アメリカン・スター (2003/米) 82分


 旅先のビーチで出逢ったケリーとジャスティンの恋の行方を、
他の恋愛も幾つかからませてミュージカル仕立てで描く。劇場未公開作品。
主演は米国人気オーディション番組“アメリカン・アイドル”で
見事アイドル歌手としてデビューし今後も期待大なケリー・クラークソン。
男女2人がそれぞれ運命的なものを感じ、惹かれ合っていくなか、
女友達のアレクサはケリーからジャスティンを奪おうと画策する…

 ケリーってどうしても主役顔じゃないのよねぇ~
それがマジマジと判ってチト絵的につらいもんがある…でも歌は最高!
彼女の歌声でその場のクオリティがグングン高まってくのをヒシヒシ感じる。
相手役のジャスティンも、最初から最後まで冴えない君。
そして他出演者も、皆どこか冴えない男女ばかり。何か珍しい。
話も王道過ぎて何のひねりもないんだなコレが。
そこら辺の恋愛漫画によくあるパターンを盛り込んだって感じで。
でも二人船でのデュエットが終わる頃、妙に感動しちゃってる自分がいる。
ミュージカル仕立ての若者の青春恋愛モノって新鮮で面白かったです。

 ケリクラはこれでラジー賞ノミネート…やっぱり演技は大根ですか。
もうね、ノミネートだけだけど、この映画ラジー賞づくし。
作品、監督、脚本、主演男優、主演女優、更にワースト・スクリーン・カップル賞;
ここまでやられると逆にどんな酷さよ?って気になるでしょでしょ?
確かに安い空気は全体的に漂っているこの作品ですが、
歌が聞こえだすと途端に楽しくなってしまうのは何故??
ケリクラ好きなら多分、大丈夫なんだと思う。また見たいかも~☆


妹の恋人 (1993/米) 99分




 「シザーハンズ」のジョニー・デップ主演のラブ・ロマンス。
共演にメアリー・スチュワート・マスターソン、エイダン・クイン、
ジュリアン・ムーア、オリヴァー・プラット…
自閉症の妹ジューンを世話して、自分の生活を犠牲にしている兄ベニー。
世話をしてくれる人を雇ってもそりが合わず、すぐに追い出してしまうジューン。
幼い頃に両親を亡くし、兄妹二人きりで生きてきて、
施設に預ける方が良いという周りの勧めにも気が咎めるベニー。
そんなある日、事情で引き取ってしまった同僚のいとこのサムが同居することに。
昔の映画が大好きで、パントマイムや芸をして人を和ませる、
マイペースで変わり者のサムの存在に、心を開いていくジューン…

 結構評価が高いので、気になって観てみることに。
いや~ジョニー・デップが男前で魅力的なのは判っていたけど、
これを見て初めて、彼を美男子だと思ったね。
ファンにはたまらないであろう、多彩で味のある彼の魅力を堪能できる映画。
映画の内容的にはそれほど目を惹くものじゃないけど、微笑ましい話。
「シザーハンズ」と結構似てるものがあるとも思う。
こっちの映画の方が優しく、ほんわかしているね。
パンのダンスを見て、サムの格好がチャップリンに影響を受けてるんだなと思った。
アイロンでパン焼くのはどうかと思うぞ…パン用ならいいけど。
妹の精神病、そんなに重くはないので過剰なストレスさえ与えなければ
普通に暮らしていけるんでしょうね。きっと。

 「妹の恋人」ってタイトルがパッとしないよね。
勝手に自分の中で兄妹愛のちょっと危険な話かと思ってしまった。
過保護な兄と、ひねくれた妹の家に環境と、心を変えるキッカケを与える話。
B級な軽めの映画なので、派手さはないけどほんわか見れる。
兄貴役の人、どっかで見た顔だなと思ったら「レジェンド・オブ・フォール」の人か。
とりあえず、ジョニデファンは必見。かわいい作品でしたね。
あのハットといい、長髪といい、若い頃のウォンカさんみたい。

 このジョニー・デップ・セットって確かにお得な組み合わせだけど、
「プラトーン」じゃジョニデちょこっとしか出てないじゃん。
他の三作品は文句なしに良いんだけどな…
「スリーピー・ホロウ」辺りがあったら、完璧!!


イルマーレ (2006/米) 98分


 2001年に製作された同名の韓国製作のロマンス映画を、
「スピード」のキアヌ・リーヴスとサンドラ・ブロックの共演でリメイク。
共演にクリストファー・プラマーなど。
監督はアルゼンチン出身のアレハンドロ・アグレスティ。

 静かな湖の岸辺に建つガラス張りの一軒家。
ここに住む女医のケイトはシカゴの病院に転勤になり、愛着のあるこの家から
引っ越すことになった。彼女は次の住人に自分宛の手紙の転送を頼もうと、
郵便受けにささやかなメッセージを残した。
一方、建築家のアレックスは子ども時代をそこで過ごした、懐かしい
思い出が詰まった湖の家を買い取り、そこへ引っ越してきた。
彼は郵便受けにケイトが残していった手紙を発見する。
この家は長いこと空き家になっていたはず…と不思議に思い、
アレックスはケイト宛に返信するが、ケイトの住所はマンション建設予定地だった。
やがて2人は、ケイトが2006年、アレックスが2004年の時代にいることを知る…

 イルマーレ=イタリア語で海を意味する。
この映画の中で“イルマーレ”とは予約殺到の人気レストランなのね。
韓国版では海辺の家で、ハリウッド版では湖の家。
主に湖の家で時間をすれ違う、どうしても会えない二人をイメージしてたんだけど、
二人の障害はたった2年。アレックスは結構会えていたりするのだ。
映画が始まってバレンタイン、不意に起こった交通事故。
もしやと思ったら、やっぱり彼だったのね。ここら辺は楽に予想がつく。
あぁ~原作が韓国映画だからな…最後は彼が彼女に会おうとして
事故死しちゃうって結末?って思ったらアレアレ。運命を変えました!
オリジナル版未見なので比べれませんけど、やはり
タイムパラドクスの矛盾は発生するんでしょうね。犬の名前をつけたのは誰?
アレックスが過去のケイトと接触することによって
ケイトと彼氏の歴史にも確実に大きな変化があったことになるよね…
だけど後半、普通にヨリ戻そうとしてる…んで、後でアッサリ捨てられるのかしら。
もっと時間差を使ったユニークな出来事も描いて欲しかった。
未来を知ってたから、こんなこと教えてもらってこんなことになった、とか。
あとアレックスの親父との確執とかもよく判らなかった。
う~む。

 湖の上の家での暮らしをもっと見せて欲しかったな。
二人の接点が出来てからは、もう郵便受けぐらいしか出てこなくなった。
二人ともそこで2年の誤差で生活してる、って形の方がロマンチックじゃん?
しかしキアヌは…正直、恋愛もの向いてない気がしてしょうがない。
サンドラもですよ。何か無表情な気がした。
それと、あの年で研修医ってのも不自然かな~なんて。
アレックスのちょっとくたびれた私服は、キアヌの普段着に近いかも?(笑)
40歳の大人の落ち着いたラブストーリーってことで、
展開が驚愕もんでもないしホロリとくるシーンもないんですが、
二人の役者のファンなら観てもいいぞ、って所ですかね。


エターナル・サンシャイン (2004/米) 107分






 ヒューマンネイチュア」の脚本・監督コンビ、チャーリー・カウフマンと
ミシェル・ゴンドリーが記憶消去と恋愛を絡めた奇想天外なストーリーを、
コミカルなタッチも織り交ぜながらユニークかつ巧みな作劇で語っていく。
主演はジム・キャリー。共演にケイト・ウィンスレット、イライジャ・ウッド、
キルスティン・ダンスト、マーク・ラファロ、トム・ウィルキンソン。
チャーリー・カウフマンは今作でアカデミー賞脚本賞受賞。

