーは親友のルイーズ、ロクサーヌとN.Yのクラブで働いていた。
彼女の歌声に目をつけたプロデューサーは
三人を自分のお抱え歌手のバックダンサーに起用する。
ステージを見たDJのジュリアンはビリーの才能に惹かれ彼女を引き抜き
プロデュース。瞬く間にビリーは人気歌手に。
そのうち二人は恋愛関係に発展し…

 最初の頃の幼いビリーが可愛かったんでそこだけなら逸品。
マライア好きだから、早く成長しないかなーと思って見てたら
成長したマライア、何かおかしいんですけど!!
私服が最高に似合ってないわ。三つ編みも!何てミスマッチ。
全然若い子に見えない。格好だけ若くしてムリしてるみたいで痛々しい
やっぱ派手なドレスとロングが似合うわけね。

 マライア好きなら文句なしで楽しめる映画だと思っていたけど
それでもきついものはきつい。お話の流れがつまらない。安いラブストーリー
しかも彼氏とベッドインしてるマライア、何か彼氏よりも全体的にでかく感じて
不釣合いな二人で不自然だった…
あと連れの二人とビリーがあまりにも差があって悲しい。

 道端ですれ違うおばさんが本物だと思ってしまった。
唯一グッときたのはお母さんとのエピソードだったかも。
ラストでジュリアンの手紙もちょっとグッとはきたけど…

 肝心の歌も、正直あまりパッとした曲がないな〜って印象。
過去の名曲をふんだんに使った方がよかったんじゃないかな?
マライア・キャリーのシンデレラ・ストーリーをそのまま使った方がいいし。
歌手が役者やると大抵大根になるのは覚悟の上でした。
出演者にそこそこの役者を加えることは出来なかったのかな?
所詮はアイドル映画。失敗作になりそうで皆遠慮するかな?
とにかく、こいつは失敗だったなぁ〜とため息もんでした。


クローサー (2004/米) 103分








 ロンドンで巡り逢った男女4人の複雑に絡み合う恋愛模様を
シュールかつ大胆に綴った大人のラブ・ストーリー。
世界中で上演された同名戯曲を、「卒業」のマイク・ニコルズ監督が、
ジュリア・ロバーツ、ジュード・ロウ、ナタリー・ポートマン、クライヴ・オーウェン
実力派俳優4人を配してスタイリッシュに映像化。
原作者のパトリック・マーバー自身が脚色を担当し、
登場人物それぞれの嘘と真実が織りなす交錯した愛の行方を、
印象的な台詞の数々に乗せて綴る。

 小説家志望のジャーナリスト、ダンはある日ロンドンの街中で、
ニューヨークからやって来たばかりの若いストリッパー、アリスと出会う。
とある事故がキッカケで恋に落ちた2人は間もなく同棲を始める。
1年半後、ついに処女小説の出版が決まったダンは、本に載せる作家写真の為
訪れた撮影スタジオでフォトグラファーのアンナに一目惚れしてしまう。
彼女もダンに惹かれていたが、アリスとの同棲を知って身を引くことに。
アリスの事は好きな癖に、アンナに執着するダンは
“アンナ”になりすましネットのエロチャットでいたずらをする。
まんまと騙され、下心丸出しで水族館のデートに現われた
医師ラリーだったが、彼は偶然そこで本物のアンナと出逢う…

 映画館で拝見。宣伝ポスターに惹かれた。
大人なラブ・ストーリーと、なかなか豪華なキャスティングに期待。
しかし、何だか見事に裏切られたような気分がした。
絡み合う男女4人、それぞれ関係が変化し泥沼化してくわけだけど
その過程が丁寧に表現されていないので、
時が過ぎたと文字で言われて、とっくに別れてたり、付き合ってたり。
誰と誰が知らない間に、ネンゴロになってたとか。
それを観客が想像してくれ、って趣向なのかなぁ?

 R指定されていたけど、エロいのは言葉が多かった。
性交渉を妙に生々しく語ったり、痴話喧嘩で吐き出される言葉も綺麗じゃない。
そこらへんがシュールでサバサバして、
決してロマンチックじゃない大人の恋愛なのかもしれないけどさ。
とにかく、あーだこーだと言い争いばかり見せられたような気がする。
あれだけ酷い本音をぶつけ合っても、元に戻れるんだから凄いわ。
肝心の4人に誰一人として感情移入できませんでした。
ま、私が青いだけなんですかね…理解に苦しんだ。
ぶっちゃけアリス以外、みんなムカついた。
男ってああいうもんなのか?失いたくないのに、他のモノにすぐ手を伸ばす。
女ってああいうもんなのか?ふとしたことでコロッと気持ちが変わる。

 あのナタリーがストリッパー劇場で凄い格好してて驚いた。
際どい…きっと、向き合った人はモロに見えていたんだろな…
ジュリアはきつかった。彼女が魅力的だとは到底思えない。
ジュード・ロウ演じるダンはは精神的に子供なんだろうなぁ…
まんまと引き止められたあの言葉に踊らされ、復讐されたのであった。
ダンが全てを引っ掻き回した原因のようだけど、
ダンがいなければあの二人は出逢っていなかったかもしれないし。
ラリーの往生際の悪い根ちっこさが凄かったな。結果オーライですか。

 欲しいものを手に入れる為に、嘘もつくし、卑怯な手段も構わず取る。
気づいた時には手は汚れて、手にしたものも、染まっていた。
恋愛なんて、決して綺麗で素晴らしい崇高なものなんかじゃない。
欲望むき出しの醜い争いで、結局誰もが自分を一番愛しているんだ。
…私はそんなメッセージを感じとった。
ラスト近く、ナタリーの取った行動が何故か凄い爽快でした。
4人の恋愛模様だけに焦点が絞られていたから、割と集中し易い。
元が舞台だからなのか、会話ばかり流れてたような気がする。
でも冒頭とラストの街を歩くナタリーは目を奪われる男たちの気持ちも判る。


世界の中心で、愛をさけぶ (2004/日) 138分





 ベストセラーになった片山恭一の同名小説を「GO」の行定勲監督で映画化。
めちゃくちゃ話題になったけど、映画館には遂に行かずにレンタル鑑賞。
スクリーンで宣伝を見た限りでは、潤ってきちゃったんだけど
あれは単に平井堅の歌が盛り上げてくれてたお陰なんですね。

 大沢たかお、顔は嫌いじゃないんだけど演技は荒削りな印象。
柴咲コウ、なんであんな行動とってたのか真相判っても理解に苦しむ。
長澤まさみ、演技が凄い評価されてたけど、そんなに上手とは思わなかった。
森山未來も平凡そのもの。その空気がこの映画向きだったのかもしれないけど。
クドカンや津田寛治、近藤芳正、天海祐希がちょい役で出て
山崎努も脇を固めてくれていた。

