管理人NEROが映画について語ります。

Caramel Cinema


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パーフェクト・ワールド (1993/米) 138分


 1963年のテキサス。相棒と一緒に刑務所を脱走したブッチは
ある民家に押し入り、そこの8歳になる男の子を人質に車で逃亡することに。
ブッチと何やら因縁のある刑事のレッドたちが彼らを追跡するなか、
相棒を始末したブッチとフィリップは奇妙な絆を育んでいくのだった…。
クリントン・イーストウッド監督・出演、ケビン・コスナー主演が話題を呼んだ映画。

 「この映画に出てくるケビン・コスナーのタバコの吸い方がメチャ格好良い。」
Daiが言ってたのと同じ言葉を偶然にもネプチューンの原田泰造が言ってました。
何かイーストウッドの映画って受け付けないなぁと思っていた矢先、拝見。
予想外にテンポが良く、飽きさせない展開の連続で、ほのぼのしてたり、
ジーンときたり、ハラハラしたり、ドキドキしたり…ぶっちゃけ良い映画でした。
ケビン・コスナーって有名だけど、私が今まで見た映画の中では縁なかった。
タバコを吸うのが格好良い、っていうか、ブッチってキャラクターそのものが
何ていうか、一匹狼っぽくもあり、子供好きだったり、ときどき良い奴だったり、
読めない人なんだけどただのワルじゃない、かもし出す雰囲気そのものが魅力?

 逃避行ロードムービーとして、充実感溢れた鑑賞時間となりました。
ハロウィンのくだりやキャスパーのコスプレ、二人の心の交流や
親子の価値観っていうか、いろいろと考えさせられる内容だった。
ブッチは父親を憎みながらも、それでも逢いたかった。
旅の理由を聞いた時、ラストのあのシーンに来るまで“行かせてあげて!”って
単純に願ってしまったけれど、美しい夢は夢のまま終わった方が幸せかもね。
あの一枚の絵葉書にブッチは色々と理想の父親像を膨らませてきたことだろう。
何であの家族を始末しなきゃならない?とは思った。
そして、撃ったフィリップは正しかったと思うしブッチも目が覚めたと思う。
最終的にはああなるって判っていたけど、悲しかったな…
あの刑事も、独断と偏見でブッチの人生を大きく変えてしまったわけだし
どうして守ってやれなかったのかと悔やんでも悔やみきれないと思う。
どこかのサイトでブッチの父親はあの刑事じゃ?って言ってる人いたけど
いくらなんでもそりゃ強引過ぎやしないかな?違うでしょ?


 車をタイムマシンにたとえてるシーンとか好きですね。
親は子供にこう接するべき、子供にとってこういう存在であるべき、
みたいな教訓も作品のメッセージになってて、深いものがある。
ブッチみたいに、不器用だけど本当は優しいってキャラにはとことん弱いです。
題名のパーフェクト・ワールドとは何を指す言葉なんだろう?
目指してた場所?二人の間に出来たもの?この旅?有り得ないもののこと?
暖かそうな景色や自然がいっぱいの風景の撮り方とか素晴らしかったです。


バイオハザード (2001/独・英・米) 101分






 人気ゲームソフト『バイオハザード』を映画化。
「フィフス・エレメント」「ジャンヌ・ダルク」のミラ・ジョヴォヴィッチ主演。
研究中の兵器ウィルスが蔓延しゾンビ化した人間が跋扈する
巨大研究所内を舞台に、壮絶なサバイバル戦を描く。
監督は「モータル・コンバット」のポール・W・S・アンダーソン。
ミニのワンピースに身を包みアクロバティックなアクションを披露する
ミラがとにかくセクシー&キュート。

 近未来。巨大企業アンブレラ・コーポレーションでは“ハイブ”と呼ばれる
地下の巨大研究施設で秘密裏にバイオ兵器の研究を進めていた。
しかし、研究中のウィルスが何者かによって施設内に散布されてしまう。
ハイブを管理しているコンピュータは施設外への伝染を防ぐため
ハイブを完全閉鎖し外部との接触を遮断してしまう。
内部調査のためハイブに送り込まれた特殊部隊は、
ハイブの出入り口付近で倒れていたアリスを発見するが、
彼女はシステム作動により記憶を失っていた。
アリスを知る一同は彼女を帯同しハイブへ侵入するのだったが、
そこには予想を超える光景が広がっていた…

 ゲームの『バイオハザード2』はプレイしたことあって、レオンで1回クリアした。
映画館に観に行ったんだけど…めちゃんこ恐かった!!!!!!!!
何であんなに恐かったんだろう…もう、退場したかった。心臓バクバク
これが映画館で観るホラーの凄さだね。ここまで凄いの久しぶりだった。
単に私がホラー慣れしてないからだからかもしれないけど。
SFアクションだと思ってたけど、立派なゾンビホラー映画じゃないか
隊員たちが次々と犠牲になっていく中、それでも諦めないアリス
その根性に何故だか惚れ惚れ尊敬してしまった。
あんな状況に置かれて戦い続けるなんて自分は無理!って。

 アリスの記憶が徐々に戻り始め、とんだ伏兵が現れる。
無機質な研究所内の不気味な空気が緊張感をかもし出してた。
ゾンビ登場前の方が気持ち悪くて良いかも。
しっかし…食べ残しはヤメロ!!ちゃんと全部食べなさい
レインの啖呵やカプランの奮闘ぶりが壮絶だった。
マットは何でいつもすっとぼけた顔してんのか…変。
アリス格好良い…「別れは辛いわ」でグッと来たね。
ミラ・ジョヴォヴィッチはやっぱ裸は欠かせない。

 ゲームを彷彿させる洋館、起き上がるゾンビや列車での脱出が良い。
マザーコンピューターの毒づきようも面白い。
マットが荒らされたオフィスで資料探したりするのもゲームっぽい。
ゲームと違って感染したら大変!ってのがハラハラした。
ゲームでは低ボス扱いのリッカーが…あんな化け物どうやって倒せってんだ
これの終わり方が最高に気に入った。あのショット…たまんない。
DVDになってからも何度か見直したけど、結構飽きないもんだね。
展開がスピード感あって舞台が閉鎖された空間で、集中できる。
ゲームファンの人からは結構酷評を受けてるようだけど私は好き。
日本のゲームが映画化してここまで成功できたのは素直に喜ばしいことだ。


バイオハザード II アポカリプス (2004/加・英) 93分






 人気ゲームソフトをミラ・ジョヴォヴィッチ主演で映画化し大ヒットした
SFアクション「バイオハザード」の続編。
地獄と化した巨大地下研究所からなんとか生き延びたヒロイン、アリスを、
今度はウィルスに冒されたラクーンシティの消滅という危機が待ち受ける。
監督は本作が初メガフォンとなる新鋭アレクサンダー・ウィット。
ゲームの登場人物であるジル・バレンタインとカルロス、ニコライも登場。
ジル役のシエンナ・ギロリーのそっくりぶりも話題に。

 巨大企業アンブレラ社の地下研究所“ハイブ”での死闘から36時間後、
何者かに捕えられ病院で目を覚ましたアリス。
本能的に逃げ出した彼女は、例の細菌兵器“T-ウィルス”が
ラクーンシティ中に蔓延していることを知る。
アリスは特殊部隊の女性隊員ジルと、わずかに生き残った住民と
脱出を試みるが、街は生ける屍と化した凶暴なアンデッドたちで埋め尽くされ、
事態の隠蔽を目論むアンブレラ社が送り込んだ最強のバイオ・モンスター、
ネメシスまでもが彼らの行く手を阻む。
さらに、アンブレラ社は核兵器による街全体の消滅をも実行に移そうとしていた…

 1も観に行ったんだから…ってことで2も観に行ったんだけど…
何ていうか、全体的に暗くて何やってるのか判りづらい。
設定が夜になって、暗いから恐怖を煽るか、というとそうでもない。
徐々にウィルスが広がって感染者が増えていく過程をもっと描いて欲しかった。
バリケードを設置し、ウィルスチェックをして住民を避難させていたアンブレラも
早々に切り上げて住民を取り残す…
こんな大事件を隠蔽できるだなんて、どんな組織だよ。

 ゲームの3をやってないからネメシスがどんなもんか知らなかったけど
アリスが超人化してしまった今、鉢合わせてもハラハラしない。
アリス、いくらなんでも強すぎだ。並みのゾンビは素手で充分だなんて…
身体能力も飛躍的に上がり、無敵になっちゃった。
ジルも、初登場からそんなに出番が…そして結構酷い性格してるね。
カルロスはゲームの顔では二枚目だったが…ワイルド化。
オデッド・フェールは「ハムナプトラ」のアーデスさんか。
面白黒人君が出てきて、ちょっと場が和んだ。
ニコライのアッサリ具合は唖然だよねー何だよアレ
科学者の娘、アンジーは1で出てきたホログラフのモデルってことだよね?
あのウィルスが薬として作用してるなんてね。

 キャラの割に良い人相してるケイン少佐。
「戦場のピアニスト」のあの方だったのか…
まさに悪は因果応報ってことね。スッキリしたよ。
ゾンビ同士はちゃんと仲間を認識して襲わないのか…食欲しかないはずなのに
意味深なラストは、アリスが操られると解釈していいのかな。
1と比べると、やっぱり2は面白みに欠ける。
3は、もっとしっかり描いて欲しいものだ。
今回でホラーよりアクション色が強くなったね。


バイオハザードⅢ エクスティンクション (2007/米) 94分


















 人気ゲームソフトをミラ・ジョヴォヴィッチ主演で映画化し大ヒットした
SFアクション「バイオハザードⅡアポカリプス」の続編。シリーズ第三弾。
前回、アンブレラの研究室から脱出したアリスは、仲間たちと離れ、
単独で荒廃した砂漠の世界で生存者を捜し、旅を続けていた。
あれから5年、ラクーンシティを核爆弾で一掃し、ウィルス災害は防げたと思えたが、
人類は少しづつ汚染され、生きた人間たちは次々とゾンビの餌食となり、
生き残った僅かな人類は行く宛なくさ彷徨い、人間世界は破滅の道を辿っていた。
そんな中、ウィルスを作った超本人であるアンブレラ社は各主要都市の地下、
巨大な研究所を構え、地上のゾンビを無視し、アリス計画を進めていた…

 主演はミラ・ジョボヴィッチ、
前作に続きカルロス役のオデッド・フェール、CJ役のマイク・エップス、
アンブレラのアイザック博士役にイアン・グレン(「スパイ・ゾルゲ」の人だったのね)
前作にいたジルとアンジェラは一切登場しない。小説版で補完されている。
ゲームキャラのクレア・レッドフィールド役でアリ・ラーターが出演。
他、歌手のアシャンティが生き残り人間チームのベティ役で出演している。
今作の監督はオーストラリア人のラッセル・マルケイ。
製作・脚本は1の監督:ポール・W・S・アンダーソン。
07年、ミラは彼の子供を妊娠、女の子を出産している。

 映画館で鑑賞。2の暴走具合から観て、内容はだいたい予想の範囲内。
決して良い出来じゃないですが、映画観終わって突っ込み所を指摘しあって
あーだこーだアレダメだ、コレダメだ、言い合う楽しさはありました。
1や2の成り立てホヤホヤの青白ゾンビでなく、砂漠の世界で
5年間も日光にさらされた日焼けゾンビですので、年季入ってます。
しかしまぁ、感染者は何も食べなくても(ていうか食べても意味ないのは判るが)
10数年は活動可能って…どんだけ凄いんだよそのウィルスは!!
カラカラの砂漠、陽の下を歩くゾンビには全然恐怖を感じませんが、
一軒屋の部屋をチェックしてくシーンはちょっとドキドキしました。
クレアは登場するけど、名前がクレア、そんだけって感じ。
2のジルみたいにゲームのキャラの格好させましょうよ、せめて。
シリーズ総合、一番人気ありそうな主役級キャラのレオンは
いつ登場するのでしょう?そしてどんな俳優が演じるのでしょう。気になるな。

 よくよく考えたらこれ、バイオハザードっていうよりも
「パラサイト・イヴ」寄りなのかもしれない。
アリスのモデルがアヤ・ブレアだっていうなら、大納得。そりゃ超能力も使うわ。
冒頭のレーザーシーンで、1のサイコロ隊長もああすれば…と涙するw
そして大量廃棄されたアリスの山…ドレスやブーツ大量に買い占めてあるのか?
そう思ったらアイザック博士の異常なこだわりに閉口しちゃうね。
最初にアリスが訪れた廃墟にいた野党ども。アリスvsゾンビ犬の場面、
野党が自分たちが用意したゾンビ犬にやられるシーンは画面ブレ過ぎ
アップ多用し過ぎで観辛かったのが残念。
あと、アリスが夜に無意識にバイクや岩を浮かせるシーンでは
「スターウォーズかよ!それってフォースですか?」と思わずにいられない。
戦いにかけては無敵のアリスも、バイク壊れて仲間たちが近くにいなかったら
普通の人間と同じように砂漠でのたれ死んでいたのだろうか?
それともアリスも感染者だから、飲まず喰わずでも10数年生きれる?
感染者だから、生身のアンブレラ幹部と対峙した際に究極の嫌がらせとして
奴等に噛み付いて感染させれば面白い復讐が出来るよな~なんて思ったり。
2で誰が感染してるか分かるアリスが、カルロスたちと合流した時、
CJと一切接触しなかったシーンは見ててイライラしましたね。
そのCJは、自分に好意を抱いてくれてるアシャンティもといべティが
自らの身を犠牲にカラスの群れを引き受けるシーンでも、
「俺はもうやられちまってるんだ!君は行け!生き抜け!」と交代し
格好良い死に様を見せないのもイライラ。こういう演出たまんない。

あとあの一行、ガソリンを気にしていたが車内のハイテク装置を動かしている
電気はドコから供給しているのだろう?バッテリー?あまり持ちなさそうだが。

 普通のゾンビじゃ相手にならないと、超ゾンビが出てきます。
コピーアリスが勝てない、普通のゾンビよりも凶暴な作業服の奴らです。
ゾンビ教育大作戦をしたアンブレラですが、何であんな簡単に外れる拘束具を?
普通のゾンビよりも強力なのは分かるが、あれは情けなさ過ぎ。
せめて、抗体が効かなくて、暴れ出した超ゾンビだったが、拘束具で身動き取れず、
「うーむ失敗だったか」と静観してる所で、徐々に超パワーを発揮し拘束具を破壊!
「バ、バカな!」で研究員がやられ、博士は一人で急いで脱出の方が自然では。
人間社会が崩壊し、生身の人間が貴重なはずなのに冷徹に徹する博士。
ですが彼は、本部の命令を無視するのにウェスカーの音声を合成し、
自分自身にも言い聞かせてるような小心者なんですな。笑っちゃったあのシーン。
あと、あのコンテナに超ゾンビどんだけ詰まってたんだよ。多すぎじゃない?
マイキー喰われて、クレアが超ゾンビに発砲するのだが、身体ばかり命中。
あの至近距離で、情けない!と思った。5年間も戦い続けてきたリーダーなのに
仲間の死に、そんなに動揺してるようじゃな…と。素早く撃ち殺して欲しかった。
生き残り組のウエスタン(ハットのおっさんの死に様が良かったね。
衛星使ってアリス停止とか、お前サイボーグかよ!と突っ込まずにはいられない。
あと、あんな間近でテント張って遠隔操作してる博士もおバカですね。
カルロスの特攻は、ライターなかったらどうしよう?とハラハラしました。
ヘリでアラスカまで行けるわけないから、クレア一行の行方も気になる。
そのままアリスは単独地下基地に殴り込み。簡単に行けちゃう。
無敵アリスが独り乗り込むから、何もハラハラドキドキしない。
重要なキャラが同行し、タイラントに重症を負わされ、アリスがタイラント撃退、
再びタイラントが復活してくる前に治療薬を…なゲーム的展開とかでもいいな。
1のレッドクイーンとは打って変わって親切で友好的な妹ちゃん。
しかし、今更血清を作ってもゾンビ化した人間たちはどうなる?理性が戻るのか?
でもあんなボロボロの顔、身体じゃ自殺したくなっちゃうよねと要らぬ心配をする。
気が遠くなるほどアリスクローン実験を繰り返してきたくせに、読めないタイラント。
細切れタイラントがそれでも復活し、さらに変異してくれると期待したのに。
クローンアリスがポチッと装置を止めたけど、1のカプランの立場が無いわ…
そして100人スミスならぬ100人アリスが、次回は日本、東京地下に殴り込み?

そこまでバカ正直にやってしまったら、4は確実にコメディになりますな。

 見所はメキシコのククリというナイフを使ったミラの二刀流アクション。
もうね、SFホラーでも何でもなくヒーローアクションでいいんじゃかろうか。
日本描写が誤解あり過ぎて凄いです。中国繁華街の路地裏?っぽい芝浦~w
あんなイメージなの?あんな国知りませんよ。
看板文字は夜空雪風とか考楽火月星とかメチャクチャ適当だし、
Tokyo Metro…あーハイハイ、Zatoich Square…(゚Д゚≡゚Д゚)エッナニナニ?
日本舞台にするつもりなら、きちんと調べてこいやぁ!俳優は勿論日本人起用だ!
製作サイドは何も考えずに風呂敷広げ過ぎましたね。
1(地下ハイブ)2(街)3(世界)とスケールはでかくなってったんですが、
それに伴い、リアルさ、作りこみが雑になってくばかり。爆笑ムードだったもん。
もうアリスは放っておいて、ジルやクレア、クリスやレオンといった
普通の人間が危険を切り抜けていく様を観たいと思いますよね。
にしてもアンブレラって会社はおっちょこちょいというか、お馬鹿さんばっかりw
トンデモ展開をやらかしてくれたことを考慮して、オマケ45点かな。


ハイド・アンド・シーク/暗闇のかくれんぼ (2005/米) 102分






 優しい両親と可愛い一人娘。
幸せそのものだったかに見えた家族の間で、突然の悲劇が訪れた。
娘を愛撫し、寝かしつけたその晩、妻のアリソンが浴槽で自殺した…
そのショッキングな場面を目撃してしまった娘のエミリーは心を閉ざし、
娘の為にもと、心理学者でもあった父のデビットは郊外に家を借り、
父と娘の二人で、新しい暮らしを始めることに。
それでもなかなか心を開かないエミリーは、空想の友達と遊ぶようになる。
デビットは、トラウマを抱えた子供によくあることと、最初は気にとめなかったが…

 監督は「サイアム・サンセット」「プール」のジョン・ポルソン。
出演は名優ロバート・デ・ニーロと天才子役ダコタ・ファニング。
他にX-MENシリーズのジーン役で知られるファムケ・ヤンセン、
BTTFの2,3作目のヒロインを務めたエリザベス・シューなど…

 映画館で拝見。ちょっと失敗だったかも。
名優と天才子役共演のホラー・サスペンスもの、ってわけですが
山道を走る車の映し方からして、「シャイニングっぽいな…」と思ってたら
まさしく、内容も似てた。デニーロいまいち。
そして湖の近くの静かな家…「シークレット・ウィンドウっぽいな…」
まさしく、その通り。混ぜてみたから、パクリじゃないよ、って言い訳されてる感じ。
この手の締め方は当分はタブーですね。簡単に予想ついちゃうし。
最初のクレジットで、文字が変化するシーン、友達は気づいたけど
私は何が何やら、わかんなかったわ。言葉になってるとか。

 ダコタ、可愛い可愛い言われすぎ。可愛いけどさ…(笑)
ロングでブスッとしてる所が家なき子の安達祐実みたいだった。
目の隈が酷いですね。あれ、わざとなのかなぁ?
話が全体的に恐がらせよう、恐がらせよう、って演出がミエミエで辛い。
そして、ほとんどがハッタリに終わるという。
暗闇のかくれんぼ、ってだけに急に真っ暗になるシーン多かった。
恐くなかったし、驚きもないし、感動もない。
宣伝文句になってる要素は全部、惨敗に終わった。
変な副題付けると、妙にB級臭くなるのは何故だろう。

 終盤、てっきり例の時間が来たら戻ると期待してた。
戻ってきた方が先が楽しめるんじゃないかな?
真相を自分で知るくだりは面白くなってくるかと思ったけど
取る行動が月並み過ぎた。
そして普通に殺して終わりだもんな。生かして捕まえて欲しかった。
ラストの意味は、娘も二重人格…ってことで良いのかな?
それとも、事のすべての黒幕は実は娘…って捉え方?

