管理人NEROが映画について語ります。

Caramel Cinema


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リック (1988/米) 100分


ブラッド・ピットが23歳の頃ですよ。若いです。
そして今より儚げで繊細な美青年な顔をしています。

製作当時に撮影地域のユーゴスラビアで内乱が起こりフィルムが紛失。
必至の捜索の末発見された幻の作品らしいです!


たまにテレビ特集で取り上げられる、太陽に当たることができない原因不明の
病気に侵された“ムーン・チルドレン”と呼ばれる子供たち。この映画の主人公
リックもそういう病気で素顔で太陽の下に出ることが出来ずにいた。
彼は黒いスーツ黒い覆面で肌を隠し街へ出る。
そこで一人の女性と出逢ったことから彼はあることを決心する…


アドリア海に面した島、カントリーな街角…風景がとにかく綺麗です。
映像は古いものですがそれがいい具合におぼろげで綺麗です。

考えさせられる究極の二択。もしも自分がこういう病気にかかっていたとしたら…
ただ健康であるだけでも凄い幸せ者なんだと思う。
彼を支え、病気を治そうと必死の父親にも心を打たれる。
かなり切なくなりました。神様は残酷です…
ラストシーンの輝きは私の心に深く焼きつきました。


リディック (2004/米) 118分







 「トリプルX」「ワイルド・スピード」のヴィン・ディーゼルが
2000年に主演したSFアクション・スリラー「ピッチブラック」の続編。
監督は引き続きデヴィッド・トゥーヒー。
名女優「恋におちたシェイクスピア」のジュディ・デンチも出演。

 前作から5年後、暗闇でもものを見ることができる能力を持ち、
恐るべきエイリアンの襲撃を生き延びたリディック。
彼は5つの惑星から指名手配され、その首には法外な懸賞金がかかっていた。
賞金稼ぎの手を逃れて、銀河系のはずれで逃亡の日々を送る彼は
やがてヘリオン第1惑星へとやって来た。
もともと平和だったこの星は、いまや血に飢えた凶悪な種族
ネクロモンガーのリーダー、ロード・マーシャルの手に落ちようとしていた。
へリオンに暮らすエレメンタル族の使者エアリオンは、
リディックが救世主と信じ助けを乞う。
その話を一笑に付すリディックだったが、ネクロモンガー艦隊の
総攻撃の混乱の中でついに一人の賞金稼ぎに捕まってしまう。
惑星クリマトリアの刑務所へと護送されたリディックはそこで、
かつて彼に憧れていた少女キーラと再会するのだった。

 続編だったのね…前作のこと何も知らずに観ました。
いやはや、宣伝ではスペース・ファンタジーを彷彿とさせるイメージだが
蓋を開けてみれば、これは宇宙を舞台にした肉体派アクション映画。
まるで大昔に今時の子たちが現れて騒いでいるかのような違和感

別に舞台が宇宙である必要が無いような気がする。
侵略してくるネクロモンガーは何か『スターゲイト』思い出した。
ネクロモンガーって響きが動物のモモンガを連想してしまって困った。

 ヴィン・ティーゼルの映画を観たのもこれが初。
ハッキリ言って魅力が判らないっす。リディックのキャラも惹かれるものなし。
悪っていうけど、ちょっと不良っぽい兄ちゃんじゃないですか。
途中から真剣に観るものじゃないなと気を抜いて見ました。
世界観自体がリディックありきで作った世界っぽくて
映像も少し安っぽい。中盤ダレるし。
こう思ってしまうのも、前作を見なかったせいだろうか?