 内容も、過去、大恋愛の末に死に分かれた心の傷を引きずりながら
現在の恋愛に葛藤するという泣かせの王道ストーリー。
映画の宣伝見て、大好きな人を失ってしまった悲しみを思うと
「助けてください!」の叫びが悲痛でとても涙腺緩んでしまう映画なんだろうなと
心の中で想像してしまい、勝手に高く高く期待してしまったようです。
「黄泉がえり」や「解夏」とか「半落ち」とかどうしても感動が空回りしてしまうわ。
私の価値観や感覚に相当合ってなかったんだろうな。

 結婚間近に婚約者の律子の突然の失踪に戸惑う朔太郎。
彼女の向かった先は朔太郎の故郷の四国。彼女を追って里帰りした朔太郎は
高校時代、クラスメイトだった亜紀との思い出を次第に思い出してゆく…

 何でだろう…すっごいありがち過ぎる。
深夜のラジオで嘘ついて喧嘩、交換日記カセットや不治の病で引き離される二人
こっそり病院抜け出して空港行っちゃったりとか…
どれも、どこかでもう使われたネタをくっつけたような印象。
あと二人の写真よく見ると顔のバランスがおかしくて変。
このくらいのことなら100分くらいに収められなかったのか。
長過ぎてだれる。音楽も眠くなる。田舎映像で和ませようとしたって
あれくらいの田舎なら私はそんなに珍しさを感じない。

あの地球のへその写真を入手した経路がおかし過ぎるし…
二人がどうなってもいいやと感じてしまえばその恋愛映画はもう観てられないね。
柴咲コウの子供時代の役柄は映画版だけらしいけど
普通、同郷なら出身学校も同じだろうしもっと早く気づかないものかな?
でも、あのせいで足がああなったと思うと可哀想だ。
ラストの締めセリフで一気にだらけた。はぁ



Deep Love アユの物語 (2004/日) 95 分


 女子高生のアユは将来の夢も無く援助交際で気怠く生きる日々、
怪我をした子犬を拾ったことからおばあちゃんと親しくなる。
そのおばあちゃんは養子の息子の心臓の病を治す為にコツコツ内職で
資金を貯めていたが、アユの知り合いのホストが金に困ったことから…

 …買って後悔ヤッスイ映画でした。
当時、この携帯小説が流行っていた時は興味なくて
映画を観れば一発でストーリー分かっていいかと思ったんだけど。
何でこれで大反響だったの?!とってつけたようなありがち設定
これだけ泣ける要素満載なのにどうして大根ばっかり…
いや、話の流れ方もおかしさ満載だけどさ。都合良いし
重いテーマを扱っているんだけど、どれも軽く見て取り入れた感がして苛つく
詰め込めばいいってもんじゃない。

 そして主役の子をあゆ似にしたのって間違える人がいるからだよね…うん
私も、あの浜崎あゆみが女子校時代に体験した話かと勘違いした。
演技下手くそですね。黙って睨んだりボソボソ喋ったり。
どのシーンでも演じ方が似たり寄ったり。顔はいいのに残念です

 中途半端に演じるんじゃなく、とことん壊れて欲しかった。
一般向けとか考えないでさ。レイプや暴力も過激にちゃんと撮って欲しかった。
そうすれば少なくとも衝撃的な話題作になったはずである。
 この為だったらやむおえない手段…とか
援助交際する女の免罪符のつもりか?身体売っても格好いいと思わせがち。
むしろ、そういう軽はずみな行動が破滅を招くことは話にも描かれているから
そこら辺思う存分後悔させなきゃダメだろ。



東京タワー (2004/日) 126分






 直木賞作家・江國香織の同名小説を映画化したラブ・ストーリー。
年齢や境遇を越え、それぞれ対照的なアプローチから理屈では語れない
純粋な愛に溺れていく2組の青年と人妻の恋愛模様とその顛末を綴る。
主演は「阿修羅のごとく」の黒木瞳と「フライ、ダディ、フライ」の岡田准一。
松本潤、寺島しのぶ、宮迫博之、平山あや、加藤ローサ、余貴美子、岸谷五朗。

 売れっ子CMプランナーを夫に持つ41歳の詩史は、
自身も青山の一等地でセンスのよいセレクトショップを経営している。
そんな彼女は3年前、店を訪れた友人の息子で当時高校生だった透と恋に落ちた。
そして現在も、東京タワーを見渡せる透のマンションで、愛し合っている。
既に2人は、互いにかけがえのない存在となっていた。
一方、透の高校時代からの友人・耕二も、同年代の恋人がいながら
最近、ひょんなことから知り合った35歳の人妻・喜美子と関係を持ち始めた。
それぞれ熟女と若い男、二組の年の差カップルの行方は?

 何かジャニーズプンプンな感じで見る気になれなかったんだけど…
確かに、これは女性の願望が強く出てる話かなとも思う。
若者が「年上の魅力は?」『経験豊富、あと経済力』なんて言っちゃってて、
あぁ〜松潤は人妻狙いのヒモなんかな?なんて思っていたら…
大人の恋愛なイメージだけど、綺麗な映像を撮ることに拘ったようで、
内容的にはドロドロなんだけど、何か美しく見せている映画だった。
それがどうにもリアル感が無い。透の暮らしぶりとか、漫画のキャラのように
出来すぎてて、何の苦労も知らずに育ったボンボン?みたいだった。
そして、男が脱いでも痩せすぎてて、ナヨナヨ弱そうに映った。

 冒頭に恋に理由は必要ない、みたいな事言われていたけど、
それでも私は何故、透があそこまで詩史に強く惹かれているのか疑問だ。
好きな音楽や本が出てくることから、知識や教養は豊富なんだろうけど。
詩史は夫との関係は冷め切っているけど店とか手放したくないし…って
どっちつかずで曖昧に、ただ透と楽しんでる感じがしてたんでね。
岸谷五朗久しぶりに見たよ。あのプールってひょっとしてQ様チキンレースの??
それに比べて、もう一方のカップルは不器用加減がいい味出してた。
お互い衝突が耐えなくて、大人気ないとこが気に入った。
寺島しのぶは一見派手さはないけど、いい演技するなぁ。
夜のお楽しみ意外は無関心な宮迫の夫のキャラも良い。
「人間は生まれた時は完全で、生きて傷ついてく一方なんだろう?」
みたいな会話が、本筋とは関係ないけど気に入った。
平山あやには、もっと凄いことをやって欲しかったな。
一番凄みがあったシーンはやはり、余貴美子のあのセリフだろう。