この内容でも全米は驚愕してくれるんだから、どんどん映画が作られるわけだ。
スポンサーもよく金出したね。俳優命の映画だと思えばいいのか。
とりあえず、また観たいとは思えない。
あ、でもエンディングの曲はもの哀しくて好きだったな。


パイレーツ・オブ・カリビアン/呪われた海賊たち (2003/米) 143分






 ディズニーランドの人気アトラクション“カリブの海賊”を
「パール・ハーバー」のジェリー・ブラッカイマー製作、
「ザ・リング」のゴア・ヴァービンスキー監督で映画化したアドベンチャー。
主演はジョニー・デップとオーランド・ブルーム。
共演にジェフリー・ラッシュとキーラ・ナイトレイなど。

 17世紀、海賊たちが大海原を荒らしまわっていた時代。
カリブ海の港町ポートロイヤルの総督の娘であるエリザベスは、
少女時代に偶然海上で助けた少年ウィルが身につけていた
黄金のメダルを誰にも内緒で保管していた。
ウィルに想いを寄せるものの、身分の違いもあり、縁談も進んでいる。
そんなある日、突然ブラックパール号に乗ったキャプテン・バルボッサ率いる
冷酷な海賊たちが町に現われ、エリザベスがさらわれてしまう。
海賊の目的は、彼女がその時身につけていた例のメダルだった。
一方、鍛冶屋で働く逞しい若者へと成長したウィルは、
幽閉されていた元ブラックパール号船長で一匹狼の変人
海賊ジャック・スパロウと手を組み、エリザベスの救出に海へ繰り出す。

 劇場公開した時は特に興味なくて、DVD化して間もない頃、
友人に借りて見て、「なるほど、こりゃ面白い」とディズニー映画を見直した。
完全に子供向けってわけでもなく、ちょこちょこと残酷さが見えるのも良い。
かれこれ何度か見ていて、3部作が決定したのも無理ないかなーと思う。
それぞれキャラの魅力が確立されてて、彼らのその後を見たいと思わせる。
ジョニー・デップは今までは有名な大作映画は敬遠して出演していなかったが
この映画に出たことをキッカケに一般的にもジョニデ様ブームが到来。
オーランド・ブルームも、指輪物語に留まらず出世していく勢いを作る。
冒険活劇というジャンルだけでもかなり私のドツボなんですよ。
その時代らしさ、服装、ユーモア、そして何より、カリブ海の綺麗なこと。
ジャックの変な動きや喋り、ジョニデも楽しそうに演じている。
呪われた海賊たちも、人間的で何か心底憎めないんだよな。
バルボッサとリンゴのくだりとか、なるほど…って思えたし。

 今回は2を見てから1を見直したら、忘れてたけどここリンクしてたんだ!と
思える箇所も何個か見つかった。二度、そして三度おいしい作りなんだろな。
ノリントンと若い二人は結構歳が離れてるんだよなぁ…。
女船員さんは2では何処へ?船返してもらってオサラバ?
ビル・ターナーの消息を話してるシーンで字幕にはなかったけど
英語では確かに“ディビィ・ジョーンズ”って単語が…
単純に見て楽しむ系な映画だから、真面目に語るのも何だか似つかわしくない。
まぁぶっちゃけ深いテーマとか無いし、心に突き刺さる衝撃もないが
子供心に帰ってワクワクするんだよね。冒険…憧れたなぁ。
小さい頃は、現実に有り得そうもないことを、有り得ると心底信じれるのだ。
あの見せ場にかかるテーマソングがいかしてるね。血肉沸き踊る雰囲気出てる。
娯楽作品としてなら、最高に楽しい傑作だと思っとります。
本家のディズニーのアトラクションは全然知らないんだよな。
今度、機会があれば乗ってみたいと思った。


パイレーツ・オブ・カリビアン/デッドマンズ・チェスト (2006/米) 151分






  03年に公開され世界的に大ヒットしたアクション・アドベンチャーの続編。
前作に続いてジョニー・デップ、オーランド・ブルーム、キーラ・ナイトレイが再共演。
監督も引き続きゴア・ヴァービンスキー。あらら、ビル・ナイも出演。

 呪われた海賊たちとの死闘も終え、晴れてブラックパール号の船長に
返り咲いたジャック・スパロウ。しかし、彼の過去のツケが原因で事件が勃発。
海賊すらも恐れる幽霊船の船長ディビィ・ジョーンズとの“血の契約”の
期限が迫り、ジャックは焦りながら謎の鍵を捜すことになる。
一方、結婚式を控えたウィルとエリザベスは、海賊ジャックを逃がした罪で逮捕。
放免の為に、ウィルは再びジャック船長を捜しに行くハメに…

 前作あっての今作。前作見ないで見るべき映画じゃないね。
かなり前作からのキャラも出てくるし、ストーリーも繋がっている。(当たり前か)
なるほど、ジョニデがインタビューでもチラッともらしていたそうだが、
確かに諸所、スター・ウォーズを思わせる展開や設定、場面が多い。
SWファンな私は終始、ニヤニヤしながら鑑賞してしまった。
3部作だったの?聞いてないよー、2でもキッチリ終わらせろ!って意見あるけど、
このメチャクチャ先が気になる展開、いいじゃないいいじゃない!!
1よりもコメディ色が強くなってるけど、シビアな所はシビアで、
何だかんだ言っても1よりハラハラドキドキしたかもしれない。
海賊ファンタジーものにはやっぱり出てくる巨大なクラーケンにシビれたね。

 ディビィ・ジョーンズの気になる過去も興味深々です。
冷酷に見えて、ジャックがウィルの身の上話した時に目が潤んだのを見逃すな!
あからさま過ぎて。何だよ、アンタ結構情深そうじゃない!って思ったね。
1ではてっきり死んだと解釈してたビル・ターナーと親子再会もジーン。
そりゃそうだよな…息子にコイン贈ったけど、海賊と一緒に呪われたはずだもんな。
ウィルがコイン戻した瞬間に、親父の呪いも一緒に解けてるんだろか??
変な原住民のくだりは本筋とはあまり関係ないながらも、面白かったな。
ジャックの果物串刺しすったもんだシーンでは会場でも笑いが起こってた。
ウィルが罠にひっかかったり、捕まって吊るされてたり、ここでもSW風。
ウィルはお人好しで、剣の腕は達つが…一応ルーク・ポジションなのかな。
お父さんのほっぺに付いてるヒトデがきもいーーーーーーーっつ

今回は全体的に凄いジメジメ、湿気っぽいシーンが多かったので
宝がある島がこれまた格別に美しいんだな。どんなロケーションよ。
今回、エリザベスは嫌な女だったな。ちょっと軽蔑したぞ。
後から他のレビューで、ジャックに抱いた恋心を否定したいが為にの行動とあって
なるほど、そう解釈すれば、納得…出来ないでもない。でも酷いけどね。
ラストに登場したバルボッサに「…誰?」って思った人!予習不足!!
にしても、彼まで普通に登場したら、そもそもあの世界の死って何?ってなるね。
恐らく、3でもっともらしい説明がされるんでしょうが。
エンドロール後のあいつは、前作のパターンを考えると再登場アリ??


 どうしてもディズニーはディズニーって意識して見てしまうので、
グロいシーンとか出てくると、「大丈夫か~?ディズニーも思い切ったな」なんて
普通に楽しめないのが辛い所。それだけブランドが立ってるものだからな。
堂々めぐりながら、ケンカのようなチャンバラ劇は笑えたし、
何回かゴロゴロと凝った場所でのアクションもあるし頑張ってんな~。
今作で、なんかウィルの成長とその後が楽しみになってきた。
ジャックは相変わらず不思議キャラで、ぶっちゃけ何でもアリな感じ。
あの蟲のメイクは似合いすぎ。ジョニデは何にでも化ける俳優なのだな。
ジャック・スパロウを見ていると、素顔のジョニデを忘れてしまう。
3の公開が待ち遠しいね!どうせ一緒に作ったんだから、
2の公開終了と同時に封切ればいいのに!…それじゃ儲けらんないよね。


パイレーツ・オブ・カリビアン/ワールド・エンド (2007/米) 170分








 世界中で大ヒットを記録したシリーズ3部作の完結編。
ジョニー・デップ、オーランド・ブルーム、キーラ・ナイトレイ、
ジェフリー・ラッシュといったおなじみの主要キャストに加え、
アジアの名優チョウ・ユンファが新たに登場。
ジャックの父親役として特別出演したキース・リチャーズにも注目。

 デイヴィ・ジョーンズの心臓を手に入れ、彼とフライング・ダッチマン号を利用し
強大な支配力を得た東インド会社のベケット卿は、世界制覇を目論み
次々と海賊たちを撃破、ついに海賊の時代は終焉を迎えようとしていた。
ウィルとエリザベスたちはシンガポールの海賊サオ・フェンの元へ行き、
“伝説の海賊”9人を集め、評議会を開く時が来たことと、
“ディビィ・ジョーンズ・ロッカー”に囚われたジャックを救出する為に
特殊な暗号が隠された海図と、そこへ行く為の船を要求するのだった。

 2もかなりふざけてたけど、3もふざけてる。
特に2よりもマニアックなギャグが多かったせいか、観客の笑いも少なかった。
でもシリアスな場面はシリアスに切り替わる。幽霊船はやっぱ気持ち悪い。
急ぎ足で今までバラ巻いてきた伏線を回収するので腑に落ちない点も多数。
でも星の海とか最初の船旅シーンは綺麗でした。戦闘シーンも盛り沢山。
しかし
もう倒す敵はお腹いっぱいだろうと2で大暴れしたクラーケンを
あんな形でアッサリ退場させてしまったのは引くよね。
あの巨大イカを海賊の精鋭たちが取り囲んで退治できたら、
それでこそ“海賊ムービー”として格好いいし、2見た人の期待を裏切らない。
バルボッサが復活してこれでもかとジャックの見せ場を奪いまくり、
サオ・フェンは凄いらしい凄さを見せ付けることなく呆気なく死ぬ。
そう、べスとキスした相手はその後、絶対に死んでいるのであった(笑)
ジャックも一度死んだし、ノリントン君、ウィルもその後…ねぇ。魔性の女。


 
呪術師、そして真の正体は海の女神なあの女もガッカリ。
巨大化してカニ化し散って嵐と竜巻起こすだけで特に介入なし。
せめてディビィ・ジョーンズが死んだ時、出てくればまだ救いあったのに。
ジャックの分身シリーズは最初は笑えたけど、墓場出てからも
度々登場してくると何故か失笑もんでした。脳ペロンはキモかった。
カニに運ばれただけなのに仲間たちの前に船と登場するシーンは
何故かきまってたよね。何てことないシーンなのに無駄にカッコよい。
“評議会”ってSWシリーズで使われてからマトリックスにも出てきたし、
何かね、今ブームなのかね。船をごちゃごちゃ積んだ基地も無理あるわ。
落とすのに数ヶ月かかるって、大砲ぶち込めばグシャっと潰れそうだ。
9枚の銀貨っていうのは形式だけで、後を継がせていくうちに
他のアイテムに成り代わっていった、ってことだよね。いい加減だなー


 
ジャックが心臓刺すか迷いながらも、ウィルが死にそうになってるのを
オロオロ観てる様に愛を感じた。べスとウィルのこと好きなんだろな。
べスのシンガポールの服は妙に格好良かったね。演説のせいもあってか。
この為だけにチョウが出演し、シンガポールのくだりが出来たんだよ!
人物と立場が各々の陰謀によってコロコロ二転三転するのが、
軽くて別にハラドキしない。引き上げられたウィルが普通にベケットと
紅茶タイムしてるのが笑えた。あっさりジャックのこと言っちゃうし。どんだけ~
渦巻きの戦いが終わったら、まだまだ東インド会社の戦艦隊が…と
思えばベケット船挟んでリンチ、ベケットの死に様演出はやりすぎでしょ。
あのシーン、絶対あとからどっかのパロディに使われると思う!(笑)
で、集まった他の海賊たちは見守っただけで勝利しちゃいました。
にしてもジャックよ…あれくらい予想つくでしょうが。1度やられたのにサ。
エンドロール後のシーン、べスを老けさせないのは演出か手抜きか…
でも、ちょっと老けてたら観てる方はハッピーエンドに思えないでしょ。
あのシーンは、10年ごとに帰ってくる単身赴任のお父さん、って図ね。
ディビィみたいに海水入りバケツに入ってれば延長できそう。
勿論呪われてタコにならないように、職務はこなしてね☆
この意味深な終わり方を思うと、1の爽快感溢れる大円団な終わりの方が
皆幸せで(バルボッサ一味以外)良かったような気もしないでもない。


 続編は既に製作陣が思案してる所みたい。
キャストのスケジュールの都合で少なくとも5年先。
ジョニデはまだまだやる気満々で、オーリーも出てもいいかな、って感覚。
キーラに至ってはプライベートな時間が取れない女優業を引退したいとか。
まぁ流れ的にはジャックが他の新キャラたちと冒険した方がよさそう。
今回の3は長すぎてダレてしまうのが難。笑えないギャグもあり、
生々しくてキモいシーン、キャラ描写が薄い、物語に穴があるけど、
決めるシーンは格好よく演出してる妙なバランスの作品でした。
このアトラクション・ムービーに私が点を付けるなら…47点です。


ハウルの動く城 (2004/日) 119分











 「もののけ姫」「千と千尋の神隠し」の宮崎駿監督が、
イギリスの児童文学作家ダイアナ・ウィン・ジョーンズの
『魔法使いハウルと火の悪魔』を映画化したファンタジー・ラブストーリー。
戦乱の時代を背景に、魔女によって老婆の姿に変えられてしまった少女と
弱虫の魔法使いの青年が、4本足で歩く巨大な城で奇妙な共同生活を送りながら
次第に心を通わせていくさまをユーモアと躍動感いっぱいに描く。
声優は主人公ソフィー役に倍賞千恵子。(寅さんの妹さくらのイメージしかない)
魔法使いハウル役に木村拓也を起用。(私は基本的にキムタクは嫌い)
荒地の魔女役は、監督本人もその人を意識して描いたという美輪明宏
我修院達也、神木隆之介、大泉洋、原田大二郎、加藤治子など。

 魔法と科学が混在する世界のとある国。
愛国主義が全盛を誇り、いよいよ戦争が目前に迫っていた。
父の遺した帽子店を切り盛りする18歳の少女ソフィーは、
ある日町で絡まれた所を美貌の青年に助けてもらう。
彼こそは人々が怖れる悪名高い魔法使いのハウルだったのだが、
ソフィーは彼の優しさに心奪われる。だがその夜、
彼女は荒地の魔女に呪いをかけられ90歳の老婆にされてしまうのだった。
本当のことが言えずに家を出たソフィーは、人里離れた荒地をさまよい、
やがてハウルが暮らす動く大きな城に潜り込み、
半ば無理矢理に住み込みの家政婦として働き始めるのだった…。

 いやぁ~凄い話題作だったからね。映画館に行きましたとも。
感想は…正直、ガッカリでした。宮崎駿監督は、一体何を描きたかったのだろう?
とりあえず、冒頭から舞台となる世界をとっても魅力的に見せてもらって
心は躍った。絵は相変わらず素晴らしい。
前作の「千と千尋」とは逆の、東洋ではなく西洋の魅力。
ただ、致命的だったのが、物語の展開と、人物たちの心理描写や魅力。

 原作未読だからズバズバ言わせてもらうけど、何ですか、あれは。
恋愛漫画のツボを抑えたハウルの登場、唐突すぎる呪い、
呪われたからって、魔女を捜そうとか、呪いを解く方法を見つけるとか…
旅に出る目的が「ここにはいられない」って何ですかそれは。
老婆になってしまったことを全然深刻に受け止めていない。
そのポジティブ精神が素敵ってか?そうなの?
ハウルが戦争に参加しないくせに影で動いていたのか訳がわからない。
だいたい、どんな理由でふたつの国が戦争になっているのかサッパリ。
ハウルの髪が変色したからって、ドロドロ溶けていく意味がわからない。
コロコロ老婆から少女に戻ったりするから、呪い云々どうでもよくなる。
荒地の魔女の最初の存在感から、後半へ向けての扱いが哀しい。
城壊して、また小さいの作って、何がしたいのか教えてよ。
サリマン、勝手だよ。すべてお見通しだったの?魔法もイマイチ判らない。
屋敷にいる金髪ハクもどき、ハウルの小型かと思った。
ソフィーの母と、姉妹の区別もよく判らない。
肝心のハウルですら、時に別人のような顔になるし、ややこしい。
彼のソフィーに対する態度やロマンチックな演出も、臭すぎて鼻につく。
ていうか、本当に少女漫画だと思って見る必要があった。
カブ、何だその脈絡の無い行動は。あの一言ですべてが馬鹿らしくなった。
何であんな無理矢理締めてるんだろう。もっとうまくまとめれなかったのかな。


 良かった点は…いつもながら、出てくる料理がうまそう。
家具や小道具、建物まで、細部まで細かく丁寧に仕上げられた
まるで一枚の風景画のように出来上がった背景。国や街など、華やか。
カルシファーとマルクルのキャラ。
生活感あふれる小汚い部屋や、爽やかな城での暮らしぶり。
動く城も、細部まで丁寧に小さい部品まで別の動きをしている。
久石譲の音楽は毎度ながら見事。テーマソングも嫌いじゃない。

 「なんかよくわかんなかったけど、よかったんじゃない?」
そんな言葉で締めたくはない。私はこの作品を見て何の感慨も湧かなかった。
感動したでもなし、うっとりしたでもなし、爽快感を得るわけもなし
現実味の無い戦争に巻き込まれ始めた辺りから、観ることすら苦痛に感じた。
山場や波はあったんだろうけど、私の心にそれは生じなかった。
夢見る乙女の心を持ちつつ、白馬の王子様的存在のハウルを気に入るかどうか。
これがすべてのキーポイントだったのかもしれない。
私はああいう乙女の希望を総て備えるキザ男が大嫌いなのだ!!
いかにも女性にうけようと思って作られた偽物っぽくて。
冷酷な魔法使いなんだけど、自分には心を開いてくれて、
本当は弱虫で、私がいなきゃダメで、健気に私の為に戦ってくれる。
でも、そんなことしなくていいの!戦わなくていいの!
…だから何?
二人が惹かれあうのも、話の決着の仕方もご都合主義で雑過ぎる。
何かDVDもバカ売れする勢いらしいですが、私は興味なし。
何で素直に楽しめないの?って肯定派もいらっしゃるでしょうが、
素直も何も、こういうのは受け付けなかったんだからしょうがない。
好きな人は大好きだろうけど、嫌いな人も出てくる映画です。