 バレンタインデーを目前にした日、ジョエルは不思議な手紙を受け取った。
そこに最近ケンカ別れしてしまった恋人クレメンタインについてこう書かれていた。
“クレメンタインはジョエルの記憶を全て消し去りました。
今後、彼女の過去について絶対触れないようにお願いします。ラクーナ社”
仲直りしようと思っていた矢先にそんな知らせを受け、立ち直れないジョエル。
そして彼も、彼女との記憶を消すことを決意し、ラクーナ医院を訪れる。
そこでは、一晩寝ている間に脳の中の特定の記憶だけを消去できる
特別な施術を行なっていた…

 好きな人との辛い思い出を忘れてしまいたい…
そんな想いをした人にとっては胸が痛くなる物語かもしれない。
…あぁ。私も恋愛でいっぱい傷ついた経験があったら
もっとこの映画に感情移入できたのかもしれない。
宣伝で観たような期待がある映画ではなかった。
脚本、『マルコヴィッチの穴』のチャーリー・カウフマンだったのか。
この人の書く脚本は私にはいまいち魅力が…うーん。
テーマと内容で、ロマンチックなラブストーリーだと思っていたけど
実際は違う。…私が感じただけだけど。雰囲気ものの映画かも。

 『マスク』や『ブルース・オールマイティ』のコメディ系や
『マジスティック』の正統派のジム・キャリーを見てきたけれど
この映画は…寡黙でとっつきにくそうな男性を演じていて新鮮でした。
よく観ると、この人はとても男前なんですね。
ケイトもクラシカルでふくよかなイメージあったけど
赤や緑、青の髪の毛の変わった女性の役が割かし似合ってた。若々しい。
イライジャの演じるパトリックの本性知ってくと…哀れというか何というか。
自分に自信がない人は彼に感情移入できるかもしれない。
普通に見たら憎たらしい最低な男に映っても。
キルスティンはブサイクだと定説されてるけど
この映画に関しては何故か可愛く見えた。下着姿ではしゃいでるとこ。
お前ら仕事中に何やってんだと思ったけどね。

 思いっきりメロドラマ的な盛り上がりを予想してたけど
この映画は地味です。特に入りが。あと時間軸が交錯してる。
恋人同士で見ると良いけど、集中しないとダメだね。
時間軸をしっかり整理して、なおかつキャラにちゃんと感情移入して
憶測も絡ませ想像を膨らませ、初めて理解できる映画なのかも。
メジャー向けではない、観る人を選ぶ映画だなぁ。
最初に見た時は変わった手法に戸惑って、
記憶を辿っていく場面は、やり過ぎてる感があったんだけど
改めて映画そのものを見直すと良い映画だったかも…と思う映画。

 宣伝で主役の二人がどうなるのか予想はついててその通りだった。
描き方は斬新だけど、そこは裏切って欲しかったかもしれない。
私としてはキルスティン演じるメアリーが真実を知ってしまう場面が好き。
そうすることを決めて自分から望んで記憶を消すのに、
記憶を消されたと知ったら知りたくなってしまう。
記憶を失くす以前の自分の事を知っても記憶があった頃に戻ることは出来ない。
記憶を消しても結局同じことをしているかもしれないのに。
思い出を消し去っても、幸せになれるんだろうか。
その思い出は決して辛い、苦しい悲しいだけの思い出だけじゃないのに。

 記憶の旅で、本人じゃないけど、彼女と再会して
子供の頃の記憶とか色々話して逃げ回ってる場面は面白かった。
机の下に隠れるちょっと小さいジム。少年時代と今を一緒に現すとは。
周りのものがどんどん消えていく…ホントに夢ってこんな感じだよ。
記憶消去する病院の待合室にいたペットの遺品を抱えてるおばさん。
彼女のエピソードも想像すると、それだけで泣ける。
辛いかもしれないけど、大事なら忘れないであげて、って思う。
好きな人の隣で「
今、死んでも構わない。」って思ったシーンでじんときた。
テープが出てきて嫌な雰囲気になったけど
あれはあれでいい終わり方なのかな…変わったラストでした。


きみに読む物語 (2004/米) 123分






 ニコラス・スパークスの小説を映画化したラブ・ストーリー。
運命的な恋に落ちながらその関係を引き裂かれてしまった一組の男女の、
時を経た永遠の愛をロマンティックに描く。監督はニック・カサヴェテス。
主演はライアン・ゴズリング(ノア役)、レイチェル・マクアダムス。(アリー役)
ジーナ・ローランズ(カルフーン役)、ジェームス・ガーナー、(デューク役)、
ジェームス・マースデン(婚約者ロン役)、サム・シェパード。(ノアの父親役)

 とある療養施設に独り暮らす初老の女性。
彼女は認知症で、過去、現在のことはどんどん忘れてしまっていた。
そんな彼女の元には毎日、初老の男性が本を読み聞かせにやってきた。
物語は、若い男女の情熱的な出逢いと恋、そして別れ…二人の運命を綴ってあった。
1940年、アメリカ南部の町ノース・カロライナ州シーブルック。
家族とひと夏を過ごしにやって来た少女アリーは、そこで地元の青年ノアと出会う。
やがて二人は強く愛し合うようになるが、裕福な家柄のアリーの両親は
材木業で日々汗を流す肉体労働者のノアを煙たがっていた…

 日本がセカチューならアメリカはきみ読む。そんな宣伝文句。純愛映画路線。
最初は全然興味なかったんだけど、『ホットチック』のレイチェルが出てるし、
『16歳の合衆国』のライアンも出ている…それに意外に評判が良い。
レンタル屋でもしばらく借りられなかったので思いは募った。そして観た。
…ごめんなさい、私にはよくわかりませんでした。この映画の良さが。
まず、宣伝で既に「
この本の登場人物は老人二人の若りし頃」ってのは知ってたし
若い二人の恋愛がホント単純で芸がなくて、あぁアメリカっぽいな~で。
ライアン君、『16歳の合衆国』では光ってたけど、あまりに無表情過ぎ。
何か、感情移入し辛い。恋愛映画なんだから、もっと素直に直球演技して欲しい。
レイチェルは凄い尻軽女に見えてしまったけど、まぁ尻軽女になってしまうよね。
ずっと手紙待ってたのに、7年も待ってたのに…って、会いに行けよ!って話。
彼女は、彼を愛するっていうか彼の彼女への愛を頼ってただけに見えた。
どれだけ愛されれば幸せか、そんな受身姿勢に思えた。
彼は彼で、手紙毎日1年間、返事が来ないのをちょっとはおかしいと思え!
自分だったら、送り先間違えてるのかもなーって思って手段を変える。
あのアリーの母親の恋愛話も、え?どんな偶然よ?とってつけたよーな話…
って急で何だこの展開って思えた。「もう彼が誰かも判らない」
きっと彼女は昔、あそこの労働者の誰かと恋に落ちたんだけど、
多分、あの人…いや、この人だったかな?と適当に指差してるだけなのでは?w
まぁ好きだったのは「いつものケンカよね?明日になったら元通りよね?」って
激怒していたアリーが急に態度一変させて車にすがりつくシーン。何かリアル。

…まぁ、突っ込んでいたらキリないですよね。そういう細かいすれ違いが、
恋愛をより複雑に、燃え上がらせる?の?そうなの?ようわからん。
婚約者が別に悪い人じゃないのが気の毒だ。X-MENのサイクロプス君。
彼とくっついても彼女は充分幸せになってたと思う。愛されたと思う。
ノアのこと思い出すまで幸せ絶頂だったじゃない。きゃぴきゃぴはしゃいでさ。
未亡人さんも、引き際心得てて、何か可哀想。去る者の方が良く見えてしまう。