 人生、急ぎ過ぎるなよ、他の女性を知らないだけだろ?なんて
冷めた感覚で岡田の末路を追っていたら…何でそうなるんですかー!留学って。
てっきり、自殺しちゃうのかと。でもその終わりよりはマシか。
フランスに飛んで、優雅にお絵かき…とかもうホントに漫画みたいだった。
しかしやはり、どう考えてもあの二人は今後続かないだろうな。
それでもいいから今は一緒にいたい、って締め方は自分は好きではない。

まあ、あんな展開は現実ではどう考えても有り得ないと思う。
詩史が「明日貴方の気持ちが離れても、愛してる」って言うんだけど、
ドラマ「やまとなでしこ」とかぶってる。作者同じだからパクリじゃないが、何だかな。
車ぶつけて、「私を絶対に許さないでね」って言うシーンの方が好きだ。

女性視点な映画だなとは思うし、女性の嵯峨が出ている。
どういう理由があるにせよ、不倫はやはりよろしくない。


NANA (2005/米) 114分








 若い女性を中心に熱狂的な支持を集める矢沢あいの同名コミックを、
人気歌手の中島美嘉と「害虫」の宮崎あおい主演で映画化した青春ストーリー。
偶然同じ電車で上京してきた対照的な性格の20歳の女の子
“ナナ”と“奈々”との出逢い、二人の友情、恋愛模様を描く。
監督は「とらばいゆ」「アベック モン マリ」の大谷健太郎。

 東京に向かう新幹線の中で偶然出会った小松奈々と大崎ナナ。
東京にいる彼氏のもとに向かう何よりも恋に生きる女の子、奈々。
一方、パンクバンドのヴォーカルとして成功を誓い、東京を目指すナナ。
20歳同士で同じ名前だったことで意気投合する2人。
その後、引っ越し先の部屋でも偶然の再会を果たし、2人は一緒に暮らすことに。
対照的な2人ではあったが、奇妙な共同生活で二人は絆を深めていく。
そんな中、ナナはメンバーを揃え東京でバンド活動を開始する。
一方の奈々は彼氏との関係が危機を迎えていた。

 原作の方は3巻あたりの頃から読み始めて今に至っている。
映画化の話を聴いた時には、正直絶対うまくいかないだろなと踏んでた。
映画にするには長すぎるし、あのキャラたちを実写化するのは無理あると思った。
でも、何だかんだと気になるので映画館で鑑賞。
ナナとハチ以外のキャストは…
ノブ : 成宮寛貴 (イメージちょっと違うけど、良い役作りかな)
シン : 松山ケンイチ (初対面の衝撃が…The並の男。凄い不満満々。)
ヤス : 丸山智己 (スキンヘッドご苦労様。似てましたよ。)
レン : 松田龍平 (評判悪いから心配してたら、意外にも…アリかも)
タクミ : 玉山鉄二 (玉鉄嫌いだけど、実際いそうなキャラにはなってたね。)
レイラ : 伊藤由奈 (似てないけど、まぁ許せる。歌は悪くないから)
ナオキ : 水谷百輔 (この時点では存在感なしだね。ポスター引き図だし;)
章司 : 平岡祐太 (ナナといい勝負の大根。ひたすら勘に触る男になってた。)
幸子 : サエコ (ふ〜んって感じ。アニメ声が気になった。)

 全然期待してない分だけ、私は結構気に入った。
でも、ハチ公の恋愛模様は正直たるかった。全部知ってたし、
山場はあったけど全然盛り上がらなかったので、拍子抜けだったな。
とりあえず、宮崎あおいはイメージが少し違うけど許せた。
原作はもっとウザキャラだったよーな…でもぶりっ子だったか。
ナナは救いようもないくらい酷くて、観てるこっちが恥ずかしかったね。
突拍子もなく浮いた声で怒鳴るシーンが多くて、苦笑もん。喋らないで!!
外見とライブは言うことなしなんだけどね…もっと努力できなかったもんか。
刺青がうそ臭かったけど、身体が細くて、そこらへん注目しちゃった。

 レン役の松田龍平は、顔は変なんだけど、何故か格好良いと感じた。
腹と丸い顔はいただけないけど、原作でハチが言ってた
“無口で暗くて恐そうじゃん”って感じは出てたし、ミステリアスだった。
バスタブで寄り添うシーンが気に入った。二人は意外に似合ってた。
ナナに接する時の優しさみたいなのがあって、キュンとしちゃったよ。
この映画はこれだけ観れば、ハチは主にストーリーテラーで
メインがナナとレンの恋愛になってた。
ハチとナナの友情模様はいかにも恋愛漫画を台本通りに演じて
二人で雰囲気だけ作ってますって感じで薄っぺらに感じたなぁ。
失恋した夜は、勝手にベッド入らんで一人にしといてやれよと思ってしまった。

 トラネスのライブのシーンでまたナナの過去がリンクして
電車で別れるシーンが漫画と違ってて、こっちの演出の方が好きになった。
昔のナナが長髪だったのも良かった。ケーキのシーンとか。
漫画では長すぎた会話も、映画ではほどよく割愛されてたので
ある程度は不自然な描写は見当たらなかったけど
マンションの部屋が異様に白くて綺麗だったり、
生活感がなくて格好にしても登場人物たちが浮いて見えた。
奈々の実家の連中、玄関先で姉妹揃って出てきてガヤガヤも少し変だった。
レイラ、これみよがしに英語喋ってんじゃないよ!

 終わり方が不満って人も多いらしいけど、あそこら辺で終えて正解かな。
とりあえず、話がドロドロしてくるのはその後のことだし。
原作を知らない人が見ても完全に楽しめないことは確かだと思う。
だって奈々と章司がどういう経緯で付き合って、とか過程がないから
上京しても淡々としてた二人が、いざ修羅場を迎えてもいまいち感情移入できん。
幸子にしたって、もっと間があったのに短縮したせいで
「友達のままでいいから」→寝る→「もうやめよう」 って唐突すぎる。

原作がある上でのダイジェストを見せられたような気分でもある。
ナナやヤスがこれ見よがしに格好付けるシーンが少し鼻に付いた。
続編は、多分興行収入を観て想定してるんだろうけど
このままのキャストで続けるには辛い…できればやめて欲しい。
役者の演技が酷いので作品が全体的にしょぼくなってるし。
私は、結構楽しんだ派でしたね。でも、また観たい!レベルには至らないけど。


NANA2 (2006/日) 143分






 矢沢あいの人気コミックを、中島美嘉、宮崎あおい主演で映画化し
大ヒットした青春ドラマの続編。今回、主要キャスティングに変動。
ハチ役は宮崎あおいから市川由衣にバトンタッチ。
レン役だった松田龍平も降りて、代わりに姜暢雄。
シン役だった松山ケンイチも降りて、代わりに本郷奏多。
監督は前作に引き続き大谷健太郎。