 何でリディックはわざわざ捕まりに行ったのかよぉわからん。
(記憶を探りたい、とかいって悪女に着いてったシーン)
そんなにアクションしたいなら、それ程圧巻のシーンがあるのかと思ったけど
特出して凄いと思った場面も無かった。
あと映像の見せ方も下手だと感じた。何をやってるか判りづらい。
ラストの展開には「あぁ〜そうくる。最後まで軽いね」って思った。
単純に観た方が楽しめるジャンルなら、
下手に最初から変な設定持ち出さないで欲しい。
私には少々理解しがたい映画かもしれない。
勉強にはなったかな。こういうノリでは人の目を惹くのは難しい。


リトル・オデッサ (1994/米) 98分


 ロシア系移民街リトル・オデッサを舞台に繰り広げられる
裏社会の殺し屋と、彼の捨てた家族の物語。
いざこざを起こし、しばらく離れていた古巣に次の標的がいる為
帰ってきた殺し屋のジョシュア。こっそり最愛の弟と再会し、
母親が脳腫瘍で先が短く、父親は看病に疲れ愛人を作っていることを知る。

 監督・脚本ジェームズ・グレイ
主演にティム・ロス。弟役にエドワード・ファーロング。
母親役のヴァネッサ・レッドグレーヴはヴェネチア国際映画祭にて
助演女優賞を受賞。作品は銀獅子賞を受賞。

 普通のアメリカ映画とは一味違う映画でした。
単純に分けるならはギャング・マフィア系なんだろうけど、
抗争云々よりも家族を描いているような気がする。
聴き慣れぬロシア語も頻繁に出てくるから雰囲気も少し違う。
ティム・ロスが冷酷な殺し屋を演じている。
エドワード・ファーロングはあの「ターミネーター2」の子供。可愛いです。
ティムと彼が兄弟?!雪の中走る二人を観てると穏やかな気持ちになった。

 映画館に誘ったり、弟の心労を察してでしょうか。
思わぬ兄弟愛にやられてしまった。優しい母親にも。
冒頭で見せる非情な殺し屋の顔とはまた別になるんだよね。
母親との再会シーンが凄い印象深くて、切なくなった。
ああいう父親も多いんじゃないかと思う。
愛しているんだけど、何処かで間違ってる。
言葉だけで登場人物の過去が鮮明に想像できる。

 兄の命が危ないと知って、飛び出していく弟。
後で見つけた兄が取り乱さないで黙ってる所が妙にリアルに感じる。
「弟を頼んだわよ」ジョシュアが死体を運ぶ姿が凄く残酷で
何も言わないだけ、心情が汲み取れる。
あのシーンが彼が満ち足りた幸福を感じた時だったんだろうか。

弟が自転車を移動手段にして雪道を行くのが印象的。
観終わったあと、何とも言えない気持ちが襲ってきて
しばらく自分の心が沈黙してしまった。


リトル★ニッキー (2000/米) 93分






 アダム・サンドラー主演のおバカ・ムービー。
共演にハーヴェイ・カイテル、パトリシア・アークエット、
リス・エヴァンス、トム・“タイニー”・リスター・Jr、ダナ・カーヴィ、
クエンティン・タランティーノ、リース・ウィザースプーン、
ロブ・シュナイダー、カール・ウェザース、オジー・オズボーン。

 サタンが地獄を支配して1万年目。次の魔王候補は、サタンの息子の
狡猾で冷徹な長男のエイドリアンか、乱暴者の次男のカシアスか、
気弱で世間知らずで心優しい末っ子のニッキーか…
しかしサタンはまだ現役を引退する気はなかった。
業を煮やしたエイドリアンとカシアスは地獄を脱け出し、人間たちの世界へ。
地獄のバランスが崩れ、お父さんの命が危うくなり、ニッキーは
二人の兄を連れ戻す為、恐る恐る人間界へと降り立つが…

 本国ではラジー賞5部門ノミネートのさんざんな酷評。
でも、面白いらしい噂を聞いて鑑賞。何だ!面白いじゃん!!
アダム演じるニッキーは、兄貴に顔を殴られ、口元がひん曲がっていて
変な顔で変な声出してるんですが、別に本筋と関係ないし、
そのうち
誰か治してくれちゃうんだろと思ってたら最後までそのまんま
ヴァレリーとの恋愛も、ちょっと中途半端だけど、ニッキーは忙しい。
ロック大好きなアホ2人組や、アパートの同居人、サタンの知人のワン公と
力を合わせて二人の兄貴を小ビンに封じ込める為に奮闘。