 老人の一途さがこの映画の肝みたいですが、泣くまでは至らず。
ただ、アヒルがわんさかいる湖のボートのシーンは綺麗だったかな。
あと、二人が抱き合う時に決まっているポーズ。ガバッと女性が覆いかぶさるw
アメリカの移動遊園地とかにある、簡易観覧車って人が落ちて事故が起こりそう。
二人と行動を共にしていたもうひとつのカップルはその後、普通に消えたね。
強い絆で結ばれたカップル…って、でもひと夏過ごしただけだったんだね。
私は受け付けなかったけど、コレ気に入る人も恐らくはいると思う。
少なくともセカチューよりはずっといいと思うし。うん。


嫌われ松子の一生 (2006/日) 130分








 「下妻物語」の鬼才クリエイター、中島哲也監督が
山田宗樹の同名小説を中谷美紀主演で映画化した奇想天外な女の一生物語。
不器用ゆえに転落の一途を辿る壮絶な人生の中にあっても、
どこもまでもまっすぐで一生懸命なヒロインの姿を、
CGを駆使した多彩な映像表現とミュージカル風味の味付けでカラフルかつ
ポップに描き出す。ユニークにして豪華な共演陣も話題に。

中谷 美紀(松子)  奥ノ矢 佳奈(松子の子供時代)
柄本 明(松子の父)  キムラ 緑子(松子の母)  香川 照之(松子の弟(紀夫))
市川 実日子(久美子(松子の妹))   濱田 マリ(紀夫の妻)
瑛太(笙(紀夫の子、松子の甥)) 柴咲 コウ(明日香(笙の彼女))
伊勢谷 友介(龍 洋一) 黒沢 あすか(沢村 めぐみ)
谷原 章介(爽やか佐伯先生) 宮藤官九郎(小説家の卵)
劇団ひとり(岡野さん) 武田真治(ヒモ男) 荒川 良々(床屋の主人島津さん)
Bonnie Pink(「白夜」トルコ嬢) 谷中 敦(「白夜」マネージャー)
竹山 隆範(教頭) 角野 卓造(校長) 嶋田 久作(牧師)
囚人役に土屋 アンナ、山田 花子、AI、、、あき 竹城(係官)
木下 ほうか(「ひかり荘」の1階住人) ゴリ(「ひかり荘」の隣人)
他、木村 カエラ、片平なぎさ、本田 博太郎、蒼井 そら…

 平成13年、ミュージシャンを夢見て上京してきたものの、
すっかり腐っていた笙の前に突然父親がお骨をもって現れた。
今まで黙っていたが、お前には伯母がいて、その伯母の松子が死んだから
住んでいたアパートの後片付けをするよう頼まれる。
渋々ゴミ屋敷へと向かった笙は伯母の松子の人生を知ってゆくのだった。
昭和22年、福岡に生まれた川尻松子の不器用で奇想天外な人生とは…。

 Daiに誘われて観に行ってきました。「下妻物語」の監督なんですな。
最初はギャグ路線かなと思ったけど、始まりからもう暗い暗い…
でもギャグや小ネタ、笑い所もいっぱいあって、歌も盛り沢山。
日本のミュージカルって悪い印象が強かったんだけど、見事でした。
なんていうか、思い切りがいいのかな。選曲も素晴らしかったと思う。
どの役者も、パッと出てきてパッと型にはまってるから凄い。
クドカンの暴力男っぷりがリアルで上手だなーって思ってしまった

片平なぎさの使い方も楽しい。お遊び満載で、CGで絵のようなおふざけも。
ああいうユーモアを混ぜなかったら、とことん暗い話になっちゃうもんね。
松子の転落人生は、まさに昼ドラの主人公のように不幸のデパートで、
かつ、何処かにもこういう人は案外いっぱいいるかもしれない…と思わせる。

 誰かに裏切られたり、他人に嫉妬したり、孤独が怖かったり、
不器用に人を傷つけて、傷付けられて、痛い思いをしたことある人ならば、
この映画って絶対他人事に思えなくて、面白いんだけど、哀しくて、
楽しいんだけど、辛くて、抱くのが希望なのか、絶望なのか、判んなくなった。
観終わったすぐ後は、ちょっとそこら辺が不明瞭で、複雑な気分になった。
また観たいような、もう観たくないような…凄くアレコレ考えた。
胸が凄く締め付けられるようなたまんない気持ちにもなっちゃうんですよ。
単純に、泣けたとか感動したとか、そういう言葉使っちゃいけないような…。

 ダメ男を好きになっちゃう松子だけど、自分自身もダメ女なので
一緒になって転がって普通の道から外れちゃうんだろうなぁ…
例え男がいなくても、女友達じゃそのスキマは絶対埋められないのかな…
今だ男に頼りきったことのない私には理解の及ばない所だろう。
ラストに判る、松子が求めていたもの。
「おかえり」「ただいま」の持つ意味がこんなに大きなものだったなんて。

 人生って何なんだろう…松子は愛されていた、なにかをしてあげた。
ラストの歌のシーンで、松子に関わった人達が松子のよく唄っていた歌を口ずさむ。
死んじゃったあの人も、酷い別れ方をしたあの人も…切なくて、美しかった。

カラフルだったり、ノスタルジィだったり、空撮がメチャ綺麗だったりと
シーンによって全然違う雰囲気になる動と静のバランスが凄い。
昭和から平成にと、移り変わっていく時代も感じる。靴下折ってたな…そーいえば。
今までに出逢ったことのない後味の映画でした。
邦画の可能性を感じる、会心の逸品。絶賛されるのも当然だな。
でも、この映画を批難する人の気持ちも判らんでもない。長めだなとは思うし。
この映画は好きだけど、また観るか…?って言われるとちょっとためらいが。
物事のプラス面よりもマイナス面の方がよく目に入ってしまう性質なので…
大衆向けのようで、観る人を選ぶような、不思議な癖がある映画。


シュガー&スパイス 風味絶佳 (2006/日) 125分






 山田詠美の短編小説『風味絶佳』を映画化。
主演は「誰も知らない」の柳楽優弥と「手紙」の沢尻エリカ。
共演に夏木マリ、大泉洋、高岡蒼甫、佐藤二朗、板倉俊之、浜田岳、サエコ。
監督はドラマの演出家でもある「冷静と情熱のあいだ」の中江功。

 東京・福生市。平凡な毎日を送る志郎は、両親の反対を押し切り、
高校卒業後は大学へは行かず、“とりあえず”ガソリンスタンドで働いていた。
そんなある日、ガソリンスタンドに新しいバイトとして乃里子が入ってきた。
友達の色恋沙汰にも何処か理解出来ずにいた志郎だったが、
彼女に抱いた初めての感情。生まれて初めての恋。
2人で会う時間が増えるにつれ、次第にうち解けていく乃里子と志郎…

 東京なのに、酷く殺風景な場所にあるこじんまりとしたガスステーション。
レトロで何処か玩具のような外観に、個性的過ぎるスタッフ(笑)
佐藤二朗さん好きだ~もっと出してくれ!
ん~やっぱり沢尻エリカって可愛いんだな。
憎たらしいけど可愛い。
ああいう子っているよね、って妙な現実感を味わった。
優しいだけの男はフラれる、ってのも充分判る動機だけど、
それよりもやはり、医大生>フリーターでしょうな。仕方ないのさ。
ほろ苦い失恋をした彼はちょっとだけ学習し、女性にモテるには
せめて車ぐらい持ってないとな、と自動車学校行くの。
これも真理。
柳楽君は顔の表情が硬い!『LYLA』唄ってる弾けてる演技も無理無理感漂う。
大事なシーンも無表情なので、これは恋愛映画にゃ向かないなと思った。
独白も棒読みだしね…主人公の感情が伝わり難い。
顔は決してブサイクじゃないし優しいけど、どん臭さが漂っていて、
ある程度恋愛慣れした女性は満足出来ないだろな、っていう
妙な説得力はあった気はする。キャスティングから不釣合いだったけど