 東京で共同生活を送るナナとハチ。
彼氏にフラれたハチを励まそうと、ナナはハチの憧れのバンド
“TRAPNEST”のタクミとの出会いをプレゼント。一方、ナナのバンド
“BLACK STONES”のノブも自らのハチへの気持ちに気づき始める。
そんなある日、仕事をクビになってしまい落ち込むハチは偶然
街中でタクミと再会、そのまま流れで夜を共にしてしまう。

 原作読んでる人にとっては「デスノート」のような変動もなく、
漫画通り、脇のシーンを省いたくらいでストーリーが展開していくのが
ちょっと物足りないんじゃないだろうか。キャストの変更も痛手だ。
私的にはまずハチ役の市川は特に文句はない。
もともと1の宮崎あおいも、演技は上手だったけど
原作のハチそのものとはいかず、違和感はあったし。
市川由衣は頬骨が出てるのがちょっと気になった。
そして、ベッドシーンを撮らない映画の方針もどうかと。
ハチが待ってて、急に朝。目覚めるハチ。 何もしてないみたいな描写だった。
レン役も変わったわけだけど… やはり松田龍平が良かったな。
存在感はあった。それを今回痛感したね。
2のレンの方がイケメン兄ちゃんなんだけど、 妙に軽い。
どこにでもいそうな男になり下がってた。
タクミの発言に注意する時も、どこのスタッフ?って思った。
ナナと並んでも、明らかにレンの方が格下に映る。 そして乳輪でかい(笑)
1のレンは無口な雰囲気も滲み出てて良かったのに。
シン役は今回のでまぁ満足。 前作は明らかにミスキャストでした。
もっと外人っぽい少年連れて来いよとは思ったけど。
レイラとの絡みもナシになったので、脇キャラだな。

 中島美嘉は1の時よりも演技力が上がったのが分かる。
いまだに裏返った変な喋り方たまにするけどね。
テレビ番組で見かけた時より化粧の不自然さはなかった。
でも、何で眉毛をあそこまで…とは思うけど。 そして、ナナの服装が寒すぎる。
レイラは今回もほぼ歌うだけに登場。 英語いらんわー
画面にデカデカとトラネスのPV流れてて、 何かチョット恥ずかしい。
さらに1曲イギリスの古城をセットに壮大にPV。 映画の効果か、まぁいい曲。
確かにブラストとトラネスって曲のジャンル全然違うわ。
ちなみにちょろっとマネージャー銀ちゃんがいた。
そして、ガイアの人役に田辺誠一が。
全体的な感想としては1のトラネスライブシーンのようなドラマ演出は
2にはないので、やっぱ1の方が出来良いな。

 映画はとりあえず2で終了としたようだけど、
それで正解じゃないのかな。もう続ける意味はない。 こっから先はもう…ねぇ。
京介と淳子はもうカヤの外なのに、一応出演してたね。虚しいわ。
しっかし前作同様、映像の安っぽさはどうにかならんのかね。
登場人物たちも無機質過ぎる。温かみが足りない。のでリアルでない。
漫画の世界を再現するのはこうも難しいものなんでしょうか。


ひまわり (1970/伊) 107分




 「自転車泥棒」「靴みがき」で知られる巨匠ヴィット・デ・シーカ監督作品。
主演はソフィア・ローレン、マルチェロ・マストロヤンニ、リュドミラ・サベリーエワ。
ナポリで知り合い、恋に落ち、結婚したアントニオとジョヴァンナ。
しかし戦争は長引き、アントニオにも礼状が。引き裂かれる二人。
やがて戦争は終わったが、ソ連の前線に送られた夫は行方知れず。
諦めきれないジョヴァンナはソ連へ赴き、夫アントニオを捜すが…。

 有名な名作ですね。難しそうなイメージで今まで手を出してませんでした。
ところがどっこい、すんなりと胸に入っていきました。切なさがあふれた。
戦争に引き裂かれた夫婦の絆。今でも昼ドラでよくあるパターンです。
昔の映画、暗いイメージのイタリア映画と、とっつきにくそうなんだけど、
この映画は今の若者でも見ると心に響くものがあるのでは?
…まぁ、夫婦までいかなくとも、誰かを心底愛したことある人なら分かるはず。
この理不尽さ。誰も悪くない、彼も彼女も仕方のないこと。だからやりきれない。
苦しい。恋しい、でもどうしようもない。痛々しかった。

 
二人が浜辺でいちゃついて、結婚して卵24個料理してるシーン。
イタリアの風習で結婚したら卵料理食べるらしいんだけど、
その量に、その味付け。想像しただけでこっちも腹いっぱいだわ。
第二次世界大戦、日本はドイツと共にイタリアと同盟国だったんだよな。
実際、戦争で引き裂かれた婚約者や夫婦で似た境遇も実際あったそうな。
戦死した兵たちの眠るひまわり畑だけでも、妙に生々しかった。
太陽と、太陽の方を向いて咲くひまわり。男は太陽で女は花か、
はたまた、太陽は女で男は花か…解釈様々。
ジョヴァンナが奥さんと子供にショックを受けながらも、駅まで行き、
確かにアントニオの姿を見て、列車に駆け乗る一連のシーンが凄かった。
取り残されたアントニオの表情と、ジョヴァンナの涙。
「もう、元の二人には戻れない。永遠に…」
ソ連の奥さんも、複雑な心境でそれを見守るしかなかった。
後にアントニオがイタリアへ行く時も、家で待つ彼女の胸中は計り知れない。
ジョヴァンナとアントニオは改めて再会し、苦渋の決断をする。

流れる音楽も素晴らしい。見終わった後、しばらく頭から離れなかった。
戦争の残酷さ、悲惨さも教えてくれるし、反戦のようでいて、
おおっぴらに言葉にしていないのが良い。誰しも悟れる。明確な言葉は要らない。
こういう映画をスクリーンで観たら、きっと人生観に影響与えそうだ。
眠くなる眼をこすって見ていたはずなのに、途中から夢中になって
映画を観終わった後もずっと余韻に浸ってしまいました。
文句なしの名作ですね。多くの人に見てもらいたいとも思います。


ベティ・ブルー/インテグラル 完全版 (1992/仏) 185分




 86年に公開された「ベティ・ブルー/愛と激情の日々」の完全版。
121分あった作品に未公開シーンを加え大幅に物語の筋が変わり、
オリジナル版のファンからはすこぶる評判が悪い。
監督・製作ジャン=ジャック・ベネックス。