 ハーヴェイ・カイテルを始め、いい大人がコスプレで
おバカなことしてる図が、何か微笑ましくてイイね。
アダムのお笑い界の仲間たちが色んなカメオ出演をしてます。
ダナ・カーヴィ、「ウェインズ・ワールド」以外で初めて観た。
地獄の門番の頭のアレとか、家族鑑賞には向かないな(汗)
この世界では天国と地獄は別に仲悪くはないんだな。
天使役のリース、ピンク貼りの部屋が似合い過ぎ。
こういう漫画っぽい雰囲気、好きだなぁ。
悪魔パワー対決とか、天使パワーとか。んで、オチとか。
後日談も無駄にどうでもいい所まで紹介してて笑えた。

 タラちゃんゲスト出演が目当てで借りたんだけど、
アダムもハーヴェイさんも好きなんで、メチャクチャ楽しめた。
ロックバカのグラサンの方、パッと観ブラピっぽかったな。
本当にブラピが出演してたら最高なのにw(トゥルー・ロマンスの時みたいに)
私は洋楽ロックとか詳しくないんで分からなかったけど、
オジーってそんなに大物だったんだね。オースティン・パワーズとか、
オズボーン家てドラマとか、割と出演にフランクな方かと思ってた。
こういう内容だとドラマ系でニッキーの冒険を見てたくなったね。
DVDの特典であった短編アニメは正直、楽しみ方が分からなかったけど。
メイキングシーンとかもスタッフ・キャストが和気藹々やってて好感触。
ツメは甘いがほどよく笑える、愛らしい作品ですねコレは。


リトル・ミス・サンシャイン (2006/米) 100分


 “負け組”家族の再生の道のりを綴るハートフル・ロード・ムービー。
サンダンス映画祭で評判を呼び、インディ作品としては異例の
全米スマッシュ・ヒットを記録、大きな話題を集めた。
監督は夫婦でもあるジョナサン・デイトン&ヴァレリー・ファリス。
主演は「恋愛小説家」のグレッグ・ギニア(父リチャード)、
「イン・ハー・シューズ」のトニ・コレット(母シェリル)、
「アメリカ上陸作戦」のアラン・アーキン(祖父グランパ)
「40歳の童貞男」のスティーヴ・カレル(伯父フランク)
「卒業の朝」「テイキング・ライブス」のポール・ダノ(兄ドウェーン)
「サイン」「プリティ・ヘレン」のアビゲイル・ブレスリン(妹オリーヴ)

 アリゾナ州に住むフーヴァー家は、家族それぞれに問題を抱えていた。
リチャードは独自の成功論を振りかざして“負け組”を否定し、
長男ドウェーンは将来パイロットになる為、願掛けに沈黙を続ける。
9歳の妹オリーヴはとうてい無謀なミスコン優勝を夢見て、
ヘロイン常習のグランパはマイペースに言いたい放題。
そこへゲイで自殺未遂の伯父フランクが同居することになり、
ママ、シェリルの心労も積もるばかり。家族はバラバラ。
そんな時、オリーヴに念願の美少女コンテスト出場のチャンスが訪れ、
オンボロのミニバスに家族で乗り込み、カリフォルニア目指して出発するが…

 友達から薦められて鑑賞。ロードムービー好きにはたまりません。
息子役の子、顔が特徴あるよね。どっかで観たな、って気になった。
オリーヴのお腹がプックリしてて可愛いのな。
ミスコンとかとは場違いな可愛さだ。うんうん。
ミニバスであんな風に旅してみたいと思っちゃう。ほんわか。
皆で力を合わせてバスを動かし乗り込むという共同作業、
旅先のモーテルでのグランパとオリーヴの会話、
ショックを受けて落ち込むドェーンを励ますオリーヴ、
オリーヴのミスコンの為に祖父の遺体を持ち出しちゃう親父、
ミスコンの受付に走る伯父、その後ドェーンと話し込む伯父、
そしてミスコンでのとんだサプライズ。
好きなシーンいっぱいありました。