博士の異常な愛情 または私は如何にして心配するのを止めて水爆を愛するようになったか
(1964/英米) 93分


 キューブリック監督作品。
コメディの部類かもしれないけど、戦争が基盤なので…
この人が作ったのは、明るいけど恐ろしいって感じの喜劇が多いですね。
ある種、昔話のような教訓と基礎的なものも感じる。
今回もそんな感じで、「もし、こんな事が起こったら」みたいな話。

 アメリカの空軍将軍が突然狂って機動隊にソ連を攻撃するように仕向けてしまう
作戦Rといって、一度発動したら、外部からは止められないほどマニュアルが
出来ていて、何らかの理由で政府機関が機能しない際に
独断でソ連に報復攻撃をするというシステム。
ある暗号を発信しない限り交信不能。

 そういう事態が起こり、大統領達が集まって、何とかしないとと会議を開く。
なんとソ連には攻撃されると世界を死の灰で92年間もの間住めなくさせる程の
水爆装置が置いてあり、しかも解体しようとすれば、
その時点で世界が終わってしまうという代物。
 双方の為にもやめさせなければ、とアメリカ大統領はソ連と話し、
その爆撃機達を撃墜させてくれと頼む。
 機動隊達は機動隊達でアメリカが大変な事になったと思い込んで
報復攻撃に向かっている。
作戦を止める為の唯一の手段の暗号を知っている将軍は、
共産主義が大嫌いで、戦争に発展し、ソ連が滅べばいいと思っている。
その人の友人である副官が説得して暗号を聞き出そうと努力する。
所々に、皮肉なパロディめいたセリフがあっておもしろい。

この映画の題名の博士は、ドイツから帰化した科学者。
ストレンジラブっていう名前で、和訳すると「異常な愛」となります。
この人の喋りと動作も面白かった。1人2役だと後で知りました。

こうして観てると人間は科学の発展で合理的になりすぎているんじゃないかと。
なぜ生きているのかと疑問に思えてしかたない。
色々と考えさせられる映画。
モノクロなんだけど、綺麗だったし、
音楽の組み合わせもセンスいいので流石はキューブリックとひたすら感心。



バグダッド・カフェ/完全版 (1987/西独) 108分


 アメリカの片田舎、砂漠地帯にぽつんとそびえ立つ古びたモーテル。
ラスベガスへの道中、夫婦喧嘩で放り出されたドイツ女のジャスミンが訪れる。
彼女はそこに居つき都会と孤立し廃退の一途を辿る寂れた
このバグダッド・カフェとそこに住む閉鎖的な人々の心を
少しづつ開かせていくのだった…

 有名な映画だったので観てみました。
会話が極端に少なく、説明的な台詞や語りもほとんどないので
登場人物たちの心情を汲み取るのに集中する映画でした。
 けれど、こういうのが本当のリアルな世界なのかもしれません。
行間を読んだり情景や時間がゆったり流れる様は邦画に近いものもありますね。
太ったジャスミンも最初は抵抗ありましたが
行動や言動で彼女はどんどん魅力的になった。

 一人、また一人と心を開いていってくれる過程
自分がジャスミンの立場になったかのように嬉しかったです。
孤独な人の心を救うのはやはり人と人との交流なんだなと改めて感じました。
砂漠と暑い陽ざし青い空とぽつんと建つモーテル。この映画の世界はそれのみ
淡々と流れていく作りだが砂漠に生まれた人々の心のオアシス…癒されます。
舞台での女主人の声量にはビックリ!素敵な映画だと確信した。
ささやかに幸せな気分になる

 この映画で使われた「Calling you」が流れた時に心が洗われた気がした。
最初はつまらなく感じる人も多いかもしれませんが
この雰囲気は独特で他では味わえないものを持っていると思います。



バス男 (2004/米) 95分






 製作費わずか400万円ほどの超インディーズ作品ながら、
ティーンの熱狂的な支持を集めて全米で40億円以上を稼ぐ大ヒットとなった
イマドキでは斬新な冴えない君を主役にした話題の脱力系学園コメディ。
アイダホの片田舎に暮らすどうしようもなく冴えないオタク高校生の
イケてない日常が独特のダルなリズムで綴られてゆく。
MTVムービーアワードでは「スパイダーマン2」や「キル・ビル Vol.2」を抜き
見事作品賞を受賞。ちなみに邦題は、オタクつながりということで
日本でヒットした「電車男」にあやかり付けられた。
バスは主人公が通学に使う程度でまったく物語に絡んではこない。

 アイダホの高校生ナポレオン・ダイナマイト。
ルックスもダサければ頭も良くない彼は、当然のように学校でも友達もない。
おまけに家族もナポレオンに負けず劣らずの変人達。
兄は32歳にもなってヒッキー。毎日ダラダラと女の子とのチャットに夢中で、
叔父さんは過去にすがり、通販のタイムマシンを買おうと怪しげなビジネスを。
そんなナポレオンにも、メキシコ人の転校生ペドロという友だちが出来た。
女の子にモテたいペドロはダンスパーティーに学園マドンナを誘ったり、
無謀にも生徒会長に立候補、ナポレオンも彼の応援にそれなりに精を出すが…。

 よくさ、金髪の青い瞳、長い手足の外人に生まれたかった…って
ファッション誌見てため息ついたりする人も居るかと思う。
でも、アメリカでもイギリスでもフランスでもきっと、こういう人は多いと思う!
そう、冴えない人は世界共通そういうポジション与えられてそこに居るのだ。
主人公のナポレオン君は世間一般的にお世辞にも付き合いたいタイプじゃあない。
日本の“電車男”は女性に好かれたい為に変身を遂げるストーリーだけど、
この“バス男”は違う。自分は自分らしく無理しないでマイペースに生きて
気づいたら、何か、それなりに悪くない感じになってってますよ~って感じ。
もうね、変人具合が凄く良い。なで肩、ダラダラした歩き、しぐさ、無気力な顔。
喋り方さえトロくさくて、冒頭の行動からもう意味不明で困った(笑)
主役を演じたジョン・へダーは見るからに…な男に見えるんだけど!!
それでも、検索してみたら、素顔はコレですもん!こんなに化けちゃうもん?!
ちなみに、学園マドンナ的存在のサマー役はヘイリー・ダフ。
そう、あの人気アイドルのヒラリー・ダフのお姉ちゃんです。
冴えないのは主人公だけじゃない、周りの人すべてが冴えません。

 心理描写一切無しで、主人公ですら行動が読めない。
誰が何に怒り何に喜んでいるのか、直接描写がない部分は手探りな映画だった。
兄貴が見つけたソウルメイトでさえ、あんな展開安易に予想しなかった。
無職のヒッキーで前途多難だろうけど、守るモノが出来れば大分違うと思うから
何だか彼らの未来を明るく考えてしまう。それなりにお幸せに~☆
あんな砂だらけの屋外にそのまんまケーキを路上に置いていくなんて!!
ナポレオン君の絵とダンスには仰天したね。ペドロが当選してから、
特に生活が一変したわけじゃない感じの主人公が何だかちょっとリアル。
大喝采を浴びたからって、話しかけずらい人種なのは変わりないっていうか。
ようやく、何かが始まりそうな雰囲気になって終わったのも微笑ましい。

エンドロール後にも長い続きが用意されているので、お見逃し無く。
展開が早くて分かり易い映画が好きな人は眠くなってしまうかも。
でもこれは、それなりにクスクスな脱力系青春コメディです。
特典映像でコレとよく似た監督の短編映画やメイキングが見れます。
冒頭のキャスト紹介の仕方の映像の懲り方も良かったな。


バタフライ・エフェクト (2004/米) 114分






 一匹の小さな蝶のはばたきが地球の裏側で竜巻を起こす…
初期のごく小さな差違が、将来的に予測不能な大きな違いを生じるという
カオス理論を効果的に取り入れた異色サスペンス・ラブ・ストーリー。
主演は「ジャスト・マリッジ」のアシュトン・カッチャー。
愛する者を救うため、過去を書き換えようとした男が体験する想像を絶する出来事。

 少年時代、エヴァンは記憶を喪失する“ブラックアウト”を起こすことがあった。
そこで、精神科の医師の勧めに従い日記をつけるようになるエヴァン。
エヴァンが13歳の時、ひとつの出来事が原因で幼なじみケイリーとの仲が
引き裂かれてしまった時にも彼にはブラックアウトが起きていた。
やがて大学生となり、ブラックアウトもなくなり平穏な日々を送っていたエヴァンは、
ふと幼い頃の日記を手にとる。すると突然13歳のあの時の記憶が鮮明に蘇った。
やがてケイリーのその後の運命を知ったエヴァンは、彼女への想いのあまり、
過去の運命の分岐点となった出来事を変えようと決意する…

 まず、キャッチコピーの“最も切ないハッピー・エンド”って言葉に惹かれました。
見始めたら目を離せない展開ばかりで、ドキドキした。
結構、残酷な描写もあって(でも直接映像では見せてなかったり)
学園生活の様子は何故か凄いラブコメっぽい“軽さ”もあって…
ようはタイムスリップと恋愛が絡んでる内容なんだけど、
主人公が過去を改変すればするだけ、未来もガラッと様変わり。
この人物は、あそこで間違わなければこんな人間に成長していたんだなぁと
人間の可能性の偉大さを感じました。(何だそれは)
主人公と、彼が愛する彼女と、彼女の兄貴と友人の4人が主に関わってくる。
エヴァンが取った行動が影響して、いろんな人生を歩む彼らを見る。
エヴァンは皆が幸せになれる道を探して何度も過去へ遡るわけです。

 人生のターニング・ポイントが…3つ。
①ケイリーの父親が映画を撮ろうと二人を地下室に連れていった出来事
②爆弾を見つけて、おふざけで郵便箱に入れて…大惨事に。
③トミーが残忍になり、愛犬を焼き殺してしまう出来事。
そうして何度かやり直した末、記憶を詰め込んで脳がパンクしそうになりながら
エヴァンはみんなにとって最良の方法を見つける。
④エヴァンとケイリーの初めての出逢い。
ケイリーがエヴァンに好意を抱いた結果、離婚の際に嫌いでも父親を選び、
着いていった兄ともども、人生が台無しになってしまったというわけか。
ラストの二人は、それぞれ幸せな日々を過ごしている。
エヴァンにだけ、彼女との幸せだった時間を知っていて、
彼女を失った悲しみを背負いながらも、自分に言い聞かせて生きていく。
“結ばれるハッピーエンド”ではないけれど、“ハッピーエンド”
しかし、同じ能力で悩み、きっと何度も過去を遡り、結果病院送りになった父親。
彼もどうにかして救ってあげて欲しかったと物語の筋から蛇足ながら思ってしまう。
トミーが、最初の悪い印象から二転三転していくので複雑。
あのレニーの変わり様も。役者は体重を激変させて頑張ったらしい。


 タイムマシンとかじゃなく、自分の不思議な能力で過去に遡る。
印象は違うけど、「ある日どこかで」をちょっぴり思い出す。
刑務所で同室になった日系顔のカルロスが気になった。
ケイリーの父親役に、あのエリック・ストルツが出演してました。
アシュトン・カッチャーはラブコメ色の印象が強いので、見慣れてる人は
彼が本気に演技してても何処か受け入れられなかったりするとか。
監督と製作の人が「デッド・コースター」の人なだけあって、
映像的に似たような感じのが多かったかもしれない。
見る人を飽きさせない演出も、うまいと思う。
余計なダルさは残さずに、目的だけを追う主人公。見易かった。
DVDには異なるエンディングが2個用意されてて、どちらも気に食わなかった。
やっぱり、あの形だからこそ、美しく終われるんだね。
セル専用のDVDには更に違うエンディングも何種かあるらしい。
エンディングに流れるオアシスの曲も感動を増幅させてくれました。切ない…
この映画、私は凄く気に入った!他の人にも薦めてみたいと思う。


ハッカビーズ (2004/米) 107分




 「スリー・キングス」のデヴィッド・O・ラッセル監督が描く異色の哲学コメディ。
主演は「天才マックスの世界」のジェイソン・シュワルツマン。
共演にジュード・ロウ、ダスティン・ホフマン、ナオミ・ワッツなと豪華。
歌手のシャナイア・トゥエインも何ちゃって出演。

 自然保護団体に所属する若き運動家のアルバートは探偵事務所の門を叩く。
そこは実在主義を考える哲学探偵夫婦のオフィス。
アルバートは最近、何の接点もなかった赤の他人である男と偶然にも
3回も出会ったことから、宇宙の真理、自分の存在意義、全てを知りたくなった。
探偵夫婦に自分を観察してもらうことにして、彼は活動を続けようとするが、
森と沼を守る運動に共感し、一時は親しく手を組んだブラッドが立ちはだかる。
彼はスーパーマーケット“ハッカビーズ”のエリート社員。
彼もアルバートと同じ探偵を雇っていたことで、ますます状況は複雑に…。

 これもミニシアターコーナーで発見。
ダスティン・ホフマンが出演していることだし…拝見。
哲学論ってのはメンドクサイねぇ~自分と他者の存在とか関係とか、
個々を作る物質がうんたらかんたらと…自分も中学時代は変なことばっかり
考えてたけどさ…こういうテーマを。今は全然考えない。
何を論じても絶対的な答えなんて出ないし、一番自分にとっての
しっくりくる言い回しを作り出せば満足するでしょうよ。
真面目に理解しようとして映画を鑑賞する人によっては、
テーマも不明瞭で意味不明でイライラするかもしれない。
私は思っていたよりは楽しめたかな。要は滑稽な様を描いてるわけだ。
ギャグだもんな…斜に構えて見るのが正しい。
土曜日の昼下がり時に見たのも良かったのかも。

 ダスティン・ホフマンは怪しげな哲学論を語る探偵夫の役。
白髪のおかっぱ頭で、シーツを全宇宙だと言う。
主役の人は妙に顔が濃くて…気になった。むさいわ~
ジュード・ロウのキャラが結構面白味あったな。
主人公の精神世界にひょっこり登場してくるくだりが好きだ。
主人公の分身だと紹介されるNO石油派消防士トミー役は
「PLANET OF THE APES 猿の惑星」のマーク・ウォールバーグ。
人生の意味を探していたんだけど、案外そういうことは
憎んでた相手に実はちょっと共感できたり、恋人が出来たり、
そういうことで間接的に満足できちゃうってことなんだろうか?
夢中で哲学を語る人って興味ない人にとっては悪質な宗教勧誘みたいなもんかも。
「同じ話題しかしてないぞ君も」のシーンでは誰しも思い当たる節あるのでは?
ナオミ・ワッツはあの探偵夫婦の影響で何故あんな変な格好を??

セリフのひとつひとつが自分の予想のつかぬ言葉返しばかりで、
変わった映画ってことで新鮮だったし、演者も楽しそうだったな。
何ちゃって哲学系ブラックコメディとしてどうぞ。BGMも素敵です。


バック・トゥ・ザ・フューチャー (1985/米) 116分








 ロバート・ゼメキス監督の傑作SF三部作の第一作。
製作総指揮スティーブン・スピルバーグで製作、脚本にボブ・ゲイル。
主演をマイケル・J・フォックス、共演にクリストファー・ロイド

 友人の科学者ドクの造ったタイム・マシンで
偶然過去にタイム・スリップしてしまった高校生のマーティ。
何とそこは、30年前。偶然にも自分と同じ位の歳の両親と出逢い、
干渉してしまったことから未来が徐々に変わりつつあった…!
何とか歴史を正しく修正し、自分も未来に帰る為、
まだ自分と知り合う前のドクのところへ行き、
何とか事情を説明をし協力してもらうことに…

 小さい頃からビデオで繰り返し見ていたお気に入りの映画のひとつ。
演出から脚本まで、無駄がみつからない、とても面白いエンターテイメント映画。
時を越えて別の時代を体験したり、恋愛に振り回されたり、
散りばめられたギャグ、ユニークなキャラたち
冒険、青春、コメディ、SF、アクション、と色んな要素が盛り込んであって
きちんと融合し映画として完成している。
色んなストーリーが生まれた今となっては王道パターンまっしぐらかもしれないが
そこが、またこの映画の魅力。昔観ても、今観てもそれは不変のもの。
DVDでは当時のテレビ放送時の吹き替えではなくなったけど
これはこれで、許せる範囲かな。字幕でも吹き替えでも楽しめる。

 タイム・マシンはデザイン段階では冷蔵庫という案もあったが動きがないし
子供が真似しても困るので、車にしたらしい。デロリアン…憧れちゃうな。
冒頭に出てくる朝ご飯作ったりテレビ付けたりする自動の装置とかも楽しい。
マーティ役も、当時はマイケルの都合もあって
他の役者で撮って進めていたらしいけどやっぱりマイケルの起用となった。
DVDの特典映像では他の役者でのマーティの写真がちょっと見れる。
爽やかでコメディも出来て、格好いいんだけど何処か3枚目で…
そんなマイケル・J・フォックスも病気にさえならなかったら
今頃どんな役者に成長してただろう。

 時代を遡って、マーティが目にするクラシックで珍しい町並み、物、人々…
戸惑いながら事態を飲み込んで、電話を借りようと喫茶店に入ってみたら
若りし日の父親ジョージ(クリスピン・グローヴァー)を偶然発見!!
あの時の、そぉ~っと顔を覗き込んでいくとこが特に好きな瞬間。
ビフ(トーマス・F・ウィルソン)にイジメられる様は、
まるでリアルな、のび太とジャイアンでした。
若い頃のお母さんロレイン(リー・トンプソン)の表裏あるキャラも楽しい。
マーティの現代の格好を見て町の人が「救命胴衣着て、どうした?」と云ったり
マーティのパンツを見てブランド名を名前だと思い込んだりするのも笑える。
この時代にこうだったら、きっとこう思われるってニュアンス。
親が子供の行いを叱る時に「私の若い頃は、もっと~だったわ」ってよく言うけど
じゃあ実際に昔の両親を見たら…全っ然、違ってたりするんだよねぇー

 三部作通して観ると、カブるシュチュエーションや展開あってそこがまたイイ!
そして全編通してある一族たちに限って因果が巡ってる作りになってるとは…
実際に2には1で実際に起こった事を別の角度から観ることも出来て楽しい。
1も2も3も大好きだけど、1のジョージとロレインのロマンスが最高!!
情けないジョージに呆れながらも手を貸して更に状況が複雑化したり…
マーティのライブも盛り上がるしね~たまんない。
映画に使われる音楽も良いんだよね。壮大で、今でも他で多用されてる。

 終盤のドクとマーティの絆にもグッと胸を掴む。涙出そうになった。
時代を超えて愛され続ける映画のひとつだろうと断言できる作品だ。
モノクロで観づらいわけでもないし物語の山場や伏線もあるのでとても観易い。
タイム・パラドックスについては深く追求していくと難しい理論かもしれない。
でも矛盾があってもこの映画が飽きられない傑作であることは間違いない!
万人に勧めても無条件で楽しめるであろう、素晴らしい映画。


バック・トゥ・ザ・フューチャーPART2 (1989/米) 108分


 ロバート・ゼメキス監督の傑作SF三部作の第二作目。
製作総指揮スティーブン・スピルバーグで製作、脚本にボブ・ゲイル。
主演をマイケル・J・フォックス、共演にクリストファー・ロイド
前作のラスト、未来を観に行ったドクが急いで戻ってきて
急遽マーティと恋人のジェニファーを連れて
未来へ飛んでいく場面から物語が始まる。

 30年後の未来で何が起こったのか?戸惑うマーティにドクはワケを話す。
マーティの息子であるマーティJr.がある事件を起こしたことが引き金となり
後々、家族全員を破滅に追い込んでしまうというのだ!!
マーティは息子に変装し、支持された店に向かうのだった…

 前作でマーティの恋人であるジェニファー役を演じたクローディア・ウェルズが
麻薬等の問題で降板し、代わりにエリザベス・シューが演じている。
…全然気づかなかったよ!…まぁそんなに印象強いキャラではなかったが。
前作でジョージ役を演じたクリスピンは続編には参加せず、
若いジョージとロレインがヒッピーになったりする設定も考えてはいたが変更。
タイム・マシンを悪用することにより歪んだ未来が生まれるという話に。
ちなみに2には子役でイライジャ・ウッドも出演している。
ゲーム機で遊んでいる子供2人のうち、赤いシャツの子らしい。
うーむ、面影…あるのか??