 海沿いのバンガローで小説を書きながら塗装業をしている青年ゾーグは、
セクシーな少女ベティ・ブルーと同棲し、愛欲に溺れ自堕落な日々を送っていた。
上司から仕事を頼まれベティがプッツンしたのをきっかけに引越し、
パリの友人宅に転がり込む。ゾーグの小説家としての才能を
信じてやまないベティは熱心に彼の処女作を印刷し雑誌社に投稿。
平和な日々も束の間、ゾーグとベティは互いを愛するが故に奔走してゆく…。

 完全版は評判悪いけど、レンタルDVDがこれしかなかったので。
凄い女だわ…ベティ。私が男の立場だったらリタイアしてます。情けないかな?
こういう女性と交際してたら一週間に1回くらいは爆発するの慣れなきゃな。
愛がいくらあっても、金がいくらあっても情緒不安定な女。
この映画が大好きだっていう女性は気持ちが理解出来るのかなぁ?
完全版なだけに、長かった…心に変なものが溜まっていく感覚。
2人のために世界はあるの!って感じで人様の迷惑お構いなしな2人。
だから常識を重んじる私としてはちょっとゲンナリしてしまう。

 
「たまには働け!」「はいよ〜ベティも手伝えってさ」
最初は楽しんでたものの、プッツン。家の中のもの全部投げ落とす。
愛の逃避行とばかりに勝手に借家バンガロー燃やして去る。
友達の店で働かせてもらって客相手にあそこまでブチ切れるベティ。
そんな彼女をたしなめるどころか、陰でコソコソ悪戯ゾーグ。
小説が貶されて編集者の家に押しかけ暴行。
妊娠して大喜びするものの違って乱心。子供誘拐。自傷。
狂おしいほどの愛ゆえにってことなんだけど、精神病じゃないかね?
ゾーグが小説家として成功しないからとても苦しんでるとか
彼のことを深く想うが故なんだろうけど、ゾーグだって彼女の為に
心労がたまることもしてるし女装して強盗まで…(強盗の流れは面白かった)
誕生日に特別な演出をしたり、土地を買ったり(車も盗んで使っちゃってる)
色んなことして彼女を喜ばせようとするんだけど
喜びも束の間、少しの負で彼女はドン底に沈む。
愛し合っていて浮気もないのに破滅にしか向かえないのだろうか。

満足しない女に、それでも健気につくす男、って構図に思えたのだが
健気につくして自分を傷つけまくってる女とも取れる。ん〜謎だ。
「これ、いいな」とは言えないし他人にもお勧めできない映画だけど
見た後はちょっと色々悩ませるものがある。でも2回目はキツイ。
見る時期によって最高にも最低にもなるタイプの映画なのかな。


ポワゾン (2001/米) 116分


 ウィリアム・アイリッシュ(コーネル・ウーリッチ)の原作『暗闇のワルツ』を
マイケル・クリストファー監督で映画化したラブストーリー(?)
アンジェリーナ・ジョリーとアントニオ・バンデラス共演の
ミステリアスで官能的な映画作品。

 19世紀後半のキューバ。大富豪のルイスは愛に興味を持たぬ主義だったが
富の象徴としてアメリカ人の妻を迎えることに。
しかし、花嫁募集の広告に応じてやって来た女性ジュリアを目にした瞬間、
ルイスは彼女の美貌に心奪われてしまうのだった。
事前に送られていたジュリアの写真と容姿が違っていても、
彼女の“外見で女を選ぶような人間かどうか試したかった”という言葉に納得した。
ルイスにとってその結婚生活は、ジュリアに謎めいた部分はあったにしても、
幸せ以外のなにものでもなかった。が、そこへアメリカから私立探偵がやって来て
ジュリアの驚くべき正体をほのめかすのだった…

 R指定だったし、エロティックな内容らしいのであまり興味なかったんだけど
バンデラスもアンジーも好きなので、拝見した。
トーマス・ジェーンも探偵役として登場。バンデラスとの意外な絡みもご注目(笑)
最初の舞台がキューバだからなのか、砂っぽい不思議な雰囲気を醸し出す。
ジュリアが突然姿を消してルイスが彼女を捜し出すのだが
バンデラスは異常に近い情熱的な愛情を持った男性を演じることが多いのかね。
二人の全裸が拝めるし、なかなかお熱い恋愛ものなんだけど
ラストの締め方が賛否両論のよう。
私は好きだけどな。やっぱり最後はああなって欲しい。
あれこれ常識交えて考えると無理があり過ぎるけど…
作品の質が下がるとかそういうレベルの映画でもないと思うし。
ジュリアの本心を考え探りながら観ていて
いい意味でハラハラドキドキはあった。

 エロを描くだけの映画だと思って観たから
映画の世界にのめり込んで夢中になってしまった自分がいた。
ストーリー自体だけで考えれば、単純でひねりが無いのかもしれないが
これは役者で持つ映画かな。二人が好きなら観るべし。
そして、アンジーの分厚いたらこ唇がやたらと気になった。
彼女の魅力が良きも悪きも堪能できる。フェロモン全開。
バンデラスの男臭さと情熱的な瞳と演技も堪能。
R指定だし、ゴールデンでは絶対放送しないだろうな。
でも云う程、エロくはない。エロ期待して見てもつまらないだろう。
深夜にお酒片手にひとりで見るには最適な映画かもしれない。

 吹き替え声優の草刈正雄と菊川玲には勘弁してよって感じ。
全然似合ってないし、下手過ぎ。気持ち悪い。
こういう実力も無いのに話題作りの為の吹き替えはやめて欲しい。


マイアミ・ラプソディー (1994/米) 95分


 グウィン(サラ・ジェシカ・パーカー)は若きコピーライター。
動物園で働くマット(ギル・ベローズ)と婚約中。そんな彼女が
妹レスリーの結婚式をきっかけに、家族の衝撃的な真実を知ることになる。
なんと心優しいママのニーナ(ミア・ファロー)が浮気していることが発覚。
相手は祖母の看護人のアントニオ(アントニオ・バンデラス)。
ロマンチックな一夜の体験を告白する彼女に罪悪感はない。
何故なら、父も長年に渡って浮気していたというのだから。
更に兄のジョーダン、妹のレスリーの浮気まで露顕。
彼らの行動が理解できなかったグウィンだったが、
当の彼女までアントニオと結構いい感じに…

多彩なキャストに加え、スーパーモデルのナオミ・キャンベルも出演。
ちょっぴり苦い、大人のラブ・コメディ。

 サラ・ジェシカ・パーカーの役回りが「SEX and THE Ctiy」と似てるし…
ラスト、インタビューみたいなので〆るところも似てる。
両親と、兄と妹それぞれ既婚のくせに優柔不断で、恋愛相談に乗ってあげて
内心引きながらも、自分も似たような(?)ことになる…
ドラマみたいな、生々しい表現はなかったけど、
ケチ過ぎる男って嫌だな〜って思ったね。
しかも、寝たあとに、愚痴愚痴言われたら、たまらんね。
結婚って何?しなくてもよくない?ってのがテーマなのかしら。