 
親父の力説は失笑を買い、本の出版はオジャンになるし、
ドウェーンは色盲でパイロットになれないことが判明し、
グランパもヘロインの吸い過ぎという情けない理由で亡くなり、
オリーヴもミスコン落ちて、明らかに旅行前と後では
状況は悪くなっているのだが、家族の心が通じ合って
これから先が明るそうで微笑ましい終わり方でしたね。
勝ち組と負け組、字幕では勝ち馬と負け犬と表記されてましたが、
結局負け組のままでも人生楽しんだ者勝ち!って〆でしょうかね。

考え方ひとつ変えたら状況は驚く程違って見えたりするし。
ストーリーの流れが脱力系というか、ゆったりタラタラしているので
このタルさが気に入れば大好きになれる作品だと思います。
土日の昼間に鑑賞するのが合うかも。DVD欲しい。86点。


Re:プレイ (2003/米・英) 92分


 「アイデンティティー」の脚本家マイケル・クーニーの舞台劇を映画化。
監督は「トンネル」のローランド・ズゾ・リヒター。
主演は「クルーエル・インテンションズ」のライアン・フィリップ。
共演にサラ・ポーリー(「死ぬまでにしたい10のこと」や「ドーン・オブ・ザ・デッド」)
スティーヴン・レイ(「インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア」)
パイパー・ぺラーボ(「コヨーテ・アグリー」)など。

 ある日、緊急で病院に運ばれた男サイモン・ケーブル。
彼は2分間の心拍停止に陥るも、奇跡的に命を取り留めた。
ところが目覚めたとき、彼は過去2年間の記憶を失っていた。
そんな彼のもとに金髪の女や妻だと名乗る黒髪の女アンナがやって来る。
「ゲームから降りる気?」だが、彼は何も思い出せず混乱する。
そして、兄のピーターが既に死んでいることを聞いて、愕然とする…。
彼のバラバラになった記憶のピースは徐々に明らかになっていく。

 題名その通り、過去と現在を何度も繰り返して
真実を明らかにしていく形の映画…なんですが。
登場人物が少なく、ほとんど病院と主人公の屋敷だけが舞台で
主人公が登場していないシーンはほぼ存在しないという狭い世界観。
普通に1回通して見ただけでは、なかなか理解し難い映画だな、って印象です。
とりあえず、ラストで全て明らかになっているようで、どうもスッキリしない。
いくつかの別の解釈が出てくる映画なのかもしれないけれど、とりあえず
 
2000年のあの事故で、主人公と兄貴と、クレアは死んでいた。
その後悔と自責の念から、現実では死んでいるけど何度も過去をやり直してる。
父親と医師が同じ顔だったこと、アンナは病院で見ただけで深い関わりはなかった
ことから、身近に感じた人間を登場人物にして世界を構築していた?

主人公が冒頭から記憶喪失で、見ているこっちも全く新しい情報を見ていく。
「なんだなんだ?」ってドキドキはしたものの、明らかになる真実が
思っていたよりも衝撃的じゃないし、ラストもタイトル通り…スッキリしない。
どちらにせよ、あまり見る側にとっては親切じゃない作りだなと思った。
なんだか、「メメント」の方が複雑かつ簡潔で面白い描き方をしてたな。
ライアン・フィリップは最初「54」の人だとは気づかなかったよ。
他にも仕事に恵まれればいいね…


リベリオン (2002/米) 106分


 従来のガン・プレイに東洋武術の“型”を取り入れ、
より合理的な戦闘スタイルとしてカート・ウィマー監督自ら考案した
ガン=カタ(GUN-KATA)をフィーチャーしたSF近未来アクション。
ミラ・ジョヴォヴィッチ主演の『ウルトラ・ヴァイオレット』の監督・脚本も同じ人。
主演は「アメリカン・サイコ」のクリスチャン・ベイル(プレストン役)。
エミリー・ワトソン(反逆者の女役)、ショーン・ビーン(古相棒役)、
ティ・ディグス(新相棒役)、アンガス・マクファーテン(上司役)。