 マーティが今度体験するのは未来の世界。
機械文明も発達し、建物やファッションのデザインも様変わりし
目に映る全てのものが新鮮。
ホバー・ボードがあれから色んな場面で役に立つ便利な道具となるとは…
自動で締まるシューズ、サイズ自由自在、自動乾燥してくれる服…
便利なアイテムの数々、正に夢のような未来世界。
マーティが賭けのネタ本として目をつけたスポーツ年鑑が宿敵ビフの手に渡り、
彼はタイム・マシンを拝借し過去の自分にその本を手渡す。
そのために大きく変化した1985年の世界を救うため、マーティは再び1955年へ。
ビフが大富豪になることで、あそこまで街が変わってしまうのか…凄いな。
スポーツ年鑑の本を巡るスピーディな展開はハラハラドキドキもん。

 マイケル・J・フォックスが老けメイクや女装をして
歳を取ったマーティ、マーティJr.、マーティの娘を演じているのも見所。
2,3は気にいらないという人もいるが、キャラを愛してしまったらもう無問題。
ビフ…本当に底意地の悪い顔してるよなぁ~ナイスな悪役だよ。
そういえば、ビフの手下役で出てたビリー・ゼインという役者さん
後にあの映画『タイタニック』でジャックとローズの仲を邪魔する
資産家のキャロの役で有名になりました。チェックしてみるといいかも。
明るい未来と暗い現在、懐かしき過去とのリンク、色々楽しめて大忙しな2です。
歪んで新たに出来上がってしまった時代…こんがらがりそうな話でも
ドクが黒板に簡潔に説明してくれる。
郵便配達とか…手紙の内容読んでマーティと一緒に大興奮!!
終わり方に大笑いしてしまったわ。ドクの苦労を考えると涙もんだろうけど…


バック・トゥ・ザ・フューチャーPART3 (1990/米) 119分






 ロバート・ゼメキス監督の傑作SF三部作の最終章第三作目。
製作総指揮スティーブン・スピルバーグで製作、脚本にボブ・ゲイル。
主演をマイケル・J・フォックス、共演にクリストファー・ロイド
前作のラスト、ドクが1885年の西部開拓時代に飛び、元気に暮らしていると知り
ドクの手紙に従って埋められたデロリアンを発見したマーティと過去のドク。
偶然ドクの墓を発見したことから、ドクを追って西部時代へと飛ぶマーティだった…

 1,2とは全く違う、かなり100年前にタイム・スリップしたにも関わらず
先祖であるマクフライ一家と偶然出会って世話になるとは…
そしてビフの先祖であるタネンも登場。もうたまらんね。
3はドクの魅力爆発!格好いいわ、一目惚れして恋に落ちるわ。
1,2ではマーティの事が中心で動いていたけど、今回はドクが主役かな。
クララ(メアリー・スティーンバージェン)と親しくなってくのが微笑ましい。
あんな風に恋に落ちるって…体験してみたいわ。

 2でも伏線があった西部劇へのオマージュも詰まっている。
マーティが名乗る偽名はクリントン・イーストウッド!
早撃ち決闘まで約束してハラハラドキドキですわ。
先祖から代々、タネン家はマクフライ一族を…可哀想に。
1,2,3とすべてに登場してきた時計台(正確には裁判所)の完成を祝うお祭り。
ドクとマーティで写った写真…最高の記念だね☆
あの時に出てくる保安官は教頭先生の先祖の人か。
未公開シーンでのあのお言葉は狙い過ぎだろー
タネンはビフと同じ役者だとは判りづらかったな…髭のせいで。
タイム・パラドックスよくよく考えるとおかしい点も出ては来るんだけど
…面白ければいいや!

 今回でもお約束のごとく、デロリアンが機能しない。
1では核燃料(1,21ジゴワットの電流)不足。
2では機械の不調で故障気味
3では…ガソリン漏れ。
時代が古い分、足りない物を補うのは大変だ。
それでも解決策を考え出してしまうドクは冴えてるなぁ~♪
模型を丁寧に作ってミーティングするしね。

 今まで体験したことを踏まえて、マーティは人間として成長する。
あれだけ危険だ何だ言ってきたドクだけど、また性懲りもなく…笑
ラストのジェニファーの疑問に答えるドク。
この映画は単なる娯楽作品というだけでなく、大事な教訓も授けてくれる。

 1,2,3とDVDのメイキング、未公開シーン、NGシーン
製作者の製作秘話などなど、ファンなら気になってたまらない特典映像が満載!
本当に、何回観ても楽しめるんだよなぁ~
私がこう思える壮大なエンターティメントSF映画
スター・ウォーズシリーズは女性には入りづらい印象あるみたいだけど
(ライト・セイバーのチャンバラや宇宙でのドンパチが男向けなのかなぁ?)
これだったら、誰が見ても楽しめるんじゃなくて?
デロリアン…使ってみたいなぁ…トラブルがつきものだけどね☆


ハッスル・キング (1997/香港) 86分


 チャウ・シンチー主演の時代劇・法廷モノ・コメディ。
『食神』の出っ歯姐さん役だったカレン・モクがここでは正統派賢妻役で出演。
清朝末期、斬新なアイディアや小細工、世渡り上手な弁護士がいた。(チャウね)
彼の弟子であるフンはいつも師であるチャンのことを尊敬し尽くしていたが、
詰まらない言い争いから袂を分かち、フンは香港へ去った。
しかし香港で殺人罪の容疑で拘束されたフンは師に助けを求める。

 中国の時代劇って結構好きだな。服装とか町並みとか。
最初、チャンのことを長年恨み続け、今じゃ何の恨みか忘れちゃった一党が
家に攻めて来るシーンが出てくるわけだけど、ここらへんのくだりを見ても
後から香港で弁護を引き受けるって流れになってから、
「あぁ、チャンって職業が元々弁護士だったの?」って初めて知ったよ。
出来れば地元での裁判模様とかも見せてくれれば良かったのに。
だったら、香港ではイギリス式だからいつも通りに行かないって図になるのに。

 
豚の舌とか妙に生々しいのな…あの弟子役って日本で配役するなら
恐らくは出川哲郎辺りのポジションだろうなぁ…
この人、『ラッキー・ガイ』でも出演してます。
『トリック・マスター』でも役名がフンの人いたけど、別人か。
真の父親が登場してアッサリ心不全で逝っちまうとはな
チョロチョロ下ネタと、不自然な流れもあるけども、まぁまぁってトコ。
最後ムリヤリ過ぎって思ったけど、所詮コメディだしな…。
今回ばかりはチャウ・シンチーは…あ、一部だけアクションしてるな。
このタイトルは明らかにおかしい。どこら辺がハッスルなの?
カンフーハッスルっぽいタイトルにしただけじゃん。原題は『算死草』だし。
そこら辺、腑に落ちないけど、つまんないワケじゃない。下らないけど。
チャウ・シンチーのBOX三部作、『ラッキー・ガイ』、『トリック・マスター』、
『ハッスル・キング』と観させてもらったけど、どれも面白さレベルでは同じかな。


バッド・エデュケーション (2004/スペイン) 105分




 「アタメ!」「死ぬまでにしたい10のこと」のペドロ・アルモドバル監督作品。
主演は「モーターサイクル・ダイアリーズ」のガエル・ガルシア・ベルナルと
「アナとオットー」のフェレ・マルティネス。自伝的な同性愛を背景に描く。

 1980年、スペインのマドリード。新進映画監督のエンリケのもとに、
少年時代の親友イグナシオが脚本を手に突然訪ねてくる。
神学校寄宿舎では強い愛で結ばれていた2人で、その頃の話を題材にした
脚本を読んでいたく感動したエンリケは彼の本を映画にしようと約束する。
劇団出の俳優志望だったイグナシオは主人公の役をやりたいと頼み込むが、
一緒に過ごすうちに彼の変貌ぶりに戸惑い、疑念を感じてしまうエンリケ。
その後、エンリケはイグナシオの大いなる秘密を知ることになるのだった…。

 「欲望の法則」のエンドクレジットで監督が、これに似た映画をまた作ると
宣言していて、それがこの『バッド・エデュケーション』になったわけです。
外国映画賞を受賞し、なかなか好評で衝撃的な内容が気になっていました。
もうね、まず最初に思うことは、役者さんたち、頑張って撮ってるんだな…って。
きわどいシーンが出てくるたんびに息を呑み、股間にカメラが寄ってくシーンに
何か恥ずかしさのあまり、笑いがこみ上げてきてしまった。
そういうとこメインで見るなよ!って思うけど、どうしても見てしまう想像してしまう。
私はガエル君よりもフェレ・マルティネスの色っぽい視線が魅力的に見えた。

 スペイン映画って見る前に抵抗あるんだけど、この映画は
少しもダレることなく展開していって、あっという間の105分でした。
流れる音楽も歌声も良かった。ドロドロ感が独特なんだよね。汗の匂いがする…
寄宿学校時代の話もハラハラし、歌声の美しさに感動し、神父に苛立ち、
気づけば立派なエロティック・サスペンス?謎が解けてハッとした。
ああいうダメ人間になってしまってもエンリケと出会っていたら…なんて
思うし、真実を知ったからにはフアンを許さないエンリケは当然のことながら、
罪を感じないフアンも、それはそれで後々、栄光に影が差す。
金をせびられる神父も哀れだけど、最初から最後までどうしょうもない人だな。
フアンを女に置き換えてしまえば、正に“悪女”と言えるんでしょうな。

サハラが登場してきた時、『ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ』思い出した。
一緒にいたおバカなオカマ友達が笑えたなぁ~楽しそうでいいなオイ。


パッション (2004/米・伊) 127分


 メル・ギブソンが脚本・製作・監督を手がける、衝撃の問題作。
米国でこれを観てショックのあまり自殺したキリスト教徒が出たらしい。
 イエス・キリスト最後の12時間を全編ラテン語とアラム語のみを用い
新約聖書の記述を忠実に再現し宗教関係者の間に激しい衝撃が巻き起こった。
その痛烈な残酷描写は過激で賛否が問われた。

 紀元前700年のエルサレム、イエスは自分の使徒であったユダに裏切られ
彼を憎む大司教は神を冒涜したとしてローマ軍に捕えさせる。
自分は神の子であり救世主だという頑なな主張は崩れることなく、
彼を尋問した総督ピラトはやむなく彼を十字架の刑に処する…

 最初の方はとにかく暗くて何をしてるのか、また何をボソボソ云ってるのか…
ユダの末路が気味悪くて…あれが悪魔なのか…
イエスは何を思ってそうしたのだろう。
自分の思想を裏切ることは心の死と同じ…ということ?
鞭打ちの刑はとにかく観ていられない程ひどかった。
あの3本に分かれた刃の付いた鞭でボロボロにされていく身体
映画だということを忘れてしまい「その人、死んでしまうんじゃないか…」と。
非常に痛々しいしそれを容赦なく打つ人や見る人がいて不快だった。

 マリアが息子の変わり果てていく姿を裁きから丘に登ってもずっと
見守っていたのだけれど、母親の気持ちを思うといたたまれない…酷い
ゴルゴダの丘に登る前に力尽きて死にそうで凄かった

 丘に登った後も、まだまだ苦痛は続いた。
両手足に釘を刺していく…どうやって撮ったのだろう。
本物そのものに見えて、凄惨だった…
あのすべての痛みに耐えていたのだと思うとそれだけで…
イエス復活の映像はどうかと思ったけど…うむ

 しかし、イエスがどんな人間だったのか本当の所はわからないよね。
善行をしたり弟子を増やしてその教えを広めていたのだろうけど
宗教がもたらすのは良いことだけとは限らない。解釈は様々。
太宰治の「駆け込み訴え」の解釈も出来るし
PSソフト「FINAL FANTASY TACTICS」の聖書のような解釈もアリだし…


バッドサンタ (2003/米) 91分


 サンタに仮装した中年ダメ男が繰り広げるハートフル・ブラック・コメディ。
監督は「ゴーストワールド」のテリー・ツワイゴフ。
製作は「レディ・キラーズ」「ディボース・ショウ」のコーエン兄弟。
主演は「チョコレート」「バーバー」のビリー・ボブ・ソーントン。
 クリスマスを間近に控えたアリゾナ州のとある街。
何よりも酒と女が大好きな中年男ウィリー。彼は毎年クリスマスシーズンになると
デパートでサンタクロースの格好をして子供たちの相手をするバイトをしていた。
だが本当の姿は、クリスマス後の売り上げが詰まったデパートの金庫破り。
今年も妖精に扮した小人の相棒マーカスと共に、とあるデパートに狙いを定め、
サンタの扮装で好きでもない子供たちと一緒に写真を撮るウィリー。
ところが、そんなウィリーに一人の冴えない肥満少年がなついてしまう。
最初は邪険にしていたウィリーだったが、事情で少年の家に居候するハメになり…

 クリスマスネタのギャグコメディだと思って見てたら、そうでもない。
子供に見せようなんて思わない方が良い。おっさんサンタが酷すぎる。
これは、ブラック要素満載で、主人公のおっさんがあまりにもダメ男で、
少年と交流していくうちに、心を入れ替えていくんだな~って思ってたけど
なかなかその片鱗が見えないまま、「アル中って最悪…」ってひたすら思った。
主演のビリーはアンジェリーナ・ジョリーの元夫だそうな!!
「ラブ・アクチュアリー」ではアメリカ大統領を演じ、
「チョコレート」ではハル・ベリーと熱く絡んだあの人。凄い変身ぶりだな。

 あんまり笑えるネタがないので、ギャグ系って感じがしなかった。
でも、あのダメダメっぷりには、ラストまで見てやらねば。なんて気を起こさせる。
子供の夢を壊す内容だけど、ああいう落ちぶれたサンタってのもアリかも。
笑えねぇ~よ!そのネタ!!ってマジでビックリした。ばあさん…
心を入れ替えたアイツのその後の姿を拝みたかったな。
クリスマス・シーズンってことで鑑賞してみたけれども
とにかくお下品なネタ満載なので、割り切ってご鑑賞下さい。
アメリカでは大ヒットしたっていうんだから、凄いというか何というか。


バットマン (1989/米) 127分




 DCコミックス原作のスーパー・ヒーロー、バットマンを
ティム・バートンが監督を務め、巨費を投じて映画化した大作。
ゴッサム・シティの闇に跳梁し悪を粉砕するバットマンと
犯罪組織の裏切りに遭い、怪人と化したジョーカーとの戦い。
主演にマイケル・キートン(ビートル・ジュースのおっさん)
ヒロインにキム・ベイシンガー(セルラー主演など)
悪役ジョーカーにはジャック・ニコルソンが怪演している。

 表向きはゴッサムシティの大富豪であるブルース・ウェイン。
しかしその正体は夜な夜なコウモリのコスチュームに身を包み、
街の治安を守る為、様々な特殊武器や道具を駆使して戦うヒーロー。
ある犯罪組織の№2であるジャックはボスの女と関係していたことが知れ、
ボスの計略にハマリ、警察やバットマンに追い詰められ酸の海に落ちる。
顔も変形し、人格も崩壊したジャックは怪人ジョーカーとして街を騒がす。

 バットマンシリーズの第1作目で、バットマンファンから指示の高い作品。
確かにジャック・ニコルソンの演技は凄くて不気味だったけど…
バットマン役のマイケル・キートンはお世辞にもハンサムじゃないので
仮面の時はいいけどブルースになってる時は…華が無い。
執事さんはビギンズ除いて全作に出演。あんな優しい人欲しいわ。
ヒロインは写真を撮る報道関係の女性なんだが…これまた美しくない。

 なんか今まで何度もテレビ放送されてきて、その度挑戦してるんだけど
やはり今回もダレて退屈してしまった。テンポは悪いと思う。
しかしバットマンって設定からして暇な金持ちが凄い変な趣味を楽しんでる
って思えてしょうがない。それが狙いなのか?何とも危うい。
小さい頃からのバットマンのイメージは闇のヒーローでダークなキャラだったけど
改めて見てみると特にそんな魅力が感じられなくなっちゃったな。
やはり悪役が光るシリーズなんでしょうかね。
お札をばら撒くジャック・ニコルソンは凄い楽しそう。


バットマン リターンズ (1992/米) 128分






 バットマンの第2作目。監督は引き続きティム・バートン。
バットマン役にはマイケル・キートン、今回の敵キャラとなる、
ペンギン役にダニー・デヴィート。キャットウーマン役にミッシェル・ファイファー、
ゴッサム・シティの権力者シュレックにはクリストファー・ウォーケン。

 ゴッサム・シティに現れた謎の怪人ペンギン。
幼い頃、奇形児ということで両親に捨てられ、ペンギンに育てられた。
成長した彼は、暗くて陰気な下水道での暮らしにオサラバし、
外の世界で暮らして人気者になりたいと、シュレックと手を組む。
シュレックは彼を市長選挙に出馬させ、町を牛耳ろうと企む。
彼らの野望を知ったバットマンはそれを阻止せんと動き出すのだが、
キャット・ウーマンと名乗る新たな敵も現れ、苦戦を強いられる。

 冒頭から、真っ暗な世界に白い雪。謎のお屋敷に響く赤ん坊の声。
そう、まさにティム・バートン・ワールドである。(知ったかぶり)
ペンギンの悲しい過去から始まり、時は流れる…
街を脅かす謎のサーカス軍団を牛耳るペンギンがシュレックと手を組み、
街を支配しようとするのだが、何だか具体的な悪のプランもなかったし、
勝手にバットマンが動き出すもんだから、何だかなぁ。
サーカス軍団が街で暴れ回るのはよくないけども。うん。
何か敵キャラの方に同情が集まる変わった作りだった。