 とにかく、アントニオ・バンデラスが若かった!!
そしてやっぱりキャラはラテン系、積極的で情熱的な男性でした。
裸になった時の腹が微妙に気になったけど…でも、そんなとこも好きだ。
軽くて女性との付き合いを心得ていそうなんだけど、好感持てる。
母親との会話やグウィンとのデートが微笑ましい。
アントニオが、「よく、ゲイじゃないかと言われる」って云ってたけど
それってアントニオ・バンデラス自身のこと言ってるみたいだった。(笑)
この時はあまり絡みがなかったカーラ・グギーノとは
後に「スパイ・キッズ」シリーズで夫婦役として共演。
ナオミ・キャンベルは性格きつくて有名だけど
この映画ではちょい役だったから普通に観れたな。

 あれ?これから二人で食事じゃなかったっけ?
変な所で場面が切り替わってしまうのが余計というか、おかしかったね。
追いかけられると、逃げたくなって、逃げてしまうと追って…
ある程度の妥協は必要だとか、男女の恋愛模様は見れたかな。
淡々としてて、それ程深く描いてはいなかったけど。
避妊は大事だけど、雰囲気ぶち壊しって困るわね。
男の方が、勢いだけじゃなくてもっと意識して欲しいとこ。
これといった山場がなかったかも…おいしく〆てくれたけど。
俳優ファンなら観る価値ありだけど、普通の映画としてはイマイチかも。
まったり感が、良いんだけど、ちょっと邪魔な時も。
確かに、SATCの元ネタみたいな映画だなー。


メイド・イン・マンハッタン (2002/米) 105分


 ニューヨークを舞台に、ジェニファー・ロペス主演で贈る
定番、現代のシンデレラ・ストーリー。
一流ホテルの客室係として働くシングル・マザーのヒロインが、
ひょんなことから未来の大統領候補と運命的な出会いを果たし、
図らずも恋に落ちていく姿をロマンティックに描く。
共演は「シンドラーのリスト」のレイフ・ファインズ。
監督は「スモーク」のウェイン・ワン。

 シングル・マザーのマリサは、五つ星ホテルの優秀な客室係。
ひとり息子タイを育てながら毎日せわしない生活を送っている。
ある日、彼女は職場に同伴したタイを洗濯室に預け、
同僚とスイートルームの清掃に取り掛かっていた。
この時、宿泊者で社交界一のプレイガール、キャロラインから
ブランドものの服を店に返却するよう頼まれていたマリサは、
同僚に乗せられ、その服をこっそり遊び心で試着する。
そこへ突然、タイと共に何故か上院議員候補のクリスが現われる。
行きがかり上キャロラインに成りすましたマリサは、
タイとクリスと3人で散歩に出掛けることになってしまい…。

 使い古されたネタだけど、今なお愛され続けるよね。
こういう素敵な相手とめぐり合って…なシンデレラ・ストーリー。
メイド役のジェニロペは、髪の毛をまとめた姿とロングの時とで
外見もゴージャスに変身しちゃって、凄い雰囲気変わるなぁ。
魔法のドレスが今回は、ブランドものの服になってたわけだけど。
息子のタイが、いかにもお膳立てし過ぎてあざといですねぇ。
現代でも、やはり白人と別人種では少なからず壁があるんでしょうか?
今時ならば、財産や地位ってあんまり重視されないと思うのですが。

 あんな政治家がいたら、スキャンダル恋愛が純粋であろうとなかろうと
浮ついた噂ばかりで国民は投票する気になるのかな??
名前を語られ服を勝手に使われて、あんなないがしろにされるんじゃ
キャロラインも少しお気の毒。でもあんな女性はやっぱりモテナイな。
ジェニロペとレイフ・ファインズ目当てでしか観ないかな?
エンディングのNG集が結構面白かったので、見逃さぬように!
簡単で先も読める、何てことないストーリーだけど、
それを頭に入れた上で見ればそれなりに楽しめるでしょう。
一流ホテルを支えるメイドの仕事ってこういう風なのか〜って見方でもいいし。


欲望の法則 (1987/スペイン) 105分


 「神経衰弱ぎりぎりの女たち」や「アタメ」、近年では「キカ」など、
常に前衛的な愛の姿を描き続けるスペインの鬼才P・アルモドバルが、
三人の男たちが繰り広げる泥沼の三角関係を描いた愛憎劇。

 気鋭の映画監督パブロは恋人のファンとの関係に行き詰まりを感じていた。
ある日、パブロは危険な香りを漂わせた青年アントニオと衝動的に
一夜の関係を持つが、その後、アントニオの独占欲は過激に暴走し始める。
パブロの兄で、幼い頃に父親と愛人関係を結んだあげくに性転換手術をし、
現在は女として生きるティナをも巻き込んだ禁断の物語は、
予想外のクライマックスへ向けて、ノンストップで加速し続ける…!

 スペインの鬼才、ペドロ・アルモドバルが、独特な映像美学を確立する上で
重要な役割を果たした、初期の代表作のひとつ。
同性愛や親近相姦、性転換など、のちのアルモドバル映画でも
繰り返し描かれていく禁断のテーマを存分に盛り込みながら、
ヒッチコックばりのスリラーとしての完成度も極めて高い。
今ではハリウッドを代表する役者となったアントニオ・バンデラスが、
個性的な難役を見事に演じきる。ファンは必見。

パブロ : エウセビオ・ポンセラ
アントニオ : アントニオ・バンデラス
ティナ : カルメン・マウラ
この主な出演者三人はペドロ・アルモドバル監督作品の
『マタドール<闘牛士>・炎のレクイエム』(1986)にも出演している。
カルメンは同監督作品の『神経衰弱ぎりぎりの女たち』でも見かけましたな。
そして、この映画ではインタビュアー役で出ていた、
役者の名前は知らないんだけど、この監督の作品によく出てる、
モアイ像みたいな顔した女優さん…笑える。
本命恋人のファンを演じたミゲル・モリーナは、情報がないな。

 冒頭から、何やらイヤラシイ雰囲気で始まるこの映画。
ペドロ監督はゲイなのかな?主役のパブロも映画監督だし、重ねてそう。
いやー若いです。バンデラス。青臭い顔してます。
スペインの映画は雰囲気が邦画ともハリウッド映画とも異なってるから
何とも、不思議な感覚で観てました。
諸所、笑える場面もあるけど、決してギャグとしてのシーンでもないような。
この人たちは本物のゲイなのかと思うほど、本格的にディープキス。
バンデラスの開脚と、恥じらいの表情など…凄いっす。