 第3次世界大戦後、生き残った人間達は戦争勃発の原因となる
人間の感情を抑止させることにし、感情を呼び起こすあらゆる美術品、音楽、
様々な娯楽や芸術を楽しむことを禁止し、発見した場合は処分。
日々の暮らしには感情を麻痺する薬プロジウムを開発し、怒りも悲しみも消す。
これを国民に毎日投薬することを義務づけ、徹底した管理国家体制を敷いた。
反乱者は、クラリック(聖職者)の称号を持つ警察に厳しく処罰される。
上級クラリックであり、銃を用いた武道ガン=カタの達人でもあるプレストンは、
冷徹に任務を遂行する非情の処刑人だったが…

 テレビ放送で拝見。ジャケットがいかにもマトリックス風だったから、
てっきりコピーされたC級アクションだと思ってNOマークだった作品。
…やられた…メチャんこ面白かった。これがガンカタかぁ!
何か突っ込み所もある、一歩間違えれば凄く恥ずかしい格好つけようだが
このアクションには目を奪われた。キアヌのへっぽこ拳法よりもずっと格好良い。
『マトリックス』のやたらとスローモーションになるアクションが受け付けなかった人
こちらのアクションだったら楽しめるかもしれない!ボルテージ上がったよ。
ストーリーの舞台となった近未来の設定はどこか使い古しなアイディアだけど、
これはこれで、主人公の立場になって色々とハラハラさせてもらったし、
クリスチャン・ベールの
アイフルシーン、新相方の二度見シーン(ハメられた時)、
などなど、何か笑う所じゃないんだけど、笑いがこぼれる茶目っ気もある。
『アメリカンサイコ』でも惚れたけど、こっちでも惚れた。
普段無表情なくせに、あからさまに感情隠せないシーンあってオイオイってw

 展開も普通にストーリーだけで結末もアッサリ予想できるのだけれど、
人間を大量虐殺した後に、仔犬をどうしても手放せなかったりと
助けられた?かもしれない女性を見殺しにしてしまったり、
無感情派に見えた息子たちが実は…で何か感心してしまったり、
新相方を騙したり、騙されたり
と作る側の意図に見事にはまりましたよ。
しかし、
上司も新相方も結構普段から感情的じゃないかと思うよな。
ラスト近く、真っ白な衣装に血を付けて現れたプレストンの顔に、
『アメリカンサイコ』のイメージがパッと浮かんだ。何か戦慄もんだった

DVDの特典にはガンカタの魅力満載な映像が沢山収録されてるそうな。
ガンカタを見せたいが為に作った映画らしいけど、ストーリーも好みだし、
銃を装填するやり方や周りの敵から銃を奪って上手いこと利用したり、
何故か銃のシリ使ってタコ殴りしたり(あれ、なかなか敵倒れなかったやん)
銃弾が当たらない
主人公の特権を活かして最高なアクションショーを魅せる。
思わぬ拾い物でした。こういう映画大好きです。たまりません。
頭をカラッポにして観た方が楽しめるかもしれない。


リボルバー 青い春 (2003/日) 93分


 映画化された『ピンポン』の作者としても有名な松本大洋原作の
短編集「青い春」収録の「リボルバー」を映画化。監督は渡辺武。
主演に玉木宏、守山未
來、佐藤隆太の三人。
退屈に学校生活を送っていた三人が、ふとしたことから一丁の拳銃を入手。
リボルバーに弾は3発。三人は、これを使って何をするのか…

 映画「青い春」が大好きなので、こっちも観てみたんだけど
全然雰囲気や世界観は別物ですね。軽いスペシャルドラマ見た気分。
女とセックスしたくてたまんないオサム(玉木宏)
サッカー部だがイマイチ手ごたえを感じないタツトシ(守山未來)
ひとり生物部の変人コージ(佐藤隆太)
拳銃を持て余していた三人はガンマニアの三田相手に金儲けしようと
拳銃の弾を買いに新宿へ。そこで三人がそれぞれ体験することとは…。