 二人だけの恋愛映画だったら極めて微妙な出来になってたところを、
夏木マリ演じるグランマと昔話が無難に支えてたと思う。70歳は無理あるけど。
グランマに男は必需品らしいが、夏木マリにはタバコが必需品みたいね。
これを観て「恋っていいな」とは思わんけど「ダイアモンド富士」は見たいと思った。
ガスステーションのスタッフも、キワモノ揃いだからきっと、
ドラマとかだったら細かい焦点が当てられたりするんだろなー。
作り物っぽい外観は微妙だが、ちょっと勿体無い使い方してんな、と思った。
あと
冒頭のHビデオ&自殺未遂のシーンは必要あったのか??
尚樹と沙絵の恋愛の形を説明したかったんだろうけど、あの部分だけ
テイストが違うので、映画のノリがガタガタになってしまうじゃないか

「平成夫婦茶碗」の長男が…ああいう役を演じているとは。

 洋楽をBGMに使ったり、風景を強調したりと、まぁ飽きさせない工夫はしてる。
でも最後のシーンは要らないと思った。
バスが揺れて「あっ!すみません」の
偶然ハグシーンなんて、恥ずかしくて目も当てられなかったわ~
まだまだ本物の恋愛とまではいかないけど、少年の淡い恋心と、
恐らくドロドロの失恋をし心が疲れて一時の癒しを求めた流れ者の女子大生。
仲良くなっていくくだりがほとんどダイジェストなんで、
二人の絆がどれ位深まっていたのか定かじゃないから、
雨の中で支離滅裂な告白とか、王道ベタな展開には閉口したけど
安易に二人をくっつけない結末
は好感持てたかな。歪んでるかしら自分。


ジョー・ブラックをよろしく (1998/米) 181分


 ブラッド・ピット、アンソニー・ホプキンス豪華共演の不思議なラブロマンス。

相手役はクレア・フォーラニ。とっても素敵な物語。
余命わずかな大富豪パリッシュの元に死神を名乗る謎の青年が現れた。
 彼はパリッシュの寿命が尽きるまで現世に降り立ち色んな物事を見学したい、
その案内をしてくれと言い行動を共にすることに。
 戸惑う家族と夕食を共にする死神ことジョー・ブラック
パリッシュの娘スーザンは青年とさっきカフェで出逢ったのだったのだが…


 題名からして期待していなかったんだけど、とんでもなかった!
とにかくブラピがお茶目。クレアも凛々しく美しい。
ホプキンスは貫禄たっぷりで脇を固める人たちもそれぞれいい味が出ている。
 特にCGを駆使することなく「死神」という言葉で非現実な存在を表してる。
演技するブラピもかなり雰囲気を出してて見直しました。

ピーナッツ・クリームをスプーンに付けて食べたくなるでしょ!
現実世界を初体験する死神のしぐさや行動が可愛い。
家族のあったかさも凄い伝わってきて微笑ましいし切ない。
 あのカフェでの出逢いと別れ際の振り返りは雰囲気出てたなぁ…初々しい。
花火のシーンで涙が自然にボロボロ出てきてしまいました。

 最後の方で文句や疑問が沸く人もいるでしょう。
私も最初はそうでした。でも今は納得しています。
気に入ってDVDを購入しました。5回は観たね。
ブラピ好きなくせにこの映画をまだ観てない人!!損してますよ。


タイヨウのうた (2006/日) 119分






 シンガーソングライター、YUIの映画初主演作。
太陽にあたることのできない難病を抱えた少女と
太陽の下でサーフィンに明け暮れる少年との切ない愛を瑞々しく描く。
共演は「木更津キャッツアイ 日本シリーズ」の塚本高史。
監督はこれが長編デビューの小泉徳宏。

 海辺の街に暮らす16歳の少女、雨音薫。
彼女は太陽の光にあたれないXP(色素性乾皮症)という病気のため、
昼間眠り、夜になると活動する不自由な毎日を送っていた。
そんな彼女の密かな楽しみが、毎朝サーフボードを抱えて
仲間と待ち合わせて海へと向かう少年を部屋の窓から眺めること。
ある夜、いつものように公園で弾き語りライブをしていた薫は、
目の前を通り過ぎる例の少年に気づく。彼は18歳の高校生、藤代孝治。
衝動的に彼を追いかけた薫は、勢い余ってそのまま愛の告白をしてしまう。

 難病ものとか、悲恋ラブストーリーとか、苦手なんですよ。
正直言って、邦画ってそんなのばっかじゃないですか。嫌いなんですよ。
しかも、マンネリで新鮮味がなくて、泣かせよう泣かせようってミエミエで。
…だけどこの映画は評判良いし、塚本高史だし…借りてみましたよ。
まず、映像の作り方が丁寧で好感が持てた。
あの朝焼けとか、なんだか懐かしい。中学生時代よく窓から眺めてた。
アメリカの方でも取り上げられてた『ムーンライトチルドレン』
テレビの特番やブラピの「リック」で知ってはいました。
末期癌や白血病、エイズに続いてドラマチックな病気を探してきたな、と
ひねくれた気持ちで観ていたんですが、YUIの魅力でしょうかね。
純粋に雨音薫という子に好感が持てて、次第に世界にハマッていきました。
高校生役の塚本高史も凄い爽やかで、ちょっと馬鹿で、でも誠実で、
実際にこういう男の子いたら好かれるだろうなって微笑ましかった。

 
夜に二人で原付に乗り街に繰り出して
ギターで弾き語りして観客が集まり、何故かバックバンドまで付き始めるという
現実離れした演出にはYUIの宣伝映画かっ!と突っ込んでしまったが、

「Good-bye days」は本当に名曲だと思った。物語とリンクしてるからだけど。
YUIは沢尻エリカのように美人ではないが、凛とした強さ、心の美しさを感じる。
演技もそこまで上手ではないが、一生懸命さは伝わったし、
何よりも雨音薫という人物像にピタッとはまったんだろうね。
観終わっても余韻と唄が頭から離れず、YUIのアルバム買ってしまった。
初めて聞いた時はイマイチだったけど、なかなかスルメで気に入ってます。
セカンドアルバムには雨音薫が唄った「Good-bye days」と、
孝治の気持ちを唄った「 I remember you」があります。良い曲ですよ。
YUIって歌詞とか曲とかよりも、唄に心を込める感じ。それが魅力なのかな。

 終わりはもう、
あらすじや映画を観始め病気の話を聞いたあたりから
だいたい誰でも予想がつきますよね。分かっていて、それが訪れ、
最後に薫の作ったCDを聞いている彼や友人、両親。
サーフボードを持って海に駆け出すシーンが綺麗で気に入ってます。

何故かエンドロールが始まったあたりから、こう胸に響いてきました。
テーマもシンプルですが、まっすぐ直球で来る良さを感じます。
これは、好きですね。ここまで素直に好感持てる映画も珍しい。
「ランドリー」とかああいう癒し系に近いかもしれない。


電車男 (2005/日) 101分






 インターネットのサイト、2ちゃんねるの掲示板で起こった話を書籍化
オタク青年の純愛物語が大うけし、大ヒットとなり映画化に至った。
主人公の電車男役は山田孝之、憧れの美女エルメス役には中谷美紀。
監督はテレビドラマを中心に活躍する村上正典。