 キャットウーマンはスピンオフ映画の方を先に見たので、
まったく誕生の仕方が同じだったのは嬉しかったな。(゜ω゜)ノ゛ ニャンポコー
ミッシェル・ファイファーの変わり様…アクションも頑張ってます。
キャットウーマンの行動理念も掴めなかったんだけど、(敵?味方?)
猫なので、自由奔放で気の向くまま、って感じでしょうか。
命がいくつかあったり、奇抜なコスチュームがおもろい。
ペンギン、気持ち悪いんだけど、何故か憎みきれないキャラだった。
そして何故に巨大なアヒルに乗り、面白傘を武器に…笑

 元来主人公であるはずのバットマンのことは正直どうでもよかったわ。
仮面を外す…バットマンとキャットウーマンの恋愛には惹かれた。
ラストも余韻を残す感じでロマンチックですね。
全体的に派手さは無いし、テンポも良くはないです。
キャラとワールドを楽しむ為に見る分には気にならないかな?
バットマンシリーズではやはり、1と2が評価高いみたいですね。


バットマン・フォーエヴァー (1995/米) 119分




  バットマンシリーズの第3作目。
前2作を監督したティム・バートンがジョエル・シューマカーにバトンタッチ。
主演のバットマンも、ヴァル・キルマーに変更。
ヒロイン役に二コール・キッドマン、新キャラ・ロビンにクリス・オドネル。
今回の悪役にはトミーリー・ジョーンズとジム・キャリー。
ちょい役でドリュー・バリモアも出演している。

 この回からだったんだね。カラフルでアメコミワールド全開になったのは。
私は正直、こういう軽いノリの方が好きだったりする。見易いし。
ヴァル・キルマーも最初は違和感あったけど、格好いいじゃん!
二コール・キッドマンがキャット・ウーマンになるものと勘違いしてた。
ロビン役のクリス・オドネルがヴァルを打ち消す位男前だったぞ。
トミーリー・ジョーンズはジムが弾け初めてから存在意義が薄れた。
ジム・キャリーのハイテンションは観てて凄い気持ち良かった!
そういえば、マスクでもこれでも、緑系ファッションだね☆

 冒頭からトミーリー・ジョーンズ演じる怪人トゥー・フェイスが暴れている。
彼は正義の人だったのだが、不慮の事故で顔半分に硫酸かけられて
多重人格のクレイジーな怪人に。(この街はそんな変人だらけ)
ブルース・ウェインの会社の研究室で働いていたジム演じる科学者は
社長のブルースに認められなかったので、なぞなぞ怪人リドラーに変貌。
危険な二人がタッグを組んでバットマンに挑む!!
バットマンは自分と似た境遇に陥り、家族の復讐に燃えるロビンを相棒に。

 バットマンのトラウマとか正直もう、どうでもいいーー!!
ブルースとバットマンの間で揺れ動く二コールと、
そういうこと実はお見通しで背中でほくそえむバットマンと
この屋敷でか過ぎるし…とロビンを誘ったり、ご主人の恋愛を楽しむ執事と
バカっぽく暴れ回る怪人たちが面白いんだな~
俳優たちが悪ノリして仮装パーティーしてヒーローごっこしてるとも取れる。
こうしてバットマン制覇してみて私的にヴァル・キルマーが一番はまってたと思う。
軽い気持ちで観て、薄い余韻しか残らない映画ってのもオツですな。


バットマン&ロビン/Mr.フリーズの逆襲 (1997/米) 124分


 バットマンシリーズの第4作目。
シュワルツ・ネッガーが高ギャラで悪役を務めて有名になった映画。
バットマン役はジョージ・クルーニー。ポイズン・アイビー役にユマ・サーマン☆
ロビン役にクリス・オドネル。バットガール役にアリシア・シルヴァーストーン。
監督は前作に引き続きジョエル・シューマカー。

 Mr.フリーズはもともと真面目な科学者だったが研究所の爆発事故で
凍結液を浴び、身も心も氷のように凍てつき、氷づけにされた妻を助ける為、
街から特殊な巨大ダイアモンドを盗んでいた。そして
植物と同化したポイズン・アイビーと手を組み街を氷付けにしてしまおうと企む。
バットマンはロビンに加え新たな仲間バットガールと共に悪に立ち向かう!

 安っぽいですが、決して退屈はしません!
全体的に映像は派手目だし、テンポも悪くはない。

しかし、金持ちヒーローはやることが違いますなぁ。
スパイダーマンとの大きな違いを見せつけられる。
市長もお偉いさんも街の人々もバットマンの味方だし~

 いかにも若造のロビンの単純思考やアイビーのフェロモン攻撃に
見事に翻弄されまくるバットマンとロビンが情けなさ過ぎて笑える。
こんなチープなユマ・サーマンを見たのは初めてでした。でも綺麗。
バットガールは対アイビー戦の為だけに用意されたのか??
街を氷漬けにしようとするんだから、規模が凄かった。
カーチェイスとか派手な演出もあった。
しかし、いかんせんアメコミ世界だからリアル感が無い。
でもそんな漫画チックなこの映画、嫌いなわけじゃあない。


バットマン ビギンズ (2005/米) 140分








 アメコミの、もはや伝説的人気キャラクター“バットマン”を
「バットマン&ロビン/Mr.フリーズの逆襲」以来8年ぶりに映画化。
「メメント」「インソムニア」のクリストファー・ノーランを監督に迎え、
バットマン誕生に至る主人公ブルース・ウェインの秘められた過去を中心に描く。
主演は「アメリカン・サイコ」のクリスチャン・ベール。
共演にマイケル・ケイン、リーアム・ニーソン、モーガン・フリーマン、
ゲイリー・オールドマン、ケイティ・ホームズ、
キリアン・マーフィー、トム・ウィルキンソン、ルドガー・ハウアー。
また、日本の渡辺謙もメインキャストに名を連ね話題に。

 大富豪の息子ブルース・ウェインは少年時代、井戸で遭遇した
コウモリの大群に強烈な恐怖心を抱き、何の因果か、
さらには彼の両親が目の前で殺されて大きなショックを抱え込む。
やがて父の遺した企業を受け継いだブルースだったが、復讐心は消えず、
犯罪者の心理を知るため自らその地位を隠し罪人となる。
そんな彼を導いたのはデュガードという男だった。
彼はヒマラヤの奥地にブルースを連れて行き、精神と肉体を鍛えさせた。
“影の同盟”という彼らの組織とは思考の違いから決別し、
長年離れていたゴッサム・シティへと舞い戻って来る。
しかし、街は悪の組織と暴力がはびこり、腐敗が進んでいた…

 映画館で見よう見ようと思っていたけど、結局は観に行かなかった。
なるほど、これは今までのバットマンの映画とは全然違う!
違うので、今までのバットマンが好きな人は抵抗感じるかもしれない。
とりあえず、ゴッサム・シティはリアルな普通の街です。
今までのようなユニークで怪奇な敵キャラじゃなく、真面目な敵です。
でも、これはこれでなかなか面白い試み!
真面目に作ってあるけどジョークの効いたセリフは出てくるし。

 私はまず、主演のクリスチャン・ベールは初めて見た。
一見パッとしない顔だなぁと思ったけど、観てるうちに好感持ててきた。
逆に最後までパッとしなかったのが相手役のケイティ。知的に見えない。
あぁ~本当に微妙な顔。トムはきっと、彼女の内面を好いてるんだと思おう。
執事のアルフレッドを演じたマイケル・ケイン、好演してました。
ブルースの唯一の家族。孤独なヒーローの理解者であり、協力者。
両親が死んだシーンがマジで可哀想になって、支えてくれる彼が心強かった。
あと、今まで癖の強い悪役ばっかりだったゲイリーさんが…
何かひょうひょうとしてるんだけど、悟っててバットマンの手助けをしてくれる。
あたふたとバットモービル運転してるシーンが好きだ。
渡辺謙は、別に彼じゃなくてもいい役で、そしていなくても支障ない役だった。
えぇ~っ?!これでもう死んじゃったの?ポカーン…」って感じ。

 ブルースが影の同盟と袂を分かつあたり、オイオイやり過ぎだろと思った。
バットマンの起源のひとつは忍者仕込みの手裏剣、剣術と柔術?
火薬を使った演出とか、後にバットマンのヒントになるもんが出てきて笑った。
そして両親を殺した犯人がアッサリ裁判で、その後…だもん。
バットマンの装甲やコスチュームの開発、発注、改良…
1万個とか平気で頼んでるんだもん…やっぱ金持ちって豪快ね。
地下基地とか、ここから、あんな凄い基地になるわけか~ってワクワク。
コウモリ操って
脱出する演出は格好よかった。

 今までのバットマンって何でバットマンしてるのかイマイチ掴めなくて
正に劇中何度もセリフで出てきた、正義か、自己満足か、って感じだったんだけど
今回はそれを説明しつつ、肝のアクションは後半に持っていったのかな。
でもそのアクションシーンが残念かな、見辛かったんだよね。
敵の狙いが分かって、対策も実行したわけだけど、いかんせん
何をやっているのかイマイチで映像的にも派手さが微妙でした。
アレ?これで問題は全部解決したんだっけ?
解毒薬撒いたの?って。
ラストは第1作目にも繋がるように配慮した終わり方だったんだけど…
どう考えても世界観が繋がらないので、このスタッフ・メンバーで
バットマンをリメイクしてもいいかなーなんて。続かないかな。このキャストは。


ハッピー・フライト (2003/米) 87分






 片田舎の娘が一流のスチュワーデスを目指すアメリカンドリーム・コメディ。
国際線のスチュワーデスを夢見る女性が、様々な障害に遭いながらも
目標へ向けて奮闘する姿を描く。
監督は「クアトロ・ディアス」のブルーノ・バレット。
主演は「愛しのローズマリー」のグウィネス・パルトロウ。

 田舎町で退屈な日々を過ごすドナ。
彼女はいつか華やかなスチュワーデスの世界で働くことを夢見ていた。
そしてある日、テレビに映るカリスマ・スチュワーデスの言葉に触発され、
ついに夢へ向かって行動を起こす。
早速、地元の小さな航空会社に採用され、その第一歩を踏み出したドナ。
しかし、華やかさのカケラもないローカル線に満足できない彼女は、
やがて憧れの国際線目指して同僚のクリスティーンらと共に
業界大手のロイヤルティ航空へ応募する。
そして見事訓練生に合格したドナは、最終試験へ向け、
厳しい訓練と勉強の日々を送るのだったが…

 正式なタイトルは『VIEW FROM THE TOP
この邦題はいかにもキューティー・ブロンドとか、そういう路線っぽいね。
ジャケットの雰囲気も何だか似ている。
グウィネス・パルトロウってすっきりした顔してるねぇ~エラも少しあるけど。
この映画には相手役の男性が出てくるけど、存在感ダメダメ。
相手役はマーク・ラファロ。「エターナル・サンシャイン」のあの人だったとは。
マイク・マイヤーズ演じる教官と教え子関係のエピソードの方が印象強いし
というか、あの教官が思いの他、存在感在りすぎ。面白かった。
ちょい役出演のロブ・ロウは明らかに彼氏より格好良いのだが(笑)

 田舎で役立たずだのつまらない人間だの言われ育って
ひたすら真っ直ぐにひた向きに夢へ向かって頑張るドナ。
何だかくすぶってる自分が情けなくすらなってくる。
フライトアテンダントって、あんな感じなのか~と勉強にもなった。
DVD特典でその職の歴史も語ってくれてるしね。
始めは興味なかったけど、確かに魅力的な職業ですね。
華やかそうに見えて、大変なんだろうけど…

 大手の航空会社に面接に行くまでが少しタルかったけど、
その後から、展開は読めるものの楽しくてしょうがなかったわけ!
こういうノリのアメリカ映画って終始、楽しく観れるから好き。
元気貰った感じで自然と顔が笑顔になってるんだよね。
こういう映画は若手女優が演じるのがパターンだけど
それをグウィネスが演じてるとこがまた少し新鮮。気に入った!
 終わり方は…ちょっとおかしい展開だと思ったけど
エンドロールの未公開(NG?)集が面白かったから許す!
「のろまなカメ」って字幕で出てきたけど、ホントに言ってたのかな?!

 しかし、あの女みたいな輩はどこの世界にでも居そう。
自分のしたことを判っていながら、反省も後悔もしないで
一方的に自分の行為を正当化しようとするんだもん。
グウィネスも初挑戦という喧嘩シーンで無意味に熱くなってしまった。
DVD特典映像でメイキングやインタビューがあって
グウィネスとマイクはプライベートでも友人らしい。
先輩シュリーを演じたケリー・プレストンはジョン・トラボルタの奥さんなのね。


バトル・ロワイアル (2000/日) 114分


 深作欣二監督作品。
その過激な内容に国会で物議をかもし上映中止を訴えられた問題作。
時代は近い未来、失業者が溢れ子供たちの不登校数は増加し、少年犯罪がはびこり国は荒れた…そんな中、国会でひとつの議題が上がり可決された。
それは“新世紀教育改革法”通称BR法である。
中学3年生のひとクラスを全国から選び、年に1回その行事が強制執行される。
クラス全員殺し合い、たった一人、生き残った勝者を決めるというもの…
不運にもそのBR法の生贄となったあるクラスの運命はいかに!

 藤原竜也、山本太郎、栗山千明、塚本高史、柴咲コウ、安藤政信…
今をときめく有名若手俳優が揃えられ、ビートたけしが教師キタノとして登場。
R-15指定で当時の中学生は見れなかったことからも、様々話題になった。
勿論映画館に観に行きましたとも!

 冒頭からいきなりレクイエムがかかって一気に世界に引きずり込まれた。
日本の映画で、ここまでぶっ飛んだバイオレンスもの見たのは初めてだったから
当時の自分にとっては、かなり衝撃的だったのを覚えている。
今まで仲良くしてた友達とも殺し合い。一人だけしか生き残れない。
もし、自分のクラスでそんなことが起こったらと想像を巡らし
主人公たちの視点になって心臓バクバクさせて見入っていた。

 誰が好きとか、ホントは嫌いだったとか、団結しようとか、自殺しようとか
色んな想いを持つ生徒がいて人間ドラマを数々見せてもらった。
描写は過激だけど、今見るといまいちリアルではない。
灯台の女の子たちの場面が一番気に入っている。
普段友達してても、その状況下ではそうなる。あの子のセリフが心に残る。

 無理だっただろうけど、光子の色仕掛け攻撃とかちゃんと撮って欲しかった。
桐山もいい味出してたけど、やはり光子が一番好きかもしれない。
ラストの締め方はどうかと思ったけど…
学級写真をバックにエンドロールするのは良い。


バトル・ロワイアル II~鎮魂歌(レクイエム)~ (2003/日) 133分














 深作欣二監督の遺作…といっても本人は冒頭撮影に少し参加のみ。
あとは親の七光りの深作健太が監督続投。
出演者は忍成修吾、酒井彩名、加藤夏希、村田充、
石垣佑麿、津川雅彦、三田佳子、竹内力…といった顔ぶれ。

あれから3年後、同じ境遇の仲間とテロリストとして国に復讐を開始した七原たち。
政府は「戦争したいなら子供たちだけでやれ」と新しいBR法を施行。
選ばれた不運なクラスは男女でペアを組まされ
首輪にはお互いが離れ過ぎると爆発するというハンデも追加。
七原たちのアジトである島へ連れていかれる。今度の標的は七原秋也。

 キタノの娘のナレーションから始まった。
実際に深作欣二が撮影に参加したのはここのシーンだけらしい。
しかし、七原はリーダーの素質があるのか?ただナルってただけのような。
マント着てうずくまってる姿が指輪物語のフロドとかぶるんだが…
期待してた千葉真一は過去のシーンだけでした…

 前作と同じように、バスに乗ったまんま拉致され軍隊に囲まれる生徒達。
しかし、今回はクラスメイト同士で殺し合うわけじゃないんだから、
あそこまで意固地にならなくても…なんて思ってしまうんだが。
あの場でどんな抵抗をしても殺されるしか道は無いんだから、行けばいいのに。
前の話では、クラスメイト達それぞれにいろんな奴がいて、
それぞれの気持ちで行動し、それぞれ散っていったんだけど…
今回のクラスは、全体的に個性がなさ過ぎる!!!!
最初にドバーッと減るし。

 最初からメロディ流れすぎで、おセンチに浸りすぎて、緊迫感がかき消される。
島に上陸するシーンは、何が起こってるのかわかりずらくて駄目。
あとから、字幕で死者が表示され、そんなに死んだっけ?と。
冷静に行動するのがキタノシオリだけだったので、彼女だけは気に入ったかも。
なんか、短気で下手にあたり散らしてる今回の生徒側の主役は
イマイチ感情移入できない。意思も弱そうだし。
1の七原は、まだ普通だったからよかったんだけど。

 ネタバレだけど、
○○は弾が腹貫通してんのに何故生き残れるんだ
あと、テロリストがその島にいるって判ってるなら何故最初から空爆しない。
とうとう「あの国を怒らせた」のあの国ってあの国のことだよねぇ…
なんかあの国の人たちが怒るんじゃなかろうか。笑えないジョーク。

 テロを肯定するようなストーリーになってたから、また問題作なんだろうな。
貧困や戦争が続く国…とか、映像がいっぱい出てきて、
あれ、これユニセフの番組だっけ?なんて思っちゃったり。
法律に逆らった国賊が逃げる場所といったらあそこらへんになっちゃうのかな。

 パンフレットを買って読んで、個々の生徒の境遇や性格が載ってたんだけど
前回と違ってみんな印象が薄い…キャラの魅力に欠ける。
それにワイルドセブンのメンバー!
それぞれ反BR法組織として、過去が載ってるんだけど、
BRでしげみに隠れて狙撃し続けたスナイパー。とか。
なんか、そいつらの出た回のBRの方が興味あったりして。
今回の出場した生徒の姉貴がワイルドセブンのメンバーにいるんだけど、
その子もなんか好きだな。目つきが。

 前のやつよりつまらないことは判ってたんだけど、
それでも前とは違う魅力があるんだろうな~と思って観に行ったんだけど、
思いの外期待はずれな部分があったなぁ。
それに、制服姿で戦ってたから、そこらへんも好きだったんだけどな。
灯台の女の子たちのグループとか、前は色々各自で事が起こったじゃん。
今回は3日間があまりにあっさり過ぎててつまんないし…

実際問題では実現しないだろうな…ただでさえ少子化問題があるわけだから。
ホントにやるとしたら老人がターゲットになるんだろうな。
前のは3回も観に行ってしまったんだけど、今回のはこれっきりで。
やっぱり監督が違うと駄目なのかなぁ。
作品自体も急に薄いものに思えてきてしまった。
続編というのは下手に創るものじゃないね。

 でも、少なくとも気になる方は観るだろうね。
この作品の要素や雰囲気は気に入る人、気に入らない人いると思うんで。
私としては好きな作品だっただけに、ちょっと辛口でした。
割り切って本当に年若い中学生が戦略を練ったりして戦争しあっていれば、
もう少し過激で躍動感のあるものになったんじゃないかな。
感動は、最後に持っていくべきだ。
初めから所々センチメンタルに見せるものじゃない。
七原も、もう少し非情な性格になっていれば、キャラ的にもよかった気がするし。
つっこみ所が満載ですね。ここはあの映画のパクリだ、とかもある。
ここで逃げればいいのに。とか、なんでここで、こんなことやってんの?とか。
誰かが死にそうになると急に銃声が止んで静かになるのは何故?とか