 とりあえず、主演の三人ともあまり好きな役者じゃないんだよね。
守山はセカチューの役で有名になったけど、演技下手だよね。玉木も。
映像の撮り方も、何だか凄く安っぽいなぁ…うーむ。
もっと工夫して改造してくれれば、面白い作品になったと思う。
原作の漫画の三人のキャラ(というか格好が凄い)が、こうなるとは。
物語的には凄く判り易くて先が気になる流れだと思うんだけど
映画で観るとまた、違った印象を受けたね。
あぁ〜ダメだ。これの唯一のインパクトは
大杉漣演じるサラリーマンとタツトシの妙な交流。
漫画にも無いエピソードで、終わり方も無情感溢れてたね。


猟奇的な彼女 (2001/韓) 122分


 韓国で大ヒットした話題のキュートなラブロマンス映画。
インターネットの掲示板に投稿された奇妙な体験談が反響を呼び、
それを元に単行本化されたベストセラーが原作。
まさに日本では「電車男」みたいなポジションのものでしょうか。
相手役女優にチョン・ビジョン、主人公はチャ・テヒョン

 地下鉄で出会った泥酔した美女を介抱する羽目になった主人公。
ホテルに連れ込んだのがもとで誤解を受け、留置所で一晩過ごすことに。
翌日記憶の無い彼女は彼の家へやってきて…
これがキッカケでだらしない男と気の強い女のハチャメチャお付き合いが始まる。

 題名からして、笑えてウットリする恋愛映画だと思ってた。
コメディ要素満載で最後にはボロボロ泣けるって評判だったし
いや、実際に観てそうとらえた人もいると思う。
だけど、私には全然ヒットしなかった…むしろ恥ずかしいとさえ感じた。
出会いのシーンがゲロ描写で台無しだと思うし
自分が男でもあんな子、いくら可愛くても限度があるわ。
何が恥ずかしいって演出がベタ!ありがち、しかもダサい印象を受けた。

 いつまで続くんだ、と映画鑑賞にあるまじき事を思った。
題名が思い切っているんだし
もうちょっと大胆な内容にしてほしかったな。
ありがちな恋愛ストーリーをくっつけたような感じで。もっと極端でもいいかと。

 日本人でやったら絶対うけなさそう。
彼女の恋愛事情やら。昼ドラみたいな内容だな考えれば。
きっとこれはお堅い韓国だからこその人気かもしれんな〜。
遊園地でのシーンやら、お見合いのシーン、
薔薇の花のシーン、すれ違いのシーン…
別にジーンとこなかったんだけど…
多分、感動できるシーンだったはずなんだが…??

 彼女の映画脚本も中途半端に本気な感じが冷めざめ…
あれ、韓国版マトリックスですか?笑うとこ?

 それに主人公の男にも感情移入できんし…
なんか、借りてガッカリかな。
どうも、もっと凄い感動を求めていたようだ。
家族で観ても大笑いできるようなハチャメチャを期待してただけに…(;´Д`)
やたらと要らないようなシーンが多かったし…
時間を忘れて見入る魅力が足りない。
韓国映画はあまり観ないんだけど、やっぱ自分には合ってないな。



リング (1998/日) 95分


 鈴木光司の人気ホラー小説を映画化。監督は中田秀夫。
大ヒットし、アメリカでもリメイクされた邦画ホラーを代表する一作。
 テレビレポーターの浅川玲子は、女子高生のインタビューで
見たら一週間後に死ぬという謎のビデオテープの話を聞いた。
最初は信じられない玲子だったが、姪の死をきっかけに調べ始める。
主人公の浅川を女性とし松嶋菜々子を配役。
共に調査する高山竜司は浅川の前夫で真田広之が演じた。
中谷美紀、松重豊や、今はすっかり有名になった竹内結子も出演。

 話題になった貞子がテレビから出てくる場面はよくパロられてて
実際に見ても大して怖くないだろうと、テレビ放映時に見てみた。
じとじとしてて不吉な雰囲気タップリなこの映画。
身近にあるテレビとビデオテープを使用するとは、とんでもなく恐ろしい。
観た後にかかってくる電話の音に主人公と一緒にビクついてしまった。
見たら一週間後に死ぬという法則は逃れられない運命として付きまとう。
画面に日付が表示されるたびに、ゾクッとした。