 愛の無い火遊びに手を出して、相手が本気になってしまい、
周りを巻き込んで狂った愛は暴走する…といった内容。
音楽に合わせてタイプライター打ったり、走る車の車輪を目と重ねたり…
記憶喪失がごく自然に治った例を始めて見たよ!(笑)
服装は、すっごい柄ものTシャツと、水玉模様のワンピース…
スペインってああいう所なのかなと強い印象が付いた。
ティナ役、普通にオカマさんが演じてるのかと思っちゃったよ。

 それぞれ、パブロを想う気持ちを歌の歌詞でも物語っている。
恋人のファンのテーマと、浮気相手のアントニオのテーマ。
切ない、やるせない。しかし、手紙や言葉にするには少々臭い詩だ。
それを音楽に乗せて、観客に見せる。

 どんな作品なのか気になって、DVDになるのを心待ちにしていました。
確かに衝撃的な作品です。悶々始まり、淡々と進み、非情に閉じる。
そして、終わってから、彼の情熱と余韻に浸るのでした…。
エンディング後に、監督自ら、またこのような趣向の作品を作りますと発言し、
それが2004年に公開され、話題になった『バッド・エデュケーション』らしい。
まだ未見なので、そのうち拝見してみたいかも。


ラブ・アクチュアリー (2003/英・米) 135分


 「ノッティングヒルの恋人」「ブリジット・ジョーンズの日記」の製作スタッフ。
ホントにクリスマスシーズンにピッタリな内容で。
これを恋人同士で見れる人達は幸せものさ…笑

 いろんな恋模様がランダムに登場してくるから(何と総勢19人!)
きちんとキャラと状況を把握する必要があるんだけど
色んなタイプの感動話が盛り込んであってもう、やばいの(ノД`)シクシク 

 親友の恋人に恋した男、国の違う女性に思いを寄せる小説家
気になる女の子のためにドラムを練習して空港で走る男の子や
弟の世話でなかなか自分の恋愛をエンジョイできない女の人、
浮気しちゃう熟年夫婦の心の行方とか…
女の子目当てでアメリカ行った人はちょっと意外な展開だったけど
あと首相と秘書の恋愛やAV(?)撮ってる男女とか

 色んな恋愛の名曲が流れる。映画としても音楽としても恋愛オムニバス状態
映画の冒頭の部分も大好きです。あそこだけで涙腺緩んでしまった。
どんなエピソードが一番気に入るかは人それぞれだと思うし、
映画を観たあとに話し合ってみるのも楽しそう。
ただ家族で見ると気まずいようなシチュエーションもある。
マライアの曲が歌われたとき、鳥肌が立ちました!あの子うまい…
もうあれからDVD欲しい病になって困ったもん…
泣ける。涙我慢して観てたもん。はぁ〜いいなぁ。たまにまた観たくなる。



Laundry ランドリー (2001/日) 126分


 窪塚洋介、小雪が贈る心暖まる映画。
観終わったあと、この題名の意味する所はコインランドリーのみならず、
観る人の心を洗濯してくれるという意味もあるんじゃないかと思った。
幼い頃の事故で脳に障害を持つテルはばあさんと二人暮らし。
毎日ばあさんが経営するコインランドリーで店番を務めていた。
そんなある日、ひとりの寡黙な女性がランドリーに洗濯物を忘れていき…

 邦画ならではのゆったりテンポで流れていくドラマ。
最初の方はあまり手ごたえを感じなかったんですが
テルが旅に出たぐらいから世界に引き込まれていきました。
窪塚洋介としてはこういう役柄を演じるのは初めてではないでしょうか。
演技の癖を残しつつも、テルというひとりの純真な青年になっていました。
小雪は影のある女性を演じるのがキマっていますね。

 彼女の妹とのエピソードが地味ながらも面白かったです。
テルの話す不思議な話はもう少し御伽話的な要素が欲しかったかも。
鳩を飛ばして誘導したり、世の中色んな仕事があるもんですね。
雨の中の号泣ではもらい泣きしてしまった。改めて窪塚を見直しました。
この映画を観て以来、ガスタンクを見かけると思い出します。
心が枯れたり、疲れた時に見るといいかも。



リック (1988/米) 100分


ブラッド・ピットが23歳の頃ですよ。若いです。
そして今より儚げで繊細な美青年な顔をしています。

製作当時に撮影地域のユーゴスラビアで内乱が起こりフィルムが紛失。
必至の捜索の末発見された幻の作品らしいです!


テレビ特集などで取り上げられる、太陽に当たることができない原因不明の
病気に侵された“ムーン・チルドレン”と呼ばれる子供たち。この映画の主人公
リックもそういう病気で素顔で太陽の下に出ることが出来ずにいた。
彼は黒いスーツ黒い覆面で肌を隠し街へ出る。
そこで一人の女性と出逢ったことから彼はあることを決心する…


アドリア海に面した島、カントリーな街角…風景がとにかく綺麗です。
映像は古いものですがそれがいい具合におぼろげで綺麗です。

考えさせられる究極の二択。もしも自分がこういう病気にかかっていたとしたら…
ただ健康であるだけでも凄い幸せ者なんだと思う。
彼を支え、病気を治そうと必死の父親にも心を打たれる。
かなり切なくなりました。神様は残酷です…
ラストシーンの輝きは私の心に深く焼きつきました。



レオン/完全版 (1994/仏・米) 133分





 リュック・ベッソン監督の代表作のひとつとも云える名作。
孤独な殺し屋・レオンと、家族を惨殺された少女・マチルダの
出逢いと別れを描いた「レオン」に、22分の未公開シーンを加えた完全版。
ふたりが心を通わせていく過程がさらに緻密に描かれ切なさが胸を締めつける。
完全版の名は伊達ではなく、よくある只長いだけの作品にはなっていない。
追加されたシーンでは「ニキータ」のジャン=ユーグ・オングラードがカメオ出演。
’94年版公開時にポスター等で使われていた、
爆発の炎からレオンがマチルダを護るシーンも登場する。
ベッソン監督は、数年後にポートマン主演で“マチルダ”を撮ると言っている。
実現を切に望む根強いファンも多いだろう。

 主演にジャン・レノ、まだ幼さの残るナタリー・ポートマン。
最も恐ろしい悪役として好演したゲイリー・オールドマンも話題に。
以前にテレビ放映された時は牛乳と植物大好き寡黙なレオンと
幼く弱いが気は強いマチルダのシビアで壮絶な映画という印象。
ラストはトニーに追っ払われる所で終わって釈然としなかったし…
今回DVDの完全版を見て、これは純愛映画だなと思った。