 彼は実家に暮らす22歳のシステムエンジニア。
一目でオタクと分かる典型的なスタイルの彼は今日も秋葉原。
帰りの電車の中で中年オヤジにからまれていた女性を勇気を振り絞り助ける。
美しい彼女にすっかり心奪われた彼。後日彼女からお礼を貰って、
恋愛経験のない彼はどうしていいか分からず混乱する。
彼は途方に暮れた末、インターネットの掲示板に助けを求める。
“電車男”のHNの彼の告白に、掲示板の仲間たちはアドバイスと励ましを送り
その恋の行方を温かく見守り、電車男は少しずつ変わり始めていく…

 私は先にドラマ版の方を拝見して、映画を観た。
率直に言って、ドラマ版の方がバラエティ色が強くて面白かったなぁ。
とりあえず映画版はキャスティングに問題あったと思う。
山田孝之はドラマに出すぎで普通の熱血少年役が多かったので
いざオタク姿になってもしっくりこなかったし。
(その点、ドラマ版の伊藤淳史君はよかった。過剰なノリも何かリアル)
エルメスの為に変身した時のビジュアル面を考えたんだろうけど
いつもの山田孝之に戻りました、って印象しかなかった。
オドオドした演技やラスト近くの熱演は評価高いみたいだけど
私からしたら、ちっとも胸に響かなかった。

 2ちゃんねるの住民たちに変にスポット当てるのもどうかと思った。
あれは仲良し者同士の掲示板交流じゃなくて、匿名の不特定多数の人が
閲覧したり書き込みしたりしてるサイトなわけだから、何か変な感じ。
ドラマ版のようにウおっとする展開もなかったし
二人が感じる障害も普通の恋愛ドラマに在り来たりなネタばかり。
別に出逢いが特殊だっただけでその後は平凡な恋愛映画観てるみたいだった。
恋に落ちたオタクって要素をもうちょっと使って欲しかったね。
実話だった、ってのが強いウリでもあったんだろうけど、
映画化するには少しエピソードが弱い。もっと脚色すべきだったね。
何より納得いかなかったのがあのラスト!!あれ、要るの??

 エルメスが理想的過ぎて、要は男のシンデレラ・ストーリーなんですね。
勇気を出してアタックすることまでは、何とか出来ると思うよ?
(ここが映画のミソだったのかもね。ネットで勇気を貰うっていう)
でも、そこで相手が受け入れてくれるかどうか、これが怖いんだよね。
前々からの付き合いだったら、今までの関係まで壊れちゃうし。
エルメスが電車男に惹かれたのが、最初の出逢いだけじゃなく
一緒に過ごしているうちにこんな所にも、あんな所にも惹かれた、っていう
オタクには実はこんな魅力がある、ってシーンが欲しい。どうせなら。
あれでは、ただの引っ込み思案で恋愛未経験の男、ってだけな気する。


トゥルー・ロマンス (1993/米) 121分


 リドリー・スコット監督の弟、「トップ・ガン」のトニー・スコット監督作品。
脚本にクエンティン・タランティーノ。
クリスチャン・スレーター、パトリシア・アークエット、デニス・ホッパー、
ヴァル・キルマー、ゲイリー・オールドマン、ブラッド・ピット、
クリストファー・ウォーケン、サミュエル・L・ジャクソン、クリス・ペン…
凄まじく豪華な顔ぶれである。
といってもヴァルはぼやけ映像だけだしサミュエルはちょっと出。

 漫画本屋で働くクラレンスは女縁の無い映画オタク。
ある誕生日の夜に映画館で出逢ったコールガールとアラバマと
恋に落ち、翌日に結婚。クラレンスはアラバマの過去を知り
彼女の元ヒモの所へ単身乗り込み死闘の末、着替えを持って帰った
と思ったがバッグの中身には大量の麻薬が…

 最初の会話からタラ節炸裂。「パルプ・フィクション」未公開シーンといい、
タラちゃんは根っからのエルビス派なんだろうな。
千葉ちゃんの映画3本立てなんて誘われたら普通の女性はそりゃキツイわ。
アラバマは可愛かったなぁ…綺麗なブロンドの髪にあの性格あの格好。
ちょっと古いスタイルのカワイ娘ちゃんって雰囲気。
クリスチャンがオタクな感じがよく出ていた。
あんな事云われたんじゃ、そりゃ命懸けても愛し合うわなぁ…
ひょっとしてタランティーノ自身に近いキャラなんじゃなかろうか。

 ゲイリー・オールドマン、この映画観て思ったけど
変な役ばっかり好んで演じてるように見える。
悪役が最高に輝いているね。
 ブラッド・ピットの役割に驚いた。
気だるい兄ちゃんって感じで自然体だったなぁ…笑
直接関わらないけど映画の空気を生暖かく和ますいいキャラだ。

 クリストファー・ウォーケンあの場面しか出てこなかったのは残念だけど
あのシーンだけ緊迫感あってドキドキした。
勿論、名セリフの「So romantic!」でハッとしたよ。
あれで一気に映画の方向性が面白い方へ向いたと思った。
隠すのに協力しないで逆に窮地に追い込ませた我侭女や
どさくさに紛れて窮地を脱した友達も笑える。
しかし、マジで迷惑なカップルだ。
あれから警察と関わらなかった?のも不思議。

 脚本ではラスト主人公が
死ぬことになるらしいけど
監督が変えてしまってちょっとヒト悶着あったとか、なかったとか。
究極の恋愛バイオレンス映画というジャンルなのかな?


プリティ・ヘレン (2004/米) 119分


 監督は「プリティ・ウーマン」「プリティ・プリンセス」のゲイリー・マーシャル。
『10日間で男を上手にフル方法』のケイト・ハドソン主演のロマンス。
共演は『マイ・ビッグ・ファット・ウェディング』のジョン・コーベットと
『スクール・オブ・ロック』のジョーン・キューザック。

 ヘレンは、N.Y.のモデルエージェンシーで働く25歳の敏腕エージェント。
仕事は忙しいものの、自由気ままなシングルライフを満喫していた。
そんなある日、姉夫婦が交通事故で死んでしまい、
姉の遺言で残された3人の子どもたちをヘレンが世話することに。
新居に引越し、子育てと仕事を両立しようとするが、現実は上手くいかず…

 ケイト・ハドソン好きなんでね~宣伝観ただけでホロリときて、
こいつは見ねば!と思ったんだけど、実際観てみたら…不満点ポロポロ。
まず学校のベン牧師が相手役なのは一目瞭然ですね。
顔が大きめで、何だかジョン・トラボルタみたいでした。キュートですけどね。
ヘレンは何故、彼氏がいなかったんだろう。たまたま?
ラブラブの彼が既にいたら、それでも子育てを引き受けただろうか。
子育てのベテランの姉があの遺言読んでそんなにムキになるのも?
あと、3人の子供。末娘のうさぎ結びとかはよく出来てたと思うし、
ペットの亀のくだりもまぁ描けてた。問題なのは長女の素行。
結局ホテルに乗り込んだのは姉だし、その後もこれといって話し合いもないまま
偽証を取り上げた時も判ってもらえなくて、離れ離れになってから
いつの間にか「なんかゴメンなさい」としおらしくなってる。
ヘレンが中古車販売にせいを出すのは見てて楽しかったが、
子供がいなくなったからと再び解雇された会社に行くのもどうかと思った。
第一、解雇の原因となったのも仕事に行く途中なのに化粧品で
顔に落書きさせようとしたあのおばさんがちょっと非常識なだけだし。