 ビデオに映っているものを頼りに、調べを進める二人。
様々なことがどんどん明らかになり、容赦なく期限も迫る。
最終的に二人はどうすれば助かるか見出し、試みる。
井戸って考えたら怖いよね。今は使われずにほったらかしの井戸も
日本にはいっぱいあるだろうし、深くて暗くてジメジメしてて…
私もそうだろう、そうだろうと納得し、ハラハラしながら見守り、
例の場面で高山と一緒に顔面蒼白。絶望のどん底に落とされた。
判っちゃいるのに、何故こんなにも怖いんだろう…

 ホラーはとびきり苦手な私にとって、この映画は怖かったです。
貞子の過去と、その怨念に少なからず共感もしてしまうし
理不尽だけれどとても悲しい背景のあるホラーで
ただ怖がらせるのが目的で作られた映画とは一風変わって見える。
それに普通のホラーと違って、前半は直接的な怖い描写が
ある程度抑えられてたから、そのメリハリが凄いのかもしれない。

 子供を守りたいが為の母親の愛情…
呪いを逃れる方法を知った時の描写がよく出来てると思う。
「私がして、貴方がしなかったこと…」と浅川が自問自答するシーン
要は不幸の手紙と似てるけど
、やはり人間はそうするでしょうね。
ラストの雲行きが怪しい一本道の道路を車が走っていく場面。
女子高生たちの噂話。このラスト、ダークだけど気に入ってる。


リング0 バースデイ (2000/日) 99分





 鈴木光司の大ベストセラーを映画化した、人気ホラーシリーズの完結編。
第1作『リング』から時代を遡り、呪いのビデオを生み出した貞子の秘密を描く。
前作までの恐ろしい貞子ではなく、18歳の貞子を仲間由紀恵が好演。
共演に田辺誠一、田中好子、麻生久美子、若松武史、奥貫薫、田中要次。
監督は『ほんとにあった怖い話』の鶴田法男。主題歌はL'Arc〜en〜Ciel。
前作から30年前。劇団・飛翔に、妖艶な美しさを持つ山村貞子が入団してくる。
看板女優の葉月愛子は、貞子を不気味がって彼女を敵対視していた。
そんな中、劇団内にも次々と恐ろしい出来事が起こりはじめる…。

 この頃から仲間由紀恵が有名になり始めたんですよね。懐かしい。
この時は声のトーンが妙に違って、裏声で喋ってるみたいに控えめだった。
もうすっかり『トリック』イメージな今とは凄いギャップ。面白い。
当時、ビデオになった時期に友達と家で鑑賞して、衝撃的でした。
劇場版リングシリーズの中では、ハリウッドリメイクを含めてもこれが一番好き。
今回、貞子は可哀想な役まわりで、人間の恐ろしさにゾッとする。
『家なき子』では幸薄なお母さんを演じていた田中好子が…
劇団内で不気味な気配を演出したりする所も怖かったですしね。
控えめな女性は誰かと思えば、麻生久美子…地味だ…でもリアルいそうなタイプ。

 
貞子が二人でてきて、ちょっと混乱する。善と悪?人間ではないもの?
あと、団長の重森さんと貞子って…あの日、〇〇〇したってことですかね。
あの小さい貞子は、大きい貞子を出世させようとあんなことを?
とりあえず、遠山さんとのロマンスに切なく胸ときめいたわ。田辺誠一イイ男。
しかし、『トリック』イメージから、たまに「遠山さん」が「上田さん」に脳内変換。
劇団員のおばさんやらおじさんの迫る顔がホラー。人間的ホラー。
貞子が撲殺された時はホントにショックだったし、生き返った時は嬉しかった。
しかし、悪貞子に乗っ取られて…遠山さんが
「貞子、愛してる!」って言って死ぬのが凄い切なかった。
その後の小屋での変な動きする貞子は置いておいて…切なさでいっぱい。
遠山さんも死んで、一人残った肉親にまで殺されそうになって、
超人的な能力のせいで井戸の中で生き地獄…そりゃ無差別に呪いたくもなる。
ホラーでも、幽霊にそれ相応の理由があったら、可哀想で怖くなくなる。
これを観終わってからは、リングの貞子は恐怖の存在ではなくなりました。
もう、これからはテレビ画面から出てきても、殺されても抱きしめてあげたい。
仲間由紀恵の姿なら、殺される前に「ささ、どうぞ」とお茶を勧めてあげたい。
そんなことをふと考えてしまったり。あは…おかしいな自分。
全てが悪夢であってくれ…あの夢うつつ、遠山さんが出てきて、
目覚めたら井戸の中…絶叫して終わるラストが凄く強烈でした。