 ⅠとⅡを、別の形に置き換えて観れば、もう少し冷静に評価が可能かも。
あと、結果的にⅢが出来そうな予感がするんだが…やめたほうがいいね。
これ観たあと、余計に前作が凄い傑作に思えてきた。



花田少年史 幽霊と秘密のトンネル (2006/日) 123分






 一色まことの人気漫画を実写映画化した人情味溢れるファンタジー・コメディ。
ひょんなことから幽霊が見えるようになってしまったばかりに、
幽霊たちから様々な相談を持ちかけられるハメになった少年の大冒険を
ほのぼのとしたユーモアとペーソスを織り交ぜ綴る。
主演は「ALWAYS 三丁目の夕日」の須賀健太。
共演に西村雅彦、篠原涼子、北村一輝、安藤希、杉本哲太、もたいまさこ。
監督はTV「ぼくの魔法使い」の水田伸生。

 漁港の小さな田舎町に暮らす9歳のわんぱく少年、花田一路。
ある日、彼は自転車に乗っていてトラックと衝突する大事故に見舞われる。
奇跡的に九死に一生を得た一路だったが、それ以来彼には
幽霊たちの姿が見えるという不思議な能力が備わってしまう。
そんな一路のもとには、様々な悩みを抱える幽霊たちがやって来ては
願い事や相談を持ちかけるようになるのだった。困り果てる一路。
ある日、彼の前に実の父親だと名乗る若い男の幽霊が現われる。

 変なサブタイトルを付けたのは、大ヒットした場合の続編を想定してか。
残念ながら、公開してもあまり評判にならず。TV放送でチラッと拝見。
期待していなかったせいか、この映画なかなか良いんじゃなかろうか。
冒頭の母子の無意味なCG喧嘩シーンとか首をかしげる演出も多少あるが。
少し爪が甘いが「ALWAYS 三丁目の夕日」に似た暖かいドラマだ。
特に西村雅彦がいい味出してたかな~北村一輝も喜々としてあんな役を…
もたいばあさんは、ちょっと出しゃばり過ぎです。(
さりげにタコ捕ってるし
サブタイトルとあらすじ読んだ印象と大分違った話の流れでしたね。
色んな幽霊が相談に来て、ってショートエピソードを続けるのかと思ったけど。

 
壮太と父ちゃんの運動会シーンでは不覚にも泣いてしまいました。
壮太の子役の子、松田昴大君もなかなかいい演技しますねぇ。
その後、何で一路の父ちゃん殺すのに船で沖まで行く必要あったのかと思ったら、
事件以来険悪になっていた漁師仲間を説得させ、壮太にも理解してもらう為だったのね。
「あの人は、大路郎さんと一緒に帰ってきたんです。」ここでも、泣けました。
一路の両親の出逢いを観に過去に遡るわけですが、何故に便所?
何故にもたいばあさんに連れてこれるわけ?理屈が通らないねぇ。
幽霊だからって、幽霊見れる体質だからって、タイムスリップは出来ないでしょう。
そしてタイムスリップでいて、傷触って篠原母ちゃんが過去に干渉出来るのも変。
セーラー服の女の子の生前の行く末…あの弁護士が事故死したの目撃したなら
預けたあの子の身を案じ、引き取ろうとするのが筋だと思ったんだけど…
その時は既に病気で亡くなっていたのか?う~む。
西村雅彦の大学生姿が、老け顔のままカツラないい加減さに笑った。
女の子と和んでるシーンとかいいなぁ。篠原のあのパーマ頭はちょっと…だったけど。
北村一輝に乗り移られた医者はその後、嵐に飲まれ死んでしまったのだろうか?
顔にへばりつくタコ、ベリッ×2で化け物~な展開は笑えたけど。
最後は劇的に締めたいのか、嵐の海、天空で繰り広げられる父と娘のド派手な
演出と、冒頭のもたいばあさんの言葉と絡めたいのか、ナンセンスな決めセリフ
「地獄に落ちさらせ!」を聞いた時には感情の波が止まっちゃったよ。台無しじゃない?
一緒に消えたと思ったら海面から姉ちゃんまた出てきちゃうし。
で、女の子の姿になって海底へ…成仏するなら空に向かうべきでは??
そして、嵐が去って感動の再会を果たす一同だったが…オイ、じいちゃんは??
テレビ放送で観たからカットされたのかな?その後も姿が見えなかったのだが…
あと、最後にトンネルで…あのベタ過ぎる終わり方もどうかと思うぞ。


 …と、突っ込み所は多々あるんですが、いいシーンは果てしなく良い!
荒削りだけど嫌いになれない作品です。いい題材だし、続編希望。
原作の漫画とは時代設定とか内容もちょこちょこ改変してるそうですね。
眉毛犬にも何か活躍の場を与えてあげても良かった気がする。
もうちょっと上手くイジれば三丁目並にヒットしたかもしれないのにな。
あったかい邦画観たい人はどうぞ。須賀健太はいいねぇ。


パニッシャー (2004/米) 123分






 スパイダーマンやX-MENなど多数のヒーローを輩出してきた
マーベル・コミックスから誕生した異色のアンチヒーローモノを映画化。
家族を殺されたFBI捜査官が私刑執行人“パニッシャ―”となり、
闇の世界で法に代わって自ら悪を裁く姿を描く。
主演は「ディープ・ブルー」のトム・ジェーン。共演にジョン・トラヴォルタ。

 ある夜、密輸の裏取引の現場で一人の男が射殺された。
彼は裏社会を牛耳る資産家ハワード・セイントの溺愛する息子ボビーだった。
やがて事件の背後に潜入捜査官フランク・キャッスルの存在を知ったセイントは、
キャッスルへの報復に彼と彼の家族を皆殺しにした。
奇跡的に命を取り留めたキャッスルは、セイントを法律で罰せないと悟り、
自らの手で制裁を下すために動き出すのだった…。

 何か一見アメコミっぽくないんだけど、やっぱりアメコミ。
彼はスパイダーマンの敵役としても登場したことあるらしい。
特に特出した能力は無いんだけど、真っ黒にドクロマークのTシャツがポイント。
何と劇中、息子に貰ったプレゼントだったとは…。
トム・ジェーンは「ディープ・ブルー」でサメと戦った主人公やったり
「ポワゾン」でバンちゃんにキスする探偵やったり…
イマイチ主役としては薄い顔だけど、まぁアリかな。
トラヴォルタはいつもの非情なマフィア。よく似合うこと。
レベッカ・ローミン=ステイモスも出演してたとは後から知った。

 全体的にダークな印象を受けるけど、
アパートの住民がアメコミっぽくていかにもキャラ(笑)
前半は愛する家族を殺され、緊迫感溢れる展開。
後半から毛色が変わって、結構凝った手で復讐するフランク。
しかし彼は言う。“復讐ではない、制裁だ”と。…いや、復讐だろ!
諸所突っ込み所も満載なのだが、普通にアクションものとして楽しめる。

 まず、あの息子が全然トラヴォルタの息子っぽくないんですけど…
それに、あんな成人した二人の生み親があんなグラマー美女??
息子を射殺した警官は殺さないで、何故にフランクだけあんな仕打ちを?
息子を誘った奴は部下として生かしておくってどういった了見??
家族皆殺しにしろ、って言っておいて自分の手は汚さないんだ。
普通、自分の手で止めを刺してやろう、って思わないかな?
いざ復讐劇が始まって、殺し屋雇うとは…あんたら自分たちで動けんの?
ピアス男、「どっかに逃げて行った」とか適当に嘘付くだろ普通!!
絶対言わない、とか思わせぶりなこと言うから甚振られると思うんですけど。
親友と妻を殺させるという何とも残酷な事させて、凄いね。ネタ明かすし。
最後ら辺、トラヴォルタが可哀想にも思えてきちゃいました。
あんな最後だし…いや、派手だけどさ。悲鳴が情けねぇ~


 やっぱトラヴォルタって顔がでかいな~と再認識。
マッチョとの死闘とか、何気にフランクがドジで笑えた。
何かマリアッチみたいな殺し屋も出てくるし…徹夜で作った車~
警察は無力過ぎ、っていうか存在が途中で無くなった気がするね。
色んなレビューで評判イマイチだけど、私は単純に面白かった。
彼の武器は運の強さと、執念深さ…かな?
いつか実写版でもスパイダーマンと戦って…はくれまいか。


バニラ・スカイ (2001/米) 137分










 アレハンドロ・アメナーバル監督によるスペイン映画「オープン・ユア・アイズ」
に惚れ込んだトム・クルーズが自らリメイク権を取得、製作に漕ぎ着けた作品。
監督は「ザ・エージェント」でもトムとコンビを組んでいる
「あの頃ペニーレインと」のキャメロン・クロウ。
完璧な人生から一転、悪夢に見舞われた男の混乱と苦悩を描く異色サスペンス。
本作での共演がきっかけとなりトムとペネロペ・クルスは
プライベートでも恋が芽生え話題に。

 マンハッタンの豪邸に住み、高級車を乗り回し、おまけにハンサム。
親の残した莫大な遺産と会社の株と社長の座を持つデヴィッド・エイムス。
ジュリーという美しい恋人もいたが、どこか物足りなさを感じていた。
そんなある日、デヴィッドは親友の恋人ソフィアに一目惚れしてしまう。
しかし、デヴィッドの心変わりを敏感に察したジュリーは、
嫉妬に駆られて自ら運転する車でデヴィッドとともに崖に突っ込んでしまう。
奇跡的に一命を取りとめたデヴィッドだったが、
その顔は怪我のために見るも無惨に変わり果ててしまう…

 公開当時も随分話題になって、観たんだけど
その時はながら観で対して印象にも残らなかった。
今ならこの映画をちゃんと観れるのではないかと思い、レンタルで鑑賞。
未だオリジナルの『オープン・ユア・アイズ』は観ていませんが。
無人のニューヨークが美しい。落ち葉舞う並木道も。
色んなシーンが絵になるようなショットなのが凄い。

 脇を固める人たちも、それぞれ不思議な魅力がある。
キャメロン・ディアス演じるジュリーは前半は哀しい女性で
後半からはその笑顔がゾッとする程、恐い印象を与える。
ペネロペ・クルスは、なるほど、トムが惚れこむだけあって可愛らしい。
ていうか、彼女を落とす為にリメイクしたのか?!
小鹿みたいな顔だな~彼女は悪女の役を演じてもハマリそう。
ブライアン役のジェイソン・リーと謎の男を演じたノア・テイラーは
それぞれ『あの頃、ペニー・レインと』でジェフとディックを演じてたんだね。
ノア・テイラーの不思議な顔つきに惹かれました。
ティルダ・スウィントンも無機質な女性って雰囲気が。

 何が現実で、何が夢なのか?真実と虚構の狭間でひたすら地獄。
トム演じるデヴィットは痛い目に遭っても自業自得なとんでもない男だ。
理想の女、ジュリーをセックスフレンドと吐き捨てられ、
折角知り合った女性ソフィアまで見境なく奪われる…哀れなブライアン。
いつも欲しいものを軽く掠め取られ、同情で自尊心を高める道具にされて
傍らにいる“親友”と呼び合うその男の身になったら、たまんない。
あそこまで差があると、例え気が合う仲でも離れたくはならないだろうか。

 デヴィットは顔が崩れて、表面だけしか付き合えていなかった事実を悟る。
顔が醜くなった今、性根の醜さが嫌な程、際立ってしまうのだ。
なるほど、すべてが完璧だった男がそれを失う…
想像を絶する苦悩の日々だろうなぁ…居た堪れない。
主人公に苛立ちつつも、可哀想になってきて、謎は深まっていく。
現実としては矛盾過ぎて収拾がつかなくなってきたかに思えた時
例のビルに行くことになるわけだけど…
助けを求めて一人で叫ぶデヴィット…流れる音楽。
ポール・マッカートニーがこの映画の為に歌を作ったとは!
天まで続きそうなエレベーターにバニラ色の空…綺麗だったなぁ。

 「
現実に戻った時、君はもういないけど、愛し続ける…
そんなメッセージが凄く素敵に思えてしまったわ。
何だか、本当に夢を見ているような映画だった。
誰かが体験した夢をそのまま映画化したような…
「目を開けて」 「目覚めて」今、自分は本当の現実に目覚めているのだろうか?
始めは腹の立つ主人公に思えたけど、デヴィットが悪夢を見始めたのは
潜在意識の中にある彼の罪悪感からだった、ってうのが良かったね。
彼は無意識のうちにそうなることを望んでいた。苦しむことが贖罪なのだ。

「あなたの幸せって何?」って問いかけも深かった。
だって何でだか、デヴィットの立場になって考えると
何が幸せか問われて普通に答えが浮かばなかった。


 
ハネムーンは命がけ (1993/米) 93分


 マイク・マイヤーズが“結婚恐怖症”の独身男に扮する、
ちょっとスリラーのパロディめいた奇妙なコメディ。
シスコのカフェでバンド演奏をバックに詩を吟ずるチャーリー(マイヤーズ)は、
親友の警官トニーに自分の女運の悪さをつくづく嘆くが、
肉屋を一人で切り盛りするハリエット(N・トラヴィス)に一目惚れ。
付き合いを始めすっかり意気投合した二人。
所が巷を騒がす結婚した男を殺す謎の殺人鬼の女の噂が
ハリエットに当てはまる特徴ばかり!疑心暗鬼に陥るチャーリー…

 「パルプ・フィクション」のハニー・バニーこと
アマンダ・プラマーが好演。ああいう役が似合うわけね。
終盤は、ハラハラしたわ。

 これがオースティン・パワーズの素顔だ!って映画だね。
作られたのはオースティンより前だけど…顔地味だけど素で芸人な人柄っぽい。
コミカルな口調で喋ってて、好感持てるキャラだった。
やはり顔アップになるとDr.イーブルを思い出す…(笑)
ギャグは今ではコテコテかもしれないけど、その古さがしっくり来た。
土曜の昼間にテレビ放映してる映画っぽい雰囲気。
先もある程度読めるストーリーだけど、好きだ。
軽いコメディ映画としては安心して観れるんじゃないかな。
観ようとする人少なそうだけど、隠れた佳作って感じ。


パピヨン (1973/仏) 151分





 胸に蝶のイレズミをしている所から“パピヨン”と呼ばれている主人公が、
無実の罪で投獄され、13年間にも及ぶ刑務所生活を強いられながら、
自由を求め脱獄不可能と言われたフランス領ギアナから脱獄を繰り返すのを描く。
脱獄囚アンリ・シャリエールが書いた実録小説が原作となっている。
彼は撮影現場にも立ち合い映画制作に協力したが、作品が完成する前に他界。
監督は初代「猿の惑星」でも有名なフランクリン・J・シャフナー。
主演にスティーヴ・マックィーン、ダスティン・ホフマン。
二人には当時としては異例の出演料が支払われた。(300万$・140万$)

 ダスティン・ホフマンが出てるからレンタルして拝見。
古い映画だから、眠くなりそうだななんて思いはすぐに吹っ飛んだ。
長い作品だけど、「どうなっちゃうんだ?」って思いでドンドン話は進む。
ホフマンが演じたのはパピヨンと親しくなった金コネのあるルイ・ドガ。
この人は心底凄いね。いや、マックィーンの熱演も凄いんだけども。
二人の他に、脱獄にあたって仲間が出てきたり、いなくなったりして
壮大なRPGを見ているような気分にもなった。

 独房に入れられているシーンを見れば、どんな食事もおいしく感じる。
鬼気迫るマックィーンの顔が恐かった…偉い、あんた偉いよ。
深い恩が出来たドガが裁判のやり直しの話を持ちかけた時、
普通の人なら大人しく待つよね…無理に脱獄して死んだら元も子もないし。
でも、パピヨンは信じなかった!…そして、哀しいかな、それは正しかった。
足怪我して砂浜に置き去りにされたドガが可哀想…だったんだけど、
彼は天性の才能か、世渡りは上手そうなのよね。再登場して安心した。
原住民の皆さんが急に消えたのだけは納得いかないけど。
看守にも怒りがこみ上げるが、一番憎たらしかったのはシスターだな。
騙して、しかも金はもらっとく、と。そして罪は許されましたよ~なんて。
独房生活のその後、孤島に連れてこられた老いさらばえたマックィーン。
もうすっかり隠居老人になったかに見えたパピヨンとドガだったが、
パピヨンはまだ懲りない!すべてはあの夢の中の裁判が物語る。
「人生を無駄に生きた罪」…それを言うなら私も充分、罪人ですよ。
「すまん、行けない」とすまなそうに言うドガの気持ちの方が共感できる。
字幕だけで声確認してないんだけど、途中からパピヨンは
彼のことを“ドガ”から“ルイ”ってファーストネームで呼んでいますね。
映画のラストシーン、海に揺られるパピヨンとイカダの下に
支えるダイバーの脚が映っている、というアリャリャな映像があるそうですが
見終わってから感想サイト回って知って良かったわ。素直に感動してたもん。
足なんて全然見えなかった…ってか意識してなかったら見えないもんかも。


 映画を観終わって、冬なのに真夏の太陽に照らされているように熱かった。
素晴らしかった。こんなに凄い映画だとは思わなかっただけに。
今度、マックィーンのもうひとつの脱出劇「大脱走」も拝見せねば。
メイキングも拝見。原作者と出演者が固い抱擁をしてたのが印象的。
撮影も大変な様子が伝わってきます。ワニも怖かったしなぁ。
シリアスな題材ですが、生きる力が沸いてくるというか、強いパワー貰った気分。
硬派で凄まじい映画ではありますが、見て欲しい。多くの人に見て欲しい。


パフューム ある人殺しの物語 (2007/独・仏・西) 147分








 85年製本、原作者パトリック・ジュースキントのベストセラーが待望の映画化。
奇想天外、破天荒、前代未聞で話題を呼んだその小説は
45ヶ国語に翻訳され、全世界で1500万部以上の売り上げを記録。
スピルバーグやスコセッシらが映画化権を奪い合った作品だった。
原作者は頑なに拒んでいたが、遂に企画が通り、映画化されることになった。
監督を務めたのは「ラン・ローラ・ラン」のトム・ティクヴァ。
音楽ではベルリン・フィルハーモニーが一役買っている。
主演に選ばれたのはイギリス新鋭俳優のベン・ウィショー。
「ピーターパン」のウエンディで映画デビューした、
撮影時15歳の若手女優レイチェル・ハード=ウッド。
他、ダスティン・ホフマン、アラン・リックマンらベテラン俳優が脇を固める。

 18世紀、フランス。類稀なる才能を持つひとりの孤児がいた。
彼の名はジャン=バティスト・グルヌイユ。
何キロも先の匂いを嗅ぎ分ける脅威の嗅覚を持っていたグルヌイユは、
やがてパリの調香師ジュゼッペ・バルディーニに弟子入りして
香水の作り方を学ぶと、更に高度な技術を求めて香水の街グラースへと向かう。
グルヌイユは、天使の香りの如き究極の香水を創りたいと願った。
天才的な嗅覚を持つ調香師が作った許されざる香水とは…