…ということで、かなりアレコレ粗があって気になりました。
素材自大は凄くイイと思うんだけどなぁ。残念。自分としては38点。


ホリディ (2006/米) 135分










 アメリカとイギリスに暮らす2人の女性が、恋の痛手から
クリスマス休暇の間だけお互いの家を交換する“ホーム・エクスチェンジ”で、
それぞれに運命の恋と出逢うさまを描いたロマンス。
主演はキャメロン・ディアスとケイト・ウィンスレット。
共演にジュード・ロウとジャック・ブラック、
イーライ・ウォラック、ルーファス・シーウェル、エドワード・バーンズ。
監督は「恋愛適齢期」のナンシー・マイヤーズ。

 ロンドンの新聞社に勤めるアイリス(ケイト)は、未だに忘れられずにいた
元恋人ジャスパー(ルーファス)の婚約発表を目の前で見せられ動揺する。
一方、ロスで映画の予告編製作会社を経営するアマンダ(キャメロン)は、
恋人イーサン(エドワード)の浮気が原因で同棲中の恋人とケンカ別れ。
そんな傷心のアイリスとアマンダは、インターネットを介して出会い、
お互いの家、車、生活環境を“ホーム・エクスチェンジ”することに。
こうして、まったく違う環境で2週間のクリスマス休暇を送ることになった二人。
やがて、アイリスはアマンダの仕事仲間マイルズ(ジャック)と、
一方のアマンダはアイリスの兄グラハム(ジュード)と出逢うことに…

 公開当時も評判良くて、宣伝の感じも良くて観に行きたかった作品。
DVD鑑賞。二組のカップルがそれぞれ違う環境、違う関係で進み、
ちょっと長めな映画だったけども、飽きもこずにほんわか暖まりました。
豪邸立ち並ぶ清々しいロスと、雪の降り積もる田舎町との対比も面白い。
お互い全く違う環境を味わうのって新鮮でいい気分転換だよなぁ~
アマンダは来て早々、
退屈になっちゃってたけど。ワンコが可愛い。

 何が自分的に一番来たかといえば、ロスのアイリス&マイルズパートの
アイリスが親しくなる元映画の脚本家のおじいさんのアーサー(イーライ)。
こういうのに弱いわ~
歳を取って、孤独な隠居生活をしていて、
近所の美人さんと知り合って、歩く練習もして、表舞台に再び登場する。
舞台上がって笑ってるシーンが微笑ましくて涙ぐんじゃいました。
あの後、アイリスがイギリス帰っちゃっても元気でやってるといいな。

ジャック・ブラックのレンタルビデオ店での映画紹介も和んだ。
ああいう人が周りにいたら楽しいよね。仕事も出来るし、普通にモテキャラじゃん。
ダスティン・ホフマンがカメオ出演してるのもハッピー・サプライズ!
マイルズが恋人が浮気してるの見つけて駆け寄るシーン、
それを遠目に観て我が事のように心を痛めるアイリスの表情、
そして彼を慰めつつも自分の心の内をさらけ出してるシーンが良い。
そうして、アイリスを逆に励ましてあげるマイルズも心優しい。
アイリスもね、ジャスパーを完全に振り切るシーンではガッツポーズですよ。
ああいう男にひっかかって振り切れない女性は身につまされるのでは?
最初の婚約発表シーン、上司がわざわざアイリスを引き合いに出してたのは、
職場でも知られてる仲だったことを思えば凄い嫌がらせに見える。
それでいて、皆でワーッと盛り上がってて、アイリスは社内で嫌われてんの?


 アマンダとグラハムの恋は普通に美男美女カップルで出来すぎてて、
展開もなんか王道中の王道の恋愛漫画みたいで見え見えなんですが、
まぁキャメロン・ディアスはパッと見た目だけでも
ヤリマン(失礼だけど)に見え、
グラハムは登場シーンから、
娘二人を親に預けてバーで女性に色目使ってるし
ちょっと最終的には矛盾点?というか在り得ない感覚がありましたが、
紙ナプキンマンとかテントでボーっとしてるとことか、子供が出てくると弱い。
しかも、父親に新しい恋人が必要なのを知っててお膳立てしてる幼い娘が。
アマンダはアレなんだね。恋愛にのめり込んで自分を傷つけないように
サバサバしたキャラを演じようとしてるんだけど、中身は未練タラタラな、
リアルな女性像を表現してたんだね。行きずりの男性を誘うトコとか、
割り切って深入りしないように自分自身に言い聞かせながら喋るシーンで。

最終的に、
お互いの仕事を優先するなら別れるしかないんだけど、
どうするんだ?どうするんだ?と思っていたら、とりあえず4人揃って正月か。

ちょっとはぐらかされた感も否めないし、現実的じゃない展開もあるけど許せる。
タイトル通り、クリスマスシーズンに見れればもっと良かったかもしれない。
“ホーム・エクスチェンジ”なんてお互い相当信頼出来なきゃやれないよね。
いくら失恋の勢いが手伝っても、あんな出逢いもそうそうないない。
旅して新しい恋を見つけるジャンルでもない、面白い試みではありますね。
失恋した人、疲れた人、癒しを求める人、環境変えたい人、オススメです。
私の当初の期待を上回る良い作品でした。87点くらいかな。


MAKOTO (2005/日) 115分




 死者の霊が見える特殊な能力を持つ監察医の主人公が、
この世に強い想いを残して死んだ者の訴えに耳を傾け、死の謎を解き明かし、
残された人々の悲しみを癒していくストーリー。郷田マモラの同名コミックを元に、
「踊る大捜査線」の脚本家・君塚良一の初メガフォンで映画化。
主演は東山紀之、共演に和久井映見。、哀川翔、ベッキー、室井滋、
小堺一機、河合美智子、中島啓江、武田鉄矢、別所哲也、佐野史郎。

 大学の法医学研究所に勤める監察医・白川真言には、
幼い頃からの体質で、この世に強い想いを残す死者の霊が見えた。
自分のところに運ばれてくる死者が無念を訴え、彼の前にだけ姿を現す。
そうした霊たちは、彼らの想いが愛する者に伝わるまで、姿を消すことはなかった。
どんな時でも彼らが見えてしまうことに悲しみと苦しみを覚える真言。
そんな彼を支えてくれていた妻の絵梨が交通事故でこの世を去り、
真言の前に霊として姿を現した…妻は彼に何を伝えようとしているのか…?

 話題も評判もパッとしなかった映画ですね。
期待しないで見たら…やっぱり、そんな感じの映画でした。
売り文句は“泣けるホラー”で、話が何となく『シックス・センス』を匂わせます。
何気に結構良い役者さんたちが揃っているわけですが、
ストーリーの流れがダラダラしてて、テンポが悪いし伝えたいこともチープだった。
妻が残した謎と同時進行で、運ばれてきた遺体の霊の方も面倒見なきゃだし
その他の3つのエピソードが一部、泣けるように分かり易く演出されてて
それがミエミエで逆にドン引きなわけです。選ぶ言葉も上手じゃないしね。
私は「踊る大捜査線」も好きじゃないので監督には期待してません。
丁寧に作ろうと、映像に気を使って美しく見せようという努力は良いです。
しかし「東京タワー」といい、生活感が絵的に現実感が無さ過ぎて笑っちゃうね。
あんな漫画みたいな家や部屋で暮らしているなんて到底思えない。
実際に住んでる人もいるかもしれないが、相当なナルシストだと思っちゃうね。

 収穫は…哀川翔とベッキーの絡み…なんちゃって。
東山の演技は中身スカスカ空っぽ感いっぱいで役に合っている…のか??
こんな所に金八先生が!こんな所にハムの人が!ってな具合です。
遺体を見慣れた解剖医はあんなにも淡白に見えてしまうものなのかな。
主人公にだけ見える、暗がりにボンヤリ見える霊たち。黙ってこちらを見ている。
自称霊能力者の江原がこの映画絶賛してたらしいけど、ああやって見えるのかな?