エンドロールのラルクの「finale」がこれまたマッチしてて、最高。
普通のホラー映画が苦手な人でも、この映画は大丈夫じゃないかな。
当時、仲間由紀恵扮する貞子の写真集が発売してたのが印象的。
これと同じ年に、初代『トリック』や『溺れる魚』とかも撮ってたんだなぁ。


隣人13号 (2004/日) 115分




 井上三太の同名人気コミックを実写映画化したサイコ・スリラー。
かつてのいじめっ子に復讐を図る二重人格の男を斬新なタッチで描く。
監督はこれまで音楽PVを手掛け、本作が劇場映画初メガホンとなる井上靖雄。
主演は中村獅童と小栗旬。共演に新井浩文、吉村由美(パフィー)、
ちょいと出で監督の三池崇史、劇団ひとり、村田充が出演。

 村崎十三は小学生の頃、赤井トールから凄まじいイジメを受け、
その復讐を果たすために赤井と同じ職場に就き、同じアパートに越してきた。
赤井は村崎のことを覚えておらず、新しい職場でもイジメを受ける村崎。
しかし、十三の体内には全く別の人格で凶暴な“13号”が潜在していた。
13号は、赤井を殺すことで復讐を達成しようと徐々に凶暴性を増していく。

 ハリウッド・リメイクが決定している作品らしいですね。
設定自体は何てことない、イジメを受けたことある人なら想像したことある内容。
でも描き方がなかなか斬新で、物語に引き込ませていくのがうまいかも。
といっても、基本はスプラッター思考なので苦手な人はオススメ出来ない。
邦画の気持ち悪さ表現というか、『殺し屋1』みたいなイメージです。
小栗旬の裸が見れます(笑)彼はホント暗い役が似合いだわ。
中村獅童の変な顔が設定に生きて、禍々しさを演出してる。
変な行動に終始、「オイオイ何やってんの?」って聞きたくなってしまった。
新井と吉村がヤンキー夫婦を演じているわけですが、これが怖いくらいハマってて
ホントにこの人たち、ヤンキーだったのかなとか、こういう人たちいそうだな、って。
ムカムカするよ。ああいうのが「お前等守る為だったら…とか粋がってるの見ると。

 ラストは
すんなり、殺して終わるんだろうなと思ったら意外、
赤井があやまったら事態は急変。村崎は結局は非情になりきれなかった。
危うい内容だしね…これを見たイジメられっ子が「殺せばいいんだ」と
安易な考えにたどり着いたらいけないし、自分の大事な人生を犠牲にしてまで
復讐に費やすことは何とも儚く哀しい。勿体無い。下らない連中の為にさ。
確かに小学生・中学生あたりのイジメって凄く陰湿で残酷だったりする。
後先考えなかったり、勢いに身を任せたりするから。
自分もイジメられたことあるから、イジメっこを殺す妄想を抱いたことは正直ある。
そして、イジメた側はいじめたことすら忘れているのもよくあること。
私のイジメは長期的なものじゃなかったから良かったけど、
長期に渡っていたらもっと暗い性格になってただろうな…って思う。
子供を殺すのは行き過ぎだと思うけど、その気持ちは判っちゃうんだよね。
だから観る人によっては、「やっちゃえ13号ー!」っと爽快な気分になるかも。
映画では現実だと思って見せられていたものが、恐らく主人公の想像で、
実際には、あの未来は存在しなくなった。
ピースする13号は、あの結末に満足しているということなんだろか。

想像していたのとはちょっと違うけど、なかなか面白い作品でしたね。



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