 香水、中世、フランス、ダスティン・ホフマン、の要素で鑑賞決定!
観客に匂いを連想させる為に多種多用なカットが沢山出てきて、
いやらしくない裸体とか、映像的な満足度が高かったです。
生臭さ、花のかぐわしい匂い、ジョン・ハートのナレーションも手伝って、
今まで映画を見る上でさほど気にならなかった“匂いを想像する”という行為。
それが凄く新鮮で、作品の生々しさと一緒に味わいました。
歴史風物語的にはかなり突っ込み所もあり、マニアックだったりフェチ過ぎたり
嗜好によって好き嫌いがかなりハッキリ別れそうな作品です。
主人公の生い立ちと主人公に関わる人達のお約束が寓話ぽくて好きです。
ああいう境遇で育ったから倫理観や常識が欠けていて、
無知な子供のように…というか野性的に望むものを追求するんですね。
その純粋さ、執念たるや、何だか少し羨ましささえ感じてしまった。
主人公のブサイクとも美形ともいえないルックスと貧相な身体付きがリアル。

 
連続殺人を行う上で、何故いとも簡単に出来る?足がつかないのか?
美女の匂いを合わせて創ったあの香水、何故女性にも効くの?
あの採香法なら何も殺す必要はなかったんじゃ…説得は難しいけど。
ていうか何であれを嗅ぐと皆が我を忘れて性交に走るのか。
しかし、それをいざ映像で見せられると何もいえなくなる。
匂いを追跡しちゃうシーンでは人並み外れ過ぎて笑いがこみ上げたけど。
でもあの、娘が馬に乗ってて振り返るシーンがまた綺麗なんです。
あそこまで超人を徹底しちゃうなら、X-MENにも入れちゃうぞ。
香水は世界を征服できちゃう程、恐ろしい効き目だしね。
娘を殺された父親の憎しみ、復讐心ですら溶かしてしまう。

 全裸の民衆シーンは宣伝で使っちゃいけないような気がする。
あれは映画を観ていた人が遭遇する、衝撃的な展開なんだからさ。
私はそのシーンで然程主人公の表情に注目していなかったせいで
後の主人公の苦悩に多少ついていくのが遅れてしまった。
香りに夢中で人間関係には興味なさそうに見えた彼ですが、
洞窟で自分が無臭で誰の記憶にも残らないと知り、究極の香水を求めた。
彼は人の記憶に残りたかった、愛されたかったのだ。
でもハンカチを投げて匂いに群がる民衆を見て、彼は痛感。
自分自身を求めてくれる人はいないのだ。
その時、あのプラム売りの女性を思い出す。彼はあの時、娘に恋してたのだ。
匂いで魅せられたにせよ、普通の男性なら口説いて付き合って、
心を通わせたり身体を交じあわせたいと単純に願う。
でも哀しいかな、彼はその“普通”が分からなかったんだね。
パリに戻っても孤児院のばあさん、皮職人のおっさん、香水屋の師匠、
みんな死んでしまってるから、それがまた孤独に響く。
ゾンビ映画みたいなシーン、直接描写がなくて良かった。
あの“消えた”ってカンジがいい。しかし凄いラストだったな。
ホフマン演じる香水屋の死に方はある意味、幸せだと思う。


 “匂い”ってものの意外な重要さというか、意識が変わった。
何でも、人間は匂いがないと相手に性的魅力を感じられないらしい。
私は普段から鼻使ってなかったからな…これからは意識しよう。
あの香水のビンに惹かれたけど、劇場でレプリカ売ってないのか(笑)
個人的にはパリの傾いた香水店が活気づいてく様をもっと観ていたかった。
版権をスピルバーグとスコセッシが争ってたという話、
もし二人が撮ってたら、ハリウッド系の大衆向けになってたのかな。
この映画の雰囲気、映像美、音楽、気に入ったのでこちらで正解?
家に帰って早速香水クンクンしました。私は好きです。78点。


バブルへGO!! タイムマシンはドラム式 (2007/日) 116分




 「私をスキーに連れてって」「彼女が水着にきがえたら」の
ホイチョイ・プロダクションズが8年ぶりに手がけたSFコメディ。
莫大な借金を抱え停滞を続ける日本経済の元凶を絶つため、
タイムマシンでバブルに浮かれる1990年の日本に送り込まれたヒロインが
体験するカルチャーギャップをコミカルに描く。
主演は阿部寛と広末涼子、共演に薬師丸ひろ子、
吹石一恵、劇団ひとり、伊藤裕子、小木茂光、伊武雅刀。
飯島直子、飯島愛、ラモスらがバブル時代にゲスト出演している。

 2007年、現在の日本。景気の回復に力強さはなく、低迷が続く日本経済。
800兆円という国の借金が重くのしかかり、国家の崩壊は目前に迫っていた。
そんな日本の危機を救うべく、財務省大臣官房
経済政策課に勤める下川路功はある計画を進めていた。
それは、1990年にタイムスリップしてバブル崩壊をくい止め、
歴史を作り変えるという極秘プロジェクトだった。
ところが、タイムマシンの開発者・田中真理子が
90年3月の東京にタイムスリップしたまま行方不明になってしまう。
そこで、真理子の娘で借金取りに追われるフリーターの真弓が、
母親を救うためタイムマシンに乗り込むのだったが…。

 劇場鑑賞。家族や友人で観に行くのには最適かも。
私はバブル当時は小学生かな?東京じゃないから実感なかった。
でも小学生時代の自分の絵、女性がボディコンばっかりなのはこの影響。
広末涼子可愛かった~子供産んであのスタイル、凄く羨ましい。
ノリノリダンスシーンも見所。何かカッコいい。
硬貨とか細かい映画のオマージュが薄~く散りばめられてましたね。
ギャグ映画なんだろな~って気持ちで観に行って、実際そうなんですが、
タイムパラドクスなどの突っ込みは言わないお約束、
思い返せば何も残らない作品なんだけど、観てる間は凄く楽しい。
そういう意味で、娯楽作品としては充分楽しい映画に仕上がっています。

 
阿部ちゃんと広末の関係は結構前から頭のかきかたとか
伏線があったので分かり易かった。あからさま過ぎる程に。
キスだけならいいよ、のシーンも最高に可笑しかった。
バブルの描写は、もっと詰め込もうと思えば詰め込めた気がする。
バブルを象徴できるタレントも集めようと思えばもっと集まったはず。
結構、17年前だからそんなに凄く変わったわけでもないような気がした。
終わり方が凄く好み。「パパと呼びなさい。パパと」

バブル…よりも、阿部ちゃんが
総理の時代に行きたい。


バベル (2006/米) 143分










 「21グラム」のアレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ監督が、
旧約聖書の“バベルの塔”をモチーフに描き出す衝撃のヒューマン・ドラマ。
主演にブラッド・ピット、ケイト・ブランシェット、
共演に人気急上昇中のラテン系俳優ガエル・ガルシア・ベルナル、
日本から役所広司と菊地凛子が出演し、
各国の映画賞レースを賑わせ日本でも大きな話題となる。

 モロッコの険しい山間部を走る一台のバス。
そこに乗り合わせた旅行中のアメリカ人夫妻、リチャードとスーザン。
壊れかけた絆を取り戻すため二人だけで旅行にやってきたが、
山羊飼いの少年が放った銃弾が運悪くスーザンの肩を直撃する。
一方、夫妻がアメリカに残してきた幼い子供たちの面倒をみていた
メキシコ人の乳母アメリアは息子の結婚式に出るため帰郷する予定が、
夫妻が戻らず途方に暮れ、幼い子供たちも連れてメキシコへ向かう決断をする。
やがて事件を起こしたライフルの元・所有者として、
東京の会社員、ヤスジローの名前が浮かび上がる。
そんな彼の女子高生になる聾唖の娘チエコは、無音の世界で
人との繋がりを欲し、寂しさと孤独で心を悩ませていた…。

 バベってきましたよ。なかなか混んでました。
その観客の半分はガッカリして帰っていったんだろうな、と思います。
エンドロールを待たずに足早に…でも私は正直、思ったよりよく出来てて驚いた。
まず難解だと聞いていたけど、モロッコ、メキシコ、日本のエピソードは
終始目が離せなくて同時
進行する様をドギマギしながら見てました。
こういう悪気もなく巻き起こる不条理な話には凄く惹きつけられる。
一般人は原則として銃を持てない日本で猟が趣味で銃持っていたって設定、
非常に珍しいし、悪く言えばちょっとリアリティに欠ける。
日本である必要があったのか?とまで一部言われてしまっている。
日本の女子高生のミニスカートを撮りたかっただけかもとか、
マーケティングを考えて今が旬の日本を取り入れたとか…

 親切にされて感謝の気持ちで銃をあげたのに、コヨーテに羊が食べられて
困ってる一家に銃を売ってあげただけなのに、深くは考えずに遠くの的をと
バスを狙って試し撃ちしてみただけなのに、偶然旅行してただけなのに、
息子の結婚式にどうしても出たかっただけなのに、、、、やるせない。
凛子演じる聾唖の娘の行動が異質なので首をかしげる人もいるけど、
私は何故かすんなり「そうだろうな」って思ってしまった。
よく判らないけど、同じ立場なら私もああいうことするかもしれない、なんて。
ただ、内容が明かされない謎のメモはちょっとズルい。
でも映画はある程度は見るものの感性に任されるものだから、
きっと色んな解釈が飛び出すように、ああしたんだろう。
ベランダで裸になってる娘を抱きしめる父親の構図はありえないと思った。

 ブラピ&妻は散々な目に遭ったけど、夫婦は和解できて、
辺鄙な村に連れてこられたがガイドの男と村人のあたたかさに打たれたし、
(金を渡すブラピの感謝の気持ちも、受け取らない男の気持ちもあったかい。)
日本では事件がキッカケで少し親子の溝が縮まったけれども、
モロッコの家族は仲良し兄弟の兄が射殺され弟が警官を撃ってしまうし、
メキシコでは幸せな結婚式の帰り道、一転して地獄に突き落とされる。
アメリアが気の毒だった…預かってる子供を無断で連れ出したのは
悪いことだけど、知らない他人に預けてしまうよりはと思うし、
ずっと子守をしてきて我が子同然の愛情を注いできた二人と
あんな形で離れ離れになってしまうなんて…生きててよかったけど。
ガエルはそのまま消息不明か…バカだよ、まったく。
絶望の方が大きい。希望をわずかにしか匂わせない終わり方。
せめて、無事に生還したアメリカ人の子供を映して欲しかったな。
息子の声聞いて泣くブラピはその後、子供たちが行方不明になるという
更なる不幸の知らせを聞かなければならないんだなぁ…


 ニュースで一部問題になった光チカチカ場面は確かにきつかった。
でもあのシーン、カットするわけにはいかないほど重要なシーンでもある。
凛子の
ヌードは変にモデルっぽくないところが生々しい。

純粋に感動する、ってタイプの映画じゃなかったんですが、
世界の繋がり、心の繋がり、わかりあえないもどかしさ、
色々と考えさせられる映画ではありました。
いつ平凡な日常が壊れるのか、ちょっとした判断がキッカケかもしれない。
自分の行いで知らない場所で誰かが傷ついてるのかもしれない。
好き嫌いが激しく分かれそうな作品。個人的には、70点。


パラサイト (1998/米) 104分


 「デスペラード」「フロム・ダスク・ティル・ドーン」の監督ロバート・ロドリゲスと、
「スクリーム」の脚本家ケヴィン・ウィリアムソンが組んだSFホラー。
気弱でいじめられっ子のケイシーが通うある学園で不気味な出来事が起こる。
シャワールームに突然現れたボロボロの身体の先生、
水ばかり飲む明らかに人が変わったような教師たち…
保健医が無理矢理寄生虫を耳に入れられる現場を偶然目撃してしまった
ケイシーとデライラ。学園の危機に仲間を集めエイリアンと戦うことに。

 イライジャ・ウッド主演(「ロード・オブ・ザ・リング」フロド役で後に有名に)、
この頃はまだ無名だったジョシュ・ハートネット、
ロバート・パトリック(ターミネーター2のT-1000が有名)、
ファムケ・ヤンセン(X-MENシリーズのジーン役)などなど…
ロドリゲスの映画だけあって、サルマ・ハエックもちょい役出演。

 たまにテレビ放映されてるB級SFホラー…って感じ。
でも好きだ~毎度見てしまう。青春学園ものな雰囲気がたまらん。
あの豪華キャストでドラマとして見ていたいとも思う。
ホラーだけど、ギャグが効いてるし、慣れれば全然怖くない。
冒頭でキャラ紹介に使われる文字ロゴが漫画っぽくて好き。
どのキャラもそれぞれ個性的でよくいるキャラが確立されてる。
いじめられっ子、スポーツマン、危険が好きなはみ出し者
美人と自覚してる女の子、一匹狼な女の子、転校生でお節介な女の子…
黒髪の子、確かに美人で可愛かったな。
一匹狼な子、日本でいうとビジュオタ系に入るのかな…マスカラ濃い。
あの子が片思いや本心語ったりで、結構好き。
ロバート・パトリック演じる教師が怖いの何のって…やっぱTー1000だわ。
冒頭の不気味な始まり方も異質。「鉛筆を貸して下さい」

 水を好むエイリアン、ってことで水がある場所では無敵状態。
そのエイリアンを倒す方法が…とはね。塩って無いの?
親玉を倒せば大丈夫だなんて、人間に随分有利な設定ですね。
その間に倒してしまった人も、一部無事なんかいー!!
初見の時は、普通に親玉が誰に寄生してるのかサッパリだった。
初めて観た時ゃ、スリリングな展開でドキドキしっぱなし。
学園という閉鎖された空間で周りがどんどん薄気味悪く見えてくる…
小学生や中学生が見たらこの映画の影響で
通い慣れた学校が違って見えたりするんだろうか。
アメリカの学校って私服で自由で、好き勝手で
先生は厳しいけどそれなりに生徒も羽目外してて面白そう。
イライジャの役まわりは、非力に見える人が世界を救うのだ!ってか。
この頃からの交流でイライジャは「スパイ・キッズ3-D」に出たのかな。


ハリー・ポッターと賢者の石 (2001/米) 152分


 イギリスのベストセラー児童文学本を映画化。
ハリー・ポッターは幼い頃両親と死に別れ親戚の家で苛められ暮らしていた。
そこに突然、魔法学校から入学手続きの手紙が来た。
両親について本当の話を聞いたハリーは魔法学校ホグワーツに入学。
そこでの彼は将来を有望視される有名人。
友達も出来、一緒に魔法を学び、その生活に馴染んでいくハリー。
とあることから「賢者の石」というものの存在を知り、
両親を殺した魔法使いが復活しようとしていることが分かったハリーたちは…

 うちの両親と弟がこの本読んでいたので家族で映画館鑑賞。
1作目は単純に、まぁ楽しめたと思う。
ただ、この作品は基本的に主人公が気に入るか気に入らないかで大分違う。
私はハリーが大嫌いだ。ちなみにロンもハーマイオニーも好きじゃない。
キャラを際立たせるライバルと敵も力不足。
主人公たち側に肩入れしすぎているようにも思う。
最後に結局出たのは魔法とは言いがたいものだったし…
校長や周りの先生も甘すぎる。
 それにクディッチのルールも滅茶苦茶だと思う。
それなら最初から二人のゲームになるんじゃないの?勝敗だけならさ
「この子はこんな不幸な境遇だからこの位大目に見る」って空気。
ラストのなんて、あのクラスの人たちがコケにされて可哀想である。
「あのクラスは悪い魔法使いがよく育つ」そんなイメージ縫い付けちゃって。
実際にあんな学校があったら、たまったもんじゃねぇ~!!!

 ただ、1作目はアルバムのシーンだけ目頭が熱くなった。それだけ
子供向けの映画だからしょうがないんだろうけど
何ていうか、「グーニーズ」くらいハラハラ感も欲しい。



ハリー・ポッターと秘密の部屋 (2002/米) 161分


 ハリー・ポッター映画化第二弾。
魔法学校2年生に進学するハリーにトビーという屋敷しもべが訪ねてくる。
彼はハリーに今学期は学校へは行かないよう警告する…

 空飛ぶ車や暴れ柳、フェニックスに剣とかアイテムや新キャラも加えた2作目
主要キャラたちが実際に成長しているのは見てても面白い。
マルフォイの親父やクディッチ参戦など、ちょっとは期待したけど
全然魅力に欠ける。悪役にはもっと頑張ってもらいたい。
ヴォルデモートが変わった形で復活してくるのはよかったが
その場にいても怖さが伝わらない。怖いのはバジリスクだもん。
フェニックスが人形劇に出てくるようなショボさでこれもがっかり。

 あの世界そのものはいかにもファンタジーで面白そうなんだけど
料理の仕方がおかしいのかな?もっと単純な楽しさも欲しいとこ。
劇中に出てくる魔法も、あまり使えても楽しそうじゃない。いまいち判らん。
魔法使いの家系とか差別があるのは現実感があるけども
肝心のエリートたちが無力に見えて仕方ない。
ハーマイオニーが努力で簡単に補える程度の差なのだろうか。
それとも血統そのものに魔法使いの素質は含まれてないのか

 新任教師のヘタレ感と魔法対決はちょっと楽しめたけど
私はどうしてもハリーが好きになれん。嫌いだ。
悪いことしても反省の色が見えない顔ばっかしやがって。
今回で、もっと工夫をしないとこれから先どんどん悪くなっていきそうだと確信。
1作目は新鮮味もあったけど、それ以外でも勝負が必要か。


ハリー・ポッターとアズカバンの囚人 (2004/米) 142分


 ハリー・ポッター映画化第三弾。
文句ぶつぶつ云っておいて何故毎回観に行くのか…
今回はCM見て監督も毎回変わるし変わったもの味わえそうで顔突っ込んだ。
 魔法学校3年生になったハリー達。
アズカバンの囚人、魔法使いシリウス・ブラックが脱獄しハリーを狙うのでは
ないかという噂が先生達の間であり、偶然聞いてしまったハリー
両親を死に追いやったというかつての親友シリウスのことを知り戸惑うハリー…

ホラー色が強くなってきた今作。
アズカバンの吸魂鬼ディメンターという追っ手がウヨウヨと来るのだが
奴らはシリウスを捜してるのに何故ハリーを狙うのかが判らん。
それにあんな気味悪い意思のなさそうな集団が来ても困るだけだ。
脱獄した奴見つけたら容赦なく殺すシステムなのか??
 あと、怪物の本とか意味不明な設定アイテムが不可解。
それである必要性もないのに…ただのお遊び感覚?