ミリオンダラー・ホテル (2000/独・米) 122分






 人気バンドU2のボノの原案をヴィム・ヴェンダースが映画化した愛の物語。
ロサンゼルスのダウンタウンにあるミリオンダラー・ホテル。
そこは人生の敗者、社会からはじき出された人々が住みついた場所。
そこで暮らしている知能障害者のトムトムは、親友イジーの死に傷ついていた。
イジーは数日前にホテルの置屋上から謎の飛び降り自殺をしたのだ。
イジーが大企業の御曹司だったことからマスコミが騒ぎ出し、
彼の父親がこのホテルにFBI特別捜査官のスキナーを派遣する。
この事件がきっかけで、トムトムはずっと恋心を抱いていたエロイーズと急接近。
一方、捜査は住人たちの思惑と絡み合い事態は急展開をみせる…

 同監督作品の有名な「ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ」は未見。
賛否両論な不思議な映画と聞いたので、興味が出ました。
トムトム役はジェレミー・デイヴォス。エロイーズ役はミラ・ジョヴォヴィッチ。
スキナー役はメル・ギブソン、他にピーター・ストーメア、アマンダ・プラマー、
そしてティム・ロスがちょこっと出演しているのですよ。
DVDにはメイキング、インタビュー、音声解説、予告編と特典豊富。

 まずこの映画の一番の魅力は映像と雰囲気だと思う。
冒頭とラストのシーンや、ホテルの窓からさす柔らかい太陽の光。
絵や写真のような詩的なショットがいくつかあって、素晴らしい。
しかし、ストーリーの方は少しダラダラしている。それが好きな人は好きだろう。
ミラはコスプレ女優なイメージが強いけれど、こうやって現実的な映画にも
はまることが出来たんだなぁ…掴み辛いキャラクターではあったけど。
メル演じる捜査官は原発の影響で身体に色々支障がある。
世間一般で言う変人たちと接したことのある彼はホテルの住民と同類とも言える。
こういう変人は実際にこういう場所にゴロゴロいそう…と思うけど
何処かこの映画はフワフワしていてリアルな世界でもない気がする。
音楽も一部ボノが担当していて、PVめいた感触も受ける。

 ビートルズの5人目のメンバーとかインディアンとか…
イギーのシーンは急遽撮ることになって、役者が全然決まってない時に
ティム・ロスから電話がかかってきたらしい。「役者が必要だって?」と。
ティムとアマンダが劇中で婚約者設定だったのは、パルプファンはニヤリだね。
ティム好きだからか、私はラストを見てもイギーの自殺動機を勘繰ってた。
死にたくなったから、でいいじゃんと思えばいいんだろうけど、
親友のトムトムを使ってまで(あと、エロイーズの話は挑発する為の嘘とも取れる)
死にたかったのか?しかしトムトムが言うにはイギーの人生糞みたいらしいし。
皆が以前の栄光ある頃の輝きを取り戻してる…ってセリフが何かジンときた。
飄々としているようでも、トムトムはずっと後を追うべきか悩んでいたのかな?
ラストは悲しく見せたくないって監督言うけど、そりゃないですよ。


 日本でホテルは短期宿泊の宿だけど、ここではアパートなんだね。
上空からのロサンゼルスの景色が素晴らしかった。
ああして見るとビルに並ぶ窓ふとつひとつにもスクリーンが、
それぞれ全く違う人たちの人生が映し出されているんだな…なんて。
流れる曲に字幕が付いて、映画の言いたかったことを補助しているようだった。
映像と音楽で雰囲気をかもし出すロマンチックな映画が好きな人はオススメ。
変に構えてストーリーを追ってく観方をするとつまらなくなるので注意。
雰囲気系映画はボーっとリラックスして見るのが一番かな?
何かスケッチに起こしたくなる場面があったので、DVD買って良かったな。


夜の上海 (2007/日・中) 110分






 上海を舞台に言葉の通じない者同士が心を通わせていく
同名の漫画コミックス原作の日中合同製作の旅恋ロマンス。
主演に「双生児」の本木雅弘、「少林サッカー」のヴィッキー・チャオ(趙薇)。
共演に西田尚美、塚本高史、ディラン・クォ、和田聰宏、サム・リー、竹中直人。
監督は「アバウト・ラブ」の(shanghai)のチャン・イーバイ(張一白)。

 仕事のマネージャーでもある妻との関係が希薄になっていた水島(本木)は
カリスマヘアメイクアーティストとして人気を博し、上海に仕事にやってきた。
妻(西田)に気がある河口(塚本)も上海についてきて、気まずくなり
仕事が終わって夜の上海を散歩していた水島は道に迷ってしまう。
そこへ急にタクシーにぶつかり、運転していたリンシー(ヴィッキー)と知り合う。
ヴィッキーは意中の彼が結婚することを知って落ち込み気味。
「どこへ行けばいい?」言葉が通じないのでチグハグする二人だったが…。

 試写会が当たって行ってきました。ちょっと気になってた作品です。
どうやら製作側“旅恋”という新しいジャンルを確立させようとしてるみたいです。
どこの誰か判らない男性を拾って家に連れ帰る女性という構図は
「ローマの休日」の二人の関係の真逆を意識しているらしい。
上海の一夜を描くんですが、その一晩のうちに主人公の二人、
水島の妻と河口、仕事仲間の女性と通訳の男性、仕事仲間の男性とシンガー、
仕事仲間の男性と上海の婦警、という4組のカップルの行方も描写。
もっともたった一晩のことですから、恋愛関係の進展とかそういうものじゃなく
「何かいい感じ」な雰囲気をかもし出すわけです。

 映画が終わったら客席から「モックン老けたね」の声が聞こえましたが、
無理もありません。もう42歳ですから。でも格好いいんだよね~。
少林サッカーの火星人ヴィッキーは化粧ッ気のない
粗野な女性なんだけど可愛らしさは滲み出てる感じ。
で、
化粧っ気のない女性とメイクアップアーティストの男性が接触すれば
どうなるか予想つくけど、想像通り…とはいかずあんまり変身した姿が
そこまで目が覚めるような良さが無かったのがちょっと残念。
上海の夜、タクシーで道路走ったり、お店に入ったり、雨が降ったりと

雰囲気映画なのは分かるけど、たまに切り替わる他の男女ペアが
思ったより「いい感じ」じゃなくて多少退屈を覚えました。
西田尚美って人は棒読みが気になったし、ヘアスタイルが時代遅れな気が…
で、こんな女性に惚れてついてくる河口君の気が知れないし、
バーで飲んでる男性と知り合うシンガーがこれまた微妙。
竹中直人は一本調子で食傷気味。一応ギャグ担当なんだろうけど寒い。
女性と通訳の男性のコンビは描写が少なすぎた。
あと、
リンシーが片思いしてるドンドンはリンシーの気持ちに気づいてなきゃ
頭のネジが外れてるとしか思えなくて、そう思うとリンシーが惨め過ぎるわ。
良かった所は口紅で愛を描きなぐるシーン(口紅の色ちょっと変えて欲しかった)
と、二人で料理を食べに行くシーンあたりかな。
警察署から勝手に舞い戻ってきてリンシーに甘える水島も良かったけど。


 撮影中はホントに中国側のスタッフと意志疎通が難しくて
本木雅弘は結構気を使ったらしい。ヴィッキーとの車内でのやりとりも
ほとんどアドリブで二人とも撮影が探りあいだったとか。
こういう異国での淡いロマンスは個人的には凄く好きだけど、
総合的には惜しい残念な作品ですね。40点てとこでしょうか。
恋愛群像劇としても、もう少し魅力的なキャラ作りと絡みが欲しい。
あくまでも一晩のことなので、そこまで関係が進展しなくても
心を通じ合わせる素敵な場面は描けるはず。