 冒頭のレオンの殺し屋としての鮮やかな仕事ぶりは凄い。無敵っぷり。
アパートの隣に住むマチルダの家族はヤバイ仕事やってる荒っぽい父と
血の繋がらないそっけない継母、エアロビに夢中な姉、無邪気な弟。
最初はゲイリー演じるスタンフィールドはマフィアのボスかと思ったよ…
ああいう危機に直面した時、警察に駆け込むこともできない。
本来、守ってくれる立場が敵だなんてな…
何ともずるい悪だ。そして本人はちょっとイッちゃってる。頭は良いけど。
前に見た時、その非道っぷりが大分強く印象に残っていたんだけど
今観ると、ゲイリー自身不思議と愛嬌のある顔してるね。

 ナタリーは透明感のある美人だった。
幼いけれど、色気みたいなものも感じさせる。か細い身体だったなぁ。
最近のLUXのフェンシングCM綺麗で素敵だったよね。
トイレのシーンはマチルダと一緒になって固まった。
最初は厄介者でしかなかったけど、レオンが徐々に情を感じていくんだよね。
マチルダのゲームその1はちょっと痛々しい(笑)
あの空気は和みでも単純な笑いでも無いなぁ。

 硬派で渋い印象の映画だけど、観易いかも。
最初見た時は話の流れで胸が締め付けられる感じだったんだけど
今は、あの終わり方が何だか良いと思えてきた。
預けた金はやっぱり貰えないんだろうな…
続編のマチルダが出来るとしたら、プロの殺し屋になってるんだろうか。
「二キータ」も見直したくなったな。
エンディング曲が最高にきたね。スティングの「SHAPE OF MY HEART」
どこかで聴き覚えのある、切ない曲だった…
スティングのアルバムに興味が出た。


恋愛寫眞 Collage of Our Life (2003/日) 111分







 東京とニューヨークを舞台に、一組の男女の恋愛模様を
ミステリアスに描いたラブ・ストーリー。
監督は「トリック 劇場版」の堤幸彦。主演は広末涼子と松田龍平。

 プロのカメラマンを志す誠人は不思議な女性、静流と出逢う。
最初はモデルとして接していた誠人だったが静流がカメラに興味を持ち
誠人が少し指導してやると天性の才能か、彼女はどんどん上手になっていく。
ある一件でプライドが傷ついた誠人は静流と距離を置くことに。
二人がプロのカメラマンになるまで逢わないという約束で…
 そんなある日、静流が死んだという噂を耳にした誠人。
だが、時を同じくして彼女からの手紙が彼のもとに届き、誠人はN.Yへ旅立つ…

 松田龍平のこと、『御法度』観た限りでは好きじゃなかった。
顔写真だけ見ると、特に受け付けない顔をしてるし…
でも、この映画を観ると彼は凄く良い役者なんじゃないかと思う。
人を引き付ける変わった存在感。親の七光りってわけじゃないのね。
最初は鼻に付く日本人の喋る英語も、慣れるとそれなりに面白い。
むしろ邦画で、日本人が英語喋って字幕が出て
それをナレーション替わりに進行していくこの映画のスタイルが新鮮。

広末は、これまたハマリ役、不思議な女がよく似合う。
それも、深キョンよりも少し大人びた雰囲気の不思議系なんだよね。
最近j低迷気味の広末だけど、稀有な女優さんだと改めて思った。
またどんどん、色んな作品に出て欲しい。
彼女の寝顔の写真は、普通に綺麗で素敵な写真だと思った。

 この映画を観ると写真というものに魅せられる。
感化されて、ついつい良いショットを考えたり、憧れたり…
写真がスライドされていく時のBGMが更に雰囲気を盛り上げる。
静流が撮ったニューヨークの写真とか、確かに魅力的と思えてくる。
最初の方の二人の関係が深まっていくミカンの設定とか大好き。
ロマンチックな恋愛漫画みたいでもある。

 誠人がニューヨークで出逢う人と出来事がかなりぶっ飛んでる。
911事件の現場で記念写真撮ってる観光客に複雑な気分…
そして日本好きなアーティスト(?)のカシアス
彼の部屋に飾られた写真や物にもご注目。
あと小池栄子も出てきます。
堤監督の作品にしては凄い大人しく綺麗な雰囲気な映画だなと思ってたら
後半の展開に口がアングリ。でも、いい意味で裏切ってくれたね。
ちょろちょろとチープなギャグをはさむことにより
真面目モードになった時のギャップで心に来るもんもある。
広末のアイドル映画?とか地味そうな映画…ってイメージあるけど
これ、なかなかの作品だと思う。
今度、他の人にも薦めてみたい。


恋愛適齢期 (2003/米) 128分


宣伝で流れてたシャーリーンの「愛はかげろうのように」で気になってた作品
ジャック・ニコルソンとダイアン・キートンとキアヌ・リーブス共演。
中年男女の恋愛映画、とだけなら興味をそそらないけど、これは見逃せない。
観て正解でした。うん。良かった。幸せな気持ちお裾分けしてもらった。

 プレイボーイな初老のハリーが若い彼女の親の別荘へ遊びに行って
病気になってしまい、その家の母親と近所の病院の医者のお世話になる。
最初は若い女性にしか興味がなかったハリーだったが、同居しているうちに
彼女の母のエリカと次第に仲良くなっていく。
エリカはバツ1の独身の売れっ子の小説家で、別荘で物書き中。
若い二枚目医者のジュリアンは彼女の作品の大ファンで、彼女に好意をよせる。

 ジャンルはギャグ部類だったけど、これは普通に恋愛映画だろう〜
最初は歳を取りすぎたハリーのがっつき具合に苦笑もんだったけど
だんだん、お茶目で可愛く見えてきた。これがエリカの視点なのかな?
ジュリアンは医者で二枚目で自分に好意を寄せてくれていて
年上のハリーか年下のジュリアンか…二人の間で揺れるエリカ。
小説も次第にそんな三角関係(?)の内容に近くなる。

 お互い若者のような衝突が無いから不思議な三人の関係だった。
いたって普通の男性を演じていたキアヌも見所かも。
エリカの迷いもよくわかる気がする…うん。
どうなるのか、判ってはいたもののやっぱり嬉しい…ものなのかな?
紳士的に去る側の男の背中にも美学を感じてしまう。



このページのトップへ戻る








  

 
  

数字
ジャンル別
SF
近未来SF
ファンタジー
アクション
パニック
バイオレンス
アメコミ
アドベンチャー
サスペンス
スリラー
ミステリー
ホラー
モンスター
ラブストーリー
ロマンス
ヒューマン
ロードムービー
青春
スポーツ
ドキュメント
サクセス・ストーリー
コメディ
おバカムービー
ラブコメ
プリティ・ピンクシリーズ
歴史
文芸
戦争映画
時代劇
オムニバス
ミュージカル
テレビ・ドラマ
アニメ
その他
トップページ
SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送