今回でライバル以下のチキンになったマルフォイ。
結局奴の武器は親父の権力だけなのね。立場無さ過ぎ。
どういう趣向か知らないけど、ハーマイオニーが主役の方が良さそうだ。
だいたい、主人公が生まれつき才能にあふれる天才魔法使いじゃな~
血が劣等だが努力で成長し力をつけていく彼女の方が主役っぽい。
そんなハーも魔法学校に入ったいきさつや向上心に理由が欲しい所。
あと、親父たちの友情の構図ももっと詳しく描いて欲しかった。

1作目でも云えることだけど、ハリーは毎度何だかんだ言っても
スネイプ先生に助けてもらってるんだからお礼ぐらい言うシーンないのかよ
礼儀や反省、ひたむきさと純粋さがハリーには足りなさ過ぎる。
冒頭でもあんなことして当然顔だしね~罪にも問われない。
怖いね~いずれ人殺しそうだ。

よく「原作には詳しく書かれてる、原作読んでもいないのに」という意見聴くけど
原作は原作、映画は映画。単体でも理解できる代物でなければならないはず。


ハリー・ポッターと炎のゴブレット (2005/米) 157分





 ハリー・ポッター映画化第4弾。
あの小さかった子役たちもぐーんと成長し、物語もどんどんダークに。
冒頭からマグル家族の虐め生活が描かれなくて、そこらへんは良い。
いきなしハーマイオニーに起こされてロンファミリーと一緒に小高い丘へ。
そこに置いてあったボロいブーツを触るとこりゃビックリ、ワープ!
ドラクエの“そらとぶくつ”を思い出しましたとも。
到着したのは魔法使いのクディッチ・ワールドカップ会場。
小さなテントが所狭しと建てられてて、中に入れば広々室内。魔法っていいなー
なんてハリーが今更感激して、でかいドーム会場へ。
エリートボンボンのマルフォイ親子はスネ夫ポジションですね。
クディッチ界のスーパースターが登場し、試合は白熱した模様。(カットだよ)
夜寛いでいると外が騒がしくなってきましたよ…“デス・イーター”ですって!
何だかようわからんが、魔法使いたちがまるで一般人のように散り散り逃げ出す。
取り残されて気を失ったハリーは偶然目撃。
なんと、“例のあの人”が復活する兆しが見えてきてさぁ大変!

 ホグワーツの4年生になり、14才…って見えないよ!!学校行くと今度は
100年の封印を破り、“三大魔法学校対抗試合”がホグワーツ主催で復活するとか。
世界の三大魔法学校の生徒がヘンテコなパフォーマンスで登場し、
代表選手3名が魔法の力を競い合う交流戦になるはずだったが
立候補した生徒の中から“炎のゴブレット”が代表選手を選び出すなか、
立候補もしていなければ17歳という年齢制限にも満たない1ハリーが
なぜか4人目の選手として選ばれてしまう。
はい、皆に卑怯者の烙印を押され、友のロンには疎外され、理由も分からぬまま、
ハリーはこれから始まる3つの危険な試合に挑むハメになるのでした。

 ハリーが恋心を抱くというチョウという女生徒、いつ初登場してきたっけ?
何か気づいたら「あぁ、その子に気があったの」ってなってたから??
ハリーもロンも適当で酷い野郎だな。本命誘えないからってさ…
未だにハリポタ・ワールドに自分好みのキャラが出てこないのが辛い。
ゲイリー演じるシリウスは今回カルシファー状態だし(笑)
楠田エリコもどきが出てきてちょっと笑いを提供していましたな。
相変わらずハリーには苛つくばかり。もっと魔法のキャパ積めよ。
ドラゴン戦も水中戦も、カップ探しの迷路も、あまり魔法使い№1決めるのに
必要な要素があるとはあまり思えないんだけど…もっと適した競技ないのかね。
セドリックってのも今回初めてスポット浴びただけ、って感じで
ああいう役が回ってくるのなら1作目からの親しみあるキャラとして描くべきかと。
ハリーにクディッチ教えてくれた先輩、とかでもないんしょ?
ヴォルデモートさん、鼻!鼻!失敗じゃない?とか気になった。

 まぁ、長いって印象は受ける。原作2冊もあるんだししょうがないな。
そして各エピソードがぶつ切りされている感も否めない。
ハリーもロンもハーマイオニーも感情移入できんので困る。
シリウス活躍して欲しかったよう。スネイプ先生の今後も気になる。
私にとっては「ハリポタの魔法世界ってこんな感じ」ってのを観てる映画だな。


ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団 (2007/英・米) 138分






 ハリー・ポッター映画化第5弾。
今作は新キャラに不思議ちゃんルーナ(イヴァナ・リンチ)
ピンクおばさんことアンブリッジ先生(イメルダ・スタウントン)
シリウスの親戚でム所に入ってた魔女ベラ(ヘレナ・ボナム=カーター)

 例のあの人が復活した!騒ぐハリーに耳を貸さない魔法省。
予言新聞には出鱈目だとスッパ抜かれ疑心暗鬼に陥るハリー。
人間界でいきなり不良になったダドリーと共にディメンターに襲われ
魔法を使用した廉により裁判にかけられたが退学は免れる。
魔王の復活を信じない魔法省はダンブルドアがよからぬことを考えるのではと
ホグワーツに特別講師としてピンクおばさんを監視役に投入。
次々と校則が書き換えられ、魔法の実技も禁止。ペーパーテストのみ。
これでは皆殺しにされる!魔王との決戦に危機感を覚えたハリーたちは
ダンブルドア軍団を結成。秘密の教室を見つけて対闇魔法の猛特訓を開始。
そして特別教師ハリーはチョウとグルグルチューしちゃったりもする。

 まず冒頭シーンで、「あれ?他の映画が回ってない?」と錯覚。
シリアスな人間ドラマ風。何であんな寂しい公園が近所にあるのかしら?
ようやくそれなりに出番が出てきたシリウス・ブラック。
地味に後ろにルーピン先生も際登場。不死鳥の騎士団てコレですか。
ハリーはまだ14歳…えぇ?でも中の人は17歳。
もう両親のことでおセンチになる年頃は卒業しそうなものなのに、
物語上ではまだまだヒヨっ子。だからハリーにイライラするのです。
チョウに手を出しといて、自白剤で仕方なかったと知ってもフォローなし。
酷い男だねぇ。もう不思議美少女ルーナに目をつけたからいいのかしら?
ダンブルドア軍団の件で文字通り蒸発しちゃう校長。
「こんなんやってられっか!」と双子君大活躍。壮大花火大会開催。
ハグリットの弟の巨人君、キンコン風味出したかっただけ?出る意味あまりナシ。
ハリーの父ちゃんがとんでもない奴だったと判明。立派なイジメっ子です。
ますます、スネイプ氏が気の毒になってまう。そりゃシリウス助ける義理無いさ。
水晶の部屋をさんざん荒らし回って逃げこんだ先の扉は(゚Д゚≡゚Д゚)エッナニナニ?
ちょっと油断してアッサリ天昇してしまうシリウス。
ヘレナとゲイリーの絡み、全然なかったわ~残念。「デス!」並にあっけない。
ヴォルさん登場で、暗黒面に引き入れようと、まるでSW。
校長との一騎打ちもSWを彷彿とさせる。何も出来ないハリー。
「失ったものは返る」まるでシリウスが帰ってきそうな予感
…いやないか?

 今回の収穫はゲイリー様の華麗な魔法の杖さばきと
ヘレナの似合い過ぎるクレイジー魔女っぷりと、ハリパパの本性と、
生徒たちが魔法を覚えていく過程がワクワク見れたことと、
不思議ちゃん登場で何だか先が楽しみになったこと…かな?
大人の役者たちの方が観てて楽しいので、親世代の物語に興味津々。
でもこの作品、何でもアリ&伏線未回収&特に存在意義のないキャラの
ご都合主義が多いから、次回で簡単にレギュラーの座を降りてそうな気が。
もうこれ、児童書で売り出しちゃイカンと思うのよ。筋が粗いし納得いかんし
何よりハリーが贔屓されまくっていて物語としては破綻の極みよ。
分厚くて高くて長い小説読むよりも映画を観た方が簡単なので見てます(笑)
とりあえずハリポタブームがどのように終焉を向かえ、
その先、残る作品になるかどうか楽しみですわ。


バリー・リンドン (1975/英) 186分


 スタンリー・キューブリック監督作品。
原作はサッカレーの『ピカレスク・ロマン』19世紀の没落していく貴族を描く。
アイルランド人のバリーは色恋沙汰で故郷を追われイギリスの軍隊に入り
貴族として生きることを決心。成り上がりで次々と出世をしていくが…

 こんなに長かったとは…見てる間はどっぷりはまっていた。
とにかく、共通して断言できるのが、映像が美しい。
照明機材を使わず全て蝋燭で室内撮影を行ったらしい。
最初はポカンとした冴えない顔つきの主人公も
観ているうちに段々、愛嬌があるように思えてきた。
白塗りホクロの貴族がうわぁ~だったけど、リアルな雰囲気。

 淡々と語られるストーリー。1部2部構成
時代劇や西部劇とかの決闘は見慣れたものだったけど
英国式の決闘を見るのは初めてだったんで新鮮だった。
次はこちらの番~とやっていくのか…先行が有利だけど外れたら怖い。
リボンで相手を釣っていた従姉がおもろい。

 アイルランド式な太鼓と笛でひたすら行進していく戦法も
騎士道精神らしいが、銃でバッタバッタと撃たれていく…効率悪い。
軍隊生活が辛くても何だかんだで生き延びているバリー。
逃亡する際はこっちもハラハラ。
軍服を着ている男はモテ度がアップするなぁとふと思う。

 バリーはとにかく運が良かった。
そして、後半はそのツケが回ってくる。悲惨だ…
貴族の給料ってどうなっているのだろう?
未亡人の奥さんがサインするだけで生活は成り立つんだろうか。
終盤の決闘シーンでは何故か「偉いぞ」と思ってしまった。
〆の文章ですべてを完結させてしまった。

 〆で確かにこいつは傑作だなと思った。虚無感が襲ったけど…
3時間のこの映画を2時間くらいだったと感じた私は気に入った。
「シャイニング」や「時計じかけのオレンジ」「博士の異常な愛情」
などと比べると衝撃はなかったけど良作じゃないかな。
パッケージ買いしたけど破格の値段で手に入れられて嬉しい。


バリスティック (2002/米) 90分


 監督はタイ出身の若手の新鋭カオス。
主演はアントニオ・バンデラスとルーシー・リュー
国防情報局(通称DIA)の長官の息子マイケルが誘拐された。
愛する妻を事故で亡くした元FBIのクエスにその息子の救出依頼が舞い込む。
報酬は妻の居所…疑惑と怒りに燃え、真相を突き止めようと
クエスは謎の女シーバーの後を追う…

 何か普通のハリウッドアクションとは異質だと思ったら監督がタイ人だったとは。
使用された火薬の多さが宣伝文句にも使われていたようだけど
あんまりそういう爆破シーンの迫力とかにうとい私はフーンでした。
バンデラスも控えめな気がして、イマイチかなぁ…もっと遊び心が欲しい。
ルーシーは冷酷な女暗殺者って感じで似合ってた。

 ストーリーは粗がある。お互いちゃんと確認する手段なかったのかな?
マイケルのことは、だいたい予想ついたけど…
ラスト近くで、ドンパチがあったけど武器にも疎い私は燃えない。
要はキャラが引き立つ格好いいアクションシーンがあれば私は満足かな。
爆発とかスケールのでかさはCG発達した今ではね。
CGには無いリアルな質感や良さもあるけど…
とにかく、この作品は自分的にはハズレでした。


パルプ・フィクション (1994/米) 154分






 クエンティン・タランティーノ監督の第2作品目。
その斬新な趣向は喝采を浴び同年のアカデミー脚本賞に輝く。
ジョン・トラボルタ、ブルース・ウィリス、ユマ・サーマン、サミュエル・L・ジャクソン、
ハーヴェイ・カイテル、スティーヴ・ブシュミ、ティム・ロス等、出演者も豪華。
勿論ながら、タランティーノ自身も出演。

 映画の中で複数のエピソードが時間軸バラバラに展開する。
喫茶店で強盗を企てるカップルのパンプキンとハニー・バニー
取引にしくじり、ヘマをした連中に制裁を加えに行くジュールスとヴィンセント
ボスの奥さんの相手を頼まれたヴィンセントの話
八百長試合を仕組まれたボクサーのブッチの話…

 これを最初見た時は正直、ついていけなかった。
麻薬とか危ないプレイとか、下品なセリフとか…高校生の頃に見たっけな。
それからしばらく経って、思いなおして見直すとそんなり心に入ってきた。
くだらない話、妙にツボにくる例え話、役者の喋り方。
かなり血は多く観る映画ではあるけど、何だか平気になってる。
最初は抵抗あってもそういうぶっ飛んだ社会なんだからと思える。
ある意味怖いけどね。この映画を観てる最中はそういうもんだとなる。
トラヴォルタとユマのツイスト・ダンスはイカすよね☆
独特のセンスのある、お洒落だけどぶっ飛んでる映画。
音楽も凝ってて、サントラもかなりオススメ☆

 特に派手な映像はないのに、ここまで心を捉えて離さない。
タラちゃん自身がコーヒー片手に「
俺の家の前に看板があったか?
と話し始めて「やばい…笑えるし」と実感。どんどん、いろんな会話が魅力的に。
脚本が面白い映画って意味をようやく理解した気分だった。
「ファック」という言葉が異常に多いのもタラちゃん映画の特徴?
すぐカッとなって一触即発ムードになるのが好きになった。
ファミレスのシーンから始まってミザルーが流れるのも最高だね!
あのハニー・バニー役のアマンダ・プラマーが
クリストファー・プラマーの娘だと知ると何だかとっても不思議な気分。

 コレクターズ・ボックスを購入しましたとも!
撮影風景とか授賞式とか削除シーンが見れるのでたまんない。
タランティーノのマシンガントークには毎度感服するよ。
こんな映画オタクだから、こんな変な映画ばっかり作れるんだなぁ。
トリビア解説字幕付きで吹き替えで見るのも乙なもの。
本編が結構長いんだけど、その長さを感じさせない面白さ。

 腕時計のエピソードは、リアルだったなぁ。
クリストファー・ウォーケンがいい仕事をしています。
トイレでミーティングするビンセントは結構観てて面白い。
ジェールスの熱論には、何だかよく理解もできないが感心した。
ユマは…顔が怖い。マジでイっちゃってるのかと思った。
黒髪の彼女は凄いミステリアスでエキゾチックで魅力的に感じた。
どう転んだんだか、予想もつかない展開ばかり起こるので楽しめる。
後から時間軸の系列も頭の中でアレコレ考えて、もう1回観るのがいいかと。
ていうか、はまったら何回でも観ちゃうでしょ!!


ハンニバル (2001/米) 131分


 「羊たちの沈黙」から10年…レクター博士とクラリスのその後。
「グラディエーター」のリドリー・スコット監督、アンソニー・ホプキンス主演。
残念ながらジョディー・フォスターは脚本を読んだ段階でクラリス役を断り、
代わりにジュリアン・ムーアが演じる。

 レクター博士が逃亡し、月日が流れた頃クラリスに彼から手紙が届く…
「羊たちの悲鳴はまだ聞こえるか?」
レクター博士は重大犯罪人として情報提供者に多額の報酬が用意され
彼に恨みを持つ富豪、メイスンが彼を執拗に捜すなか、
イタリアで彼に気づき、金目当てでタレこもうとするパッツィ刑事…

 冒頭の鳩のシーンが綺麗。ヨーロッパ舞台だといい画が多いね。
全体的にどよ~んとした空気が漂う映画だけど
富豪メイスン演じるゲイリー・オールドマンは誰だか判らなかったが
「レクター博士、どうするんだ?」って思ってちょっとワクワクした。
パッツィが彼を尾行したりする所では街の美しさも楽しめたし
レクターが主人公だし、彼の手腕が見事に格好良いと思えてしまった。
教会でメイスンの部下に後ろから話しかけて鋭利な刃物でズバッ!
顔についた血をスルッと手で拭くシーン。カッコいい!
あと、「私のせいにしろ」のシーンが最高に好きだ。
正直、クラリスとレクターがそういう関係を匂わせるのはおかしかった。
ジョディもそういう所が納得いかなくて降板したらしいし。
結局、レクター博士はクラリスをそういう目で見てたのかな?何か変。
でも何だかんだいってもクラリスには優しいレクター博士。
尾行させながらも靴プレゼントしたり、何気にデレデレだ。
正直、イタリア去った後はレクターがストーカーになっちゃって、
もうちょっと底知れない不気味さを演出できなかったんだろうか。
ホプキンスも結構年をとってきて、電気ショックのシーンは心配しちゃった。

グロさを出し過ぎて引くのもあるけどレクター万歳精神なら許容範囲。
テレビ放送では問題シーンがカットされるので、あの刑事のことが繋がらない。
前作ほどのインパクトや斬新さはないけど続編としてはまぁ面白いと思う。
レクター博士ファンの為に作られた、ある種ファンタジーだそうですから。


ハンニバル・ライジング (2007/米・英・仏) 121分






 あのハンニバル・レクターの誕生秘話が明らかに!
「羊たちの沈黙」「ハンニバル」「レッド・ドラゴン」に続く
(本当は86年製作「刑事グラハム/凍りついた欲望」もあるが)
シリーズ最新作にしてエピソード1。
原作者のトマス・ハリスが初めて脚本として参加。
監督は「真珠の耳飾りの少女」のピーター・ウェーバー。
青年期のハンニバルを演じるのはフランス若手俳優ギャスパー・ウリエル。
ハンニバルに深く関わることになる日本人女性役にコン・リー。
他、共演にリス・エヴァンス、ドミニク・ウェストなど。

 1944年リトアニア。貴族の家に生まれたハンニバル少年は、
戦争の混乱の中、両親を亡くし幼い妹ミーシャと2人山小屋に隠れ住んでいた。
ある日、残忍なドイツ逃亡兵グループが山小屋を乗っ取り、
か弱いミーシャは“ある事情”の為、彼らに殺されてしまう。
その後、心を閉ざしたまま孤児院で成長したハンニバルは脱走し、
唯一の親類を求めてパリの叔父のもとへ行くが、叔父は亡くなっており、
未亡人の日本人女性レディ・ムラサキが、ハンニバルを迎え入れる。
ハンニバルは彼女のもとで教育を受けながら、妹の復讐を思案する。

 映画は過去3作品見てきましたが原作小説は未読。
ウリエル君のお陰もあって映像はなかなか綺麗で、
前半の戦争シーンの力のいれように「おっ」と期待大。
ムラサキさん登場して剣道シーンになってからは「ヤバイこの流れ」
多くの映画批評でも語りつくされてますが、シリーズものとしては
繋がりが若干おかしくてレクター博士の過去としては受け入れ難いが
復讐劇としての単品作品なら、充分楽しいかも。
…いや楽しいって表現はおかしいんだが、サクサク見れるのさ。

 
肉屋を切刻むシーンは華麗で何か妙に格好よかった。
でも妹があんな殺され方したら普通はベジタリアンになって、
で、復讐最終段階で自分もミーシャ食べてたことを自覚し、
憤怒で相手を食べちゃう…って流れにした方がよかったのでは?
ハンニバルが最初から異質な方が良かったとか、
最初は普通の少年だったことを強調する為に
初めての殺人には多少なりとも躊躇したり葛藤あった方が良かったか…
ま、ハンニバル・レクターをどう分析してるかで意見分かれますね。
裏がありそうな刑事が登場したけど事件とはほとんど関わらない(汗)
復讐相手に妹と同じくらいの娘が生まれてて溺愛されてる様は
酷く残酷に映ったなぁ…娘をチェリーで誘うハンニバルも怖い。

今までサスペンスだったけど、これは…なんかジャンル変わったな。
ウリエル君の物腰や歩き方、ホプキンスの演技を意識したせいか、
私はたまーにあのレクター博士を重ねました。
日本人女性は欲を言えば日本女優に演じて欲しかった。
小雪じゃダメだったかな…英語が堪能で色気のある女優いませんか?
日本刀は
弾も防げて、脇差は携帯できてとっても便利
ウケたら日本舞台の続編登場の噂もありますが、
もっと日本のことを調べて描写してほしいもんですな。
何だかんだ言ってもこういう系統の映画好きなんだよなぁ。65点。



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