猟奇的な彼女 (2001/韓) 122分


 韓国で大ヒットした話題のキュートなラブロマンス映画。
インターネットの掲示板に投稿された奇妙な体験談が反響を呼び、
それを元に単行本化されたベストセラーが原作。
まさに日本では「電車男」みたいなポジションのものでしょうか。
相手役女優にチョン・ビジョン、主人公はチャ・テヒョン

 地下鉄で出会った泥酔した美女を介抱する羽目になった主人公。
ホテルに連れ込んだのがもとで誤解を受け、留置所で一晩過ごすことに。
翌日記憶の無い彼女は彼の家へやってきて…
これがキッカケでだらしない男と気の強い女のハチャメチャお付き合いが始まる。

 題名からして、笑えてウットリする恋愛映画だと思ってた。
コメディ要素満載で最後にはボロボロ泣けるって評判だったし
いや、実際に観てそうとらえた人もいると思う。
だけど、私には全然ヒットしなかった…むしろ恥ずかしいとさえ感じた。
出会いのシーンがゲロ描写で台無しだと思うし
自分が男でもあんな子、いくら可愛くても限度があるわ。
何が恥ずかしいって演出がベタ!ありがち、しかもダサい印象を受けた。

 いつまで続くんだ、と映画鑑賞にあるまじき事を思った。
題名が思い切っているんだし
もうちょっと大胆な内容にしてほしかったな。
ありがちな恋愛ストーリーをくっつけたような感じで。もっと極端でもいいかと。

 日本人でやったら絶対うけなさそう。
彼女の恋愛事情やら。昼ドラみたいな内容だな考えれば。
きっとこれはお堅い韓国だからこその人気かもしれんな~。
遊園地でのシーンやら、お見合いのシーン、
薔薇の花のシーン、すれ違いのシーン…
別にジーンとこなかったんだけど…
多分、感動できるシーンだったはずなんだが…??

 彼女の映画脚本も中途半端に本気な感じが冷めざめ…
あれ、韓国版マトリックスですか?笑うとこ?

 それに主人公の男にも感情移入できんし…
なんか、借りてガッカリかな。
どうも、もっと凄い感動を求めていたようだ。
家族で観ても大笑いできるようなハチャメチャを期待してただけに…(;´Д`)
やたらと要らないようなシーンが多かったし…
時間を忘れて見入る魅力が足りない。
韓国映画はあまり観ないんだけど、やっぱ自分には合ってないな。


ル・ディヴォース/パリに恋して (2003/米・仏) 118分




 主演にナオミ・ワッツとケイト・ハドソンを迎えて贈るロマンス・コメディ。
フランス人の男と結婚した姉を訪ねて妹がフランスにやって来た。
ところが夫は離婚を切り出し、財産分与や子供の権利でおおもめ。
妹は姉を心配しつつも、フランス人の叔父との不倫を楽しむ。
アメリカ人とフランス人の感覚や文化の違いを織り交ぜた作品。

 偶然、ここにもケイト・ハドソンが…彼女は可愛い!
ナオミ・ワッツも美しい…だけど、それだけの映画です。これは。
ジャケットがいかにもラブコメだったから期待しちゃったんだけど、
別に笑えるシーンは特になし。ロマンスといっても、フランス舞台で
景色や料理や小物やファッションが洒落てるだけで、キュンとは来ない。
主役の姉妹には全然感情移入できず、フランス人夫にはむかつき、
フランスの一家も全体的に何か苛つき…登場人物皆理解不能。
どうしたらいいのやら…グレン・クローズ演じる女性の存在が意味深だけど。
あの赤いエルメスのバッグは確かにチョット羨ましい…
でもあの重量はいくらなんでも無茶や…意味ないし。
あれから何か伏線があったらアッパレだったのに。

 シンプルなテーマなら1時間半が鉄則なのに、ちょっと長すぎだし。
後半に出てきたフランス料理の数々だけ、何か食欲出ちゃった。
それと、ケイト・ハドソンのフランス娘なファッションが可愛い!
最初
は姉の復讐で愛人になったのか?と裏があると踏んでたけど
別に何もなかったんだな…いいパトロンでもあったわけだし。
愛人の始まりにケリーバッグを贈り、別れにスカーフかよ…
あのオッサンはこれからも若い娘に贈って楽しむんだろーな~
言い方は大人っぽいが、要は売春と似たり寄ったりだと思ってしまった。
お互いに勉強になった…ってオッサン、これからもやるんでしょうが。
ラストで殺人で無理矢理ストーリーを締めるのもズルいというか何というか。

どういう心持で見ればいいのか戸惑う作品だった。
フランス語でスカーフを表す言語だけでも色々ある、ってことと
フランス料理6人フルコースで、900ドル行っちゃうのが頭に残った。
そしてやっぱりチップは沢山置いていかなきゃいけないのだなと。


ロング・エンゲージメント (2004/仏) 134分




 「アメリ」の鬼才ジャン=ピエール・ジュネ監督が、
再びオドレイ・トトゥを主演に迎え、セバスチャン・ジャプリゾの
全仏ベストセラー小説『長い日曜日』を映画化したミステリー・ラブ・ロマンス。
共演に「かげろう」で強い印象を残したギャスパー・ウリエル。
ちょい役でジョディ・フォスターも出演し、流暢なフランス語を披露している。

 第一次大戦下のフランス、ブルターニュ地方。
幼い頃の病気の後遺症で脚が不自由なマチルド。
戦場に旅立った恋人マネクの帰りを待ちわびていた彼女のもとに、
ある日、マネク戦死の悲報がもたらされる。
彼を含めた5人の兵士が軍法会議で死刑を宣告され、
武器も持たずにドイツ軍との中間地帯に置き去りにされたという。
だが、彼の最期を見届けた者はなく、不思議な愛の直感を信じるマチルドは、
マネクがまだどこかで生きていると確信して疑わず、
私立探偵を雇い独自の調査を始め、マネクの消息を尋ねて回るのだった…。

 好きな人は大好き、他は微妙な感想しか浮かばず、とことん入れない。
私はダメでした。全編ナレーションされっぱなしのせいか、遠めに見すぎ、
冒頭のシーンでの5人の兵の紹介で頭が混乱した。
もっときちんとした状態で鑑賞すれば頭が働いたんだけど…
それに最終的には
5人は多すぎない?3人にすりゃいいのにと思ってしまった。
ミステリーの要素もあるので、いろいろトリックがあるんだけど
どーでもいいわ、生きてるんでしょ、で物語に集中できなかった。
…これって映画鑑賞としては凄く間違ってるんだけど。
でもこの映画は見ているうちにそう思わせてしまう何かがあった。
セピア調な画面は綺麗で、壮大さもあり、2人の馴れ初めも微笑ましいし、
戦争シーンはかなり力入ってる方なんだけど謎解きにはのれなかった。
しかし故意に怪我して戦線離脱しようとした罪で
あんな所に放置するって凄くおかしいと思った。そういうものなのかな。
御伽話調と現実味が上手くリンクしなくて感情移入できなかったのかも。
オドレイさんもアメリが大人になったようで、そのまんま。
綺麗な背中を見るためだけと思えば儲けものか。ウリエル君との年齢差、6才。
マチルドとマネク、二人とも天然不思議系カップルだったな。
正直、万人にはお勧めできない作品だなと思いました。
いつかもう一度きちんと見直してみたいと思う。評価変わるかも。




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